2017年11月09日

憲法9条3項自衛隊明記は日本会議の発案

日本会議といえば憲法改悪を悲願として活動してきた極右グループだ。
ところがアベの9条3項自衛隊明記提案のウラには日本会議が蠢動していたという。
二階堂友紀・朝日新聞記者「日本会議、その飽くなき現実主義」(『世界』12月号)がその舞台裏を報告している。
以下参照。
衆院選から3日後の10月25日、東京海運クラブで日本会議主催の憲法集会が開催された。
衛藤首相補佐官はあいさつで、
「われわれは本当についている。
天の時を与えられた」
と訴えると、700人が参集した会場は大きな拍手にわいた。
日本会議の椛島事務総長や衛藤補佐官らは、1960年代「生長の家」で全共闘に対抗する学生運動をしていた。
それ以降彼らは一貫して憲法改正・新憲法制定を目標としてきた。
彼らにとってアベの衆院解散は悪夢以外の何ものでもなかった。
衆参で改憲勢力は3分の2。
これほどの「天の時」はこの後訪れないだろう。
いま解散すれば必ず3分の2を失う。
それがわかっていながら首相は解散するはずがない。
彼らの改憲構想では、あとは国会発議をのこすのみであった。
そして、きたるべき国民投票に向けてアクセルを踏み込む。
2018年には衆院選と国民投票のダブルで改憲を実現すると。
戦後70年間、改憲できずにきた彼らには根強い悲観主義がある。
だからこそ改憲のためにはあらゆる譲歩を厭わない。
その飽くなき現実主義がアベの現実主義と重なる。
それが9条に自衛隊を明記する案に表れている。
今年5月1日、アベは
「新憲法制定議員同盟」の大会あいさつで「政治は結果だ」といい、
「憲法改正は柔軟性をもって現実的な議論を行う必要がある」と言った。
2日後、日本会議の改憲集会でアベはビデオメッセージをよせ、9条に自衛隊を明記する案を提案した。
予兆は昨年夏の参院選後からあった。
作年7月末、アベのブレーンと言われる伊藤哲夫・日本政策センター代表が、9条に自衛隊の存在を書き込む提案をした。
また、西岡力・麗沢大学客員教授も8月16日付産経新聞に9条3項に自衛隊明記すべきだと書いている。
このころから1部改憲派には9条自衛隊明記案が広がっていく。
さらに昨年9月伊藤は、日本政策センター機関紙「明日への選択」に「3分の2獲得後の改憲戦略」を発表。
そこで「改憲派まず加憲から」と次のように書いている。
「現行の憲法を否定せず、それを補う、という形をとることで、憲法の平和、人権、民主主義の基礎を一層確かなものにする」。
「こうすれば反対派の大義名分は失われるし、その説得力も目に見えて落ちる…
それだけではない。公明党との協議も進みやすくなるし、場合によっては護憲派から現実派を誘いだせる」。
衛藤や伊東は昨夏の参院選中から改憲戦略を練っていたとされる。
そこで浮上してきたのが西岡の9条3項に自衛隊明記の案である。
この提案はアベにも届けられた。
今年2月に開催された神道政治連盟の会議で伊藤が講演した。
改憲運動の担い手となる神職らを相手に、9条への自衛隊明記案が語られたという。
そうした根回しの上で今年5月のアベのビデオメッセージとなった。
「100点満点の憲法改正は不可能だ。70点でいい。
ここというところ以外はゆずらないと、改憲は実現できない」
と日本会議のメンバーは語る。
9条への自衛隊明記が現実論として浮上したのは、昨年12月の毎日新聞の調査も影響している。
調査では9条1項を改正すべきでないは52%だった。
ところが2項への自衛隊明記賛成が36%、国防軍の明記賛成が17%で、計53%が改正に賛成したのだ。この調査結果で彼らに9条改定は不可能だとの固定観念を払拭した。
今回の衆院選を日本会議では「天啓」だとし、「これで改正できなければ、もう2度とできないだろう」という。
彼らが望んでいた衆院選と国民投票のダブルの可能性はなくなった。
参院選とのダブルでは国民投票後押しのエンジンとしては弱い。
単独の国民投票となればきびしい結果が予想される。
それでも彼らは「国民投票を命がけで闘う」と決意している。
以上が二階堂記者の報告であるが、なぜ自民党が従来の改憲案を捨てて、9条3項自衛隊明記案をだしてきたかがよくわかる。
改憲は彼らにとって「命がけ」なのだ。


Posted by sho923utg at 19:39│Comments(0)