医療費助成の対象となる指定難病の検討を行う厚生労働省の専門家委員会は19日、新たに196疾患を了承した。正式決定を経て、7月から助成を開始する。今年1月の難病医療法施行に伴い、先行実施している110疾患と合わせ、306疾患が出そろった。

 新制度では、助成対象が従来の約78万人から約150万人に拡大する。ただし、世帯収入などに応じて原則、月2500円~3万円を限度とする自己負担がある。軽症患者は対象外となる。

 今回、新たに対象に選ばれた「軟骨無形成症」の川島啓子さん(53)と前田良恵さん(42)は「今は働いているが、いつ重い症状が出るか分からない。経済的な不安が尽きなかったが、安心できた」と話す。

 国内の患者数は推計6000人。軟骨細胞の異常で骨が伸びず、身長は1メートル20~1メートル30程度にとどまる。歩行が困難になる脊柱管狭窄きょうさく症や睡眠時無呼吸症など、様々な症状が表れる。川島さんも昨年、脊髄を圧迫する首の骨の一部を取り除く手術を受けたばかりだ。「自分たちの病気のことを多くの人に知ってほしい。今回の指定がそのきっかけになれば」と話す。

 厚労省は、今回選ばれなかった疾患について今秋以降、情報収集を再開し、来年度中に同委員会で指定難病への追加を検討する。