
ニセコといえば、1922年年に自分の広大な農地、有島農場を解放した、作家の有島武郎。

いろいろな悩みが生まれ出れて、最後は婦人公論の女性記者と不倫し軽井沢で情死してしまった人なのですが、ニセコ町が広大な敷地に、やたら立派な記念館を作っています。

ところがこの記念館、文学関係の貴重な記録は、元の農場の建物の失火で失われてしまっており、農場関係の資料と、本関係、映像展示、あと小説にちなんで最近作られた彫刻展示が主なものとなっています。


羊蹄山が一望できる展望台までついているのですが、窓に金網が入っていてよく展望できません。

で、それよりわたしが見たかったのは、農場解放の記念碑です。
記念館から徒歩5分ほどの距離の、有島が農民を集めて解放宣言をした神社の、すぐ脇に立てられています。
「農場をみんなで共有する」というクロポトキン仕込みの有島の理想は(有島はロンドンでクロポトキンに会っている)、戦後の農地解放までは命脈を保ったんだそうですよ。
ところがこの解放記念碑に行くまでの石段やら、石段の周りは草ぼうぼうで、とてもじゃないけど人が来ているようには見えないところでした。ほぼ、打ち捨てられた感じになっています。

記念館より、こっちのほうがよほど重要な歴史的遺物だと思うのですが、「アカの本場の北海道のアカ連中はいったい何をしているのか、お前らのアカさ加減はその程度か!」と言ってやりたいですな。