どこかで見たような「幽霊」ドラゴンファイト!

2018年07月13日

黄金の女神 ―グスタフ・クリムト『パラス・アテナ』―

グスタフ・クリムト『パラス・アテナ』
 私は2009年7月末に、札幌の芸術の森美術館に行ってきた。ここでは「ウィーン世紀末展」を開催していたが、一番の目玉であり、お目当てなのがグスタフ・クリムトの『パラス・アテナ』だった。
 私は本に載っている写真から、この絵がタダモノじゃないのを感じていた。ギリシャ神話のアテナとは、清廉潔白なイメージを売り物にしていた処女神である。しかし、クリムトが描いたアテナはあまりにも「 宿命の女 ファム・ファタール 」イメージが強過ぎる。ハッキリ言って、別の女神様のようだ。
 そんなド迫力満点の女神様を拝むべく、私は芸術の森美術館に行ってきた。

 あの日はあまりにもクソ暑かった。しかし、アテナは氷のように冷徹だった。このド迫力、一般的な女神アテナのイメージよりもむしろ、バビロニアのイシュタル女神のイメージに近い。まあ、「処女神だけど大人の女」という微妙な立場の設定の女神様だからこそ、このような危うい妖艶な美女に描かれたのだろうか?
 鎧が金貨の塊になっているのは、知恵が富を産む、日本の弁才天が「弁財天」とも表記されるようなものだからなのだろうか? そういえば、アメリカが資本主義大国にして軍事大国になったのは、まさしく世界中から優れた人材を集めたからに他ならないだろう。
 アテナの手には勝利の女神ニケが乗っているが、私は実物を見て初めてその足元に青い炎(もしくはオーラ?)が描かれているのに気づいた。それまでは、この絵が載っている本を読んでも気にも止めなかったけど、実際に見なきゃ分からんものはあるんだね。

 さて、私は展示品を一通り見終わってからバスに乗って帰ろうとしたが、その日は北海道にあるまじき猛暑で、私は危うく熱中症で行き倒れになりそうだった。水分補給として自販機でジュースを買って飲み、バスの到着がそんなに遅くなかったので、私は無事に家に帰る事が出来た。やれやれ。

shion_faust at 00:00│美術史 | ドイツ・中欧史
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