静岡県磐田市見付(みつけ)の磐田市埋蔵文化財センターで、磐田市岩井(いわい)の甑塚古墳(こしきづかこふん)から出土した「盾持ち人埴輪(たてもちびとはにわ)」を公開。
甑塚古墳は、桶ケ谷沼(おけがやぬま)南側の丘陵上に分布する甑塚古墳群の4号墳です。
古墳時代後期(6世紀前葉)に築かれた直径約26m・現状高さ約5mの円墳で、静岡県内で初めて横穴式石室を採用した、遠江(とおとうみ、静岡県西部)最後の首長墓(しゅちょうぼ)だと考えられています。
盾持ち人埴輪(たてもちびとはにわ)
「盾持ち人埴輪(たてもちびとはにわ)」の公開
静岡県磐田市見付3678-1 磐田市埋蔵文化財センター
磐田市立中央図書館 駐車場の奥です。
TEL 0538-32-9699
展示期間 令和6年(2024年)8月1日(木)〜10月31日(木)
期間中の休館日 8月11・12日、9月16・22・23日、10月14日
2024年から土日も開館
開館時間 8時30分〜17時
入場無料
無料駐車場あり
変更・中止の場合あり。
最新情報を確認してから、お出かけ下さい。
静岡県の歴史
静岡県の人気お出かけスポット
形象埴輪と馬具が出土
古墳時代中期(5世紀末頃) 全長55mの前方後円墳
二子塚古墳の記事はこちら
古墳時代後期(6世紀前葉) 遠江最後の首長墓 甑塚古墳の出土品
文化財課企画展『黄泉の世界 〜磐田の後期古墳〜』パート1
磐田市立中央図書館の記事はこちら
日本最古 明治8年(1875年)完成の木造擬洋風小学校校舎
国指定史跡 旧見付学校の記事はこちら
磐田市埋蔵文化財センターの地図
静岡県磐田市見付3678-1
TEL 0538-32-9699
磐田市立中央図書館 無料駐車場あり
磐田市立中央図書館
磐田市埋蔵文化財センター
看板
常設展示リニューアル
2024年に展示される出土品を一部変更、土日も開館されるようになりました。
常設展示
常設展示
甑塚古墳(こしきづかこふん)
甑塚古墳(こしきづかこふん) 地図
甑塚古墳群(こしきづかこふんぐん) 磐田市岩井 分布図
甑塚古墳は、桶ケ谷沼(おけがやぬま)南側の丘陵上に分布する甑塚古墳群の4号墳です。
周辺は、立ち入り禁止！
甑塚古墳(こしきづかこふん) 測量図(1965年)
甑塚古墳(こしきづかこふん)の石室と出土品
出土品について、文化財課企画展『黄泉(よみ)の世界 〜磐田の後期古墳〜』の記事で詳しく紹介しています。
参考画像
甑塚古墳(こしきづかこふん)の石室模型
磐田市埋蔵文化財センターの展示ではなく、平成24年(2012年)8月4日〜9月2日に磐田市立中央図書館1階展示室で開催された文化財課企画展『黄泉(よみ)の世界 〜磐田の後期古墳〜』の様子です。
甑塚古墳(甑塚4号墳)は、古墳時代後期(6世紀前葉)に築かれた直径約26m・現状高さ約5mの円墳です。
静岡県内で初めて横穴式石室を採用した、遠江(とおとうみ、静岡県西部)最後の首長墓(しゅちょうぼ)だと考えられています。
南東向きに開口する右片袖式の横穴式石室で、規模は全長9m・玄室長さ6m・玄室幅3m・玄室高さ1.9m・羨道長さ3m。
甑塚古墳は、昭和33年(1958年)の送電線鉄塔建設工事中に発見。
昭和33〜34年(1958〜1959年)の発掘調査では、天井石が発見されず石室内は土砂で埋まっていました。
石室中央には、小笠山産とみられる厚さ15cmの頁岩(けつがん、泥板岩(でいばんがん))を使用した、組合式箱形石棺(くみあわせしきはこがたせっかん)が置かれています。
石棺の下で須恵器が出土しており、石棺内の被葬者は最初に埋葬された人物ではありません。
3人以上が埋葬され、石室内西側で須恵器150点以上、鉄鏃(てつぞく)、馬具(ばぐ)、銅鏡(どうきょう)などの副葬品が見つかりました。
須恵器は、6世紀前葉から後葉にかけてのものです。
出土品について、別の記事で詳しく紹介しています。
甑塚古墳(こしきづかこふん) 横穴式石室
南東向きに開口する右片袖式の横穴式石室で、規模は全長9m・玄室長さ6m・玄室幅3m・玄室高さ1.9m・羨道長さ3m。
石室中央には、小笠山産とみられる厚さ15cmの頁岩(けつがん、泥板岩(でいばんがん))を使用した、組合式箱形石棺(くみあわせしきはこがたせっかん)が置かれています。
石棺の北側で、「盾持ち人埴輪(たてもちびとはにわ)」が出土。
甑塚古墳(こしきづかこふん) 盾持ち人埴輪(たてもちびとはにわ) 展示中
甑塚古墳(こしきづかこふん) 盾持ち人埴輪(たてもちびとはにわ)
令和6年(2024年)7月30日、復元を進めていた「円筒埴輪(えんとうはにわ)」と「盾形埴輪(たてがたはにわ)」は同一個体で、頭部を欠損した高さ82�僉ι�41�僉Ρ�行き最大28�僂痢崕盪�ち人埴輪(たてもちびとはにわ)」だと磐田市教育委員会が発表しました。
甑塚古墳(甑塚4号墳)は、古墳時代後期(6世紀前葉)に築造。
魔除けとして古墳の周囲や石室入口へ置かれていた「盾持ち人埴輪」を、その後行われた追葬(ついそう、新たな被葬者を埋葬すること)で石室内の石棺北側へ移動させ、埴輪を転用した棺(ひつぎ)にした可能性が考えられます。
近畿地方の影響を受けた文様
盾部の長方形の枠(わく)の中に、三重(さんじゅう)の半円を6個配置した文様です。
6世紀前半に築造された奈良県田原本町(たわらもとちょう)の宮古平塚古墳(みやこひらつかこふん)から、よく似た文様の「靫形埴輪(ゆぎがたはにわ)」が出土しています。
靫(ゆぎ)は、矢を納める容器です。
近畿地方の影響を受けた「盾持ち人埴輪(たてもちびとはにわ)」が、東海4県で初めて確認されました。
盾持ち人埴輪(たてもちびとはにわ)
各地から出土した盾持ち人埴輪(たてもちびとはにわ)
盾持ち人埴輪(たてもちびとはにわ)の頭部
大阪府高槻市(たかつきし)・今城塚古墳(いましろづかこふん)出土の甲冑形埴輪(かっちゅうがたはにわ)
甑塚古墳(こしきづかこふん)の盾持ち人埴輪(たてもちびとはにわ)
「靫形埴輪(ゆぎがたはにわ)」と「盾持ち人埴輪(たてもちびとはにわ)」
奈良県田原本町(たわらもとちょう)・宮古平塚古墳(みやこひらつかこふん)から出土した、矢を納める容器の靫(ゆぎ)を模した「靫形埴輪」。
磐田市岩井・甑塚古墳(こしきづかこふん)出土の、頭部を欠損した高さ82�僂痢崕盪�ち人埴輪」。
参考文献
・磐田市埋蔵文化財センターの展示
・『静岡県史 資料編2 考古二』静岡県 1990年3月20日
・『磐田市史 資料編1 考古・古代・中世』磐田市史編さん委員会 1992年3月31日
ランキングに参加中！！
にほんブログ村
