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『破獄』の舞台が見たいので、旧網走刑務所に行きたいのですが、ガイドブックがどっかに行っちゃったんですよ。もう一冊買ったら「札幌」中心のガイドブックで、道東の記載はゼロ。
しかたなく網走駅で、カーナビに「網走刑務所」と入れると、着いたところには「立ち入り禁止」の看板が。これはいまの網走刑務所で、古いほうのやつは「博物館 網走監獄」なんだそうです。
網走市街地から現刑務所を越して左折した小高い丘の上に旧刑務所が博物館に変身して立っています。
山県有朋など、明治新政府の何人かが、極寒の北海道に囚人を送り込んで見せしめ効果を与えるとともに、開拓にも従事させれば一石二鳥と主張し、この地に1200人の囚人と、200人弱の看守を送り込みました。ここでは脱走しても死ぬだけですから。
囚人たちは、移動獄舎を使って移動しながら、北海道に道を敷きまくったらしい。この移動獄舎がその後の飯場のタコ部屋の原型なのだそうです。
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刑務所ではアメリカの最新農法で農業を行い、当時最高の収穫性を誇った先端的な農業が行われていたのだとか。
戦時中には国内で飛行場を作ったり、赤誠隊という志願を募ってテニヤンの空港を作りに行ったりしたそうです。囚人の多くは帰りにアメリカの潜水艦に撃沈されて落命し、奪取された飛行場からはB29が飛び立って、日本中の市街地や軍事施設を爆撃することになるのですが。
『破獄』の主人公西川寅吉はやはりスターで、なんと正門前に箒を持って掃除している像が立っています(模範囚だったので正門前の清掃を任かされていた)。
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この小説については粕谷先生が「抜群におもしろい」とおっしゃってたなあ。本邦の脱獄モノという分野では出色でしょう。緒形拳と津川雅彦が主演したNHKのドラマも何度見ても感心します。
監獄自体も、明治村に金沢から移設してきた獄舎と比べると、たいそう大きく立派です。やっぱり本物は違うな。やっぱり入るんだったら本場の監獄だな!
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