正月の最大のイベントは何でしたか?わたしの場合、あの明治の文豪、夏目漱石の「三四郎」(岩波文庫)をやっと読んだことです。他の漱石作品は一応目を通しているのに、どういうわけか「三四郎」だけは50の坂を越えるまで手付かずでした。今ごろこんなことを書くのも気恥ずかしいのですが、熊本から上京し、東大に入学した小川三四郎君の青春物語には、引き込まれました。「田舎」から東京に出た青年の鬱屈、新しい時代の人間関係に驚嘆し、なじんでいく様子が生き生きと描かれています。
地方出身の青年の失恋物語と言ってしまえば簡単かもしれません。しかし、それにしても明治期の青年の心の動きの何と大人(おとな)であることか。時代全体の「大人ぶり」がひしと伝わってきます。漱石のユーモア精神も痛快です。「文豪」の偉さにひれ伏しています。やはり今更ながらでしょうか。
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