袴田事件について

弁護士の杉山です。
かなり久々のブログ投稿です。

９月２６日、袴田巖さんに対して、無罪判決が出ましたね。私は無罪判決になるだろうとは思っていましたが、言い渡しがされるまでは楽観視はできませんでした。関係者の方々のご尽力には頭が下がるばかりです。

当日は、大勢の支援者やマスコミの方々が裁判所に来ていました。



私は、静岡県弁護士会の再審法改正PTの一人として、再審法改正の街頭活動に参加してきました。

そして、９月２９日には、労政会館において、事件報告兼再審法改正キャラバンが行われました。
その中で、巖さんご本人が登壇されて、「無罪勝利いたしました」と発言された際は、会場中がとても盛り上がっておりました。また、その後の小川秀世弁護団長の涙にはグッとくるものがありました。


そして、１０月９日、静岡地検が上訴権を放棄したことから、巖さんの無罪が確定しました。
まずは、袴田事件について一つの終わりがきたといえるかと思います。

ただ、袴田事件を「巖さんが無罪で良かった」で終わりにしてはいけないと思います。
巖さんに無罪判決が出るまで５８年の時間がかかってしまいました。
それだけの時間がかかってしまった理由は沢山ありますが、その中でも再審法についての規定が整備されていないことが挙げられます。
①審理方法が決まっていない、②証拠開示の規定が無い、③検察官に不服申立権がある、等問題点が沢山あります。

再審制度は冤罪被害者を守る最後の砦です。
冤罪被害者は誰でもなってしまう可能性があります。自分、恋人、親、友人といったあなたの大切な人がなってしまう可能性です。
どうか、少しでも再審法改正について関心を持っていただけると嬉しいです。

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