たまには「巨匠」の作品をというわけで、見る機会を逸していた「隠し砦の三悪人」(黒澤明監督、1958年)をレンタルしてきました。ここ2、3年、藤沢周平さんの原作を映画化した時代劇が多かったので、それらと見比べる気持ちもありました。三船敏郎(真壁六郎太)、千秋実(太平)、藤原釜足(又七)、上原美佐(雪姫)の4人のうち、何と言っても千秋、藤原のコンビが素晴らしい。二人が醸し出すほのぼの感がいい分、あの「七人の侍」(1954年)よりも好きな作品となりました。

 この作品は何と言っても、スティーブン・スピルバーグ監督の出世作「スター・ウォーズ」の下敷きになったことで有名です。千秋、藤原が「スター・ウォーズ」の人気キャラ、ロボット「C-3PO」「R2-D2」だというのです。当たり前の話ですが、千秋、藤原の方が人間味があり、うまい。特に仕掛けがあるわけではないけれど、心底ほっとするラストシーンが用意されています。

 大戦で敗れた側のお姫さまストーリーという設定も「下敷き」なんでしょう。雪姫役の上原美佐さんが甲高い声でせりふを張り上げる様は、まさに独特のお姫様演技。世界のどこにも類似例のない演出といえるでしょう。