2019年02月14日

鳥羽歳時記三月「桃の節句」

      ~季節を感じるおもてなし~

鳥羽歳時記三月「桃の節句」  平成三十一年二月十三日 千種清美

仲春の三月。暖かくなると野に山に、海辺に出たくなる。春の到来をまちかねたように草も萌え、花もほころぶ。

三月といえば「お雛祭り」。雛人形を飾って、女の子のすこやかな成長を祝う。もともとは水温む三月に川辺で口をすすぎ、身体を洗い清めて厄払いをする上巳の行事があった。上巳は旧暦三月の最初の巳の日。それが平安時代から貴族の子女の間で始まった紙の人形で遊ぶままごと「ひいな遊び」と結びつく。当初は流していたが、上等なものは飾るにようになる。そして江戸時代、五節句の一つに定められ、庶民にも広まる。町民が豊かになると、だんだんと華美になり、幕府が人形の大きさを24センチ以下とした。

中旬を過ぎると、昼と夜の時間が等しくなる春分の日。「手を延べて折行く春の草木かな 園女」。芭蕉門下の伊勢の人、明野の吟。「行く春に和歌の浦にて追い付きたり 芭蕉」。吉野熊野のあとに三月末の和歌浦に立った感慨。


●二十四節気

/5 啓蟄  冬眠していた虫が地上に顔を出すころ。芽吹きの時期にもあたり、自然界に生命力を感じる。季語に「蛇穴を出づ」
/21 春分 昼と夜が等しくなる。日の出5時57分、日の入り18時6分。「暑さ寒さも彼岸まで」といわれるように春の陽気が高まり、暖房を止めるころ。。

 ★3/3 雛祭、上巳の節句 

★3/18~24 彼岸 18彼岸入り 21彼岸の中日 24彼岸明け

 ★3/22  春の社日


●伊勢神宮の祭典

三月五日 御塩焼固 二見町御塩殿(~9日)

  二十一日 春季皇霊祭遥拝 内宮・午前八時

    〃  御園祭 二見町神宮御園 午前十時

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2019年01月23日

鳥羽歳時記二月「春の風」

~季節を感じるおもてなし~

二月。豆撒きは節分の宵、神社仏閣や家庭で行う追儺の豆を撒く行事。節分の夜が明ければ暦は春、豆撒きはまさに冬の最後の季語になる。豆撒きの句には明るさがあるのは冬からの解放感か。「豆を打つ声のうちなる笑いかな 其角」「豆打ちし闇へしばらく目を凝らす 黛執」。「恐るべし八十粒や年の豆 瓜人」

立春を迎えると三春のうちの初春。二月いっぱいくらいを早春という。暦は春だが、まだ寒い。「回廊の長き余寒を渡りけり 石原正恵」「朝酒にしてやきのりの余寒なれ 小沢碧童」「春寒や貝のはなさぬ海の砂 いのうえかつこ」。この寒さを余る寒さ、残る寒さという。

そして寒さのなか、百花にさきがけて咲く梅の花は、日本人の心をとらえてきた。「梅咲いて鳴る水にまた会ひにける 細見綾子」「梅の花離るるほどに匂ふなり 小寺正三」。早春の山野には、「まず、咲く」の、「まんさくの黄のなみなみと暮れにけり 古舘曹人」、「ふきのたう水鳴る方へ傾ぎをり 綱川 綱」、そろそろ木の芽が吹く頃。「木々おのおの名乗り出でたる木の芽かな 一茶」

春先、野外にそろそろ出たくなる。「野辺の春橋なき川に出にけり 盛雅」


●二十四節気

/4  立春 暦の上の春。春立つ。
/19 雨水 降る雪が雨に変わり、積もった雪や氷が解けて水となる。


●年中行事

・2/1  二月礼者(にがつれいしゃ)正月が忙しい役者や料理人は二月朔日に年賀に回った

・2/2  初午  

・2/3  節分

・2/5  旧正月

・2/8  針供養、事始

・2/11 建国記念日

・2/14 バレンタインデー

・2/23 皇太子誕生日 


●知ってほしい初春の季語

水温む…「五十鈴川の禊の水の温みけり 中川 稔」「鳥羽湾の真珠筏や水温む 毛利憲子」。

風光る…「風光る真珠棚抱く鳥羽の海 長内楓子」


●伊勢神宮の祭典

二月十一日 建国記念祭 大御饌 外宮・午前七時、内宮・午前十一時 

  十七日 祈年祭 大御饌 外宮・午前四時、内宮・午前十一時 

          奉幣  外宮・午前七時、内宮・午後二時

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2018年12月17日

鳥羽歳時記一月「冬汐」

~季節を感じるおもてなし~

一月。太陽暦の一年最初の月にあたる。「正月」は祝賀気分があるが、一月の語感と文字は簡潔で、始まりの潔さがある。「一月の川一月の谷の中 飯田龍太」「群青を恋ひ一月の船にあり 友岡子郷」。その一方で、旧暦の最初は「睦月」で、立春の頃になる。〈冬の朝〉は寒暁ともいう。太陽が昇った瞬間の変化をとらえた句。「寒暁や神の一撃もて明くる 和田悟朗」「寒暁を起きて一家の火をつくる 阿部完市」。〈冬の夕〉は日が落ちると急に冷え込む。「黒き帆のまぢかに帰る冬の暮 山口誓子」。〈冬の夜〉は秋の夜長を楽しむというより、寒々しく厳しい夜と対峙する。「冬の夜の海眠らねば眠られず 鈴木真砂女」。ひたすら守りの姿勢に入る真冬の厳冬、冬深しである。



●二十四節気
/5 小寒  寒の入り。いよいよ厳しい寒さに向かう。立春の前日までが寒中。
/20 大寒 一年で最も気温が低い時期。寒土用にもあたる。



●年中行事

・1/1 元日

・1/7 七草 

・1/11 鏡開き

・1/14  成人の日

・1/15 小正月 花正月、女正月

・1/31 晦日正月 


●知ってほしい晩冬の季語
狐火、狐の提灯…東京都北区王子稲荷では大晦日の晩に関八州のキツネが集まって火を燃やし、人々はその火の燃え方で、豊凶を占った。実際にキツネは冬に活発に活動し、それと稲荷信仰が重なって幻想的な季語を生んだ。「狐火の出ることうそでなかりけり 久保田万太郎」「狐火の減る火ばかりとなかりけり 松本たかし」「狐火を信じ男を信ぜざる 富安風生」。

早梅、梅早し…「冬の梅」とは違った、春近しを思わせる。「早梅や日はありながら風の中 原石鼎」。また咲いている梅を探す「探梅」は冬、「観梅(梅見)」は春。そこには春を待つを心がある。「心当てあらぬとはなく梅探る 上田五千石」



●伊勢神宮の祭典

一月一日 歳旦祭 外宮・午前四時、内宮・午前七時 若水と神饌を供える

  三日 元始祭 外宮・午前四時、内宮・午前七時 大御饌

  七日 昭和天皇祭遥拝 内宮第一鳥居祓所・午前八時

  八日 大麻暦奉製始祭 頒布部祭場  午前十時

十一日 一月十一日御饌 内宮四丈殿・午前十時 一年に一度の大集合。 午後1時頃から、五丈殿で日本古来の歌舞「東遊」。

三十一日 大祓 内宮第一鳥居内祓所 午後三時  

★年末年始参拝時間 12/31午前5時~1/5午後10時、1/6~7午前5時~午後10時、1/8から通常(午前5時~午後6時)


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