1で戦型選択について述べた。
ここでは、選択した戦型を指しこなす力をどのようにしてつけていくかについて述べていきたい。

ふつう、定跡の勉強と言えば、このような方法が一般的だろう。
・定跡書を読む。
・定跡書を片手に、盤駒を使って並べる。
もちろん私もやってみたのだが、どうもこれではダメだった。
読むだけでは、すぐに忘れてしまう。何度か繰り返し読んでもやはり忘れてしまうのである。あと、本によっては手順を脳内で再現できないこともある。できないことがストレスになり、嫌気がさしてだんだん遠ざかってしまう。
「盤駒を使って、すなわち手を使うと覚える」という話も聞いていたので、実際にやってみたのだが、やはりこれもダメ。
盤駒を使っているのだから、時間もそれなりにかけているはずなのだが、定着しない。

他にも色々試したのだが、結局一番馴染んだのはこれだった。

「kifu for Windowsを使って、定跡手順をひたすら入力する」

この方法のメリットは大きく3点。
 1つ目に、局面間の移動が非常にスムーズになるということ。定跡書では「再掲第○図」となることが多いのだが、数十手進めた後に盤面を戻すのは、なかなかしんどい作業だ。(やったことある人なら絶対わかるはず)「kifu〜」にはしおり機能があるので、章の基本図など重要な局面をしおり登録しておくと、局面の呼び出しが非常にスムーズになる。
 2つ目は、図面なしの変化手順や参考手順なども簡単にチェックができること。特に将棋暦がまだ浅い人は、5手先の局面を浮かべるだけでも一苦労だ。そんな状態で「○○よし」と言われても、何のことだかサッパリ?となりがちだ。また、「変わりゆく現代将棋」のように、図から図の指し手が猛烈に長い本を読むときは、強い人でも頭の中だけで局面を追うのは至難の業だと思う。そんなときに、「kifu〜」は非常に便利だと思う。
 そして3つ目、志士的にはこれが一番重要なのだが、「努力が蓄積されて残る」こと。
例えば、私が入力しているものの一つに、矢倉があるのだが、この入力手数は、実に合計5872手。
「現代矢倉の思想」「現代矢倉の闘い」「最新矢倉戦法」「東大将棋矢倉急戦道場」「対急戦矢倉必勝ガイド」「最新の矢倉▲3七銀戦法」の6冊を中心にコツコツ入力していくうちに、膨大な量になった。しおりの数も20を越える。

↓こんな感じ
110116kifufor01

<データの作り方>
私の作り方は大体こんな感じ。
1、手順を入力する。些細な変化なども入力する。
2、途中、急所の一手、意表の一手などは解説を入れる。
3、「以下、先手よし」などの形勢判断は、その変化の最後と、分岐のところと、2箇所で書いていく。
4、テーマ図・基本図などの重要な局面にはしおりを入力する。
※将棋世界の講座など必要に応じて入力している。
※NHK杯やネット中継など、「これは重要だ!」と思った将棋についても、中盤くらいまで入力することもある。
※飯島流は実戦譜が少ないため、飯島七段の棋譜をできるだけ入力している。

余談だが、こういう取り組みをするときに最も入力がしやすいのは浅川書房の本だ。
重要な分岐ごとにテーマ図が分かれているので、行ったり来たりするのがとても楽。
浅川から出ている、矢倉の急所、四間飛車の急所、四間飛車破りなど、いずれも名著だ。



あと、定跡入力時には、ブックスタンドあると便利。私にとっては必須アイテム。


<データの使い方>
入力して終わりではやはり忘れてしまう。
問題はどう活用するか、である。
私はこのように使っている。
1、「しおり」から、復習したい局面を選ぶ。
2、そこから最後の局面までの手順を読む(思い出す)
※全く思い出せないときは、最後の局面を見て、できるだけ思い出す努力をする。
3、正解手順を確認する。
4、本を読んで復習する。
5、もういちど2〜3の作業をする。

この復習も計画的に行えればよいのだが、残念ながら志士も意思薄弱のため、そこまでは無理。
そこでありがたいのが、サークル棋戦である。
事前に対戦相手がわかるため、ある程度戦型が予想できる。(場合によっては局面まで絞り込めることもある)
予想した戦法を復習すればよいわけである。
(例1)sonicspeedさん→ゴキゲン中飛車対飯島流 ※直近の対局で外された(笑)
(例2)GETAYAさん→四間飛車or向かい飛車対飯島流
(例3)taka-cさん→相矢倉
(例4)taku04042005さん→急戦矢倉

いかがだろうか。
私は、こういうちまちました作業が苦にならない(むしろ楽しい)ので、ここまでやってくることができた。
面白そうだな、と思った方は、少しでもいいのでやってみることをオススメする。
そんな時間ないよ、と言う方もいるだろうが、私も社会人のはしくれ、それなりに忙しい。
「一日○ページ」とか、「一日1テーマ」とか少しずつやっていく。
1日7〜8ページやれば、大体1か月で1冊終わる。
といいながら、私も思い立ったときにしかできていないので大きなことは言えないのだが、取り組めば確実に成果が出る方法ではあると思う。