2007年04月08日

Hetman Lubricant System

837139b6.jpgすべては金属を保護する目的からはじまった

Joseph R. Hetmanの工房は米国ニュージャージ州にあり、訪問するとトランペットのベルが壁一面に吊るしてある工房を案内された。トランペットのパーツ等さまざまな工具がきれいに整理整頓され大事に保管されていてジョーの几帳面さが窺える第一印象でした。大型の旋盤やホーニング・マシン(ピストンをラッピングする機械)もおいてあり、尋ねると以前リペアの仕事をやっていたとの事。それからロータリートランペットを製作し、当時4本をニューヨーク・フィルハーモニーに納め、1本はサンフランシスコ交響楽団のトランペット主席が買ったようです。Hetmanロータリートランペットは全部ジョー 一人の手作業だったので、時間的に作り続ける事が無理でした。ということで世界で5本しか存在しない幻のトランペットとなった。Hetman Lubricant Systemのオフィシャル・サイトhttp://www.hetman.com/をのぞくと数枚その写真が載っています。

工房の片隅に古そうなトランペットケースが数本おいてあって、中身をみせてもらったところ、ヴィンテージ物と言われるような楽器ばかりでした。中でも一番印象的だったのはオールド・モンケのロータリートランペットBbとC管の2本でした。非常にきれいな状態でダブルケースに収まっていました。いわゆるミント・コンディションですね。いや、超が付くミント・コンディションでした。全部ジョーの所有楽器だそうです。

大手自動車メーカーで技術主任を務め、週末は地元の金管バンドでコルネットを吹いていたジョーは仲間からリペアの仕事を頼まれ、その完璧な仕事が評判となり修理依頼が次第に増えていきました。ジョーは彼らの楽器の扱いの悪さや手入れをほぼしないような状況を見て嘆き、大事に扱わなければいけないようなヴィンテージ楽器等がひどい状態になっているのが非常にショックだったと過去を振り返る。かつての楽器メーカーは音楽家たちのために技術を競い、性能に優れ外観も芸術品とも言われるくらい丁寧に作られた名器が死んでいくのを止めるべきだとジョーは考え始めました。

自動車メーカーを退職し金管楽器で使用するオイルの研究開発にジョーは没頭した。試行錯誤を繰り返し2年間という歳月を費やしようやく1988年にHetman Lubricant Systemを完成させた。


日本で発売されてから12年、今でも使い続けられているのは理由があります

防錆効果 金属は水分を嫌う、そのため水分が楽器の中に残ったまま長期間放っておくと錆付いてしまいます。演奏後楽器内の水分を良く拭き取っても少なからず水分は管内に残っています。ヘットマンオイルは長く金属と密着し、水分から金属を保護します。少量でも長くその効果は持続します。

性能 金管楽器のピストンやスライド管の動きはスムーズで早い動きが要求されます。ピストンとケーシングの隙間の間隔(クリアランス)によってオイルの粘性も変えることで最も早い動きを得る事が出来るというのがHetman Lubricant Systemの発想です。

クリアランスが比較的に少ない新品の楽器などはLight Pistonを、長年使用したクリアランスが広い楽器にはClassic Pistonが適しています。バルブスライドも同様Light Tuning Slide,Tuning slide,Heavy Tuning Slide など3種類を使い分ける事で楽器の性能を最大限に引き出すことができます。

Hetman Lubricant Systemは発売前、ニューヨーク・フィルハーモニーや著名な奏者たちにテスト使用されその評判が口コミで広まり、やがて日本でも輸入されはじめました。以来12年間日本でも毎年数万本が売れ続けているHetman Oilは管楽器奏者たちに愛用され続けています。近年ドイツの老舗楽器メーカーと米国の楽器メーカー数社は楽器の付属品としてHetman Oilを付けて世界各地に出荷しています。 K.S.

                                   



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