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第4編 長くて短い決勝日 『バサースト12時間耐久レースに挑戦!』 : #bathurst12hours


決勝日の朝、というかまだ夜です。朝4時起き。まだ若干肌寒い時間。

そう、朝5時半にはコースイン。5時45分にレーススタート。


 
2017-02-05-04-56-33 ピットでコースインの時間まで待機。

第一ドライバーは Aidan Read(エイデンかと思ったら本人曰くアイデンとの事) 

2スティント(2時間以上)を最初に走る予定との事。

その後に、shinyo、Jake 、Zen の順番の予定。






 
 2017-02-05-04-57-01それにしても、あんなにバサーストに来る前は眠れないぐらい緊張してたのに、今はかなりリラックスできている。
あとは決勝走るだけだし、なるようにしかならないと思っているからだろう。背伸びして無理してタイムあげるよりかは、マシン壊さずバトンを渡す事に専念。








2017-02-05-05-24-59Echizen氏も準備 
















2017-02-05-05-30-53夜スタートなのが面白い。まあ元気なうちにナイトセッションを終わらせようって考えなのか、疲れ切っている時よりは安全か。
しかもナイトセッションはスタートして一時間ぐらいで夜明けになるから、ほとんど問題にはならないようだ。

ベントレーのGT3が妙にかっこいい 







2017-02-05-05-31-34ちょっとゼロヨンでも始めそうな暗さ。もちろんコースには最低限の明かりしかない。 

 













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最終コーナーの方まで移動。なんか夜のサーキットはワクワクします。














2017-02-05-05-35-16 我々のチームは一番カテゴリー的には下なので、ほとんど最後尾。

この50台以上いるレースでどこまで上に行けるか。 
ちなみにAidan選手は、夜セッション初めてだそうです。 

恐怖を感じない17歳の若さで頑張れ!アジアンルマンでLMP2,LMP3にも乗っていて、中国ズーハイでは優勝しているから、いろいろ安心できる若手ドライバー。
若手といっても僕みたいな4輪5年目とは違って小さい頃から乗っているから僕の方が若手か。









2017-02-05-05-49-39一列に並んでレーススタート。
朝焼けが始まっています。 

写真はホテル側、最終コーナーに向かう直線。 













2017-02-05-05-55-35ドライバーだけが12時間耐久ではありません。ピット内も12時間画面を見っぱなし。

Aidan選手、かなりいいペースで走っていて、練習の時よりもさらに早いタイムでコンスタントに走っています。この混戦の中、すごいですね。なんとクラス2番手まで上がっています。









2017-02-05-06-23-55 6時半頃。思えば朝日で見えなくなるコーナーはあるかもしれません。

スタート直後からSC(セーフティーカー)が何度も出ている。













2017-02-05-06-25-16クルー達はひたすら画面を見て次のピットまで待機。
クラッシュシーンばかりなんで、「Oh No!!」って声多い。全ピットから声が聞こえる。

2台同時にピットに入る事は基本ないのでピットクルーが2台を兼任しています。








 2017-02-05-07-17-14Aidan選手、一度給油に帰ってきました。

 もう一回連続で走るダブルスティント(2時間連続)でピット時間を減らします。












2017-02-11-17-09-01さ、準備。

やっぱりなんだかんだ言って緊張気味です。ドライバー交代を落ち着いてやろう、レース中はペースは多少あげても絶対無理はしない、そして無線のやり取りはシンプルに。
普段通りやればいいじゃないって思う人がいるかもしれませんが、普段やったことがないことだらけなので、どうやっても緊張してしまいます。知ってることをする場合は全く緊張しないんですけどね。
 


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 僕は汗が出やすい体質なんで、体温は上がりにくいのですが、1時間を飲み物500ccだけだと若干少ない・・・けど、まあしょうがない。今回はクールスーツもあるし。

 
















2017-02-11-17-09-05 ガス給油と同時に交代。
ドライバー交代は練習した時よりかなりスムーズに出来ました。
全て完了し、ピット速度制限ボタン、そのまま走り出し、ガソリンメーターをリセット、ベストタイムリセット。そしてコースイン。

第1ドライバーが2時間以上使ったタイヤをそのまま履いている。そこそこリヤが流れやすく、フロントもアンダー気味。タイムは練習の時のタイムぐらいは平均的に出ている状態で、なんら無理がない。


image 思えば磨り減ったタイヤとガス満タンの組み合わせでの練習は出来ていなかったので、少し運転の修正に時間がかかった。なんせこの下り、リヤが流れ始めると止まらない。かなり丁寧に乗った。

(photo by Kazuo Goto







2017-02-05-06-32-05 慣れてきたところで、裏ストレート手前で69番の数字とブラッグフラッグが出ている。何?
特にピットから連絡がない。そのまま走り続けた。40分ぐらいしたところでダブルウェインといけるかの確認が来たので、そのまま行くと伝えた。1時間後に新品タイヤ交換。飲み水、クーラーボックスを入れ替え、スタート。(photo by Kazuo Goto






2017-02-05-14-42-35 どんどん気温が上がってきている。しばらく走ると、やはりコース上に、69番ブラッグフラッグが。
 なんと、最初のドライバー交代の時にピットスピードをオーバーしていたとか。ピット制限速度のリミッターのボタンは押したし、回転系はしっかりセーブされてた音はしてた!ただピット出て行く時は、ボタンを信用しきっていたのと、他のリセット作業をしていたので、スピードメーターまでは見ていない。
 ピットからはドライブースルーペナルティーがあるから、今度は、しっかりボタンを押してくださいとの事。ん〜、ちゃんと押してるんだけどなぁ。ドライビンススルーペナルティ消化!ボタンも押したけど・・・あれ?ピットの出口付近に入るスピード測っているスタッフが首を振っているのが見えた。え?スピード違反してるの!?
 やはりしばらくコースを走っていると、ブラッグフラッグが提示されていて、今度はピットストップという重いペナルティ。1分ぐらいストップ。今度はピットボタンは壊れていると思ったので、出て行く時はリミッターボタンも押すけどスピードメーター見ながらギリギリ39-40km/hを狙って出て行ったら、41km/h出ていたようで、全然ダメじゃん。

CIG_IMG003 またドライビングスルーペナルティ、3回目。ピットからは38km/h狙ってペナルティーを消化してくれと言われたけど、何、これはギリギリは誤差があるかもしれないし危なそうだから、30~35km/hで確実な速度で消化。その後はブラッグフラッグも出されなかった。
 ただこの何度もペナルティを消化している間に、数周も差をつけられて5番手に落ちている。僕自身そんなに良いタイムが出ていないけど、何度もSCが出てそんなに周りには差をつけられていない状況。 (photo by Kazuo Goto
 
24 そして一度危ないシーンがあった。
ブラインドの左コーナーで、下りのヘアピンでイエローが出ているので、コーナー中は2速でスピードを落とし走っていたら、
なんと、コースのど真ん中で真横を向いて道をふさいでいるマクラーレンがいた。







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 イエローが出ているとはいえ、これを発見するのが遅くなった。左コーナーのブラインドでの左ハンドル車は右ハンドルより先が見えないので発見が遅くなる。

 また速度を落としているとはいえ、2速でコーナー立ち上がりでアクセルを踏み始めている状況。80km/hは出ているかもしれない。




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「わーーー!!」って叫びながら、思い切りブレーキ。ロックし始めて止まりきれないのがわかったので、一気にブレーキをリリースしてハンドルを切ったら避ける事ができた。

ギリギリセーフ。







15僕は左足でのブレーキ操作の為、右足ブレーキの人よりは速く操作を出来たのかもしれない。左足ブレーキは、去年覚えたばかり。使えるようになってて良かった。

 速度が速いままになってしまう件、一つだけ言い訳をさせてもらうと、GT4クラスのマシンは全開で走っていても、GT3車両がゆっくり走っている時と同じようなペース。つまりレース中であろうが、SC中であろうがGT4は全開で走る必要がある。走っていて恐ろしい。


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避けた後も大声で喜びの雄叫び上げながらバックストレートを走ってた。

 後でピットに戻った時、「よく避けたな!well done!!」って言われた。 みんなテレビ越しで見ていた。






2017-02-05-06-44-00 ペナルティーが3回になってしまったことで、チームの作戦が変わった。僕は連続2時間(ダブルスティント)の予定を、3時間連続(トリプルスティント)走行にすることで、ドライバー交代を一回減らして、ペナルティの一回分の時間をかせぐ流れ。
 これは大変だ。なぜなら2時間走った時点で、飲み水は無くなり、クールスーツは全く効かなくなっていた。唯一の救いはまだ日差しがピークになるお昼の前ということ。
 何度も何度もコース上ではクラッシュでSCが出る。一列になってのゆっくりペースになると、せっかく取り付けた外気導入のダクトから風が来ない。サウナだ。室内は暑く、頭がのぼせて来ている。
 本当、夏の車のレースっていうのは、いかに頭を冷静に保てるかが重要。サウナの中で1時間2時間、新聞読み続けろって言っているようなもんだ。僕自身、耐久で1時間半以上の連続走行は初めてだ。頭がボーっとするとミスが増える。ただ、ラップタイムは練習の時よりも安定して走れるようになっていたから、さすがに体でコースを覚えれたのだろう。(photo by Kazuo Goto)

CIG_IMG021 2時間45分過ぎたあたりで、「BOX BOX BOX」(ピットインのこと)の救いの無線の声が。
 ピットスピードに最善の注意しながらピットイン。次のドライバーZenにバトンタッチした。僕はペナルティ3回受けた悲しさと、完全に乾ききって頭が痛く、熱いのを通り越し鳥肌がたってしまっている熱中症の症状がでている為、まっすぐ、うな垂れるように椅子に座った。 今回ので、さすがに自分の限界がわかった。
(photo by Kazuo Goto)


2017-02-05-06-59-05 その後Zenが1時間半、Jake2時間,Aidan2時間,Jake1時間半の順で走ることになり、僕はこの走行で終わった。ひとまず休憩だ。

その後、周りがクラッシュが増える中、淡々と走り、壁にぶつかったりすることもなくラップが重ねられ、特にAidanの走行は怖いものありません的な速さで順位が上がっていった。
我々のジネッタチームのもう一方の55号車のマシンは、なんと壁にぶつかり大破。練習の時の大破と同じところが壊れ、リタイヤになった。
優勝常勝チームなだけに残念だ。

2017-02-08-00-44-011番を走っていた、圧倒的な強さを見せていたKTM X-bow GT4がエンジンが壊れてリタイヤ。我々69号車、最後のJakeのスティントの時には3位まで浮上。残り時間1時間半を切っている。

このまま表彰台に行けるかもしれないと、皆が期待していたが、最後の給油に帰ってきたJake、なんと給油装置の故障。まったく給油が出来ない。まだ残っているからと、そのまま走らせ、その間に修理。そして燃料がギリギリになって帰ってきて、ピットイン。そして給油・・・。しかし給油してくれない。何がおかしいのかと、車を引っ込めてタンクの弁を調べたがわからない。

2017-02-05-17-45-57 20Lほどの樹脂タンクを使って、手で入れることに。その間に4位に脱落・・・。
コースに戻った時には3番手と2周の差をつけられており、表彰台は絶望的。
 ピット内は再度暗いムードに。表のシャッターまで閉めてしまった。










2017-02-08-00-43-56そのまま、4位でゴール。
とても残念。そしてスピードリミッターのボタンが壊れていたとはいえ1回目の最低でも2回目で壊れているのを気づければ、、、と責任も感じた。給油装置も徐々におかしくなっていたのも気づいていたとのこと。タラレバで言うと切ないが、とても残念。ただチーム内で、今回のバサーストチャレンジで、全くぶつけることなく、完走できたことを評価していた。
確かに速いチームでもクラッシュしてしまったら終わりだしデーターも取れないだろうから。
(photo by Kazuo Goto)

2017-02-05-18-04-26 レース後は一人一人スタッフにチームマネージャー クリスが挨拶して、全員を褒めて回っていた。

去年このジネッタファクトリーチームで、セパン、ドバイ、デイトナ全ての耐久で上位に入り、大破してリタイヤなんてこともなかっただけに、このバサースト12時間は、一番難しいレースをしたとの事。その代わりかなりの経験を得る事ができた。僕自身も経験浅い為、未熟な部分が表面化し、まだまだだなとも思えた。



 
2017-02-05-18-29-37サーキットに来てこんなに恐怖とプレッシャーと戦ったのはバイクレース以来だ。ただ、久々の気分でとても楽しかった。得るものが大きい。

メカニック達もレースが終わったら、表情が穏やかになって、やっといろいろ話すことが出来た。 メカニック達も「完走してなんぼ」的なことを言ってくれたので、少しだけ気分は楽になった。 とにかく僕自身落ち込んでいたので。






2017-02-05-19-34-32マシンがパークフェルメから帰ってきたとこ。タイヤかすや土で汚れているのがかっこいい。















2017-02-05-19-34-18ガソリンの給油時にうまく入らず、溢れかえって、リヤガラス部のポリカーボネートが解けてる 

とにかくお疲れ様でしたな69号車。












2017-02-05-19-31-57今回GT3クラスで優勝したフェラーリ488。最後の最後まで順位が、わからなかったが、同一10回真後ろにつけていた2位のメルセデスがペネルティーを受ける前に自爆して、フェラーリが優勝。











2017-02-05-19-31-10ガムテープ巻きのM6
















2017-02-05-19-33-27 かなりボロボロのアウディR8。
















2017-02-05-19-33-30 こういうバンパーがないのやガムテープ巻きの車両がたくさん走っていた。

 普通の広いサーキットの耐久レースではこうはならない。ここの耐久レースはラリーカーのようにボロボロになるサバイバルレース。いかにも戦ってきた戦士が帰還してきたって感じで、猛烈にかっこいい。







2017-02-05-18-41-21 会場を後にする前に、最後のご飯。最後はステーキを食べれた。完全に毎日肉三昧のレースウィークだった。

 次また誘われるとも限らないので、もうここのちょっと硬めのいかにも肉っていう匂いがするお肉が食べれないかと思うと寂しい。








image 今回は大きな経験を得た。ここのサーキットを走っておけば、大抵のサーキットは怖く無くなるとドライバーが口々に言っていたけど、よく意味がわかる。
 課題もできるけど、自信にもつながるレースだ。僕はこういう理論や数値だけでは表せられないような感覚と縦Gを感じて走るサーキットは好きだ。チャンスがあればまた参加したい。

GT4はGT3に比べればかなりタイムは遅いし、バックミラーばっかり見ることになるけど、それでもGT4で十分楽しめるし、6速ベタぶみ250km/h全開で曲がるコーナーとかは刺激的。


2017-02-05-18-58-19完走したよの、お疲れ様ジャンプを、チームサブマネージャーEchizenとドライバーZenと一緒に。優勝のジャンプをしたかってけど、まあ、無事終わればすべてよし。

あっという間にバサースト12時間レースが終わった。過去一番最長の国際レースに参加できたことで、目標のルマン24時間の為になったし、アジアンルマンに今年も出る上でも、fィードバックができそう。

未知のチャレンジは怖いし大変だけど、得るものはそれ以上に大きい。


2017-02-06-02-47-21夜、いつも早く寝て空を見上げることがなかったけど、やっと南半球ならではの星を見ることができた。
そう、これは 南十字星。基本的に北半球に位置する日本の本州では見ることはできない。

iphoneで撮った割にはちゃんと写ってる。天の川もよく見えた。オーストラリアでこれが観れただけでも嬉しい。

カンガルー、コアラ、エリマキトカゲなどはまだ見ていないが。

またバサーストに戻って、少しぐらいは観光したい・・・

 



2017年になってからまだ2月だけど、僕自身の2016年のレース活動がやっと終わった。

 スポンサーの皆様、チームの皆様、応援してくださった皆様、ありがとうございました。次回のレースは4月からのPCCJ岡山からになると思います。2017年も応援よろしくお願いいたします。