米国知財日記

日米の知財法、米国での暮らし・職探しなどについて書きます。

米国最高裁判所がWesternGeco LLC (Schlumberger) v. ION Geophysical Corp.事件を審理することになりました。争点は、35 U.S.C. § 271(f)における侵害(部品の輸出による侵害)によって海外で発生した損害の賠償請求ができるか否かです。Federal Circuitは請求できないと判断しました。

昨年9月からロースクールに行き始めたので忙しくなり(その前から既に書きこんでいませんでしたが)、最近はすっかりブログから離れていました。

昨日TC Heartland事件の最高裁の口頭弁論がありました。裁判地選択が争点になっている事件です。現在の法律解釈では、特許権者が自由に裁判地を選べる状況になっており、それが、特許権者勝訴率の高いテキサス州東部地区連邦地方裁判所に特許侵害訴訟(特にパテントトロールによる訴訟)が集中している一因です。本件の判決によって、より裁判地選択の要件が厳しくなれば、上記のような現状が変わるかもしれません。 

Ariosa v. Sequenomの最高裁への上告が申請されました。争点は、

Whether a novel method is patent-eligible where: (1) a researcher is the first to discover a natural phenomenon; (2) that unique knowledge motivates him to apply a new combination of known techniques to that discovery; and (3) he thereby achieves a previously impossible result without preempting other uses of the discovery?

です。

Mayo事件の最高裁判決によって、自然法則関連発明、特に診断方法の特許適格性が非常に認められにくくなりました。本件発明は、妊娠女性の血液試料由来の胎児DNAを用いた非侵襲性胎児診断方法です。連邦地裁及び高裁は、Mayo判決のルールのもとでは本件発明は特許適格性がないと判断しました。この判断について、本件発明は従来の侵襲性の方法からの大きな技術革新であるとして、特許適格性が認められるべきであるという声が多くあります。

本事件の上告が受理されて、上記要件(1)、(2)、及び(3)を満たせば特許適格性が認められると最高裁が判断すれば、相当数の診断方法のケースで特許適格性を有すると判断され得るものと思われます。 

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