2009年06月07日

浜田和幸『食糧争奪戦争』を読む

100年に1度の経済危機よりはるかに大きな食糧危機が迫っている。08年には世界30カ国以上で食糧不足が引き金で暴動が発生した。
国連環境計画がまとめた報告書ではつぎのように報告されている。(1)こんご10―20年にかけて食糧価格は30―50%値上がりする。その結果、極貧国では深刻な政治・経済的問題が発生する。(2)2050年までに環境破壊が一層深刻化し、世界の食糧生産は最大限25%失われる。(3)現在世界の穀物生産の3分の1は畜産飼料にされているが、この比率は2050年までに50%まで拡大する。
アメリカ国防総省の研究プロジェクトによれば、異常気象(寒冷化だろう)によりヨーロッパの食糧生産が壊滅的打撃を受けるとのレポートが提出され、並み居るペンタゴンの戦略家たちが青ざめたという。食糧や水をめぐり武力衝突と戦争に発展する可能性が考えられているという。地球人口は2050年には90億人を超すと予測それる。地球の食糧問題は予想以上に深刻化するだろう。
私がこの本を読んで驚いたのは、自然改変装置の話である。アメリカ・ロシア・中国は冷戦時代から自然改変装置の開発に凌ぎを削ってきた。地震・津波・干ばつ・嵐・雷などを人工的につくりだす実験をしている。たとえば、空中に化学物質を散布することで、大量の水蒸気を拡散させて干ばつを作りだしたり、嵐や台風を何倍にも拡大する実験だ。
アメリカ軍の研究報告書「軍事力を飛躍的に高めるため気象現象をいかに活用するか」では、最終目標として「2025年までに気象を自由にコントロールする技術を確立する」と明確にのべている。そしてこれまでの成功事例として、雷・嵐を人工的に巨大化したケース。逆に嵐やハリケーンを鎮めたケース。さらに人工的に干ばつを引き起こしたケースが紹介されている。また空中に散布される化学物質は人間とっても有毒だという。
もうひとつ驚いた話は、07年から本格的に始まった種子バンクの建設である。この計画は農業に不可欠な種子を未来のために保存するものだ。ビル・ゲイツ基金やロックフェラー財団・モンサントなどが、「地球最後の日に備えて未来の作物の多様性を確保する」として、すでに300万種類の種子を世界から集めて保管している。最終的には450万種、総計20億個の種子を集める計画だという。すでに絶滅した種や地球外の種にも収集範囲拡大する。それを千年・万年単位で保存する。種子貯蔵庫が建設されているのは北極圏のスバルバ島。地下130mに完成した収蔵庫は、核攻撃にも耐えれる堅固な作りとなっている。
人類の未来を左右する種子保存といった極秘ビジネスがすでに始まっている。あらゆる種類の種を集めることは人類の生存にとって欠かせない作業だといえよう。だがそれをだれが管理し、どのように利用するのか。食糧をめぐる世界規模の争奪戦が、種子の世界でも人知れず展開されているのだ。


Posted by sho923utg at 19:46│Comments(0)TrackBack(0) 政治・社会 | 時代のアゴラ

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