2016年05月28日

吉本隆明ノート※,發辰反爾絶望せよ

体制をぶちやぶる力は、火炎ビンでもなければ、竹ヤリでも、ピストルでもなく、団結であり、先進資本主義における革命で、まっさきにこんな武器をもてあそぶような事態がきたとしたら、プロリタリアートは敗北するほかないのだと説いた黒田寛一のほうが、はるかに現実的である。
(「もっと深く絶望せよ」『吉本隆明全集6』より)

1959年「図書新聞」掲載。
右の文章は「怒れる世代」の江藤淳・石原慎太郎・大江健三郎らが、
「ばかに安っぽく殺意とか殺人とか自殺とかいうコトバをもてあそぶ」ことに対して、「それはオモチャのピストルをもてあそぶ子供たち」とおなじで「芸術的反抗をも行動をも示すものではありえない」
と批判した文章のつづきである。
暴力=武力で権力はたおせない。
そのことを戦後サヨクの運動家たちがどれだけ思想化し、後世の世代につたえてきたのか。
きちんと伝えていたら、1970年代の連合赤軍事件も内ゲバも防ぐことができた可能性がある。
「批判という武器はしかし、武器による批判の代わりになることはできない。
物理的な暴力は物理的な力によって転覆しなければならない」
(マルクス『ヘーゲル法哲学批判序説』)。
共産党にしても新サヨクにしても、暴力による権力とのたたかいがどこに行き着くのか、歴史的な検証を怠ってきたのではないか。
マルクス主義の「暴力革命」を批判できなかった戦後知識人の責任が問われる。
吉本はまた「現在の社会的な情況の本質をみきわめるためには、ふかく絶望しなければならぬ」「その絶望を主体的希望のバネに転換」しなければならないとも書いている。
絶望することなく真の希望をみいだすことはできないのだ。(2016・5・28)

  
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2016年05月23日

『舘崎正二著作集16 地域に笑顔を 自治会に感動を』出版案内

『舘崎正二著作集16 地域に笑顔を 自治会に感動を』出版案内
A5版上下段組128p 定価500円

目次 (月刊誌『むすぶ』ロシナンテ社連載)
1 自治会について考える     
2 自治会について考える
3 自治会について考える
4 自治会について考える
5 自治会について考える
6 自治会について考える
7 自治会について考える
8 自治会について考える
9 自治会について考える
10 自治会について考える
11 自治会について考える

時評2015年(7月〜12月)
国立大学の国旗・国歌強要に池内了が抗議/外国人が見つけた驚き日本のベスト20/安保強行採決=政権打倒の国民運動を/政府の文系学部廃止政策/「自由と平和のための京大有志の会」声明/佐藤優=沖縄は新基地を造らせない/NHKスペシャル=特攻・なぜ拡大したか/国民2千万人を犠牲にしようとした本土決戦/NHKスペシャル=女たちの太平洋戦争/戦後70年の安倍談話=無意味で無価値な談話/柄谷行人の平和論/「積極平和」とは何か/なかにし礼の安倍政権批判=泣きながら抵抗せよ!/不思議な安倍政権/巨大災害にどう備えるか/自民党の変貌と危機=安倍政権の「政治的プレゼント」/住民の幸福度調査を推進する自治体連合「幸せリーグ」/元首相たちの安倍首相への提言/ニュージーランドで国旗変更の国民投票=日本だって国旗を変えたっていいんだぜ!/第3次安保闘争の高揚=市民の連帯が日本を変える/倉本總のエッセイ=すべて「空しい」が希望は捨てない/北野武『新しい道徳』を読む/シカの食害対策で石川県と福井県が県境紛争/野矢茂樹『哲学な日々』を読む/津田久資『あの人はなぜ東大卒に勝てるのか』を読む/東條英機暗殺未遂事件/一人称で書くことの大切さ=平塚らいてうの挑戦/増田俊也『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』を読む/「テロとの戦争」は「自由と民主主義」も殺す/野坂昭如の死/フランスで同時多発テロ=イスラーム国の狙いは何か/篠田節子『インドクリスタル』を読む/受刑者がハーバードを論破/米国銃社会=規制をはばむ文化/2015年の収穫

時評2016年(1月〜3月)
安倍政権の女性利用=斎藤美奈子論文に学ぶ/ポスト資本主義の時代の新たな社会像=広井良典論文に学ぶ/データでスポーツはこれだけ楽しくなる=鳥越規央×たけし/日中関係の改善=若者よ、自分の目で中国を見よ!/軽減税率論議はまやかし=池内了の批判/映画鑑賞=「忍ぶ川」「約束」「めぐりあい」「8月の濡れた砂」/フランスは病んでいる=エマニュエル・トッド/ドローンで宅配?/弘兼憲史『「新老人」のススメ』を読む/福島の子どもたちのがん多発=放射線か過剰撮影か/3・11を語ること=語ることで記憶を整え、次の第1歩を踏み出せる/江戸時代の百姓はどんな米を作っていたか/民意を反映しない選挙制度/電気料金に上乗せされている原発事故処理費用

  
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2016年05月19日

オバマ大統領の広島訪問─大統領は謝罪すべきだ

5月27日、米国のオバマ大統領が広島を訪問する予定だ。
歴史的な訪問だが「謝罪ぬき」だという。
日米両政府は謝罪に触れないことで、オバマ大統領の広島訪問を成功させたいとしている。
以下、5月18日中日新聞「特報」参照。
来年1月で退任するオバマにとっては、「核兵器なき世界」の理念の実績づくりになる。
また、安倍首相にとっては、オバマ訪問実現で支持率を高め、参院選を勝利したいという思惑がある。
しかし、オバマ大統領の広島訪問について、田中利幸・広島平和研究所元教授は次のようにいう。
「広島・長崎への原爆投下は、21万人もの命を奪った無差別大量虐殺だ。
これほどの罪を犯しながら、米国が日本に謝罪せず、日本もそれを容認するならば、核兵器の使用を認めるという誤ったメッセージを広島かに発信することになりかねない」
被爆者たちはこれまで「2度と同じ被害を出さないために」と、米国に謝罪を求めてきた。
さらに、原爆投下は国際法違反だと主張してきた。
2006年と2007年には市民団体が原爆投下の責任を問う「国際民衆法定」を広島で開催。
原爆投下を決定したトルーマン大統領ら15人を「被告」とし、全員に「有罪」の判決をくだした。
2014年には広島の8つの市民団体がオバマ大統領に「謝罪は核廃絶に必要」とする書簡を出している。
一方、アジア太平洋戦争で日本は原爆では被害者の立場だが、アジア諸国に対しては加害者である。
田中元教授は今回の訪問が日本の過去の侵略を否定する歴修正主義を助長するのではないかと懸念している。
米国の加害責任を追及しなければ、アジアの人々に対する戦争犯罪とも向き合わずにすむという論理が潜んでいるのではないかと。
この懸念から田中元教授たちは、広島訪問時のオバマの謝罪と、日本軍の残虐行為への安倍首相のアジアへの謝罪の双方を要求して、賛同者をネット上で募っている。
「原爆による大量虐殺も、南京大虐殺も同じ戦争犯罪。
加害の歴史を直視して2度と同じ過ちを犯さないという努力こそが、戦争責任をとるということだ」
オバマ大統領は2009年4月、チェコ・プラハで「核なき世界」と題して演説をした。
これでオバマはノーベル平和賞を受賞した。
しかし、米国はその後核実験を実施し、小型核爆弾の開発などを進めている。
オバマ政権下で削減された核弾頭は約500発と推計されている。
これは冷戦後の歴代米政権では最も低い。
一方、米議会予算局によると、米国はこんご10年で核兵器に約37兆円の予算を使う予定だ。
また、安倍政権は今年4月、憲法9条は核兵器の保有と使用を禁止していないと閣議決定している。
1957年、当時の岸信介首相は「核兵器の保有は可能だ」と答弁している。
1969年、外務省の極秘報告書で「当面核兵器を保有しないが、核兵器製造の技術は保持する」としている。核燃燃料サイクルは核兵器と密接関係している。
それゆえ、日本政府は原発から手を引こうとしないのだ。
田中元教授は「日米双方が戦争責任をとろうとしない謝罪なき訪問は、核兵器の容認につながる」と批判している。
5月18日付朝日新聞に成田龍一・日大教授もオバマ大統領の広島訪問に対して、「謝罪を求めるべきだ」と次のように書いている。
今回のオバマ大統領の広島訪問に対し、日本では日米関係の強化や核廃絶のステップといった「未来志向」の意味づけばかりが強調され、歴史問題に対する問いかけがかき消されている。
「謝罪」ではなく「追悼」と主張する米国を配慮するように、日本国内の反応も「来て感じてくれるだけでいい」と遠慮がちである。
加害者である米国の大統領が、ヒロシマで何を語るのか。
世界中が注目している。
オバマ自身、プラハ演説で「核を使用した唯一の保有国としての道義的責任」に言及している。
日本が謝罪を働きかけるチャンスである。
実現できなくてもそこに対話が生まれる。
ただし、相手に謝罪を求める以上、当然日本の責任も問われる。
原爆という被害とアジアへの加害と、2つの歴史認識問題は切り離せない関係にある。
日本が反省を示してこそ、米国に反省を促し、世界の国々から共感をえられる。
今回の広島訪問で見えてくるのは、米国への従属である。
だからこそ、オバマ大統領に原爆投下の謝罪を求めることは、日本が米国と対等に付き合い、同時にアジアへの加害と向き合い、戦争について議論するきっかけになると成田教授は述べている。
  
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2016年05月11日

買い物は日々の投票である=朝日・稲垣えみ子記者

7月の参院選が近づいている。
日本の社会がさらに右に行くのか、それともかろうじて踏みとどまるのか、試される時である。
ところで、鷲田精一著『しんがりの思想』を再読していたら、2015年1月の朝日新聞「ザ・コラム」に掲載された稲垣えみ子記者の文章が引用されていた。
「お金=投票券」という次のような文章である。

そんなある日、近所のおしゃれな雑貨店出こんな貼り紙を見たのです。
「お買い物とは、どんな社会に一票を投じるかということ。」
ハッとしました。
買い物=欲を満たす行為。
ずっとそう思っていた。
でも、確かにそれだけではありません。
お金という対価を通じて、それを売る人、作る人を支持し、応援する行為でもある。
ささやかな投票です。
選挙は大事です。
でも選挙以外のこと、すなわち、1人1人が何を買い、日々どう暮らし、何を食べ、どんな仕事をし、だれに感謝を伝え…ということは、もっともっと大事ではないか。
逆に言えば、そうしたベースを大切にし尽して初めて、意味のある選挙が行われるのではないか。
投票しさえすれば、誰かが良い社会、良い暮らしを実現してくれるわけじゃない。
当たり前のことですが、どうもそういうことを忘れていたことに気づいたのです。
以来、「お金=投票券」というつもりでお金を使っています。 
例えば、私の愛する日本酒。
私の好きな酒を造る人、そんな造り手の思いを消費者に届けようと奮闘する酒屋を支持する気合を込めてお金を払います。
「がんばって」「応援してるよ」と心の中でつぶやいてみる。
そうつぶやけない酒は(できるだけ)飲まない。
この行動を、すべての買い物で実現しようとしています。
 …今や消費者というより、好きな働き手を支える投資家の気分です。
日々闘いです。
(2015年1月3日)

買い物こそ日々の投票であるという、至極もっともな、しかし実に本質的な指摘である。
資本主義社会では「消費者主権」こそが、選挙以上に大きな意味をもつ。
鷲田の『しんがりの思想』は、「リーダーシップ論」がもてはやされる昨今、「フォロワーシップ」の重要性を論じた貴重な本である。
フォロワーシップとは、リーダーに必要な情報を伝え、きびしい諫言をし、リーダーに万一のことがある時はそれに代わって指揮を執る、いわば「参謀」の役割のことである。
最後に著者は梅棹忠夫の次の言葉を引用している。
「請われれば一差舞える人物になれ」
昨年、自治会長を引き受けてみて、このことばにふかく同意する。
  
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2016年05月09日

なぜ「住民訴訟制度」はあるのに「国民訴訟制度」はないのか

志賀櫻著『タックス・イーター』を読んでいたら、「国民訴訟制度」について書いていた(以下同書参照)。
地方自治法にもとづいて住民訴訟制度がある。住民訴訟の事件として有名なのは、津地鎮祭訴訟や愛媛県玉串訴訟がある。
総務省の説明によると住民訴訟は、
「住民からの請求に基づいて、地方公共団体の執行機関又は職員の行う違法・不当な行為又は怠る事実の発生を防止し、又はこれらによって生じる損害の賠償等を求めることを通じて、地方公共団体の財務の適正を確保し、住民全体の利益を保護することを目的とする制度」
であるという。
ところが、地方公共団体に対してはこのような制度があるのに、国については存在しない。
なぜだろうか。
公式に説明されたことはないが、地方公務員には国家公務員との比較において十分な行政能力がないからこのような制度を設けて、住民主導で地方公共団体の活動をチェックする必要がある、ということであるらしい。
これは裏返していえば、
「国家公務員には十分な能力があるから住民訴訟のような制度を置く必要性はない」
ということになる。
だが、はたして国家公務員にそのような能力と志の高さがあるのか。
実情を見れば一目瞭然である。
1978年、最高裁は住民訴訟について、
「住民の有する右訴権は、地方公共団体の構成員である住民全体の利益を保障するための法律によって特別に認められた参政権の一種であり、その訴訟の原告は…公益地方財務行政の代表者として地方財務行政の適正化を主張するものである」
としている。
つまり、住民訴訟制度は参政権の一種なのだ。
参政権は憲法の定める国民の基本的人権であるから、住民訴訟制度が存在して国民訴訟制度が存在しない合理的根拠はない。
2005年、日弁連が「公金検査請求訴訟制度」、すなわち「国民訴訟制度」について提案している。
地方自治法によれば、住民訴訟を提訴するには、住民はまず監査委員に対して住民監査請求をしなければならない。
これを「住民監査請求前置主義」という。
国民訴訟制度はこれを会計検査院に対する検査請求によって代替される。
さらに、国民訴訟制度は会計問題だけでなく、政府の大規模公共事業の必要性も争えるものとしている。
著者は同書で、
「日本の財政はもはやほとんど破綻しているのであって、いかなる目標を掲げようが、いかに歳出を削ろうが、どれほど増税しようが、再建は覚束ないというのが現実である」
と書いている。
その最大の理由が「タックス・イーター」とよばれる国民の税金にむらがり私腹を肥やすシロアリである。
本書は日本の予算がそうしたシロアリに食いつくされてきた実情をあますところなく報告している。
歴史を顧みると、巨大な財政赤字は「戦争」により解決されてきた。
だが現在は戦争に訴えることは出来ない。
だとすると、戦争にかわる手段として「ハイパー・インフレ」が浮上してくる。
万策つきてこのような選択肢を取った時、国家が巨大な「タックス・イーター」に豹変するだろうと著者は書いている。
  
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2016年05月07日

映画鑑賞─「旅情」

アメリカ映画「旅情」を観た。
「午前10時の映画祭7」の上映映画のひとつだ。
1955年作。
主演はキャサリン・ヘップバーン。
アメリカの独身中年女(ジェーン)が、「失われた時」をもとめてイタリアのベニスを旅行する。
そこで、イタリア男性(レナード)と恋におちるという話しだ。
「旅情」は不朽の名作といわれている。
だが、そうだろうか。
「水の都」ベニスはいい。
ゴンドラもサン・マルコ広場も異国情緒ゆたかだ。
そこで旅する女や男が恋をするのもいい。
だが、この映画はなんだかなあ、しっくりこないのだ。
ジェーンはベニスの観光よりも、イタリア男との恋が目的だ。
彼女にとって欧州旅行は「思いでづくり」の旅なのだ。
だから、その方面では手練れのイタリア男たちにしてみれば、こんな女はいい「カモ」でしかない。
サン・マルコ広場で偶然出会った中年男レナードが恋の相手だ。
ジェーンがある骨董店で18世紀のガラス容器が気にいって買い物をする。
そこの店の主人が広場で出会ったレナードである。
それからレナードはジェーンに猛然とアタックする。
男には妻も子どもいるが、恋に理屈はいらないとイタリア男は口説きまくる。
そしてふたりは恋におちる。
お決りのコースだ。
映画で唯一気にいったのは、裸足の浮浪児マロウである。
マロウ少年は観光客相手に、いろんなあやしげなものを売りつけて暮らしている。
タバコもすぱすぱ吸う。
マロウはジェーンにもあの手この手でいろんなものを売りつける。
そのうち2人は仲良しになる。
そして、ジェーンがアメリカに帰るとき、マロウはプレゼントをわたす。
「好きだからお金はいらないよ」と。
浮浪児の存在がベニスを舞台にしたこの映画の救いである。
もうひとつ。
ジェーンとレナードの最後の別れの場面もいい。
ジェーンが列車に乗って旅立つ。
ジェーンはレナードが見送りに来てくれるものと思い必死に探す。
やがて列車が動きだす。
そこへレナードは見送りにかけつける。
動き出した列車を追いかけて、ジェーンにプレゼントをわたそうとする。
だが、一足おくれでプレゼントはむなしく地面におちる。
そのプレゼントは、広場で花売りのおばあさんからジェーンが買った白い「くちなしの花」。
そのくちなし花が、2人の別れを象徴しているラストシーンである。
「さよなら レナード
 さよなら ベニス
この思い出があれば生きていけるわ」
この映画で、イタリア男がアメリカ女をどう口説くのか興味深々であった。
だが、男の理屈なんかぬきで楽しもうぜ、といったみもフタもない口説き文句にドッチラケになった。
もう少しスマートな口説き方があるだろうに。
  
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2016年05月06日

改憲不要55%、必要37% 9条改正反対68%=朝日新聞世論調査

5月3日付朝日新聞に全国世論調査結果が掲載されている。
(以下、数字はすべて%)。
〇憲法を変える必要はない55 
変える必要がある37
「変える必要はない」とした人では、
「平和をもたらしたから」の72%が最も多かった。
「変える必要がある」とした人では、
「国防の規定が不十分だから」の52%が最も多かった。
ちなみに、過去の同様の調査では左記のとおりだ。
〇不要83年47→01年36→07年27→12年27
 必要83年26→01年47→07年58→12年51
また「安倍政権の下で憲法改正を実現することに」ついては
「反対58」
「賛成25」
さらに「憲法で国家権力の濫用を防ぎ、国民の権利を保障する「立憲主義」の考え方」に
「共感する77」
「共感しない13」
憲法9条についての調査結果は次のとおりだ。
〇憲法9条を変えない方がよい68 
          変える方がよい27
「変えない」と答えた人の理由は、
「戦争を放棄し、戦力を持たないとうたっている52%」
「今のままでも自衛隊が活動できる35%」
「変えると東アジア情勢が不安定になる11%」
の順である。
「変えたほうがよい」と答えた人の理由は、
「今の自衛隊の存在を明記すべきだ35%」
「日米同盟の強化や東アジア情勢の安定につながる30%」
「国際平和に、より貢献すべきだ26%」
の順である。
ちなみに過去の9条の調査結果の推移は左記の通りだ。
〇変えない方がよい13年54→14年64→15年63
 変える方がよい 13年37→14年29→15年29
また、他の憲法関連の調査結果は左記のとおりだ。
〇今の日本の憲法は全体として
よい憲法だと思う67
そうは思わない23
〇憲法は簡単に変えないほうがよい62 
柔軟に変えるほうがよい31
安保関連法の調査は次のとおりだ。
「安保関連法に反対53」「反対34」。
同法案は「憲法に違反している50」「違反していない38」
自衛隊については「憲法に違反している21」「違反していない69」。
「憲法9条を変えて、自衛隊を正式な軍隊出ある国防軍にすること」に「反対71」「賛成22」である。
テロや大災害に対応するため、政府の建言を強める「緊急事態条項」を憲法に加えることについては、
「反対52」「賛成33」。
最後に安倍内閣を「支持する43」「支持しない49」である。
  
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2016年05月03日

米国こそ世界最大の租税回避地だ!ーパナマ文書が隠蔽する事実

「パナマ文書」の暴露で、タックスヘイブン(租税回避地)の問題がクローズアップされている。
だが、米国こそ世界最大のタックスヘイブンだという事実が隠蔽されている。
以下、『選択』2016年5月号「米国こそ世界最大の「租税回避地」」を参照。
米国は近年、スイスなどのタックスヘイブンを戦略的に解体し、自国を本拠地とする多国籍企業の租税回避を支援してきた。
EUは米国の独走を阻止しようと、域内の税制改革に乗り出しており、世界の租税戦争が一挙に激化する情勢だ。
米国のデラウェア州のウィルミントン市。
この市には世界の28万社以上の企業が「本社所在地」として届けでている。
そのすべてがペーパー・カンパニーである。
デラウェア州の優遇税制と守秘規定を利用するため、ここを本社と定めている。
デラウェア州は米国では最も古い国内タックスヘイブンだが、近年、ネバダ・ワイオミング・サウスダゴダ各州も新たな租税回避地として注目されている。
3州とも法人地方税・個人住民税がなく、州内登記企業は手厚い守秘の壁に守られている。
「パナマ文書」が4月初めに暴露された後、「これは米国の陰謀だ」という声が、ロシア・中国から上がった。
なぜなら、米国人は200人余りで有名人はゼロ。
日本人(400人)やオーストラリア人(800人)より少ないからだ。
すでに、タックスヘイブンに詳しい人から、
「米国人がこんなに少ないのはおかしい。CIAが背後にいる」
といった批判が起きている。
過去数十年、米政府はOECDなどの国際機関を使って、スイスやカリブ海などの「ライバル」を蹴落としてきた。
2008年のスイス大手銀行UBSの租税回避を内部告発したUBS事件はその好例だ。
UBSなどのスイスの銀行は、長年世界中の富豪のタックスヘイブンだった。
ブッシュ・オバマ両政権は、UBS事件を契機に「守秘を貫くなら、米国で商売させない」という強硬姿勢でスイスと対決した。
スイス各行は円換算で数千億円もの「和解金」を米当局に支払わされた。
2010年には米国で「外国口座税務コンプライアンス法(FATCA)」が成立した。
この法律では、米国人が海外の銀行に口座を設けた場合、当該銀行はその情報のすべてを米国内国歳入庁に報告しなければならない。
FATCA施行により世界中の銀行が米国の国内法を守るため、懸命の調査を強いられた。
その結果、スイスだけでなく、ルクセンブルク・オーストリアといった伝統的に金融立国は、タックスヘイブンとしての機能を失ってしまった。
米国の強い要請により、OECDやG20は、「タックスヘイブン追放」のキャンペーンを推進した。
ケイマン諸島・英領バージン諸島など、悪名高い回避地は「ブラックリスト」で名指され、改善を求められた。
OECDはFATCA体制を世界中に拡大しようと、2014年に「共通報告基準」をまとめ、各国に遵守を求めた。
ところが、オバマ政権が
「米銀の守秘義務を定めた国内法がある」
ことを理由に、同基準の受入れを拒否したのだ。
「共通報告基準」を受け入れていないのは、米国など数か国だけである。
「おまえたちはオレたちが決めたルールを守れといっておいて、自分は守らない。
こんな無茶苦茶なことをやるのがアメリカだ」
との批判が世界中で湧きおこっている。
同基準は来年にも施行の予定だったが、米国の拒否で見通しがまつたく立っていない。
他国にきびしく自国に甘い規制で、米国はいまや世界最大の租税回避地となっている。
過去数年、スイスなどかつてのタックスヘイブンから米国にカネが逆流する現象が起きている。
それではいったい、租税回避の総額はいくらなのか。
20兆ドル─30兆ドルともいわれている。
世界全体のGDPが約76兆ドルだから、その3分の1にたっする巨額のカネである。
また、米国の多国籍企業は世界各国で上げた利益を、タックスヘイブンに移して税をほとんど支払っていない。
これに対してEUは、「租税回避は絶対に容赦しない」と、多国籍行との対決姿勢を鮮明にしている。
EUに対してオバマ大統領は、「欧州企業を保護するという商業的理由による」米企業の摘発だとして、多国籍企業を守る意思を表明している。
税をめぐる米欧の対立が深刻化しているだけでない。
第1次大戦後の「租税に対する国際的な合意」が崩壊して、世界規模の「租税戦争」に発展すると危惧されている。
  
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2016年04月30日

天下の悪税消費税を廃止せよ!(2)

次の文章は月刊誌『すぶ』2016年4月号に「天下の悪税消費税を廃止せよ!」
のタイトルで掲載したものである。2回に分けて掲載する。

1936年の2・26事件直後に軍部に押されて登場した広田内閣の馬場蔵相は、高橋是清財政の公債漸減方針を全面的に放棄し、軍事費の財源を公債増発と増税に求めた。
税収の収入総額に占める割合は1936年度まで5割以上あったが、日中戦争がはじまると3割、1945年には2割となった。
税収は毎年の増税政策で1936年度から1944年度には10倍になった。
軍部と資本は一体となって戦争に邁進し破局をむかえた。
岸信介の再来である安倍晋三の下、平和国家日本の歯止めがなしくずしにされてきた。
武器輸出解禁・集団的自衛権行使・安全保障関連法制定・核兵器の保有使用の合憲化…。
安倍政権の軍事大国化で消費税が軍事費増の財源とされ、日本は「死の商人」と「戦争への道」を歩きだしている。
1989年の消費税導入以降、日本の税制は税収確保能力と所得再分配機能を喪失してきた。
その結果、財政危機を深刻化させ貧困と格差を拡大した。
また消費税制では「応能負担」から「国民みなが負担を分かち合う」という「ニセ公平論」が喧伝されてきた。
税制も「応能負担原則」に立ち返り富裕層や大企業に負担を求めるべきである。
ところがこの間のマスコミの消費税論議は、消費税の本質的問題点に論究することなく、軽減税率をどの品目にまで適用するかで大騒ぎをしてきた。
だが「軽減」ということばがまやかしなのだ。
まだ増税となっていない現時点での議論は、現行の8%を基準にして8%のままにするか2%増税するかである。
「軽減」なら8%以下にするかどうかの議論となる。
ところがマスコミの議論は消費税10%を前提にして、どんな製品に増税をするか据え置くかというものだ。
8%のままなら「軽減」ではなく「据え置き」でしかない。
ことほどさようにマスコミの劣化は度し難い。
カナダのように消費税を引き下げるべきだとか、消費税を廃止すべきだといった議論があってもいいはずだ。税は本来「応能負担の原則」で課税すべきものである。
消費税は人間の生存そのものを課税対象とする大衆収奪税で税の本質に反する。
2012年の消費税増税で日本経済は不況に陥り、中小企業や庶民の生活を破壊している。
アベノミクスの破綻は明らかだが、そもそもアベノミクスとはおまじないかいかさまバクチの類である。
リフレ派の経済学者は日銀がカネをジャブジャブ刷れば景気がよくなるといってきた。
円安で輸出がふえ景気が上昇して賃金も上がると公言していた。
しかし、いくら日銀がカネをジャブジャブにしても、モノは売れず景気はよくならないし賃金もあがらない。
さすがに国民もアベノミクスのイカサマに気づきだした。
それは前述した毎日新聞の世論調査からもうかがえる。
第1に日銀がいくら資金供給量をふやしても企業が銀行からカネを借りないのだ。
需要より供給が上回るモノあまり現象で投資先がないからだ。
第2に金融緩和で円安になっても輸出はふえない。
日本企業が海外の現地生産にシフトしているからだ。
また日本は世界有数の「低輸出依存国」だ(GDP比14.3%)。ドイツ42%、中国30%、世界平均26%にくらべても圧倒的に低い。
第3に円安や消費税増税による物価上昇で労働者の実質賃金が減少している。
GDPの60%は個人消費が占めている。賃金が上がらなければ消費はのびず景気がよくならないのは当然だ。
第4に量的緩和で資産価格が上昇するから富める者はますます富む。
反対に資産を持たない国民は実質賃金が減少して格差がいっそう拡大する。
小泉「構造改革」と「アベノミクス」で日本社会は貧困と格差が拡大した。
かつてソ連のゴルバチョフが「日本は世界で唯一成功した社会主義国だ」とのべたが、戦後日本の比較的平等な社会が2人の「アホ首相」によって破壊された。
そして、「アホノミクス」による異次元金融緩和の大借金と消費税増税により、日本は「戦争への道」を歩きだした。
非正規雇用の増大や貧困・格差の拡大は「戦争する国」の土壌になっていく。
1980年代以降猛威をふるった「新自由主義」で、「いまだけ、カネだけ、自分だけ」の拝金主義の社会的風潮が蔓延し、「政府も企業も節度を失ってしまった」(内橋克人)。
内橋克人は次のようにのべている。
安倍政権の本音は貧困層を広げる点にあるのではないか。
国民が日々の生活に困窮すればするほど、深く政治や経済政策について考える余裕がなくなり、政府にとってくみしやすくなると(中日新聞2014年11月13日)。
つまり、貧困・格差の拡大は政権の意図的政策によるものであり愚民化政策なのだ。
そして、20数年間にわたって日本の財政を悪化させ、貧困・格差を拡大してきた主因が消費税である。
国民は為政者とマスコミのデマゴーグにより消費税を受け入れてきたが、消費税がどれほどの悪税であるか、そろそろ目を覚ます秋である。
  
Posted by sho923utg at 20:21Comments(0)TrackBack(0)

2016年04月29日

天下の悪税消費税を廃止せよ!(1)

次の文章は月刊誌『むすぶ』2016年4月号に「天下の悪税消費税を廃止せよ!」
とのタイトル出掲載したものである。2回に分けて掲載する。

安倍政権は2017年4月に予定されている消費税率10%への引き上げを見送る模様だ。
安倍首相はサミットに向けて3月に「国際金融経済分析会合」を開催した。
そこに出席したスティグリッツ教授とクルーグマン教授とも
「2017年の消費税率10%の引き上げは見送るよう」
提言した。
首相は2人のノーベル賞経済学者の権威を利用して増税の先送りを目論んだとマスコミは報道している。
安倍首相は「リーマン・ショックや大震災の事態にならないかぎり予定通り引き上げる」と公言してきた。
4月14日に起きた熊本地震は九州地方に大きな被害をおよぼしている。
政府・与党内では熊本地震をうけて増税先送り論が主流化しつつある。
来年4月の消費税増税はまずないだろう。
なお、4月19日付毎日新聞の世論調査では、消費税10%引き上げに
反対59%、
賛成31%。
アベノミクスを評価しない54%、
評価する33%。
安保関連法案制定を評価しない50%、
評価する38%。
安倍内閣を支持する44%、
支持しない38%である。
消費税法では増税を実施する条件として経済の改善が明記されている。
法に照らしても増税の先送りは当然である。
増税を規定路線とすることは消費税法に反し、さらに民主主義のルールにも反する違法行為である。
私は消費税そのものに反対である。
その点については本連載「天下の悪税消費税増税をストップせよ!(1)─(4)」
(2013年9月号─12月号)で詳論した。
要点のみを記しておく。
‐暖饑任蝋餡箸砲茲訥族爾欧任△襦
⊂暖饑任禄醋韻ら企業・富者への所得移転政策である。
消費税は大企業へのリベートである。
ぞ暖饑任老糞い魄化させる。
ゾ暖饑任惑疾芭┐極めて低い欠陥税である。
消費税は大衆収奪税として生存権を侵害する。
Ь暖饑任麓匆駟歉稟颪忙箸錣譴左共事業に流用される。
┥暖饑任狼霏腓瞥権の草刈場とされ財政赤字はいっそう拡大する。
消費税は際限なく引き上げられる。
税収は大企業や金持ちから取れば十分足りる。
消費税は治安立法とともに戦争に備えるためのものである。
今回は別の視点から消費税について論述する。
最初に富岡幸雄『税金を払わない巨大企業』からおどろくべき事実を引用しておこう。
実効法定税率が38・01%だった2013年三月期決算で、日本の大企業はいったいいくら税金を納めたのか。
以下は実効税率ワースト5の巨大企業である。
パーセントは実効税負担率、カッコ内は「税引前純利益→実際等に支払った法人税等」を意味する。
[1位三井住友FG]0.002%
(1479億8500万円→300万円)。
[2位ソフトバンク]0.006%
(788億8500万円→500万円)。
[3位みずほFG]0.09%
(2418億9700万円→2億2600万円)。
[4位三菱UFJFG]0.31%
(1886億9900万円→5億7700万円)。
[5位みずほコーポレート銀行]2.06%
(2577億7300万円→67億1400万円)。
富岡は次のように書いている。
々饑任任△詼/誉任遼…蠕芭┐25.5%であるが、実際の負担率は全法人平均で16.59%で法定税率の65%にすぎない。
∋駛楸100億円超の巨大企業法人税実効税負担率は著しく低く11.54%で、法定税率の45%と半分にも達していない。
つまり、日本の巨大企業がいかに税金を納めていないかということである。
そのうえで富岡は次のようにのべている。「私も法人税率は高すぎると思います。
国・地方合わせて20%に下げるべきです。
ただし、今の歪んだ大企業優遇の税制は正すべきです。
私の試算では、公正に課税すれば、税率20%でも税収は今の1.5倍になり消費税増税など必要ありません」(『サンデー毎日』2014年11月30日号)。
2014年度の法人税収は10兆円だから、その1.5倍なら15兆円になる。
消費税を1%上げるだけで税収は2.5兆円である。
つまり、消費税を8%から10%へ引き上げた税収5兆円は、大企業への公正な課税で捻出できるのだ。
10%は消費税増税の一里塚にすぎない。
経団連は消費税19%を提唱している。
税収がほしい政府・官僚の欲望と、法人税を減税したい企業の欲望で、消費税は際限なく引き上げられていく。
ちなみにカナダでは消費税を引き下げている。
カナダでは1991年に7%の消費税を導入したが、2006年に6%へ、2008年には5%に引き下げた。
消費税に対する国民の反対運動と、消費税がない隣国アメリカの圧力からである。
第2次安倍政権は発足から1年という短期間に治安立法の特定秘密保護法を成立させ、大衆課税の消費税を5%から8%へと引き上げた。
歴史が教えるところでは「治安立法と大増税」の組み合わせは戦争の準備を意味する。(続く)
  
Posted by sho923utg at 21:09Comments(0)TrackBack(0)