2007年03月

2007年03月26日

犬の外耳炎

f44f5508.jpg石川で大きな地震がありましたね。
石川に引っ越したハッピーちゃんが心配です。
金沢で開業している後輩に
ニュースを見てすぐメールしたら
金沢ではそれほどでもなかったらしく
普通に患者さん来てるよというので
苦笑してしまいました。
東京でも大地震は人事ではありません。
被災された方々の一刻も早い復興をお祈りします。


さて動物の健康保険アニコムから
毎月面白い情報が獣医師向けに届きます。
いつも紹介したいなあと思っているのですが
今回はわりと書きやすいネタだったので
ご紹介します。

3月3日は耳の日って知ってました?
ものすごくベタな感じですが
僕はぜんぜん知りませんでした。
耳の日にちなんで犬の外耳炎のデータが届きました。
犬種別の外耳炎による保険請求の順位なんですが
1位はウェスト・ハイランド・ホワイト・テリア
2位はアメリカン・コッカー・スパニエル
3位はゴールデン・レトリーバー
   パグ
   フレンチ・ブルドッグ
6位はバーニーズ・マウンテン・ドッグ
7位はイングリッシュ・コッカー・スパニエル
8位はラブラドール・レトリーバー
   シー・ズー
   マルチーズ
というものでした。
垂れ耳わんこは外耳炎にご用心!
というタイトルでしたが
なるほど確かに10犬種中8犬種が垂れ耳です。
が!
1位のウェスティと3位のフレンチブルが立ち耳であることと
イングリッシュ・コッカー・スパニエルなど
飼育頭数のそれほど多くない犬種が上位に入っていることを考えると
「垂れ耳だから」というよりは「遺伝だから」というほうが
的を得ているような気がします。
ウェスティが1位なのは驚きましたが確かに皮膚は弱いですね。
外耳炎はアトピーなどと密接な関係があるので
皮膚が弱い子は出やすいです。

外耳炎の子は日常的に多く訪れるので
どの子にも起こりえる病気だと思いますが
確かに蒸れると悪くなる印象がありますので
垂れ耳のほうが立ち耳より悪くなりやすいというのは
事実ではあると思います。
蒸れると中で酵母の1種であるマラセチア菌が繁殖しやすくなるといい
それがあの黒っぽい汚れと発酵した臭いの元となっています。

ただ、アメリカン・コッカー・スパニエルがほぼ100%
慢性的な外耳炎でそれはそれはひどい耳になってしまうことを考えると
治らない慢性的な外耳炎に関しては遺伝的であるといえそうです。

うちのクーンの場合、垂れ耳でマラセチアが出ていますが
皮膚炎がないせいか外耳炎もあまりありません。
今日の結論は
垂れ耳→マラセチア出やすい。
遺伝→炎症起こしやすい。
両方→最悪
という感じでしょうか。

とはいっても立ち耳でマラセチア出てる子も結構いますからね。
あくまでも一般的な傾向ってことで。

この憎むべきマラセチアちゃんにはどう対処したらよいのか。
基本的には定期的な洗浄と除菌でやっつけることです。
耳用の洗浄液で洗い流し、その後に抗菌剤の点耳薬をつける。
ポイントは綿棒やティッシュなどであまり中を強くこすらないこと。
きれいに汚れを取ろうと思ってしつこく綿棒を使うと大体悪くなります。
そこに汚れがあると取りたくなる気持ちはわかりますが・・・
基本的には汚れは浮かせて取るということです。

ちなみに猫には洗浄液が使えません。
また鼓膜に穴が開いているときは
洗浄で症状が悪くなる可能性があります。
必ず診察を受けてから使うようにしましょう。

いかん、おちがない!

仕方がないのでヒューストンで見た
成馬でも大型犬くらいの馬の写真を載せとこう・・・。


shirasagiah at 22:23|PermalinkComments(5)TrackBack(0)

2007年03月23日

耳が欠けちゃう病気

ff64b3d9.jpg例によって大変ご無沙汰しております。
先月終わりから今月の頭にかけて院長だけお休みをいただき
アメリカのヒューストンでセミナーを受けてきました。
ご迷惑をおかけし申し訳ありませんでした。
かなりの強行軍だったので体調を崩してしまい
それと関係があるかはわかりませんが花粉症になってしまいました。
鼻水と咳が出ます。
さらに追い討ちをかけるようにまた風邪を引いてしまいました。
熱は下がりましたが咳が止まりません。

というわけで最近ずっとマスクをしています。
あやしいですけどご容赦ください。
ちなみにアメリカだとマスクをして歩くのはあまり良くないらしく
伝染病患者か何かだと思われるらしいです。
日本ではこの時期マスク着用はここ数年当たり前になってますけど。
アメリカ人は花粉症にならないんでしょうか?
それとも日本だけ杉が多いのか。
あとアメリカで買物をしているときにくしゃみをしたら
店員さんが「God bless you!」といってくれました。
日本語訳だとお大事に!ということらしいですが
ある意味おまじないみたいなものでしょうか。
風習の違いを実感できました。

さてひさしぶりぶりなので軽く獣医っぽい話を。
犬の病気で耳が欠けちゃう病気ご存知ですか。
発生する季節は冬で、耳の先にかさぶたが出来て出血を繰り返します。
ほうっておくと耳の先が壊死して虫食いみたいに欠けてしまいます。
当然形は元に戻りません。
暖かくなってくると症状が治まります。
これは寒さというストレスに対して
寒冷凝集素という免疫複合体が体の中で作られ
耳の先の血管にそれが詰まり壊死を起こすという病気です。
耳だけでなく尻尾の先などにも出ることがあります。
一種の免疫異常ですね。
誰でも罹るわけではなく、たれ耳の純血種に多く見られます。
好発犬種はワイマラナーとかダルメシアンとか。
うちの患者さんだとMシュナウザーの子もいます。
ミニチュアダックスでも見たかな。

で、写真はその軽症例なんですがわかりますか?
耳の先にかさぶたが出来て脱毛しています。
耳を振ると血が飛び散ります。
モデルはうちのクーンです。
クーンのお母さんはワイマラナーでこの病気に罹ったんですが
やはり見事に遺伝しました・・・。
父ちゃんがゴールデンレトリバーでやっぱりたれ耳だからかなー。
今年は軽く済んだけど一度出ると毎年出るので困ります。
ま、花粉症みたいなものですね。

この病気は免疫の異常なので免疫を少し抑えてやると治まります。
昔はステロイドを使ってたんですが
副作用が大きい割りにあまり効かないんですよね。
それでシクロスポリンという免疫抑制剤を使ってやると
副作用も少なく、よく効くのですが
問題はその薬の値段。
すごく高いので患者さんにもけっこうぎりぎりの値段で出しているのですが
5kg前後の子だったら何とかいけると思うんですけど
大型犬になると値段的に現実味が無くなってきます。
セレブだったら問題ないんですけどw。
僕庶民で貧乏性なんで・・・。
というわけでクーンごめん!なんとか自力で治って!

冗談はさておき薬自体はとってもいい薬です。
最近はアトピーとかアレルギーにも使われるようになってきました。
それだけステロイドに比べると安全性が高いってことですね。
ステロイドも短期間だったらそれほど問題ないと思うんですけど
やはり長期投与には向かないです。
ご希望の方にはもちろん処方しますので
遠慮なく聞いてくださいね。


shirasagiah at 03:06|PermalinkComments(13)TrackBack(0)