株式会社信陽堂のブログ。
2014年9月1日の初投稿から現在に至るまでのアクセスが50000を超えました!
皆さま、ほんとうにありがとうございます。そんな皆さまにお礼としましてちょっとオモシロイものをお見せしたくて今回はこの記事にしました。

画像
「シール印刷のあゆみ77年」より
IMG_1940

株式会社信陽堂

大正2年創業。当時は神田に拠を構え、社名については「津山印刷所」「津山印刷」「津山美術印刷」「津山美術印刷株式会社」と時代などの変化でイロイロな表記がありました。シール印刷のあゆみ77年に「忘れ得ぬ先覚者の方々」のひとりとして津山勇氏の写真と名前が掲載されています。

創業当時の価格(シール1万枚製造の場合)
● 彫刻版代…………………20円
● シール代(糊付)………4円50銭
● 石版印刷のレッテル……6〜7円
● 公務員の初任給…………70円(大正7年)

● 米10キロ…………………1円78銭
● タクシー(1.6キロ)………60銭
● マッチ(10個)…………3銭

大正12年にはドイツ・ケーゼ社のシール印刷機を導入。その後売薬印紙税が廃止されて一躍シールが脚光を浴びるようになると、富山・大阪の売薬メーカーの仕事を精力的に行なっていたそうです。さらに超有名デパートとの取引もあり「美術印刷」の技量を大いに発揮していたのでしょう。

昭和4年の上野公園の不忍池畔で開催された御大典記念博覧会では、なんと印刷機を出品して「印刷の実演」を行なったそうです。凄い! 白紙を通すだけで綺麗なシールとなって出てくるオートメーションシステム。。美しいデザインが次から次へと刷り上がり。。。訪れた人々は度肝を抜かれたようで会期中は黒山の人だかりが絶えることがなかったとのこと。。

先人様よ。。アピールが凄い。。


レッテル入手のきっかけ
弊社内にも古いシールやレッテルの「現物」は残っていて、新入社員だった加藤もその良さに惹かれて何気なく検索していたところ・・・なんと!某有名オークションサイトに下記の製品群の画像が。。。
オークション
ん?
IMG_1940
ん?
IMG_1458
うわーーーー! ホンモノだーーーー!!!
本の中でしか見たことのなかったレッテルの「現物」が、こんなにもかわいらしい「マゼンタ」だったとは!!!


レッテルの仕様がふんだんに施された逸品
IMG_1955
● 浮き上げ(エンボス)
● 印刷
● 型抜き
レンガ
ビルの社名
特に建物の「レンガ」や「窓」の質感の凄さよ! 超細密な凹凸が紙にしっかりと象られています。逆に津山印刷の文字は印刷の強い圧で凹み、高低差ができて超印象的。。

「手彫りだったという当時の彫刻版。おそるべし!」

社名1
津の文字。こんなテクスチャまで彫り込んであるのです。
社名2
それ以降の文字は細い線や点で構成され、正直ベタ部分をきれいに印刷することと両立させなくてはと思うと。。もう。。正気の沙汰ではありません。
文字組1
文字組2
文字組みもきれいでキュート。「手で書く」場合でも集中力がいるであろうに。。「彫ってある」と思うとこれまた気が遠くなります。
IMG_1956
紙の断面にも「インキ」が付いています。。
当時は印刷版で抜きも兼ねていたようで、ぐるり外側の「抜き刃」の部分にも必然的にインキがつき、そのまま押し切るといった感じだったのでしょう。。
ウラエンボス
IMG_1462
裏画像も圧がすごいことになっています。
IMG_1946
? 手前にあるものは・・・

IMG_1459
どーーーん!
IMG_1460
なんと専用の袋に入っていたのです!
のりしろが少し伸びて歪んでいて愛しい。。のりで伸びた紙を手前から奥に向かって指でスーーッとこすりつけたからかも。。そう。。この歪みはきっと「手貼り」なのではと。。想像するとますます愛しいです。
ここにあるキャッチコピーも明るく強く頼もしい雰囲気を醸し出していて、中身のレッテルを見たらきっと問い合わせたくなる気持ち満々になりますね。
タイムスリップして当時の津山印刷をのぞいて見たい。。夢でもいいから!









参考資料「シール印刷のあゆみ77年」
編纂・発行 全日本シール印刷協同組合連合会
IMG_1941