月刊雑誌『紙の爆弾』１月号に、浜田和幸「イスラエル暴虐の隠された真相」が掲載されているので紹介しておこう。
以下の内容だ。
イスラエルのパレスチナ進攻の背景には、天然ガスと石油のエネルギー資源の利権確保があるという。
ガザ沖合３０キロの「ガザ・マリーン」(地中海東岸)には、膨大な天然ガスがある。
また、米国政府の調査では、ガザにもヨルダン川西岸にも天然ガスと石油の存在が確認されている。とくに２０００年以降、パレスチナ領内では油田が相次いで発見されている。
もしこれらのエネルギー資源がパレスチナのものになれば、イスラエルをしのぐ富がもたらされ、中東の勢力図は一変する。
そのため、ハマスもイスラエルも、資源開発や利権確保に必死で取り組んできた。
また、英国や中国も地中海東部で海底資源開発に協力しようと活発に動いている。
英国のガス会社はパレスチナと合弁企業を設立した。
一方、中国はカザ沖の油田開発に協力して、ハマスから石油を確保しようとしている。
パレスチナ領内の油田開発は、イスラエルの妨害で実現できていない。
一時期、イスラエルとパレスチナは利権分割で合意したが、あまりにイスラエルの取り分が多いため、その後、政権を奪取したハマスは合意を破棄した。
その結果、２００８年、イスラエルによるガザ攻撃が開始された経緯がある。
イスラエルとハマスの戦いは今に始まったことではなく、長期にわたるエネルギー資源の利権をめぐる争奪戦でもある。
国連貿易開発会議(ＵＮＣＴＡＤ)が２０２０年にまとめた報告書は、
「パレスチナに存在が確認されている石油と天然ガスはだれが開発しても数千億ドルの富を生む。イスラエルがパレスチナによる開発を妨害しているため、パレスチナは貧困から脱却できない」
と、イスラエルをきびしく批判している。
イスラエルは、エネルギー資源確保のために、ガザ地区やヨルダン川西岸からパレスチナ人全員をエジプトに追いやり、新たなユダヤ人国家を建設しようとしている。
その建設資金を天然ガスと石油で賄おうと企んでいる。
実際、ネタニヤフ首相はガザ地区への攻撃を開始すると同時に、パレスチナに存在する天然ガスと石油の開発許可を英ＢＴ(ブリティッシュ・ペトロリアム)など６企業に公布した。
しかもイスラエルは、スエズ運河に代わる新たな運河をガザ地区経由で建設する計画も進めている。これによって物流と軍事的優位を確保しようとしている。
イスラエル諜報機関の文書には、
「パレスチナ住民をのこらずエジプトに移住させること」
が最終ゴールとして明記されている。
ネタニヤフ首相は「ハマスを殲滅するまで戦争を続ける」としている。
エネルギー資源確保による新たなイスラエル国家建設にむけてジェノサイドが行われているのだ。
