2016年12月05日

戦艦武蔵の最後=NHKスペシャル

12月4日に放映されたNHKスペシャル「戦艦武蔵の最後」を見た。
1944年10月のフィリピン沖海戦で撃沈された戦艦武蔵。
だが、「無敵の浮沈艦」といわれながら、その最後はナゾにつつまれていた。
「戦艦武蔵の最後」は、米国より提供された武蔵についての100時間の未公開映像を分析して、武蔵の最後を解明したドキュメンタリー番組である。
戦艦武蔵の船体は昨年、フィリピンのシブヤン海の海底で、米国の民間海底調査プロジェクトの8年がかりの捜索で発見された。
1200mの深海であったため腐食が最小限で、菊の紋章や船体の文字、船体の残骸や軍靴・鉄カブトなどの保存が良好な状態で発見された。
武蔵の全長は263mで6・9万t。
当時世界最大の戦艦である。
世界最大の46センチ砲9門を搭載し、40卆茲療┫呂鮃況發任るとされていた。
ロンドン海軍軍縮条約による軍備制限に対して、日本海軍は「量」より「質」で米英に対抗しようとした。
そこで「大鑑巨砲主義」を採用して武蔵・大和の巨大戦艦を建造した。
対する米国は、真珠湾攻撃で戦闘機により軍艦が撃沈された教訓から、これからの戦争は戦闘機が主役になるとふんで戦闘機の開発に力を注いだ。
武蔵は「無敵の不沈艦」といわれた。
船体の一部が損傷して海水が浸入しても、構造上沈没しないように設計されていた。
またエンジン部分は厚い鉄板で覆われて保護されていた。
ただ戦後、軍部が武蔵の設計図等すべて焼却したので、詳細は分かっていない。
1944年10月24日、武蔵は米軍機の5度にわたる空襲で撃沈された。
米軍の戦闘機は日本の軍艦を想定して、新たな攻撃方法を開発していた。
左右にわかれた戦闘機が魚雷を命中させて撃沈する訓練等である。
実際、武蔵は船体に10発以上もの魚雷を撃ち込まれて撃沈されている。
だが、なぜ「無敵の不沈艦」が撃沈されたのか。
それは巨大な鉄板を止める鋲にあったとされる。
武蔵は軍艦同士の攻撃を想定して設計された。
そのため、船体の横腹から直接攻撃されることは想定していなかった。
魚雷による攻撃で鉄板を止めていた鋲が損傷されて、その隙間から海水が浸入して沈没したとされる。
ところが、海底の武蔵の船体は1キロメートル四方にバラバラに散らばって、粉々にされていた。
それではなぜ海底の船体はバラバラになって四方に散乱していたのか。
沈んでいく時、海中で爆発したためとされる。
軍艦にあった弾丸や火薬などが、何らかの理由で爆発し、船体がバラバラになったのではないかと専門家はみている。
武蔵が米軍機に攻撃された時、地獄絵図が繰り広げられた。
首がないまま座っている兵士。
肉片となって飛び散った死体。
船上に山となった死体…。
そして、沈んでいくなかで海上に投げ出された兵士たち…。
2400人の乗組員のうち、無事に帰還できた兵士は4百数十人だとされる。
毎年、武蔵が撃沈された10月24日、慰霊祭が行われている。
「無敵の不沈艦」と信じこまされて亡くなった兵士たちが哀れである。
  
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2016年12月03日

労働の崩壊が世界の不安定要因だ

イギリスのEU離脱。
トランプ大統領の誕生。
欧州各国で吹き荒れる極右旋風。
世界的な反グローバリゼーションのうねり・・・。
すべて新自由主義政策による労働の崩壊に由来する。
EUの失業率は10%。
ギリシア24%。
スペイン20%。
イタリア12%。
フランス10%。
米国5%。
イギリス5%。
ドイツ4%。
ただし、若者の失業率は平均失業率の2倍を上回る国が少なくない。
労働の崩壊は人心を荒廃させる。
欧州で若者のデモや抗議行動が、時に商店襲撃などの暴動へと発展するのをみると、雇用保障がいかに重要かわかる。
日本の失業率は3%。
総務省によると、10月の完全失業者数は197万人。
1995年2月の198万人以来、21年8か月ぶりに200万人を下回った。
有効求人倍率も1・4倍の高率である。
12月2日付毎日新聞「金言」で、西川恵記者が次のように書いている。
フランスから来た人いわく。
「経済的に低迷していると言われるが、欧州の殺伐とした雰囲気と比べ日本の死社会はなぜこんなに落ち着いているんだ」
1990年代、欧州各国が10%近い失業率に苦しんでいる中で、日本は2%台だった。
「高度経済成長につぐ日本の奇跡」と言われていた。
21世紀になって一時5%台になったが、一貫して先進国では最低の失業率を維持している。
だが、日本の低失業率も手放しでは喜べない。
非正規労働者が4割もいる。
さらに、労働人口の減少と低失業率は裏腹な関係にある。
また、雇用調整助成金によって中小企業に余剰人員を抱えさせ、解雇を抑えている面もある。
雇用の質を考えた時、単に失業率が低ければいいとはならない。
日本社会のある種の安定は過去の遺産を食いつぶしながらなんとか維持されている。
非正規雇用など抜本的な改革をしなければ、早晩日本の社会は行きづまるだろう。
低失業率の数字にあぐらをかいてはおれないと西川記者は記している。
雇用なくして社会の安定はない。
戦争のない社会を作るには労働の保障が最重要の課題である。
1人1人の労働時間をへらし、仕事をわかちあう。
時短社会に向けた社会全体の取り組みが必要である。
  
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2016年11月30日

斎藤孝『すごい会話力』を読む=幸福になるための会話術

なぜ会話力が必要なのか。
幸せに生きるためである。
会話すると気が晴れるし、元気になる。
豊かに会話力は人生を幸福にする。
アメリカの調査結果では、年収750万円を超えると、人はそれ以上年収が増えても幸福感は増さないという。つまり、一定のレベルを超えると収入と幸福感は一致しなくなる。
では人は何によって幸福感を感じるのか。
会話である。
そのための「会話力」をどうつけるか、本書はその指南書である。
雑談は人間関係をつくるのが目的だから、話の中身は重要ではない。
話題は何でもいい。
雑談で気をつけるのは宗教と政治である。
その話題に入ると口論に発展しかねない。
これは避けるのが賢明である。
雑談ではその場にいる全員が参加できるようにする。
その場の話題にのりながら、自分はそこに小ネタを入れていく。
話題の火にどんどん油を注ぐ。
話が途切れそうになったら新ネタを放りこみ、話をズラしていく。
他人の話の中に次の展開が見込める話題を探して、そこにうまく引っかかるネタを放り込む。
これが話を途切れさせないコツであり、雑談力である。
総合的な会話力とは、「きき上手」「はなし上手」「盛り上げ上手」な人のことだ。
きき上手になるには以下の点に気配りする。
…阿い討い襪海箸鯀蠎蠅肪里蕕擦(態度や言葉で)。
△發辰範辰垢茲βイ(質問したり、解説を求める)。
2礎揚獣任鬚呂気泙覆(価値判断や批判は保留する)。
すゴ饋瓦鬚さえる(相手がしたい話からそれてしまう  
ような好奇心や質問はおさえる)
セ廚い魘νする(相手の思い分かち合う。
話上手のポイントは次のようなことだ。
周りの人が知らないオモシロネタを3つほど用意しておく。
そして、会話のなかポンポンとネタを披露すると、相手に強い印象をのこす。
さらに、自分の得意分野であれば、その分野の知識を専門家なみに磨いておく。
そうすれば知的会話をするときの大きな武器になる。
会話では「呼吸を読む」ことも大事だ。
話している人の呼吸を読み、しゃべり終えて沈黙に入る寸前にすっと入る。
これが上手でないと、他の人が発言している時に話を被せてしまう。
他人の発言に自分の言葉を被せないためには、息をこらえてタイミングを見計らう。
黙っている人がスッと深いため息を吸ったときには、何か話し始めようとするサインである。
その時はその人のために発言のタイミングを開けてあげる。
これが呼吸が分かる人の会話術である。
会話では相手のプライトを尊重する。
会話の礼儀として「それ知ってる」よ「その話〇回目」はマナー違反である。
相手が何か情報を提供してくれたら、「へぇー」と軽くオドロクのが礼儀である。
会話の身体をも大事だ。
明るく、オープンで、サービス精神があり、上機嫌であることが求められている。
新聞を読み、本を読んで会話力を高める努力も大切だ。
斎藤は、
「座持ちのいい人間になること。祝祭的な会話空間を演出できる人間になること。これを目標にすれば、生きることが楽しくなる」
と結んでいる。
  
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2016年11月28日

NHKスペシャル=追跡パナマ文書 衝撃日本人700人

11月27日放映のNHKスペシャル「NHKスペシャル=追跡パナマ文書 衝撃日本人700人」を見た。
パナマの法律事務所から21万社のデータが流失して、タックスヘイブンによる資産隠し・税金逃れの実態が暴露され、世界を震撼させた「パナマ文書」。
そこに日本人700人以上の名前などがあった。
弁護士・医者・経営者・元外交官・・・。
そのなかで一般市民の個人情報が流出して犯罪に悪用されていたという。
NHKは6月から国際調査報道プロジェクトに参加し、日本人700人をリストアップして調査分析してきた。
タックスヘイブンでペーパーカンパニーを設立すれば、巨額の資金をプールし、税金逃れをすることができる。
しかも、ペーパーカンパニーはじつに簡単にしかも安い費用で設立できる。
NHK調査では<漫画家いがらしゆみこがペーパーカンパニーを設立している。
しかし、本人はまったく知らないという。
会社を設立した時の筆跡を比べると、別人の筆跡である。
だれがいがらしの名前を悪用したのか。
また、年金基金の運用で1200億円の損失をだして倒産してAIJ投資会社浅川社長。
回収された被害額は10分の1しかないという。
その浅川もパナマ文書に名前があがっていた日本人の1人だ。
浅川は別の名前でペーパーカンパニーを設立していたが、収監直前に自分の名前に名義変更している。
名義人を自分の名前にすれば迅速にカネを動かせ、収監前に資金をどこかに移動させたと疑われている。
さらに、日本人7人の名前でイギリス領アンギラにペーパーンカンパニーが設立されていた。
その7人には共通点があった。
7人とも架空の住所であり、会社設立をまったく知らなかった。
7人のうち、ひとりはパスポートを盗まれ、6人はパソコンを借りる時に、パスポートを提出している。
つまり、個人情報が何者かによって盗まれ、悪用されたのだ。
ペーパーカンパニーの設立は、仲介業者を介して、仲介業者から会社を設立する法律会社へと依頼される。
NNHK取材班は香港の仲介業者を探り当て、インタビューしている。
仲介業者といっても若い中国人女性で、日本から個人情報を送るだけで、いとも簡単なにペーパー会社を設立できるという。
費用は65万円。
女性は違法なことはしていないと強調していたが。
しかし、こんな違法なことが世界で罷り通るなら、金持ちはどれだけでも税金逃れをするだろう。
だんじて許してはならない。
  
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2016年11月23日

映画「戦場のピアニスト」を見るー戦場に流れるショパンの曲に魅せられる

「午前10時の映画祭7」で、2002年公開の映画「戦場のピアニスト」を見た。
フランス・ポーランド・ドイツ・イギリスの合作映画でロマン・ポランスキー監督。
シュピルマンはピアニストとしてワルシャワで活躍している。
1939年、第2次世界大戦が勃発すると、ユダヤ人の彼の生活は一変する。
ユダヤ人を表す紋章であるダビデの腕章を付けさせられて、市内のゲットーへと収容される。
そこでの強制労働の日々がつづくが、やがて家財を取り上げられて、列車で強制収容所へと送られる。
シュピルマンは列車に乗る直前に、1人だけ友人に助けられる。
その後は、ナチスの地下活動に抵抗する人々にかくまってもらい、逃亡生活を続ける。
ワルシャワ市内の廃屋で隠れ家生活をしている所を、ドイツ人将校に見つかる。
ドイツ人将校はシュピルマンがピアニストだと知ると、ピアノを弾くようにいう。
隠れ家にあったピアノでシュピルマンがショパンの曲を弾くと、ドイツ人将校はシュピルマンにパンをわたして立ち去る。
さらに、ワルシャワからドイツ軍が撤退いる直前にも、シュピルマンにパンを差し入れる。
かくして、かろうじてシュピルマンは、英米軍のワルシャワ進行で解放される。
シュピルマンは実在の人物でホロコーストを生きのびたピアニスト。
大戦後『ある都市の死』という本を出版。
映画はその本にもとづいて制作されているという。
また、シュピルマンを助けたドイツ人将校はホーゼンフェルト将校。
実際にユダヤ人に理解のあった人物だったという。
彼は大戦後、ソ連で戦争犯罪者として処刑されている。
大戦中のナチスのユダヤ人迫害の残酷さ。
強制労働や強制収容所送付の恐怖。
そして反ナチスの地下活動をした人々。
さらにナチスと市街戦を繰り広げた抵抗勢力。
廃墟と化したワルシャワの街の映像。
廃墟の中にながれるショパンのバラードが、ほれぼれするほど美しい。
第2次大戦のナチスを描いた映画としては1級品である。
わたしか今年見た映画のなかで、「7人の侍」「いまを生きる」「ポセイドン・アドベンチャー」とならび、4本の指に入る。
  
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2016年11月20日

NHKスペシャル=沸騰!14億人の投資熱中国

11月19日放映のNHKスペシャル「沸騰!14億人の投資熱中国」「成長産業にカネを流せ!14億人の投資の作法」を見た。
中国では1日に1万2000社が起業しているという。
1か月で36万社、1年で432万社というとてつもない起業数である。
現在、中国では1800兆円の個人資産をめぐって、投資ブームにわいている。
主役は新興民間投資会社やインターネット金融会社である。
中国上海の金融城。
6000の民間投資会社が、年利周り30%、1日30兆円のカネを動かす中国金融の心臓部だ。
新興投資会社を経営しているのは20〜30代の若者たちだ。
投資ブームは中国政府の国策である。
国の新たな次世代成長産業の育成として10代成長産業を指定した。
そのなかに民間投資会社を増やす政策もある。
中国政府は民間投資会社の課税を優遇し、1800兆円の個人資産をベンチャー企業に投資して、世界の工場から投資型国家へと経済成長を促進しようとしている。
もう一つの成長産業がインターネット金融である。
インターネットで個人投資家からカネを集め、ベンチャー企業に投資する。
すでに2000社超の会社が10兆円のカネを動かしている。
インターネット金融は年利9%で元本保証をうたい、わずか数十分で投資のカネを効率よく集めている。
こうして集められたカネが、バーチャル企業や鉄鋼・農業・水産業などに投資される。
だが、投資ブームの裏側では、当然トラブルも多発している。
昨年12月にはサギ事件が発生。
90万人が7500億円の被害を被った。
毎週600件、貸した金が返ってこないといった投資相談があるという。
夜逃げや警察捜査など、インターネット金融会社の3分の2が問題を起こしている。
2016年8月、中国政府もインターネット金融の規制に乗りだしている。
その結果、早くカネを集めて素早く投資することができなくなっている。
世界の工場からマネーゲームの社会へ。
中国が新たな成長エンジンを獲得できるか、習政権の正念場となっている。

  
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2016年11月17日

佐藤優『君たちが知っておくべきこと』=灘高生相手の講義録

佐藤優が灘高生を相手に講義した本で、大人が読んでもオモシロい。
本のポイントをあげていこう。
ヾ盈修篆景控者になった人を待つ大きなワナは、政治家の引力圏に引き込まれることだ。
ふつう政治家は勉強もできず、下品で金に執着する野心家だと思われている。 
たしかにそういう面もあるが、自分にはない特別な力をもっている。
それに魅了されて政治家の引力圏に引き込まれていくことがある。
政治家の魅力に国民がなぜ引き込まれるか、その論理をうまくつかんでおくべきだ。
⊇性問題で転ばないこと。
女性に入れ込んで研究が手につかなくなる研究者や、ストーカーなんかなって取り返しのつかない人生を送る官僚などが結構いる。
その問題への対処の仕方は、良い小説を読むこと。
小説を読んでさまざまな状況を疑似体験し、代理経験を重ねることで自分を客観視できるし、いろんなタイプの人間を知ることができる。
B膤悗呂修了に持っている学力で行けるところに行くのが基本だ。
2〜3浪して東大に行っても、合格した時点で人生の終点に立ってしまうから、その先を見失うことになる。
官僚で満足しているのは金メダルを取った人だけ。
つまり次官までのぼりつめた人だけだ。
日本では会社でもトップに立つ人間しか満足できない社会になっている。 
こういう「永遠の椅子取りゲーム」に、成績のいい人ははまりやすい。
単一の競争ではなく、Aが得意な人もいれば、Bが得意な人もいる。
そうやって棲み分けをしている。
その棲み分けを「負けた者の合理化」と見るのではなくきちんと理解する。
そのためには小説や科学などいろんな知識を統合しないとできない。
ぜ匆颪農犬ていく上で大事なことは2つある。
ひとつは「約束を守る」こと。
もうひとつは「できない約束をしない」こと。
この2つを守ることは意外と大変だ。
特に日本ではできないことを軽々に約束することがあるからだ。
ダ賁腓鮴犬すためには教養を身につけることが大事だ。
教養を身につけるには、自らの意思を持つこと。
いい先生を見つけること。
切磋琢磨できるいい友だちを見つけること。
日本でも反知性主義が蔓延している。
本来、反知性主義はアメリカで生まれた言葉だ。
神の前ではみな平等という意味で、知性を持った人たちの傲慢さを牽制する言葉だった。
反知性主義は世界的な現象でもある
。反知性主義の根源には愛国がある。
愛国はナルシシズム(自己陶酔)だ。
国家を愛することで、世のため人のため国家のために献身している自分は素晴らしいという充実感を求めている。
Τ惺擦諒拔をバカにしないこと。
受験勉強は決してムダにはならない。
受験勉強で身につけた知識を大学でものばしていくこと。
そのためには系統的に本を読むこと。
さらに外国語の力をつけておくこと。
さまざまな世界を鳥瞰するという意味で「上から目線」で、いろんなジャンルの本もきちんとフォローしていくこと。
それが物事を突き放して見ることにつながる。
それと大学にいる間、自分の恩師と思える人と1人でも出会えるがどうかで一生が変わってくる。
Г呂泙蠅海爐抜躙韻覆發里世の中にあることを知ること。
学生運動・薬物・異性・アルコール・ゲーム…。
そうした物とは距離感を持って学んでいくこと。
さらに思想的耐性をもつこと。
宗教と金もうけには特に気をつけること。
以上、佐藤の論旨を箇条書きにまとめてみたが、博覧強記の本書を一読することをおススメする。
  
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2016年11月16日

ブレイディみかこ『ジスイズジャパン』を読む=体当たり取材で日英比較

英国に20年在住し、保育士の仕事をしている著者が、キャバクラ・保育園・日雇労働の現場などを見聞して報告したリポートである。
そこから浮かび上がってくるのは、イギリスと日本の労働者の違いである。
イギリスでは2000年以降、「ブロークン・ブリテン」(壊れた英国)と言われてきた。
格差が固定しホームレスが激増した殺伐として英国社会を指す言葉で、キャメロン首相が使用した。
では「ブロークン・ジャパン」はどうか。
社会を変える主役である労働者の意識が英国と日本では違う。
英国ではワーキングクラスは「俺たちは貧乏だ」と堂々という。
そして「俺たちが苦しいのは貴様ら(政府)がしっかりやってくれないからだ」と文句をいう。
無視すると反乱や暴動を起こす。
イギリスではブレア首相の「第3の道」により、新自由主義政策が推進されて労組が衰退してきた(全国組織率24・7%)。
それでも労組には存在感がある。
労働者が懲戒処分を受けると、懲戒会議にレップ(労組の個別相談担当者)の同席を求めることができる。
組合は今でも労働者を支援する強力な組織として機能している。 
ピープルの連帯はイギリスだけでない。
ヨーロッパを席巻している。
ポデモス(スペイン)・スコットランド国民党・アイルランド地域政党…
運動の根幹にあるのは「反緊縮政策」である。
EUの緊縮政策で「病院が足りない、学校が足りない、住宅が足りない」といった生活のインフラが破壊されてきた。
それに対して「政府はもっと国民のためにカネを使え。メシを食わせろ」という庶民の声を政治に反映させようとしているのがこれらの運動体である。
グローバリゼーションと新自由主義政策で、世界中で貧困・格差が拡大してきた。
ヨーロッパ中ではそれに対する対抗運動が生まれている。
対して日本ではいまだに国民の9割が中流意識を持っている。
だからみな保守的だ。
国民の大多数はこのままでいいと思っている。
貧困なのに貧困と意識しない。
新階級社会が到来しているのに気がつかない。
「現代の若者は監獄に入れられている奴隷のようだ。それなのにそれに気づいていない。」(藤田孝典)のだ。
国民が1番望んでいるのは安心した暮らせる社会保障制度の充実だ。
憲法9条を守れというが、戦争をなくすのに1番有効なのは貧困、そして格差・差別・抑圧等をなくすことだ。
だから、安保法案は政府の策略で、そちらに意識を向かわせて暮らしを見させないためだと藤田はいう。
世界では期せずして極左と極右がともに台頭してきている。
極左と極右の台頭は底辺の民衆の叫びである。
社会はもはや右と左ではない。
上と下に分かれてしまっている。
それに対する対抗運動が世界の到るところで起きている。
ところが日本の労働者はどうか。
なぜ貧困・格差がこれだけ深刻になっているに立ち上がろうとしないのか。
根本にあるのは日本人の人権感覚だ。
ヨーロッパでは人権は社会に根ざしている。
人権は市民革命で勝ち取られてきた歴史があるからだ。
貧困は人間の尊厳を損なうものであり、貧困をつくりだす政治や経済システムもまた人権問題であるといった社会認識がある。
日本では人が生まれながらにして持つ「人権」感覚が希薄である。
日本では権利と義務がセットとして考えられている。
国民は義務を果たしてこそ権利を得るとされる。
つまり、税金を支払う能力がなければ権利は要求してはならないという社会なのだ。
イギリスは「権利」は国民の側にあるもので、「義務」は国家の側にあるものだとされている。
たとえば2015年のギリシァの債務危機が報道された時、欧州ではEUの緊縮財政が議論されたが、日本では「借金を返さない方が悪い」とする論調だった。
日本の社会で人権が根付かないのは、国民性の問題ではない。
教育・労働・経済にいたるまで人権政策がないからだ。
国連は加盟国に人権機関の設立を奨励してきた。
現在世界120か国超える国に人権機関が設立されている。
しかし、日本ではいまだに人権政策を確立する人権制度が整備されていないのだ。
だから生きづらい社会なのだ。
労働者が奴隷状態でも立ち上がらないのだ。
  
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2016年11月12日

NHKスペシャル=トランプ大統領の衝撃

世紀の番狂わせといわれたトランプ大統領誕生。
(トランプの大統領当選を予測していたのは、マイケル・ムーアだけか?)。
11月13日放映のNHKスペシャル「トランプ大統領の衝撃 世界はどう動くか」を見た。
全米各地で「トランプは私たちの大統領ではない」とする抗議デモが起きている。
トランプ当選で差別的言動も増えているという。
こんごアメリカ社会の分断は深刻さを増していくだろう。
選挙直前、メディアはクリントンの勝利を71%、トランプの勝利を28%としていた。
ところが、選挙が始まって5時間後は、クリントン20%、トランプ78%とひっくり返った。
メディアは完全に予測を誤ったのだ。
有権者の「チェンジ」を求める声をつかめなかったのだ。
トランプはツィッターを利用して直接支持者に訴える選挙戦をとった。
トランプの過激な発言がツィッターで拡散され、支持者を広げていったとされる。
大統領選でのツィッターの利用は初めてであった。
既存のメディアは、トランプのツィッターでの汚い発言を無視した。
だが、チェンジを求める有権者には、「隠れトランプの支持者」が多かったという。
トランプは国民が声にだして言いにくいホンネを代弁したのだ。
トランプを大統領に当選させたのは有権者の「怒り」である。
怒りのマグマがトランプを大統領へとおしあげた。
では国民は何に対して怒ったのか。
第1に15年も続いた「テロとの戦争」である。
アメリカは2001年以降、イラクやアフガニスタンなどへ、20万人以上の兵士を派遣してきた。
177兆円もの軍事費を投入し、7000人の死者をだした。
負傷者はその何倍もいるだろう。
戦闘に参加した兵士は、自由を守るための戦いだといわれたが、すべてムダだったと回想している。
さらに、こうした帰還兵士には仕事がない。
アメリカ社会はベトナム戦争同様、大義なきテロとの戦いに疲弊しきっている。
2200万人の退役軍人もトランプを支持した。
第2にグローバリズムによる国内産業の崩壊である。
オハイオ州では選挙前は接戦とされていた。
ところが、40万票の大差でトランプが勝利した。
企業の海外流出で、仕事を失った労働者がトランプを支持したのだ。
トランプの「アメリカ第1主義」とは、グローバル化への歯止めであり、米国を最優先し、米国を立て直すことを目標としている。
こうした主張に賛同し、多くの有権者はトランプへ投票した。
トランプはアメリカは世界の警察にはならない、カネを出さない国は守らないという。
自国優先のモンロー主義への先祖帰りである。
その結果起きる現象は、第1に各国のアメリカ離れである。
第2に国際協調主義の破綻である。
第3に自国の利益のみを追求する保護主義である。
第4に世界的排外主義の台頭である。
すでにヨーロッパ各国では、トランプの当選で極右政党が活気づいている。
自国を最優先し、自国の利益を第1とする排外主義がヨーロッパに広がっている。
フランスの経済学者ジャック・アタリは自国の利益追求が国家間の対立を招くと指摘する。
20世紀の2度の世界大戦も、自国の利益のみ追求する結果勃発したと。
世界はグローバリゼーションから内向きの時代へと方向転換しつつある。
イギリスのEU離脱。
アメリカのトランプ当選…。
こんご世界はどう動くのか。
だれも予測できない混沌とした時代へと向かいつつある。
  
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2016年11月07日

NHKスペシャル「原発・廃炉への道」

11月6日放映のNHKスペシャル「原発・廃炉への道」をみた。
福島原発の廃炉は40年つづくといわれている。
その廃炉関連コストが現在まで13・3兆円までふえ、さらにふえつづける見通しだ。
「賠償」「除染」「廃炉」の巨額負担が国民に押し付けられようとしている。
当初、東電は廃炉費用を2兆円と見積もっていた。
だが、その数倍はかかると試算されている。
また、賠償費用も現在まで6・4兆円。
毎年1兆円ふえている。
さらに、除染費用は当初3・6兆円と見積もられているが、現在まで4・8兆円。
こんごもふえつづける見通しだ。
合計で現時点までに13・3兆円。
その7割が国民の負担である。
現在7000人の人が原発事故の作業に当たっている。
危険手当は1日1人2万円。
1日で計1億円超である。
また汚染水を貯めるタンクを160億円で作ったが、現在そのタンクすべてを交換せざるをえなくなっている。
使用済み核燃料の処理予算として当初1400億円の予算が組まれていた。
現在まで1000億円使って1つも取り出せていない。
さらに、2017年に予定されていた使用済み核燃料処理も、2020年へと繰り延べられている。
溶け落ちた核燃料デブリについては取り出すどころか、調査さえもできていない。
デブリの取り出しは当初スリーマイル島原発事故を参考に2500億円と試算されていた。
しかし、スリーマイル島の場合、デブリは炉内にあったが、福島の場合原子炉をつきやぶって散らばっているとされる。
そのため、スリーマイル島の試算は根拠のないもので、いくらかかるか見当もつかない。
東電は当初廃炉費用を2兆円と試算していた。
だが、国の試算でも3・6兆円とされ、実際は最低でも4・8兆円はかかるとされている。
除染コストも膨張している。
廃炉作業にともない、除染地域が拡大しているのだ。
さらに、廃棄物の袋13万袋のうち半分が劣化して詰め替えている。
廃棄物袋の詰め替えや中間貯蔵施設への輸送費用等で、当初試算1750億円が1兆円以上に膨れ上がっている。
賠償コストも家屋や営業損害のほかに、精神的慰謝料や住居確保損害など毎年1兆円ほどふえつづけている。
現時点までに6・4兆円。
こんごどれだけの費用が必要か不透明だ。
こうした廃炉関連コストをだれがどう負担するか。
1961年に制定された原子力賠償法では、責任は事業者にあり国民に一切負担をかけないとされていた。
ところが、2011年の福島原発事故がおきると、財界は同法3条「天災地変」を根拠に、東電の責任は免責されると主張した。
実際、事故直後に東電は自己負担を1兆円だけとし、残りは国の負担にしてほしいと要求したという。
2011年8月、政府は東電の免責もせず破綻もさせない新たな制度を作った。
「原子力賠償支援機構」である。
支援機構は「金融機関→(借金)→政府→(資金提供)→支援機構→賠償金支払い」という仕組みである。
それでは国が借金をして立て替えたカネはどうするか。
第1に東電が利益の半分を毎年国に返却する。
第2に他の電力会社が支援機構に資金を提供する。
そのカネは電気料金に上乗せできる。
すなわち、国民負担である。
東電は今まで国に1800億円返している。
しかし、この間の国民の賠償らにあてられた電気料金の負担総額は6713億円。
東電のカネの3・7倍である。
東電が国に返した1800億円の内訳をみてみよう。
〇2012年 
利益1014億円→国への返金500億円(49%)
〇2013年
利益2080億円→国への返金600億円(29%)
〇2014年
利益3259億円→国への返金700億円(21%)
当初約束されていた利益の半分を国に返すという取り決めからほど遠いことがわかる。
除染費用も政権交代で負担の見直しが行われた。
政府会議では財務省は東電が負担すべきだと主張。
それに対して経産省は国が負担すべきだと主張して対立。
結局、政府の所有する東電株1兆円を売却して除染費用とすることで決着した。
しかし、株価は値上がりせず、絵に描いた餅になっている。
現在まで廃炉費用の7割は国民の税金が使われている。
廃炉関連費用も負担も国民に説明されず、東電の責任を免責して国民に廃炉の負担を押し付ける政策が、国民の知らない所で進められている。
  
Posted by sho923utg at 07:44Comments(0)TrackBack(0)