2005年11月03日

最近読んでる本〜新しい太陽の書〜

拷問者の影

調停者の鉤爪

警士の剣

独裁者の城塞

以上四巻(ジーン・ウルフ・岡部宏之訳、ハヤカワ文庫SF)

このほど、早川書房創立60周年記念限定復刊フェアで、ジーン・ウルフの『新しい太陽の書』が3000部限定出版されました。いや、そういうことやってるって全然知らなくて、偶然入った本屋に平積みしてあったんですが、見た瞬間即購入決定。
ジーン・ウルフについては1月10日の日記でも触れました。本書は1981年に発表されたウルフの代表作で、おそらく数あるSF作品のなかでも群を抜く傑作でしょう。
舞台は遥か未来の地球。繁栄の時代は遠く過ぎ去り、文明は中世レベルまで退行しています。太陽は星としての寿命を迎えつつあり、寒期に閉ざされつつある中、人々は『新しい太陽』の到来を待ちわびている…というのが背景。
本書は、主人公セヴェリアンの回顧録を、作者のウルフが現代語訳したもの、というややこしいレトリックのもとに書かれています。そのため、重要なキーワード、あるいは其の世界ではごく一般的でも、読者には全くなじみのない名詞などがぽんぽん出てきます。また、セヴェリアン自身が本来物書きではないため、一部ストーリーに断烈があったりとか、出てくる単語は全てウルフが最も近いイメージのもので置き換えたもので、従って本来の意味とは少し違うとか。
こうした書法は『ケルベロス』でも使われていましたが、ウルフの作品は読者に積極的な『読解』を求めてきます。このことにより、ウルフの作品は他のエンターテインメントとは一線を画していますが、同時にある種の取っ付きにくさを生んでいるともいえます。
ただ、トールキンの『指輪物語』にも匹敵する広大な世界観や、魅力的な登場人物、ガジェットに溢れた本書は、それだけで充分面白く、楽しめるものなので、興味をもたれた方は是非ともご購入を。

新しい太陽

実はあんまりファンタジーとか知らなくて、絵的なイメージが今イチ把握できなかったので、はしさんとこの絵板で描かせていただきました。このためにわざわざ『truth in fantasy』シリーズの服飾関係の本を買いましたが、これがとんだ食わせ物。全然詳しくなくてだまされた感でいっぱいです。


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この記事へのコメント
なんと! 復刊されていたとは!!
知りませんでした。
すぐに保護しに行かねば!

テルミヌス・エスト、萌え……いや、燃えです。
Posted by Aki at 2005年11月04日 07:44
ども〜。
3000部限定らしいので、三省堂などの大型書店で探すと良いと思われます。普通の本屋には全然置いてませんでした。
Posted by しょぼ at 2005年11月05日 00:48