静岡県御前崎市(旧小笠郡浜岡町)宮内(みやうち)の深見B横穴群(ふかみびーよこあなぐん)は、丘陵斜面に掘られた横穴墓(よこあなぼ、おうけつぼ)2基で構成されています。
別名は、深見東横穴群(ふかみひがしよこあなぐん)・海戸ヶ谷横穴群(かいとがやよこあなぐん)。
静岡県内に分布する約3,000基の横穴墓は、古墳時代後期末(6世紀末頃)から古墳時代終末期前半(7世紀前半頃)にかけて築造が盛んとなり、一部は奈良時代(8世紀)まで埋葬が行われました。
深見B横穴群の2号横穴では、高校生が剥落(はくらく)した壁面に「水田に立つ鳥?」のような線刻壁画(せんこくへきが)を発見。
静岡県内では、壁画が描かれている装飾古墳(そうしょくこふん)は極めてまれです。
深見B横穴群 2号横穴の線刻壁画
深見B横穴群は、平面が胴張方形・断面がドーム状で南向きに開口。
西側の1号横穴は、全長現状で2.2m、玄室幅2.15m、天井高さ1.3m。
東側の2号横穴は、全長3.3m、玄室幅2.8m、高さ現状で1.46m。
史跡整備されていないので、探訪は自己責任で!!
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深見B横穴群の地図
静岡県御前崎市(旧小笠郡浜岡町)宮内海戸ヶ谷
アクセス
・東名高速道路 菊川ICの南東
線刻壁画
水田に立つ鳥?
長さ約30cm、幅15cm
線刻壁画(首の長い鳥?)
焼津市野秋の兎沢古墳群では、奥壁に猪の線刻壁画が発見されています。
線刻壁画(格子状)
3×3のマス目になっています。
参考文献
・『浜岡町史 資料編 考古』町史編さん委員会 2006年3月
・『静岡県文化財地図Ⅱ ―焼津市以西―』静岡県教育委員会 1989年3月1日
・『静岡県文化財地名表Ⅱ ―焼津市以西―』静岡県教育委員会 1989年3月1日