2017年01月15日

アメリカは民主主義の国か=トランプ当選の舞台裏

『世界』2017年2月号に、宮前ゆかり「トランプ政権 アメリカの略奪と搾取の系譜」が掲載されている。
宮前報告にはトランプ当選の舞台裏が描いてある。
これを読んで、アメリカは本当に民主国家なのか思った。
大統領選挙の最終的なデータ集計によると、クリントンが280万票の差をつけてトランプに勝利している。
選挙人制度は奴隷制で経済を維持していた南部州の不利を補うために導入された制度だ。
不公平な選挙人制度を廃止する動きは過去にもあったが、民主制の基盤である選挙制度の抜本的改革が必要である。
それ以上にトランプ勝利の背景には、全米各州で様々な有権者弾圧や投票妨害が悪化していることがある。
第1に、今回の大統領選挙では全米で投票所が868か所も減らされた。
投票所によっては、有権者は5時間以上も待たなければ投票できなかった所もある。
一般労働者は仕事を休んで5時間も投票に並ぶ余裕がないため、特に低所得者で投票できない人が大幅に増えた。
第2に、クロスチェックとよばれるもので、若年層・ヒスパニック・黒人・アジア系などの有権者を有権者名簿から削除する方法である。
これは民主党支持が高い激戦州などで行われた秘密の選挙工作で、ジャーナリストのグレッグ・バラストの調査により暴露された。
その仕組みは次のようなものだ。
米国国勢調査局のデータをもとにして、たとえばある地域でワシントンという名前なら89%は黒人、ヘルナンデスなら94%がヒスパニック、キムなら95%がアジア系などと統計的な分析がされている。
このようなありふれた名前を持つ人種の集団を特定し、これらの人々が複数の州で重複投票を行っているはずだという、根拠も証拠もない前提にもとづき、無断かつ秘密裏に有権者登録データベースから名前を次々と削除しているのだ。
そのため、投票場に行ったら自分の名前が登録されていなかったため投票できなかったとか、投票用紙が送られてこなかった、などの被害が続々と報告されている。
クロスチェックの被害者の数は膨大で、11月時点で約110万人の有色人種の有権者の名前が登録データベースから抹消されていたことが確認されている。
今後調査が進めば、その数はさらに大きくなる見込みだ。
第3に、選挙当日に開票マシンが壊れたことである。
オハイオ州などの重要に選挙区で、投票マシンのセキュリティが壊れて監査機能がオフになっていた。
この機能は投票画像を記録し、不正疑惑があった場合に投票を確認できるプログラムである。
その機能が無効になっていたため、証拠となる画像はすべて消されてしまっていた。
複数の州で、出口調査と当選結果にギャップがあるとか、投票数よりも得票数が多いなど、統計的に辻褄が合わないデータをめぐって複数の訴訟も起きている。
共和党が州務長官である激戦州で出口調査と投票数に大きなギャップがあり、激戦州で出口調査と投票数が合致したのは民主党が開票プロセスを管理しているバージニア州だけであることが報告されている。
ミシガン州でトランプ対クリントンの得票差は1万704票。
クロスチェックで消された有権者数は約45万人。
また、ミシガン州デトロイトでは、市内の票集計マシンのほとんど(87機)が選挙当日に「壊れていた」ことを州政府が認めた。
だから票の数え直しは出来ないとリカントの要求を拒否している。
また、ミシガン州では少なくとも270万票が様々に理由で数えられず破棄された。
たとえば、投票用紙の折り目が曲がっている。
郵便コードを書き忘れている。
署名が何となくおかしい。
塗りつぶさなければならないのに×印になっている。
といった些細な理由で無効票とされている。
全米人口の19・8%がクリントンに、19・5%がトランプに、2・2%が他の候補者に投票し、28・6%は何らかの事情(移民、囚人、投票権を剥奪された有権者、投票権のない永住者)で投票できず、29・9%が棄権した。全米の人口の約20%が選んだトランプ政権だが、米国は民主国家といえるのかとコロラド州在住の宮前は問うている。
  
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2017年01月14日

『世界』1月号特集「トランプのアメリカと向き合う」=西谷修・吉田徹・春名幹男論文に学ぶ(1月14日)

月刊誌『世界』2017年1月号特集「トランプのアメリカと向き合う」を興味深く読んだ。
西谷修はトランプの差別発言・女性蔑視・ポピュリズム・下品さは、特別オドロクべきことではないとする。
なぜなら日本でも石原・橋下・安倍な先達がいるからだ。
クリントンは守旧派だ。
グローバル秩序による経済成長と、グローバルな軍事コントロールによる世界の安定。
これしか世界の進むべき道はないと考えている。
対するトランプは改革派だ。
「アメリカン・ファースト」は米国の利益を第1に考えるということだ。
グローバル経済と軍事管理の放棄、モンロー主義への回帰である。
20世紀のアメリカ文明は世界を牽引してきた。
大量生産による豊かに生活様式は、国内外の人々を強くひきつけて、世界の物質文明の頂点に輝いた。
だが、アメリカはもはや「文明の鑑・世界の規範」ではありえない。
トランプ大統領の誕生はアメリカが、「世界国家」の自負を捨てて、引きこもるということだ。
対米依存の日本では「日米同盟」が強調され、アメリカが君臨する世界秩序以外想像できない。
アメリカ的秩序に依存しないで自分の国はどうすべきか、本格的に考えなければならない時代が来ていると西谷は論じている。
吉田徹はトランプを大統領にしたのはグローバリズムの敗者=没落する中間層」だったとしている。
第2次戦後の経済成長と政府による再分配政策は中間層を拡大した。
大戦後の中間層の拡大で、人類史上まれにみる安定と平等を可能にした。
豊かさと民主主義の両輪で、戦後政治は安定してきた。
しかし、1980年代以降の新自由主義政策で、国家は公的部門から退場し、ヒト・モノ・カネの自由移動でグローバリズムの敗者が増加する。
その結果、戦後和解してきた資本主義と民主主義の相克が強まる。
トランプ当選は両者の相克の長いプロセスの結果にすぎない。
戦後の政治と経済を支えてきた基本的な枠組みが崩壊し、民主主義の空洞化が進んでいる。
先進国の政治は左右の対立ではなく、グローバリズムに対して開こうとするリベラリズムと、共同体を守るため社会を閉じようとする反リベラリズムという2つの社会が対立している。
国家はグローバリズムを統御する主体ではなく、これに掉さすことで課税権と金融市場のコントロール権を自ら手放してしまった。
その結果、自らの選択によって民主的な政府・統治が可能だとする政治的信頼も損なわれ、民主主義の空洞化が進んでいる。
中間層によって民主主義が支えられてきたのなら、中間層の没落は民主主義の後退を意味すると吉田は論じている。
春名幹男は「アメリカ人は9・11の記憶と同様、11・9を記憶するだろう」という。
11・9はトランプ勝利の日だ。
トランプ政権をイスラム国は歓迎し、「理想的な敵」「完璧な敵」とみている。
1990年代以降、米ロ関係は悪化し「新冷戦」と呼べる事態が招来している。
その主要な原因は過去3期の米大統領の戦略思考の欠如にあった。
プーチンのクリミア併合などの強硬策の背景には、NATOの東方拡大がある。
冷戦後、東欧諸国12か国がNATOへ新たに加盟し全部で28か国となった。
ロシアは国境にNATO加盟国が隣接する現実を恐れている。
米ロはウクライナ問題で対立してきた。
ウクライナは東西間の「架け橋」とすべきだった。
米政府は歴史をふまえ知恵を働かせ、賢明な解決策を探る外交戦略に欠けていた。
しかしトランプ勝利は事態を見直す好機である。
トランプ勝利でネオリベラリズムの時代が終わり、ネオナショニリズムの時代が始まった。
米国が核抑止力を行使する相手国・組織は、ロシア・中国・北朝鮮・イラン・シリア、そしてイスラム過激派テロ組織である。
トランプ政権で最も懸念されるのは、ISの対米攻撃に「核で反撃」(トランプ発言)することだと春名は論じている。

  
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2017年01月13日

佐藤優×エマニュエル・トッド『トランプは世界をどう変えるか?』を読む

トランプ勝利を早くから予言していたのは、アメリカ国内でもマイケル・ムーア監督や、作家のトマス・フランクなどわずかしかいなかった。
ムーアやフランクは「没落する中間層」や「民衆の政治不信」を的確にキャッチしていたから、トランプ勝利を予言できたともいえる。
佐藤優×トッド『トランプは世界をどう変えるか?』の佐藤の文章によると、日本で2016年5月段階でトランプ勝利を予言していたのは評論家の副島隆彦である。 
副島は過去にもリーマン・ショック等を予言しているが、「トランプが大統領になる」という予想を次のような事実にもとづいて判断している。
第1にトランプがキッシンジャーに会ったことだ。
キッシンジャーはアメリカの国家政策を左右できるパワーエリートのひとりだ。
キッシンジャーとの会談はアメリカの最高権力者たちが、トランプが大統領になってもよいという積極的メッセージを発信したとみてよい。
ではなぜクリントンではないのか。
クリントンに大統領をやらせたら、
「戦争を始めるのではないか。クリントンの取り巻きが戦争好きだ。これではアメリカも世界も持たない」
と最高権力者たちが判断した。
第2にトランプが下層白人の心をつかんだことだ。
トランプの暴言発言の中で副島が注目したのは、2016年2月のネバダ州のトランプ演説、「私は低学歴の人たちが好きだ」という発言だ。
低学歴ゆえに低所得層のアメリカ下層国民の気持ちをつかんだことが重要なのだ。
副島はこの2つの事実からトランプ大統領誕生を予言した。
副島は「陰謀論者」とも言われるが、この予言はスゴイ。
トッドは大統領選の最中に公表されたブルッキングス研究所の調査に注目し、トランプ大統領の当選を予言している。
同研究所の調査によれば、過去15年間、45歳から54歳までの白人の死亡率が10%増えている。
原因は自殺やアル中・過剰薬物摂取などによるとされている。
この調査結果をふまえ、トッドは次のように述べている。
米国の有権者の中で、白人は4分の3を占めている。
アメリカの白人下層国民は格差の拡大や不平等をもたらしたものは、自由貿易と移民だと理解している。
そして、自由貿易と移民を問題にする候補所が選ばれた。
つまり、当然のことが起きたのである。
選挙中に真実を口にしていたのはトランプである。
「米国はうまくいっていない」「米国はもはや世界から尊敬されていない」…。
要するにアメリカは選挙で現実に立ちもどったのだ。この現実から出発するしかないとトッドはのべている。
佐藤は「FBIとメール問題」に注目している。
「メール問題」というのはクリントンが国務長官在任中、私的なメールを経由して公務のメールを送受信していたことである。
そもそも公務で私用メールを使うことは国務省の規則に違反している。
国務長官は外交を担当する重要閣僚だから、軍事・内政などに深く関与している。
クリントンが送受信したメールは約3万通。
ロシア・中国などがセキュリティの低いクリントンの私用メールをハッキングすることはきわめて容易だ。
それゆえ、米国の極秘文書がこれらの国に流出した可能性がある。
2016年7月、コミーFBI長官はメールについて「捜査の結果、訴追には値しない」と捜査終結宣言をした。
ところが10月に新たなメールが見つかったとして捜査を再開した。
そして大統領選当日の前日、捜査終結宣言をした。
佐藤この点を次のように分析している。
クリントンが大統領に就任すれば私用メール問題にふれることはできなくなる。
だから就任前に捜査しようとした。ところが、想定外の捜査妨害が入った。それにFBIは恐怖した。
クリントンが大統領に当選すると、FBIの人員も予算も削減されて、組織を弱体化させられてしまう。
だから、クリントンの大統領当選を阻止しようと「全面戦争」に突入した。
そして、クリントンに最もダメージをあたえるタイミングで捜査終結宣言をした。
結果的にトランプを大統領に当選させた最大の立役者はFBIであった。
クリントン自身が敗因を「コミーFBI長官にある」と非難している。
つまり、トランプを当選させたのはFBIの功績であったと佐藤は分析している。
佐藤はトランプ大統領以後のアメリカを見極めるための、3つのポイントをあげている。
“鷁霪=孤立主義への回帰。
■藤贈匹寮治化による自由と抑圧のせめぎあい。
9馥發療┐気しが始まる危険な兆候(マッカーシズムの再来)。
,賄然としてもは佐藤の慧眼である。
マッカーシズムは「不安の時代」を背景に誕生した。
マッカーシズムが席巻した背景には、白人の社会的地位の相対的な低下に対する不安感があったと指摘されているからだ。
  
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2017年01月06日

宇宙をめぐる大冒険=村山斉教授の解説

1月6日に放映されたNHKの「宇宙をめぐる大冒険」をみた。
東大の物理学者・村山斉教授がナビゲーターをつとめた「宇宙の始まりと終わり」を解説した番組である。
138億年前、宇宙は原子より小さなものから始まったとされる。
ガモフがとなえた「ビッグ・バン」である。
宇宙の膨張の証拠は1990年代末に確認された。
138億年かかってとどいたビング・バンの証拠である電波が観測されたのだ。
宇宙に星や銀河がなぜできたか。
そのナゾをとくカギが正体不明のダークマターである。
わたしたちの周りにもたくさんある。
だが、見ることもさわることも感じることもできない物質である。
このダークマターが重力で周りのものを引き寄せる。
宇宙にある水素やヘリウムをひきよせ、まとめる力をもつ。
その結果、星が生まれ銀河が誕生したとされる。
かつて宇宙は収縮すると考えられていた。
しかし、現在の観測では宇宙は急速に膨張している。宇
宙の膨張を加速している物質が、ダークエネルギーというこれまたナゾのエネルギーである。
このダークエネルギーは重力とは反対の力をもつ。
そして、宇宙が大きくなればなるほど、どこからともなく現れてふえていくというのだ。
それでは宇宙の結末はどうなるのか。
現在、2つの未来が考えられている。
ひとつは「ビッグフリーズ」。
ダークエネルギーが現状のままだと、宇宙はやがてすべてが凍りついて、永遠の闇となってしまうというものだ。
もうひとつは「ビッグリップ」。
ダークエネルギーがさらに強くなっていくと、銀河も星もバラバラになって、宇宙は素粒子にもどってしまうというものだ。
現在では宇宙はひとつではなく、無数にあると考えられている。
そのひとつひとつはまったく違う宇宙である。
そして、ほとんどの宇宙はダークエネルギーが大きいため、星も銀河も生まれない。
だが、わが宇宙はダークマターとダークエネルギーの絶妙なバランスで誕生した。
ダークエネルギーがものすごく小さいため、宇宙がゆっくりと膨張し、そのために星や銀河誕生したというのである。
村山教授の説明はとても分かりやすかった。
だが、いくら考えても宇宙とは不思議でよく分からない存在である。
  
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2017年01月05日

中島義道『〈ふつう〉から遠くはなれて』を読む

永く生きづらさを抱えて生きてきた。
障害児であった幼少年時のトラウマからだろう。
だから、同じように生きづらさと格闘して生きてきた中島に共感する。
中島は「書くことで生きのびてきた」といい、「ふつうでないままに、一生懸命生きてきた」という。
以下中島語録から。
❐組織の中で人間嫌いが許されるのは次の場合である。
〇纏ができること。
勤勉であること。
誠実であること。
組織の中で仕事ができることが必須の条件であり、最大の武器である。
そして、勤勉でなければならない。
かつ誠実であることだ。
以上の3条件をも守っていれば、どんな組織でもめったに排斥されることはない。
❐生きることは苦しいことだ。
もし「人生とは何か」を真剣に問うなら、自分の苦しかった体験を何度も反芻し「味わう」ほかない。
イヤなことは細大もらさず覚えておいて、それをあらゆる角度から吟味・点検する。
すると、その後の人生において降りかかる数々の苦しみにも比較的容易に耐えられる。
❐欠点を見すえることは人間を鍛えてくれる。
欠点こそがかけがえのない「その人」をつくっている。
そして、欠点の反対側に長所があるのではなく、欠点とはそのまま長所になりうるものだ。
だから、欠点を欠点として知っていることだ。
悩むことは素晴らしいことだ。
❐世間の善良な市民たちに怯えることなく、彼らにへつらうことなく、しかも彼らから完全に独立し、彼らを助けてもあげられる。
つまり、自分のままで彼らと共生していけるたくましい男・女にならなければならない。
他人との真摯な闘争を避けては、固有の生命の輝きは生まれない。
固有の「生きる力」は生まれない。
人は生きなければならない。
つまり、闘争しなければならないんだ。
❐自分に対する正面切っての批判や非難は無視してはならない。
むしろ称賛や同感はなるべく無視してもかまわない。
それは、半分は社交辞令だからであり、あとの半分は自己幻想を満たしてくれるだけで、自分をいささかも鍛えてくれないから、なるべく無視するのがよい。
しかし、批判はそこに感情的な恨みや憎しみがあっても貴重なものだ。
そこには必ず何らかの真実が隠されている。
だから、それを大切にしなければならない。
❐大多数の者から嫌われながら、みずからの信念を貫く生き方は颯爽としていて潔い生き方だ。
いかなる敵も現れない地の果てに城を築いて立てこもるより、さまざまな敵に程よく囲まれている城の中で生活するほうが、面白みがあり、緊張感があり、充実感がある。
職場でもあなたを嫌う人がいたほうがいい。
そこからあなたは他人との関係の仕方を学ぶことができる。
他人から嫌われることに対する抵抗力をつける技術を学ぶことができる。
❐社会とは理不尽のひとことにつきる。
合理的にことが進まない。
武合理が罷り通る。
ずるく立ち回る人が報われる。
誠実な人が没落してゆく。
えせ作品がファンを呼び寄せ、真価のある作品が無視される。
と言っても完全に反対でもない。
誠実な人が報われ、狡猾な人が没落することもある。
理不尽だからこそそこにさまざまなドラマを、人間の深さを見ることができる。
目が鍛えられ、思考が鍛えられ、精神が鍛えられ、からだが鍛えられる。
 
  
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2017年01月03日

1日1万4千歩の散歩

最近、毎日1日1万4千歩、10キロメートルほど歩いている。
歩く場所は春日井市から小牧市に広がる里山のふもとの小道である。
できるだけ、車も人も少ない所を歩くようにしている。
歩いていると、いろんな発見がある。
田んぼの小道でキツネに出会った。
大きくてスラリとして、やや灰色がかった体毛であった。
老いたキツネだろうか。
それにしてもこんな里山にもキツネが棲息しているのだとビックリする。
馬にも出会う。
白と茶の子馬を飼っているところがある。
子馬はいつもこちらが手をふっても、声をかけても知らんぷりだが。
ニワトリもいる。
チャボだ。
以前は神社のそばでタヌキの親子に出会ったことがある。
息子のつとめる瀬戸市では、イノシシがよく出るという。
イノシシが家の戸をたたいたり、車に体当たりしてくるというのだからこわい。
退職して4〜5年前から運動をはじめた。
当初は市のスポーツジムに通っていた。
いろんな運動器械があるし、ウォーキングマシンもある。
近くて便利なので週4〜5回は行っていた。
なぜ散歩に切り替えたかというと、ひとつは84歳の知人が毎日1万5千歩も歩いていると聞いたからだ。
退職して20年間毎日散歩し、地球1周分4万劼睚發い燭箸里海函
その方は背筋もピンとのびていてじつに元気である。
もうひとつは、外山滋比古の本を読んだことである。
外山は現在93歳。80歳くらいから毎日2時間ほど散歩しているという。
散歩するようになったから、身体検査でもどこも悪いところがなくなったと書いていた。
散歩していると、室内の運動にはない「オモシロさ」がある。
それは自然の「ゆらぎ」や「変化」「発見」である。
その分、体にもきっといい影響があるだろうと思っている。


  
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2017年01月02日

年末・年始のテレビ番組から

年末はロクなテレビ番組がなかったので、ついついNHKの「紅白歌合戦」を最初から最後まで見てしまった。
感想をいえば、例年になく落ち着いた「紅白歌合戦」となっていて好印象であった。 
ただ「ゴジラ」の話と「タモリとマツコ」の話は余分だった。
不愉快で時間のムダだった。
そんな時間があるなら、全国のいろんな地域の情報を発信すべきであった。
つまり地方の人々のいろんな声を取り上げた方がよかった。
もうひとつ、司会の有村加純が落ち着いていてなかなかよかった。
わたしは有村加純を大根役者と評価していたので見直した。
もっとも、年末に放映した映画「ビリギャル」では好演していたが。
それと新垣結衣がでていたことだ(審査員のなかでは、新垣が1番映っていたのではないか)。
わたしは黒木華・中谷美紀、そして新垣結衣のファンである。
1日、これも見る番組がないので「カラオケバトル」を見た。
わたしがカラオケバトルを見るのは、「いい歌」に出会うためである。
番組を見ていると、意外な掘り出しものがあるからだ。
鈴木雅之「もう涙はいらない」という歌は初めて知った。
カラオケバトルを見ていると、機械で採点するのと、人間の耳で採点するのでは違うようだ。
高得点を出す人は機械に好かれる歌い方をしている。
それと、人の心をうつ歌い方は違うのではないかと思った。
フリーターで歌手をめざす40代の男性にたいし、番組中で「フリーターごとき」と見下す発言があってムカッとした。
このヤロー何サマのつもりなんだとむハラがたった。
しかし、テリー伊藤が「イヤな仕事を続けるより、フリーターの方がカッコイイ生き方だ」と発言。
さすがテリーである。
ムカつくのではなく、「価値の転換」をはかってやり返す。
そのことをテリーに教えられた。
フリーターの男性のふるまいもお見事。
他人の発言にハラを立てるのではなく、冷静にやり過ごしていた。
テリーとフリーター男性の2人に、自分の卑小さを思い知らされた。

  
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2016年12月30日

2016年の収穫

❐一般書
◆島田裕巳『天皇と憲法』
天皇を天皇制から解放し、大統領制を提案した宗教学者の渾身の書。
「天皇退位」の最上策はこれしかないだろう。
◆竹村公太郎『水力発電が日本を救う』
現在9%にすぎない水力発電の全電力の比率を30%まで増やすことができるとするダムの専門家の貴重な提言。
◆矢部宏治『日本は何故戦争ができる国になったか』
著者の『日本はなぜ基地と原発を止められないのか』も読むと戦後日本が米国の属国であった衝撃の事実が判明
❐歴史書
◆加藤陽子『戦争まで』
リットン報告書・3国同盟・日米交渉と戦争に至るまでの「日本の失敗」を検証。
近現代史の真実に目から鱗。
◆大澤真幸『日本史のなぞ』
日本の革命家は御成敗式目を定めた北条泰時ただ1人だと、大胆な歴史的解釈を示した社会学者の注目の書。
◆木村朗+高橋博子『核の戦後史』
なぜ日本に2発もの原爆が投下されたか。
なぜ原発も原爆もなくならないか。原発と原爆をめぐる核の戦後史。
❐ドキュメンタリー
◆鈴木亘『経済学者 日本の再貧困地域に挑む』
日本の再貧困地域「あいりん改革」に挑んだ経済学者の約4年間の記録。
まちづくりのノウハウが満載の必読書。
◆山田朝夫『流しの公務員の冒険』
組織の中にいながらいかに組織から自由でいられるか。
流しの公務意による組織改革のノウハウが満載の快著。
◆若宮啓文『ドキュメント 北方領土問題の内幕』
戦後史の分水嶺となった北方領土交渉を、急逝したジャーナリストが迫真のドラマで再現したドキュメント。
❐啓蒙書
◆中島義道『〈ふつう〉から遠くはなれて』
生きづらさを抱えた若者に向けた哲学者の希望を紡ぐ書。
◆橋爪+大澤真幸『元気な日本論』
日本史のなぜに2人の社会学者が挑み独自の見解を披露。
◆猿田佐世『新しい日米外交を切り拓く』
米国の拡声器と化した日本の現実を剔抉し格闘する好著。
❐映画
今年は「午前10時の映画祭」で20本の映画を見た。そのなかから3本をあげると次の映画である。
◆「七人の侍」
◆「いまを生きる」
◆「ポセイドンアドベンチャー」
❐小説
読書記録を調べると、ほとんど読んでいないことがわかった。村田沙耶香『コンビニ人間』など数冊である。新しい年の課題としたい。


  
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2016年12月27日

山田朝夫『流しの公務員の冒険』を読む

東大を卒業して自治省に入省するも、現場で仕事がしたいと、大分県久住町、臼杵市、愛知県安城市、常滑市と流転して仕事をしている「流しの公務員」山田朝夫。
仕事とは問題を指摘するだけでなく、問題を解決するために具体的行動を起こすことだ。
問題とはあるべき姿と現状のギャップで、「見える問題」「探す問題」「つくる問題」の3つがある。
そして、問題解決のポイントは次の3つである。
〔簑蠅遼楴舛ら逃げない。
△匹海ゴール化はっきりさせる。
4愀玄圓魎き込み、その気になってもらう。
特に大事なことは、計画の段階から関係者を巻き込み、みんなで議論して合意を作ることである。
そのためには目標を明確にする必要がある。
危機脱出のセオリーは5ポイントある。
ヾ躓,慮彊を明らかにする。
∪嫻ぜ圓紡狆譴靴討發蕕Α
ゴールを明確にする。
い修里燭瓩乏匿佑行うべきことを具体的に示す。
タ轡蝓璽澄爾先頭を切って走り出す。
かくして山田は安城市で市民とともに新しい市民病院を構想して創立し、赤字体質から脱却することに成功した。
「やりたくないけれど、嫌われるけれど、やらなければならないことは、妥協せずにやらなければならない」と述べている。
本書ではさまざまなアイデアが開陳されている。
会議は長くでも2時間。
10人程度のグルーブで討論。
同世代のグループ分けが発言しやすい。
会議録を作ること、参加者に意見を書いてもらうこと。
会議を面白くするさまざまな工夫。
市民に向けての情報発信の大切さ。…
問題を解決するには、まず問題の本質的原因を明確にさせることである。
本質から目をそらしたり、本質に気づかなければ問題は解決しない。
つぎに、情報を集め、問題の構造を理解し整理して、現状の見取り図をつくる。
地図ができたら、「何を、だれが、いくらで、いつまで、どのように」というように、ゴールへ至るロードマップをつくる。
そして最も重要なことは、関係者が目標を共有し、役割りを理解し、自分で動き始めることだ。
人は自分でやろうと思ったとき、命令されてやる時の10倍の力を発揮する。
人の心を動かすのは「戦略の正しさ」ではない。
「ゴール」のイメージとそこに至る「物語」である。
いい物語をイメージできるとき、人は自発的に動きだす。
リーダーの1番の仕事は、「こうやれ、ああやれ」と命令することではなく、「場を整える」ことだ。
働きやすい職場環境に気を配る。
時間やルールを守る。
いっしょに働く仲間を信頼する。
自主性が重んじられ、職員が生き生きと働いている。
そういう「場」を作るのがリーダーの仕事である。
「この人となら一緒にやれる」「この人について行こう」と思ってもらえること。
そのためには「自分のためにはならないけれど、他人のためになるようなことをどれぐらいできるか」「言っていることとやっていることが一致している」ことが大切だ。
いい人といっしょに仕事をすると、それに影響されて周りもよくなる。
欧米には「シティ・マネージャー公募制」というのがある。
副市長や企画部長を公募で採用する制度だ。
シティ・マネージャーは高度の専門能力や政策形成能力を発揮し手政策を具体化し、選択肢を示す。
著者はこうした制度を知って、腕一本で日本を渡り歩く「流しとの公務員」を目ざしたという。
「組織と個人」の問題は仕事をするうで、つねにのしかかってくる。
大きくて複雑な問題を解決するには組織が必要だ。
組織の中にいながら組織から自由でいられるか。
「流しの公務員」はその実験だと著者は述べている。
そして、「あなたの仕事は何ですか」とし問われたら、「わたしの仕事は山田朝夫です」と答えられるようになりたいと。
  
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2016年12月23日

佐藤優「日ロ交渉は大成功」とヨイショ

「土産なく、土産持たせたお坊ちゃん」
北海道根室市の女性が会談の模様を詠んだ川柳だ。
自民党の二階無幹事長は16日記者団に、
「国民はみな(北方領土問題が)今度解決するんだと思ったと思う。やっぱり、国民のみなさんの大半はガッカリしている」
と語った。
この発言を各社が報じ、永田町で物議をかもしているという。
ところで、12月23日付中日新聞で佐藤優が、「大成功だった日ロ首脳会談」というタイトルで次のように書いている。
「今回の日ロ首脳会談は大成功だった。
それは日本もロシアも目標を達成したからだ。
目標とは形式だけでなく、実質的に領土問題、経済協力を含む重要事項について交渉できる環境を整えることだ。
もっとも興味深いのは、16日の共同記者会見でプーチン大統領が
「…平和条約の締結が一番大事だ」
とのべたことだ。
プーチン大統領は1855年の日露通好条約で北方4島が日本領になったことにあえて言及することで、1956年の日ソ共同宣言でロシアは歯舞群島と色丹島の日本への引き渡し義務を負っているにすぎないが、歴史的、道義的に日本が領有に固執する国後島、択捉島について、何らかの譲歩を示唆している。
この方向で両首脳と両国の外務官僚が命がけで交渉すれば、3〜5年後に歯舞群島と色丹島が日本に返ってくると思う」
自民党の二階無幹事長でさえ「国民の大半はガッカリしている」と評価しているのに、「日ロ交渉は大成功」はいくらなんでもないだろう。
今回の安倍の北方領土交渉で指南役を務めたのが鈴木宗男だったという。
まさか佐藤はかつての親分に義理立てて「大成功」などと安倍の提灯持ちをしているじゃないだろうな。
加藤陽子『戦争まで』を読んでいたら、イスラエル国防軍の勇猛な将官だったトヴェルスキーの話がでてくる。彼は次のように考えていたという。
「敵に囲まれた民主国家において、現在まだ占領中の国外領土を返還するかどうかについて政治論議があるとする。
戦争において、これらの領土はまちがいなく勝利に寄与する切り札である。
他面で、この領土を返還すれば戦争の可能性は減少するだろうが、ただしそれは根底では不確実なことがらである。
この場合、政治的論議において占領維持派が優勢となることは賭けてもよい」
敵に囲まれた民主国家とはイスラエル。
国外に占領している領土とはパレスチナ施暫定自治政府のガザ地区。
その占領地は戦争になったときにイスラエルの勝利に寄与する大事な場所だ。
その占領地をパレスチナに返還すれば、パレスチナとイスラエルの対立は良好になり戦争の可能性は低くなる。
しかし、それは不確実なことで絶対そうなるとは言えない。
イスラエル国内には占領継続派と返還派の対立がある。
この両者の論議は、圧倒的に占領継続派が勝つとトヴェルスキーはいうのだ。
この論理はロシアと日本の北方領土にもあてはまるだろう。
ロシアにとって北方領土は「新冷戦」や「グローバルな経済戦争」で勝つための「切り札」である。
北方領土を日本に返還すれば、日本との関係は良好になるだろう。
だが、「切り札」を返還して、それに釣り合う国益がなければ国民は納得しないだろう。
政治家は国民の顔色をうかがう。
プーチンとて同様だ。
それゆえ、ロシアにおける返還派と占領継続派の論争もまた、圧倒的に占領継続派が勝つだろう。
  
Posted by sho923utg at 18:54Comments(0)TrackBack(0)