「こりゃあ今回は摩周湖は見えないな、見えたらよほど運がいいと聞いてるし、カプリの青の洞窟みたいなもんで、めったに見られるモノではないのだろう」と思いつつ、摩周湖周回道路をやや下ってくると、だんだん霧が薄くなって視界が利くようになりました。
しばらく行くと、左手に大きな駐車場が見えてきます。これが第一展望台。「これは見られるかもしれないな」と思い、駐車場に乗り入れます。さっきの硫黄山の駐車券を見せれば料金は要りません。
車を降りて展望台に行くと、摩周湖はあっさり見えました。周囲20キロのカルデラ湖で、人の手が入っていない原生林に覆われた急な断崖が湖面に落ち込んでいます。水位は海抜351メートル。
正面の摩周岳(857m)は、上がガスっていて見えません。同様にさっきいた第三展望台の辺りも雲の上です。




摩周湖は、1万年前までは巨大な火山でした。それが3500年前くらいに大爆発を起こして吹っ飛び、カルデラのみが残り、そこに水がたまってできた湖で、カムイシュ島という中之島がありますが、これは1000年くらい前に噴火した火山の名残です。
どこからも流入がなく、どこにも流出していないのですが、世界有数の透明度を誇っているというのも不思議なことです。
展望台の西の端あたりに、人に馴れた野生のリスがいて、観光客が近づくとそばに寄ってきます。


わたしにとっては、摩周湖は大学時代に見た「君の名は」第2部のイメージが強いです。石原裕次郎夫人の北原三枝が、ヒロインのアイヌの娘を演じました。差別的表現が多すぎて、今ではとても放送できないでしょう。イヨマンテの夜なんです。
