日本産科婦人科学会は10日、東京都内で倫理委員会を開き、受精卵の染色体の異常を広く調べ、正常なものだけを子宮に戻す「着床前スクリーニング」の臨床研究の最終案を承認した。今月末にも開く理事会で正式決定する見通しだ。
計画案では着床前スクリーニングを受ける人を300人集め、受けない場合に比べて流産を減らしたり、妊娠や出産の可能性を高めたりできるかを検証する。
着床前スクリーニングを受ける人は体外受精でできた受精卵の染色体の数の異常を調べて、異常がないものだけを子宮に戻す。ダウン症や、低身長や不妊などを特徴とするターナー症候群など、障害はあるものの、生まれる可能性がある受精卵も選別の対象になる。
着床前スクリーニングは「命の選別」につながるとの批判もあり、学会は会告で禁じているが、今回は臨床研究として特別に認めた。倫理的な課題は医学的に有効性が認められた時点で改めて議論するとしている。
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