グランドツーリング3日目の朝は、ベッドからなかなか起き上がれないほど身体が重くなっていました。
もちろん物理的に重くなっているわけではありません(汗)
なんだか「悪い夢」のせいで、よく眠れなかったのですよねえ。
そういうわけで、重い身体を引きずりながらグダグダしていたら、チェックアウトは8時過ぎになりました。
自分でもビックリのスロースタート。
こんな調子でツーリングが続けられるのかと不安になりましたが「よっこらせ」と、S2000のコックピットに収まると、あら不思議(!)
身体に何かキケンなものが注入されたんじゃないか?と思うほどに、シャキッとしました(笑)
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五所川原市内の宿泊先を出発したら、R339にイン。
R339の一本勝負(縛り)で北上しようと考えた結果なのですが、いまいちペースの上がらない道で、これといった見どころもなく、正直これは失敗でしたねえ。
ツーリングマップルではオススメ表示になっているのですが、どこかに立ち寄るのでなければ、並走するように延びる広域農道「こめ米ロード(五所川原広域農道)」のほうが良いと思いました。
なお、こめ米ロードの「米」は『まい』と読むそうです。(「こめこめ」ではないのですね)

交通量の多い区間を抜けたところで道の駅「十三湖高原」に立ち寄り、元気に泳ぐ鯉のぼりを眺めながら缶コーヒーで一服。
これでドライバーのスイッチが入ったのか、リスタート後はキレッキレの走り(?)で周回遅れのマシン(??)を容赦なくオーバーテイクし、遂にここまでやってきました。

『龍泊ライン』
今回のツーリングで「ここだけは晴天の下で走りたい」と思っていた道です。
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心配していた天気は文句なしの快晴。
大型連休の真っ最中であるにも関わらず、交通量は僅少。
進行方向が一緒の車両は1台も現れる気配がありません。
「ゆっくりと走って景色を楽しみたい気持ち」と
「思いっきりスロットルを開けて駆け抜けたい気持ち」
が私の中で衝突していましたが、両サイドの窓を降ろし、爽やかな風がコックピットに吹き込んでくると、たちまち前者は吹っ飛び(笑)理性を失った獣の如く、極上のワインディングロードに喰らい付きます。
序盤のシーサイドコースに別れを告げ、一気に坂を駆け上がって高度を上げると、次に現れるのは急坂・ヘアピンの連続。
今までにないくらいVSAを作動させながら、マイペース+αで走る、走る!
ほとんどの区間で2速ホールドですが、長めのストレートでは3速に入り、直後のコーナー進入時にブリッピングをかまして再び2速へ。
温まった駆動輪はグリップ力を炸裂させ、ラフなアクセル操作にも折れることなく、力強く地面を蹴り出します。
デジタルなタコメータのゲージはあっと言う間にレッドゾーンへ、F22Cエンジンの雄叫び、流れてゆく景色・・・

いやいや、ほんと素晴らしいです。
なかなか言葉で表現するのが難しいのですが、一言で表すとすれば『絶景』でしょうか。
いや、もう全然表せていないですけどね(汗)

“笑っている顔”に固定されたまま、あっと言う間に眺瞰台に到着。
『そうそう、この辺だったな。』
と、独り呟きながらS2000を停めました。
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およそ3年前の夏、私は当時乗っていたBMW・E39 530iでこの場所を訪れていました。
たった3年前なのに、もう10年前くらいの感覚なのですが(汗)素晴らしい青空のもとで重量級セダンを右へ左へ振り回しながらドライブを楽しんだ記憶が今も鮮明に残っています。

ここ『龍泊ライン』は、私がドライブ・ツーリングに熱中するキッカケになった道。
こんな素晴らしい場所をもっと知りたい、走りたいと思うようになったんですね。
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あまりに空いているので、思わず往復して楽しんでしまいました(笑)

BMW・E39 530iで走った記憶は時間が経って、ある程度美化されているはずでした。
しかし、そんな美しい記憶さえも超えてゆく、S2000でのドライブ。
両車には走行性能の違いもありますが、やはり「屋根が開くこと」が一番大きな違いなのだろうと思います。
もう散々屋根を開けて走り回っているのに、相変わらずオープンカーの良さを感じてばかりいるんですよ。不思議ですよねえ(頷)
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静かだった眺瞰台にクルマ・バイクが増えてきたところで、逃げるように移動を開始します。
一般的には、ここまで来たら竜飛崎!かもしれませんが、パーキングがなかなかに混雑していたため、ぐるりと一周様子を見てそのまま撤収。
以前訪れているので、今回は立ち寄らずとも惜しくありません。
ボタンを押すと「津軽海峡冬景色」が爆音で流れる歌謠碑近くのパーキングは空いていたので、ここで一休みです。

で、ここから先のルートを考えるわけですが・・・
龍泊ラインを心ゆくまで走り、満足感・充実感・達成感で満たされていた私は、いちいちルートを考えるのが面倒になって(笑)ひたすら海岸線を走り続けることにしました。
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R280走行中に立ち寄った平館の海は大変穏やか。
気温は23℃に達しており、昨晩イマイチよく眠れなかったドライバーは、あまりの快適さに目蓋が重くなり、思わず夢の中に転がり込んでしまいそうでした(汗)

ここを訪れるまで今回のツーリングでは下北半島には行かないつもりでおりましたが、目の前に見えていると無性に行きたくなるものですねえ(←謎)
少し考えた後、やっぱり下北半島を走りたい気分が変わらないので、今夜は下北半島で一泊することにしました。
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賑やかな青森市の街を脇目も振らずに抜け出したらK9で夏泊半島をぐるりと回っていきます。
ここに至るまでの騒がしさが嘘のように、大変静かでゆったりとした雰囲気がたまりませんねえ。
それなりに良い景色も沢山見られましたが、しばらく市街地のスローペースに合わせていたためか、ここで“走り欲”が暴発してしまい・・・。
気が付けば特に立ち止まることなく、ハイペースで走り抜けておりました(汗)

いよいよ、下北半島の入口が近付いてきましたよ。
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夏泊半島からはR4→R279で、むつ市方面へ北上していきます。
このR279はツーリングマップルのオススメ表示にはなっておりますが、かなり失敗。
ペースが上がらず、眠気が炸裂です(涙)
かと言って、カッ飛ばして走る気分でもありませんので、前走車に続いて大人し~く走ります。

大人し~く走っていると、対向車線のトヨタ・プリウスが全力で(?)パッシングをしまくっているではありませんか。

『むむ・・・これはもしや・・・』

しばらく進んだ先に、電話ボックスの陰に隠れてコソコソとアヤシイ電波を照射する国家権力の車両を確認。
なるほど、地元ナンバーの皆さんが大人し~く走っているわけです。

約1時間後、再び私のレーダー探知機が警報音を発しました。
今度は道端にちょこんと置かれた装置からアヤシイ電波を照射してきたようです。
“装置の持ち主”は近くの電話ボックスの前に突っ立っています。

携帯電話の普及によって減少の一途をたどる電話ボックス。今は国家権力の皆さんの憩いの場(?)となっているようです。

286km走り回って、「プラザホテルむつ」にチェックインしました。