静岡県焼津市小川(こがわ)の浄土宗 三宝山 正行院 教念寺は、室町時代後期(戦国時代)の明応7年(1498年)に観譽祐崇上人が開山しました。

「耳なし芳一のはなし」「雪女」などが収録されている「怪談」の著者として有名なギリシャ出身の作家、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)ゆかりの寺です。

教念寺の寺宝は、徳川家康から拝領した茶湯茶碗と雅楽器。

境内の子育地蔵尊の背後には、田沼意次の相良城(静岡県牧之原市(旧榛原郡相良町))にあった、「地の神の石扉」が奉納されています。

墓地には、宗教大学(現 大正大学)卒業後にドイツ留学して教授となった、北山淳友博士(淳友和尚)の墓があります。

浄土宗 三宝山 正行院 教念寺
19452


 ギリシャ出身の作家 小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)は、「耳なし芳一のはなし」「雪女」などが収録されている『怪談』の著者として有名です。

水泳が得意だった小泉八雲は、波の荒い静岡県焼津市を気に入り、明治30年(1897年)以来明治37年(1904年)に亡くなるまで明治31年(1898年)・明治36年(1903年)を除いて、夏になると焼津を訪れていました。

その際に滞在したのが、海の近くの海岸通り(八雲通り)にあった魚商人・山口乙吉の家の2階です。

乙吉の案内で教念寺を訪れた八雲は、池の鯉を見たり本堂の屋根の上に枝を覗かせていた松の巨木を眺めて、何度も「大変いい景色」とほめたと伝えられています。

探訪は自己責任で!!

静岡県の寺


雪女,耳なし芳一を収録『怪談』著者の資料を展示
焼津小泉八雲記念館の記事はこちら


浄土宗 三宝山 正行院 教念寺の地図
静岡県焼津市小川5-19-1
TEL 054‐628‐4026
駐車場あり

アクセス
・JR東海道本線 焼津駅より車で約10分

山門
19453

本堂
明治35年(1902年)建立。
19452

大正元年(1912年)の教念寺(案内板の写真より)
本堂屋根の上に枝が見える大松は、周囲約4.54m、高さ約18.2m、樹齢300年の老松でした。
昭和29年(1954年)に枯れてしまい伐採。
八雲が鯉を見た池も埋められ、残念ながら見る事ができません。
19454

元禄12年の梵鐘
19455

境内の墓地には、北山淳友博士の墓があります。

<故北山淳友博士略歴>
1902年 北山忍晃、すゑの長男として出生
1921年 静岡中学卒業
1924年 浄土宗の宗教大学(現 大正大学) 哲学科卒業
      ドイツ・フライブルク大学留学
1927年 ハイデルベルク大学入学
1929年 ハイデルベルク大学にて博士号取得
1930年 ハイデルベルク大学卒業
      フランクフルト大学講師、マールブルク大学助手など歴任
1940年 マールブルク大学教授に就任
1944年 プラハ、カレル大学主任教授に就任
1945年 終戦に伴う政変により強制収容
1946年 体育協会の依頼により柔道を指導
1951年 研究生活に復帰
1961年 プラハ、トマヤロヴァ病院入院
1962年 1月19日同病院にて逝去 享年59歳 教念寺に眠る

北山淳友博士 哲学の碑
「古への 聖残せし筆の跡 今日も辿りて 心安らふ」
19456

淳友和尚之墓(北山淳友博士の墓)
19457

子育地蔵尊、遠州相良城 地の神の石扉
地蔵の背後に、奉納された3枚の石扉。
19458

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