初手から
▲7六歩△3四歩▲2六歩△5四歩
2016-08-07a
ゴキゲン中飛車模様
ここで▲2二角成△同銀▲5三角打は、△4二角打で馬を作れないのが有名だが
単に△6二銀くらいでも、馬より持ち角の方が価値が高く、後手が良いかもしれない

上図から
▲2五歩
2016-08-07b
この歩を突いておくことで、後手の居飛車の可能性を消し、振り飛車に限定する
後手はどこかで△3三角と上らなければいけないが、矢倉にするなら多少無理しなければならないだろう

上図から
△5二飛
2016-08-07c
この一手
他の手だと▲2四歩or▲2二角成がある
△5四歩を入れずに飛車を回ると、▲2二角成△同銀▲6五角打で4三と8三の地点が同時に受からない
ゴキゲン中飛車は従来の振り飛車と異なり、△4四歩で角道を止める必要がないので
非常に攻撃力が高い

上図から
▲4八銀
2016-08-07d
中央に備える
代えて▲6八玉でも変わらない
気持ちの問題だが、玉より先に銀を上りたいというのは居飛車党の気持ちとしてよくわかる

上図から
△5五歩
2016-08-07e
位を取り、中央を圧迫する
この位のせいで、先手は穴熊に組みにくい
なかなか金銀の連結が良くならないからである
△3三角と上るための準備でもある
この手を入れず単に△3三角は▲同角成△同桂で後手陣のバランスが悪い

上図から
▲6八玉
2016-08-07f
中央に備える
▲2四歩△同歩▲同飛△5六歩
▲6六歩△5七歩成▲同銀を狙う
5七の地点に玉と銀の2枚が利いているのがポイント

上図から
△3三角
2016-08-07g
▲2四歩を受けて自然な手
しかし、代えて△6二玉から
▲2四歩△同歩▲同飛△5六歩
▲6六歩△5七歩成▲同銀△5六歩打
▲4八銀△1四歩で次に△1三角(王手飛車)から△5七歩成を狙う将棋が10局前後指されている

上図から
▲3六歩
2016-08-07i
超速模様
以前は▲7八玉▲6八銀を入れて玉を安全にしてから右銀を繰り出す将棋が多かったが
速度を重視した結果、このまま攻めの態勢を作るようになった
そのおかげで先手の銀の進出が速いため、後手はかなり形が制限されている

上図から
△4二銀
2016-08-23a
先手の超速に負けないように、後手も銀の活用を急ぐ作戦
△4四銀の銀対抗形を目指すことが多いが
4二銀型のまま▲3三角成が王手にならないことを生かして、強気に△5六歩から力戦を狙う指し方もある

上図から
▲3六銀
2016-08-23b
囲いに全く手を付けず
玉を、居玉よりも戦場に近い6八の地点に置いたまま
銀を3段目、4段目と活用させるのが
超速と呼ばれる理由だろう
ある意味原始棒銀の仲間なのかもしれない

上図から
△5三銀
2016-08-23c
▲4六銀の前に上らなければならない
一手でも遅れると、△5三銀で飛車先が止まった瞬間に▲5五銀で歩をかすめ取られる
次の▲4六銀に△4四銀とするのがほとんどだが、△5四銀や△6四銀も稀に見かける
△5四銀には▲7八玉以下、△6二玉▲2四歩△同歩▲3五歩から激しい戦いになる
△6四銀はやや疑問手で、一旦▲6六歩で局面を収められると、次に▲4五銀が受けにくい

上図から
▲4六銀
2016-08-23d
この銀が攻防によく働く好位置
5七の地点を守る・5五の歩を狙う・3五から棒銀を狙う・4五から角頭を狙う
という4つの目的があり非常に優秀である
この優秀さが、プロ間での超速の勝率の高さに繋がっていると思う

上図から
△4四銀
2016-08-23e
銀対抗
角道が止まってしまい攻撃力に乏しく消極的だが、先手と後手の銀を向かい合わせることで、▲4六銀からの攻め筋を全て防いでいる
安定感に優れる構え
角道が止まっていることはメリットにもなる
角交換を気にしなくて良いので、気軽に△5六歩を突いて力戦に持ち込むことが出来る

上図から
▲7八玉
2016-08-23f
角にヒモを付けながら戦場から遠ざかる
代えて▲7八銀▲7七銀を優先するのも有力だが、結局▲7八玉は必要な手になると思う
▲5八金右は▲5八飛の余地が無くなるので、自分は金上りを遅らせるのが好みだが、囲いを居飛車穴熊に決めてるならここで金を上った方が余計な変化が少なくて良いと思う

上図から
△5六歩
2016-08-23g
中央が薄くなった瞬間に仕掛けて自然
ネット対戦を観戦していると比較的よく見かけるが、プロでの実践が無い(有るのかもしれないが、自分は見たことがない)不思議な局面
△5六歩には、▲3三角成から角打ちで両取りをかけたり、▲6六歩から抑え込みを狙うのが先手の常套手段だが、この局面ではどちらの手段も先手は取ることが出来ない
後手にとって絶好のタイミング

この局面を
後手△5六歩力戦 銀対抗居玉型の基本図とします