2008年02月

王将戦第五局第二日 羽生王将防衛

第57期王将戦中継ブログ第五局

感想戦の動画にアクセスが集中しているのか、フリーズしまくりで、ちゃんと見た気がしない。元の動画投稿サイトの視聴回数を見ると、まだ終局間もないのに既に1000アクセスをはるかに超えている。本当にたくさんの将棋ファンが見ているのだなあ。また後でゆっくり見ることにして、とりあえず書き始めている。
今回の王将戦では文句なく随一の名局だろう。いや、久保さんにとっての名局になるはずだった。△7四桂に対して、▲7六玉でなく▲7五玉と逃げてしまったのが痛恨。と、あちこちのブログで扱われることになってしまうのだろうなあ(笑)。
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しかし、魅入られたように詰み手順に自ら飛び込んでしまった久保さんだけでなく、羽生さんも△7四桂と打った時点で詰みだと思っていたそうである。すごくドラマティックではあるが、トッププロ同士としては実に珍しい。羽生さんは、棋王戦第二局の最終盤でも大錯覚したばかりなので、ファンとしてはちょっとばっかり心配になる。
将棋の内容は、二日目は最初から最後まで、見るからに色々深い変化がありそうで、とてもちょっと見ただけでは分かりそうにもなく、観戦記等を楽しみに待つしかない。
感想戦動画で、羽生さんは、手を作るのが難しくなって、作戦的にはあまり満足できなかったようなことを言っていた。藤井システムにおいて、▲4六歩を早く突くのをとがめるための急戦として、鷺宮定跡系を選択したのだとも考えられるが、なかなかそううまくはいかなかったし、実際、さえた作戦という感じには、あまり思えなかった。なんかえらそうな言い方になってしまったけれど、まあ弱いなりに振り飛車を指す身としては、こりゃ困るなあ、という感じには思えなかったという程度のことであります。
封じ手の久保さんの▲7五歩が、強烈で目が覚めるような手だった。
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なんとなく、振り飛車がじっくりためて指して居飛車の手を殺した方が、展開的には困りそうな気もするが。しかし、久保さんらしく、これでいけるという強気の捌き。一方、羽生さんの、飛車を見捨てて△7七歩成りと金を作ってバランスをとろうとする大局観も、やっぱりすごいなあ。
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その後も、羽生さんが銀捨てから飛車銀両取りをかけたりして、派手な手順だったが、この辺もどうなっているのか難しそうですよねえ。
羽生さんの△6三金がハッとする勝負手。
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しかし、あっさり馬を切られて▲5一飛と打たれてしまって、果たしてよかったのかは不明。このあたりは、中継で言われているように久保さんが少し余している流れになったのかしら。
その後の終盤、はっきり久保さんが勝ちのように見えて、よく調べると結構アヤがあることに検討陣が気づいていくあたりのくだりは読んでいて面白かった。それでも、ちゃんと気づいたのはさすがで、木村、中座の解説陣は、かなり正確だったのではないだろうか。
このあたりの、羽生さんがワナを仕掛けまくってベストを尽くすのに対して、久保さんがそれらをことごとくかいくぐって、しっかり勝ちに結びつけていったあたりの攻防は、さすがトッププロ同士という感じである。▲1七香と払ったのも正解、△1九角を入れたのも正解、ということらしい。
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本当にすごく深くよく読んでいるものだなあ。
久保さんは、終盤もメチャクチャ強いのを証明したということなのでしょう。
なので、画竜点睛を欠くという感じになってしまったのは、本当に惜しかった。それだけ、羽生さんがプレッシャーをずっとかけ続けていて、精神的疲労がたまっていたということなのかもしれない。
それにしても、やっぱり急戦の将棋って面白いですねえ。ネット将棋の、加藤一二三先生と千葉さんの将棋も、実に見ていて将棋の内容自体が楽しかったし。
ということで、このように言って終わりにしよう。

「急戦で振り飛車を堂々と打ち破ろうとする、男の中の男のプロ棋士、でてこいやあ!!」
(高田延彦の口調で。)

王将戦第五局第一日 羽生王将vs久保八段

昨日の将棋丸ごと90分は、鈴木八段がゲストで、棋王戦第二局を解説していた。あの気になる終盤、やはり羽生さんが良くて、佐藤さんの▲1五角というのは、かなり苦しい感じの手らしい。
羽生さんの問題手第一弾は、△8七歩。▲9七玉とかわされて、かえって寄せにくくなってしまったとのこと。しかしその後に出た△6四銀が好手で、優勢を維持した。
一番の問題は、やはり△8七銀が▲同金ととられて詰まなかったこと。ここは、△7六銀でも△7六金でも△7六角でも勝ちだったとのこと。うーーん、羽生さんには本当に珍しいことが起こってしまったようである。

第57期王将戦中継ブログ第五局

先手の久保さんが第三局に続いて四間飛車、後手の羽生さんは居飛車で△5三銀の急戦。本当に羽生さんは何をやってくるか分からないが、それにしても珍しい。
藤井さんの「四間飛車の急所2」の鷺宮定跡の部分をちょっとのぞいてみた。まず、この本は後手番振り飛車の本だし、藤井システムの出だしで書かれているわけではないので本局と比べにくいのだが。コメント欄の中座さんの解説と合わせて、ごく基本的なポイントを整理してみる。
まず、藤井システム風の出だしでは、必ず早めに▲4六歩をつくことになる。鷺宮定石に対しては、この歩を先についてしまうと、居飛車の仕掛けが成立する。
鷺宮定跡に対しては、▲4六歩をつかずに、▲9八香と待つのが有効な対策。その場合、居飛車の仕掛けは成立しない。(以上振り飛車後手の場合。)
ただ、(先手)藤井システムの場合は、先に▲4六歩をついてしまっているので、後手が△7二飛とした場面で▲9八香としても、それでも△7五歩▲同歩△6四銀の仕掛けが成立する。(と中座さんが言っている。)
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したがって、先手は▲7八飛と手堅く受けるしかない。
それに対しては、居飛車も、△6四歩から△6五歩と仕掛けることになる。
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ということなのでしょうか。よく分からないのだが。
実戦例で、振り飛車側を櫛田さんが持ってうまく指した例があるそうである。羽生さんの△7三桂は、その実戦進行を避けた順なのか。
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ということなのだが、ズバリ、現局面でどっちがいいのか全然分かりません(泣笑)。
さすがに初日に大勢決してしまっていた今までとは違って、今回ばかりは二日目の(最初のほうの)進行がポイントになるのではないだろうか。


オヤシュ

眞鍋かをりの影響なんか、いい年して受けているんじゃない、っていう話ではあります。でも、なかなかどうして、これが洒落たいい響きでねえ。

雑談放出 NHK杯、鈴木vs郷田他、銀河戦 片上vs西尾、中倉姉妹PDG、I’ts show timeの山田久美後編

今日のNHK杯は鈴木勝ち。鈴木振り飛車というのは、とにかく実戦的で、今日も歩損を重ねたのを気にせずに耐え、相手の動きに応じてさばき、居飛車の玉形の薄さをつく嫌味な攻め味をつけておき、とかしているうちに形勢逆転、最後は完全にペースを握って勝ち。振り飛車党なら見習いたいし、振り飛車の感覚とはこういうものなのだと鈴木将棋を見ていていつも思う。しかし、なんと言っても、こういう指し方が出来るのは、鈴木八段が、抜群に手が良く見えて腕力が人並みはずれているからなのだ。なかなかアマが真似しようったってできない。もともとプロの将棋は皆真似できないのだが、少なくとも藤井さんなら形のモノマネだけなら出来るのだけれど。そうだとしても、あの鈴気流の振り飛車の感覚の極意だけは感じ取りたいものだと思う。
しかし、郷田さんは結構ボヤきますね。何度も「イヤーー」とやっていた。つられたのか、鈴木さんも。囲碁のプロ、例えば、武宮さんとか趙治勲さんが対戦したら、そりゃものすごいボヤキ合戦になりそうだ。将棋の方も、もし無意識に出るのならかまわないし、もっとやって欲しいと思うんですけどね。
先週の、佐藤vs三浦戦も面白かった。佐藤さんが攻めきるのかと思いきや、終盤の三浦さんの粘りがすごかった。対局者カメラに三浦さんの盤上没我で没頭して読んでいる姿が映し出されていたが、私は大好きである。加藤一二三先生の場合もそうなのだが、本当に物事に没頭しきることが出来るのも一種の才能だし、それがウソ偽りのない姿なら、必ず人をひきつけるものだと思う。無論、実力面でも三浦さんの終盤は折り紙つきで、佐藤さんにも一歩も引けをとってなく、逆転模様だっただけに、最後にポッキリ折れたのが残念だった。
でも、あの三浦さんが、自玉の頓死に気づかずに、▲1一飛車成を指したあたりの対局者カメラは面白かった。佐藤さんが怪訝そうな表情を浮かべて、頭に手をやり、上空を見上げて読みを確認し、ホッペタを指でかく仕草。本当に驚いたんでしょう。一方、三浦さんは、平静を装って1一龍の位置を正し、しばらくして相手の着手を待つまでもなく頭をかかえこんでしまった。佐藤さんが指すと、天を仰いで、ホッペタに手を当てて呆然として即投了。ああいうのは、たぶん自分が着手した時点に気づくんじゃないんですかねえ。とにかく、ああいう場面を事細かに見ていると、そんじょそこらの映画より、よっぽど面白い。
そういえば、羽生さんを破った長沼さんが、先週の囲碁将棋ジャーナルに出演していた。いい味出していて、ますます好きになった人も多いんじゃないだろうか。いくら将棋が強い若手でも、ああいう人生の年輪を感じさせる味はなかなか出せるもんじゃない。NHK杯の表を見て、「これはおかしいんじゃないでしょうか」と言ったのとか、謙遜した笑顔の良さとか。
棋王戦第一局の解説も、現場で綿密に取材されたもので、とてもよく分かった。羽生さんの▲5五馬の鬼手は、まさにああ指さないと他は全て負けというすごい手だったのだと改めて感嘆した。佐藤さんの△8五桂も、やはり詰めろだったそうで、羽生さんが王手桂取りで桂を抜いたのも、あれしかないという手順だったのか。第一局の終盤は、お互いベストを尽くした本当の名局だったようである。一方、第二局の終盤の方は、お互い乱れたように思えたのだが、実際はどうだったのだろう。

銀河戦。もったいない話だと思うのだが、HDDにだいぶ録りだめしていて、まだ見てないのがたくさんある。とりあえず、ブロガー棋士片上五段が登場したのをチェック。先手片上で、後手の西尾さんが一手損角換わりを採用。西尾さんが不思議な指し方で、一手損なのに8五歩をはやめに伸ばして、二手得で片上さんが一筋の端歩丸々無条件に詰めているという、理論的には考えられない形に。無論プロがやるのだから、何かちゃんとした考えがあってのことなのだろうが、結局片上さんがうまくとがめることに成功して、ものすごい大差に。ところが差が開きすぎて油断したのか、終盤で自ら退路を立つ金打ちをしてしまい、詰めろで金をボロリと取られる錯覚。マアジャンなら、満貫払いのチョンボ、って言うか、普通の将棋なら即終了のはず。しかし、何より驚いたのは、そんなことをしてもまだ将棋が逆転していなかったこと。結局、端を詰めていたのが最後まで生きていたのが皮肉だった。
そういえば、昨日の棋王戦第二局で、佐藤さんが▲8五歩と伸ばす佐藤流でしたが、初めて佐藤さんが指した時に、確か片上さんもこの構想を暖めていたと、ブログか週刊将棋に書いていた。(と思うのだが、片上ブログをちょっと調べたけれど見つからなかったので、他のこととの勘違いかもしれない。)とにかく、片上五段は新手にも意欲的で、順位戦でも初手▲6六歩を二度も敢行している。ちゃんと勝率ほぼ七割をキープしながら。ブログだけでなく、将棋も大注目ですよ、皆の衆。

中倉姉妹のPDGには、松尾さんが登場。イメージ通りに、おっとりしたなごみ系のお方だった。それにしても、。PDG聞いていると、異常に色々なことに詳しくなってしまうね。上川さんが「アル川」というあだ名だったのは、アルコールの意味だったのか、とか。穏やかそうに見える上川さんも夫婦喧嘩では物を投げることがあるんだ、とか、中倉彰子さんも、ノリ巻きを投げつけたら、相手がナイス・キャッチしたんだとか。いやはや、やっぱり女性というのは・・(以下自粛)。
なぜか三人でお絵かき対決。ブログに、宏美画伯の作品がアップされています。ツッコミ魔の私としては、言いたいことが多すぎて困るのだが、ご本人が涙を飲んで?自らアップしているファン思いの心情を思いやると、もう何もいえないのだ(嘘涙)。
とりあえず、将棋ニュースプラス3/9で、宏美画伯が「自由の女神」を描き、それを見た姉の彰子さんがバカ受けしてしまっている姿を見ることが出来ることだけ、お伝えしておきます。って、オレは鬼かよ。

マニアックついでに、山田久美さんの、囲碁将棋チャンネルで再放送中のI’s show time後編の事も。見ていて思ったのだが、山田さんが楽しい方だとは分かっていたが、島井さんというのも相当なのかもしれない。
山田さんがカラー扇子を使っている話になった。
山田「実はですね。ワタシ扇子を口元に持ってくるんですよ。白いと口紅がつくじゃないですが、だから。」
姉妹「じゃあ、口紅ついているんですね。そりゃ、高く売れそうですね、ウフフ。」

お前何言ってんだよシマイ、と心の中でツッコんでしまいました。(心の中なので敬称略)
山田さんが、通販に凝って、色々失敗した話になった。何でも、「朝起きるとトースト・コーヒー・目玉焼きが出来るセット」なるものを、結構高額で買ったら、目玉焼きがまずいわ、掃除が大変だわで、一回しか使わなかったそうで。
山田「ペットボトルカッターというのを買って、丸いペットボトルを螺旋状に切れるというのを買ったの。でも、よく考えたらワタシ四角いペットボトルしか買わないのに気づいて、使えないじゃんって、フフ。」
島井「フフフ、なぜ、気づかないんでしょうね、フフフ(笑い止まらず)」

自分でツッコみながらふき出してしまうなよシマイ、と心の中でツッコんでしまいました。
ファンの方の質問メールに答えていたのだが、皆さんプライベートなことまで良くご存知で。私などファンを名乗る資格などありゃしない。
こんな紹介の仕方だと、全国百万人の山田ファンの顰蹙を買うこと必至なので、最後にいいことを言われていたので紹介しておく。
山田「ファンの皆様、いつもありがとうございます。私たち将棋を指していますけれども、その将棋を見てくださるお客様がいて成り立っている職業だと思っています。何が一番大切かというと、将棋ファンが一番大切だと思っていますので、これからも山田久美を見捨てずによろしくお願いいたします。」

すぐにこういう言葉が出てくるのが素晴らしい。多分本当にそう考えておられるのだろう。

春の嵐と棋王戦第二局

今日は、外は春一番だったそうで、風が吹き荒れていた。
この時期は、どうも気持ちが落ち着かなくって困る。

春風の花をちらすと見る夢は覚めても胸のさわぐなりけり 西行

って、ウチは松本博文ブログですか?

さて、棋王戦、中盤の羽生さんの仕掛けから終盤まで、一貫して変化の広く難解でコクのある将棋だったようだ。
この二人の、一日制のタイトル戦でのど迫力は、本当にすごいものがある。巨神兵同士が熾烈で過酷な格闘を繰り広げているのを見ているかのようだ。
北国新聞社のコメント書き込みも面白かった。とにかく、控え室の検討の変化手順を惜しげなく記入していた。なかなか理解しきるのが大変だったくらいだが、いかに広い手の中から二人が選択しているのかがよく分かった。
大熱戦だったのは間違いない。しかし、弱い者が言うのはなんだが、終盤戦では二人とも間違ったんじゃないかと、私の直感が囁く。どちらにも、自分が負け、自分が勝ちの局面があったんじゃなかろうか。特に羽生さんの最後は、なんからしくなかった感じがするよなあ。
とにかく、重量感のあるスリリングな戦いをこの二人は見せつけてくれる。
春の嵐のような一局だった、と言ったら強引過ぎるだろうか。
今は、細かく将棋のことを考えるような気分じゃないので、熱戦の余韻にひたすら浸っているところである。

願わくは花の下にて春死なんそのきさらぎの望月のころ 西行

王将戦第四局 羽生王将vs.久保八段

一週間ほど更新しなかったが、その間に何をしていたかというと、実はデベソの矯正手術を受けたら主治医から一週間の禁酒を命じられた。その一週間を有効活用して、現代将棋を集中的に勉強しようと思い立ち、朝から晩まで将棋本と格闘し続け、谷川浩司の初詰将棋集も全て解き、LPSAの日めくりカレンダーも既に年末分まで解いてしまった。
・・ってなわけがない。そんな梅田望夫のようなことが凡人に出来るわけがない。単に、更新タリいなあ、と思ってサボっていたら、あっという間に一週間経ってしまっただけなのだ。それにしても、どうせ嘘つくならば、いきなり「デベソ」とかすぐバレるようなことを書かなきゃいいのにと我ながらあきれるのだが。
数日前だったか、朝、家の外に出たら、空気がかすかにだが、しかしはっきり春めいていた。雲ひとつなく穏やかな日が射し注ぎ、かなたに見える残雪をたたえた山々の稜線も澄んだ空気の中でくっきりと見えた。春の空気というのは、人をどこかおかしくするもので、たまらない気分になった。こうして、冬が去りゆき春の息吹を毎年感じとり・・。って、オレは詩人かよ。
でも確かに歳とってくると、その種の自然の変化に妙に敏感になってくるのは確かだ。もう、女性などという生々しい生き物よりも、美しい自然をめでているほうが良くなってくる。
・ ・ってなわけがない。我ながらつまらないウソをついてしまったものだ。
このままサボり続けていたら、もう更新しなくなるかもしれないと思って、今日は無理やり書いているのだが、こんなつまらないジョークを連発して、読者諸賢の心胆を寒からしめている(意味違うし)ようでは本当に申し訳ないことである。
さあ、将棋のことを書こう。といっても、またも王将戦は一方的で、夕方までもっていなかった。両者とも一時間近く持ち時間を残している。
後手の久保八段が、頑固なまでにゴキゲンを採用。またしても、▲5八金右型の超急戦になるのかと思いきや、羽生王将は、穏やかな丸山ワクチン佐藤新手型を採用。そういえば、NHK杯の対長沼戦で、敗れたとはいえ、▲6六角の名構想で、完全に作戦勝ち、勝ち形になったのが記憶に新しい。あの戦いに手ごたえを感じとっていたのだろうか。あるいは、勝負には負けてしまったので、この形で勝って結果を残したいと思ったのだろうか。
様々な推測が可能だが、羽生善治の作戦選択というのは、すごく読みにくいような気がする。意図的に、相手に作戦を読まれないようにしているようなところがある。かつて、大山はうまくいった作戦でも、ほとんど続けて使わなかったそうだが、羽生には大山とは違った種類の駆け引き術があると思うのだが、どうだろう。
将棋世界の三月号で、羽生に浅川浩が例によってレベルの高いインタビューをしている。その中で、「自分を勝負師と思うか」という質問をしていて、羽生は「思いません」とはっきり答えている。しかし、私には、現在の将棋界の中で、一番勝負師としての資質のようなものを感じるのは、羽生善治か、あるいは、渡辺明なのだ。羽生が、どの程度インタビューで本心を言うタイプなのかも不明なのだが、正直に答えているのだとするならば、ほとんど無意識の内に勝負師としての資質を生まれつき持ちあわせているように感じるのだが。
羽生論を始めるとキリがなくなるのでやめるが、いはゆる古いタイプの勝負師でもなく、かといって盤上の唯一の真理のみを追求する合理主義者でもなく、「第三の道」を羽生は模索しているのではないかという気がする。多分、本人の意識では単純な「勝負師」というような考えは全くないのだろう。結果的に、一種勝負師的に見えるだけで、本人はまったく別のことを考えているのかもしれない。
とにかく興味の尽きない存在である。しかも、それを安っぽいハッタリ人生哲学としてではなく、実際に誤魔化しのきかない将棋の世界で常に高い内容と結果を残してプロやファンをきちんと納得させながら、将棋を芸術的哲学的にまで高めているのが、すごいところだ。
具体的将棋の内容については、第57期王将戦中継ブログ第四局を見れば、全て分かる。松本博文が、例によって精力的に取材してくれている。しかも、ブログ内で動画が見られる新兵器も導入して。やはり、ポイントは、△4二金の挑発的勝負手?に対して、羽生王将が▲2四歩と踏み込んでいったところなのだろう。一見シロウトっぽい攻めなので、プロにはやりにくそうな気もするのだが、そういうことに一切とらわれないのも羽生流である。将棋世界のインタビューでも、「先入観を持たない」ことが何より大切だといっていたばかりなのである。
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以降、久保八段も、△6一の金を4一まで持っていって、また6一まで戻すという関西流振り飛車流の秘術を見せ、右辺の遊び駒を一掃するという、「部分的なさばきのアーティスト」ぶりを発揮した(但し結局2四の銀は残って、坂田三吉流に言うならば泣いていたが)。残念ながら、局面全体に結びつくものではなかったようである。
中継ブログの動画には、地元のヒロイン里見香奈も登場していた。しかし、なんとも恥じらいがちな姿であった。今時珍しいタイプなのである。ああいうのを見たら、そりゃおじさんたちはたまらないだろう。
って、ハイ、そうですワタシがヘンなおじさんです(by 志村けん)
どうだ、古すぎてわかるまい・・。

棋王戦第一局 佐藤棋王vs羽生二冠

京都新聞棋王戦第一局

棋譜解説がないので、分からないことだらけな上に、相当色々あった将棋のように見えるのですが。
プロ、ましてこのお二人なのだから、必ず深い意味があるのに違いないのだが、かえって素人が見ると色々素朴に疑問に思ってしまうものだなあ。
私が全然分からない一手損角換わりで、後手の佐藤さんの対策というのは、私の持っている勝又、深浦、村山本には出てないのだが、こういう対策もあるのか。
羽生さんが、角銀交換で成り桂を作ったのは、はたして攻めとして、でかしているのだろうか。
佐藤さんが角を打ち込んで、みすみす取られたのはなぜなんだ。
7六に歩を叩いて桂を打ったのはいいが▲6五銀と堂々と出られて、準王手飛車をかけられると困るので取れないようでは、これも変だ。
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羽生さんが、惜しげなく歩を叩きまくって寄せにいったが、△2二角の逆王手をされて、結局は▲9六歩と手を戻すようでは、やはり寄せ方がおかしかったのだろうか。
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しかし、佐藤さんの執念の粘りはとにかくすごかった。
でも、▲5五馬も、やっぱりハッとする手だなあ。
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△8五桂とはねたあたりは、ど迫力でどうなるのかとおもったら、羽生さんも手順を尽くして角を手に入れて、王手桂取りで8五桂を抜いたのも、良くこんなもつれた(感じに見える)将棋で冷静に指せるものだ。
その後も、佐藤さんの頑強な粘りに会ったが、最後は落ち着きを取り戻して(あるいは、実はずっと落ち着き払っていて)勝ちきったみたいである。佐藤さんは、あんなに頑張ったのに、終わってみるとチャンスらしい場面はない報われない将棋だったような気がする。
▲3八香で、やっと受けがきかない形になるのか。本当にプロの場合、勝ちきるのは大変だ。
とにかく、延々と続いた終盤は、善悪を超えて見ごたえがあり、すごく興奮した。棋譜解説がないのも、私レベルだとよく分からずに、ずっとハラハラできるのでよいという面もある。でも、冷静に考えると、ずっと羽生さんがリードを保ち続けていたのかなあ。
繰り返しになるが、佐藤さんのど根性というのも、本当にすごいものがあると感じた。

以上、とりとめのない感想ですみません。

雑談about  渡辺vs増田@NHK杯、豊川解説@女流ネット最強戦、山田久美@ I’s show time

いやあ、今日は本当にいい天気で、こういうのを穏やかな冬の光というのでしょうね。雲ひとつなく、日差しも柔らかで、空気も心なしか澄んだ感じで。
こんな一日を、悩み事もなく、ノンビリ過ごしていると、それだけで十分幸せだという気分になれます。なんか、すごく年寄りじみた感慨ですが。また、実際十分年寄りなわけですが。単にいつまでたっても心が幼いだけなんですが。

NHK杯は、増田さんが長沼さんに続いて勝ちそうだよ、と思いながら見ていました。一手損角換わりで、先手の渡辺さんが棒銀。後手の増田さんは、△6四角を含みに見せながら、端攻めで反攻に転じたタイミングが絶妙で、先手玉を直撃している分勝ちやすそうに見えたのですが、竜王もさすがにしぶとかった。
▲1四角の、詰めろ桂取りが決め手になりました。感想戦で、竜王が△3六桂を期待していたと、アッケラカンと言っていたのが、いかにもらしかったです。ああいう場合は、相手に気を遣って、「△3六系には角打ちがあるので、指されてこないと思っていたので、少し意外でした」と、言うとか。いや、かえってこういういい方したらイヤミったらしいですか。やっぱり、アッサリ、「指してくれたらいいなあ」的にストレートに言ったほうが素直な感じでいいのかもしれません。無論、それぞれのキャラにあった言い方があるのでしょうが。
福崎解説は、ベスト8の戦いなのを意識したのか。やや真面目バージョンでした。でも、「増田さんは人間的に迫力があって、喫茶店でも、彼が「水!」と言うと、ウェイトレスが吹っ飛んできます。」というのは、いかにも福崎調でした。増田さんの雰囲気とか人柄が一発で伝わってくるじゃないですか。ちなみに、森先生のブログによると増田五段は婚約されたそうで、おめでとうございます。


甲斐vs岩根の、奨励会出身実力派対決は甲斐勝ち。岩根さんは、一回戦の石場戦の終盤の指し回しが印象的でしたが、本局は終始一貫慎重すぎた感じでした。もともと受け将棋なのか、ネット対局で慎重になりすぎたのかはよく分かりませんが。甲斐さんの方が、思い切り行くべきところは行っていたのが勝因だったのでしょうか。マイナビ女子オープンで、里見さんを破った将棋も、終盤バッサリ斬った将棋で、やっぱり奨励会1級はダテじゃないです。私みたいな弱いのには実力診断など出来っこないのですが、現在の女流のタイトル保持者と比べても、全く実力でひけを取らないのではないでしょうか。というか。この将棋見ていると、むしろ力は上なんじゃないかという気さえします。無責任に言うと、どちらかの棋戦で優勝するんじゃないかと。
さて、豊川解説。先週の遠山解説も良かったのですが、あくまであれは「将棋指しにしては相当面白い」ということであって、豊川さんと比べればまだまだカワイイものです。豊川先生の場合は、ハナから明らかに笑わせにかかっていらっしゃるのですもの。あのダジャレ頻度は、N響アワーの池辺晋一郎クラスです、といっても分からない人が多いでしょうが。
豊川先生の、お笑い指数がプロ的なために、つい見る側の視線も厳しいものになってしまいがちです。私などは、すっかりダウンタウン浜田の気分になりきって、「そのダジャレ分かりにくいわ」とか、「何度同じネタ言うねん」とか、「オマエ、いちいち例えが古いねん」(オッ、オマエって)とか、心の中でつっ込み続けてしまったのは、ここだけのヒミツです。勿論今言ったのは冗談でして、素直に豊川先生のサービス精神を堪能させていただいた次第であります、ホントのホントに。

囲碁将棋チャンネルで再放送中の、I’ts show timeに.山田久美さん登場。やはり、とても楽しい方です。いい話もたくさんされている中、こんな話を取り上げて恐縮ですが、山田さんは、初めて連盟に来たときに、間違えて男士トイレに入って用を済ませてしまったそうです。
山田「そして、出てきたら真正面に女性トイレがあるんですよ。アレねえ。どうにかしたほうがいいですねっ。(フフッ)」
島井(遠慮がちに)「間違いますかね、でも・・。(ウフフ)」

ここで残念なお知らせがあります。山田久美さんは、間違えて当たり前でしょ、的に自信満々におっしゃっていましたが、大先輩に対して勇気を振り絞って控えめに言っていた島井さんの意見がどう考えても正しいんじゃないかと思います(笑)。
私は山田久美さんのファンですし、ぶっちゃけて言うと、美人だなあ、とも思うんですよ。でも、なんと言ってもあの楽しいキャラクターが一番いいのですよ、山田さんの場合。いろいろな面で活躍していただきたい方です。


ジミヘンの、モンタレー・ポップ・フェスティバルのライブを聴きながら。映像も残っている、あの有名なギターを叩き壊して燃やしちゃうヤツね。

ジャーーン! WILD THING!!!

朝日杯 行方八段優勝、囲碁将棋ジャーナル、ご主人様王手ですファイナル

朝日杯将棋オープン中継サイト

行方八段が、棋戦初優勝と同時に通算400勝を達成するという快挙。最近彼は順位戦で悔しい思いをしたばかりなのですが、賞金1000万円だったのですか!名誉も実利も大きい優勝で、全てイヤなことも吹っ飛んだことでしょう。
決勝は、羽生さんを準決勝で破った丸山さんと。後手の丸山さんが、角交換させていきなり△3三桂型になるという、変則的ではあるが前例も結構多いという将棋に。この手の将棋は、一番つかみ所がなくてよう分かりません。
とにかく、行方さんの▲5五に出た銀を、丸山さんが捕獲して駒得をはたし、行方さんがひたすら攻めをつなぎ、丸山さんがひたすら丹念に受け続けるという展開になりました。
中央で駒がゴチャゴチャぶつかる密集戦が繰り広げられたのですが、最後は行方さんの攻めがはっきり続く形になり、いつの間にか駒損も回復してしまいました。あー、どこがポイントだったのか、分かりにくっ。
投了図はこんな感じなのですが、次の▲4六角成りがすごい、だけでは私にはよく分からないんですけど(笑)。もう少し指し続けて欲しかったです。少なくとも「大逆転将棋」だったら、私だったらまだ勝ちきれないこと請け合いです(笑)。
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行方さんが並々ならぬ実力者なのは、誰でも知っていることですが、A級で振るわなかったために、トップではどうかと思われかねないところだったので、この優勝はそういう意味でも大きいんじゃないでしょうか。郷田さんとか、深浦さんみたいに、B1に落ちても、何度でも這い上がって来るというタイプになりそうな気がしますし、また、そうなってもらいたいと思います。おめでとうございます。
しかし、この朝日杯は、準決勝で負けた棋士が、決勝の解説を一部つとめるという過酷なシステムになっているのですね(笑)。よりによって、あの羽生さんがその憂き目にあっていました。しかし、それでも楽しそうに解説していたようなのはさすがだと、羽生ファンとして無理して言っておきましょう(笑)。

囲碁将棋ジャーナルは、村山五段が昇級を果たしてゲストで気分よく登場。元気のいい中村桃子さんとともに、王将戦第三局を解説。藤井システム対居飛車穴熊の序盤を語るには、適任者でしょう。但し、村山さんも久保さんが▲4五歩とした新手までは、さすがに研究していなかったようです。そりゃそうで、そこまで全て研究しているのを期待するのが間違っていますよね(笑)。まあ、それだけ期待が高いのだということで。
ちなみに、△7二飛に対して、いきなり▲2五桂と行くのは、以下△2四角▲4五歩△7五歩が厳しくて、振り飛車がうまくいかないそうです。
感想戦で、△5五歩のところでは△3五歩のほうが良かったといわれていたようです。但し、以降▲6四飛△3六歩▲6一飛成△3七歩成▲同銀△4二飛▲8一龍で、やや振り飛車ペースかということでした.。
また、△6二飛と受けるのは、あまりにきかされだということです。プロは極端なくらい、きかされを嫌うみたいですが、具体的にどう悪くなるるのかは分からないのですが。
とにかく、▲4五歩の久保新手が有効だったようで、研究課題になるのでしょう。とは言っても、居飛車は△7四歩▲4八玉をいれずに、居飛穴に囲う順もあるわけだし、その場合は▲5六銀型に対しては、△4五歩または△8六歩の開戦も有効とされているわけです。したがってどうしても避けることが出来ない形というわけではないのでしょう。ただ、本局のように、藤井システムというのは、ひとつ順にはまると居飛車も一方的に攻められて全くいい思いが出来ないまま終わる恐れがある戦形であることも間違いないでしょう。なんせ、あの羽生さんすら、こんなひどい目にあうのですから。

「ご主人様王手です」は、全員3級の免状を獲得しました。全員プロに6枚落ちで勝利したのですが、ちゃんと狙いを持って指せて、きちんと相手玉を詰ますことが出来るのだから、十分3級といえるのではないでしょうか。しかも、自分から将棋に興味を持ったわけではない若い女性三人なので、価値がありそうです。学校教育に、将棋が入りこむことが出来れば、誰でもある程度強くなるし、将棋を楽しめるようになることの証明になったといえるかもしれません。
まあ、そういうかたい話は抜きにして、あの手この手で楽しませてもらえたプログラムでした.。遠山先生、お疲れ様でした。あの、中川=遠山コントをもう見られなくなるのだと思うと、ちょっと寂しいですね(笑)。
もう二週間前に、コントの最終回は終わってしまっているのですが、その中で中川先生が「これで、このコントをするのも最後か」と言われていました。それでは、お二人とスタッフに感謝を込めて、きっちりストレートにツッこんでおきましょう。

自分でコントって認めるんかい!

王将戦第三局第ニ日 羽生王将vs久保八段

昨日の記事中で「傷口に毒を塗る」とやらかしましたが、無論「傷口に塩」の誤りです(訂正済)。文章を書くことだけは好きなのですが、あまりに言葉を知らなすぎるし正確な表現が全く出来ないのが悩みの種です。不思議なもので、今朝目が覚めた瞬間に、考えもしないのにいきなり「傷口に塩」って頭に浮かびました。どうも、人は無意識に色々なことが分かっているようです。こういう場合は、去年の大晦日のダウンタウン特番で知った、現在ブレイク中らしい小島よしおという芸人のギャグをパクってごまかしておくことにします。

傷口に
ウィ~~
塩じゃなくて
ウィ~~
毒を塗ったら死んじゃうよ
でもそんなの関係ねえ!
でもそんなの関係ねえ!
はい!オッパッピ~~

すみません。電車の中で頭の中で考えたら、おかしくって笑いを一人でこらえるのに必死でしたが、書いてみたら全然面白くありませんでした・・。
さて、何でこんなことから書いているかというと、今日の王将戦の棋譜を見ると、なんか狐につままれたようだったからです。

第57期王将戦中継ブログ 第3局

昨日の封じ手局面を見たかぎりでは、私の頭の中では、久保さんが必死に攻めをつなぎ、羽生さんが手を尽くしてしのぎ、最後は一手違いのギリギリの攻防、王座戦第三局のような名勝負というのが妄想されていたわけです。
ところが、ほとんど久保さんが一方的に攻めているじゃないですか。しかも、手順を見ると、特別な何かをやっているというわけでなく、ごく普通の手で攻め続けているだけという。羽生さんも、必死に守って、最後はややアヤがありそうにもなっていましたが、最後ははっきり久保さんに読みきられていた感じでした。多分、プロ的には大差なのでしょう。
▲2四歩から2三に何度も金銀を打ち込まれると、穴熊ももろいですね。
もしかすると、初日の封じての△5五歩や、さらにその前が問題だったということなのでしょうか。
プロの人たちは、初日の時点で久保さんがよさそうだと理解していたのでしょうか
次々に疑問が起こります。
羽生さんも、二日目には何か悪手を指したようには思えないのですが。
どうせ飛車に成られるのなら、△4四歩のところで△2四角と歩を払っておいたらどうかというのは素朴にありますが、これだって無条件に飛車が成られてしまっては、とてもよいとも思えませんし。
やっぱり、初日の後半の手順にポイントがあったのかなあ。藤井システム健在ということなら、まあ振り飛車党としては大歓迎です(笑)。

でもよく分からないし、今回もやっぱり終局が早かったので、今日は将棋世界の三月号でも読むことにしよっと。

王将戦第三局第一日 羽生王将vs久保八段、順位戦C2他

第57期王将戦中継ブログ 第3局

藤井システムになりました。しかし、ありそうで既に前例のない形になっているそうです。本当に将棋というのは、手の幅が広くて、だから私は定跡なんか覚えても無駄だと思っちゃうんですよね(笑)。
久保さんは▲5六銀型を採用。
a

この形で、△7四歩と▲4八玉の交換が入っていない形、つまり振り飛車が居玉の場合には、居飛車側から、△8六歩▲同歩△4五歩、あるいはいきなり△4五歩の仕掛けが有効とされています。何ヶ月か前の将棋世界でもこの形が取り上げられて、居飛車を持ちたいというトッププロが大勢でした。しかし、この場合は振り飛車は居玉をあらかじめ避けているのが大きくて、多分居飛車側からのこの筋での仕掛けは無理、あるいは損なのだと思います。(あんまり、ちゃんと分かって言っているわけじゃないんですが。)
さらに、羽生さんの△2四歩も、居飛車側の常套手段。
c

▲2五桂といきなり跳ねてくるのを防いで、振り飛車が▲2六歩から2四まで歩を進める間に、居飛車穴熊に囲って△2ニ銀のハッチを閉めてしまうというやり方。はっきり言って、振り飛車側からするとイヤです。ずるいです(笑)。思いついた人は頭いいと思うけど。
さかのぼって、棋譜解説でもふれてられていましたが、羽生さんが△7ニ飛とした瞬間に▲2五桂と跳ねてみたら、どうなんでしょうか。
b

久保さんが▲7八飛と受けたので、振り飛車側の攻撃力が落ちたのを見越して、羽生さんが居飛穴に囲いに向かったという意味合いもありそうです。藤井システムの思想原理としては、▲2五桂といっちゃってもらいたかった気がするんですけどね。藤井さんならどうしたのだろうか、ということをどうしてもすぐ考えてしまいます。実際、封じ手図まで進むと、とにかく玉形の差は明らかなので、私レベルなら。気分的にイヤーな感じになっちゃいそうなんですけどね(笑)。
とはいえ、トッププロでは話は全く別。まだまだ、これから難しい戦い、ねじりあいが続きそうなので、明日も楽しみです。少なくとも、前二局のようなことはないでしょう、・・と信じたいです。

C2順位戦では、村山五段が早々に昇級を決めました。当初から本命と目されていての昇級なので見事です。かつて村山聖さんが「終盤は村山に聞け」といわれていたのに習って、村山慈明五段は「序盤は村山に聞け」と言われているわけです。しかし、いうまでもなく、中終盤の力がなければ、こんなに勝てるわけはなくて、派手さはないけれど着実で正確な指し方で、順位戦も危なげなく勝ち進んできたという印象があります。ケレン味がない分、力がつけば取りこぼしも少ないタイプでしょうし、どんどんあがっていくんじゃないでしょうか。
「最新戦法必勝ガイド」という本を書いていて、私も買いました。例によって拾い読みで、まだ全部は読んでませんが(笑)。少し前に渡辺新手が話題になって振り飛車党まで指すようになった角換わりとか藤井システムあたりに目を通したのですが、とにかく淡々と指し手の変化を述べていく、これまた正統派のハードボイルドな一冊です。本の書き方ひとつとっても、なんというか実に堂々としているのです。藤井さんの例一つとっても、そもそも序盤研究といっても、要は力がないとちゃんとした手順を考えることが出来ないわけで、序盤をきちんと体系化できる時点で、将棋の総合力がすごいということなんじゃないかと思います。
一方、遠山四段は痛い一敗。昨日は、遠山先生が負けた時点で、ヤケ起こしてすぐにネットを切ってしまいました(笑)。しかし、そんな浅はかなファンをよそに、ご本人は、しっかりと事実を受け止めていたようです。
そう、本命と目されてあがるくらいじゃないと、上にいってから苦労するというのは、本当にその通りだと思いました。例えば、あの深浦さんでさえ、C2に長くくすぶっていたことがあって、本当にプロの順位戦というのは厳しい世界なのだろうと思います。しかし、深浦さんは、結局着々と力をつけ続けてタイトルまで取ったわけです。まあ、今のところ深浦さんと遠山さんを比べてしまったら、深浦先生には失礼かもしれませんが(笑)。とにかく、ご本人がこれだけしっかりした考え方をされているのだから、ファンとしても気長に応援したいと思います。
といいつつも上位者がバタバタ負けたんで、まだ昇級の目があるのですか。ファンとしては、まだ全然諦めていません(笑)。

そういえば、女流ネット最強戦では名解説を聞かせてくれました。
将棋は凄まじいを通り超えた内容でしたが。私が一番ビックリ仰天したのは、千葉さんが入玉して勝とうとしたところでした。(ただ、遠山先生は、それで勝つのが一番早いかもしれないと言われていましたが。)多分、お二人にとっては、不満足もいいところの内容だと推察されるので、傷口に塩をすりこむような行為は避けないといけないとは思うのですが、正直に言うと、これじゃ私が24でとんでもない逆転負けくらうのとあんまり変わらないじゃん、と思ってしまいました。でも、矢内さんの決して折れない心というのは本当にすごいものだとも思いました。言うまでもありませんが、お二人のレベルがこんなものだとは、誰も考えていないでしょう。タイトル戦でぶつかって、いい将棋をみせてもらいたいものです。
遠山先生の「マシンガン・トーク解説」(笑)は、本当に良かったです。正直、あんなに笑わせてもらえるとは思いませんでした。「ファニー」の名に恥じません(笑)。この棋戦は、全部を見てはいないのですが、私の知る限りでは最優秀解説賞を、勝手に授与させていただきます(笑)。

NHK杯 羽生二冠vs長沼七段

朝起きたら、大雪。
即座に、あー、雪かきめんどくせー、と思ってしまった私は、風情も何もない男です。
昼前から、雨交じりになったので、なんとかサボれそうです。

昨日のA級ラス前、最終局が盛り上がるためには、佐藤、谷川、久保、行方が、全員二勝になれば、などと腹黒いことを考えていました。人気の高い各棋士を応援されている方々からは、鉄拳制裁が飛んできそうですが(笑)。まあ、やはり、谷川先生は後半本来の地力を示されたということでしょう。将棋の内容では、佐藤vs久保戦が面白くて、こちらも、佐藤さんの腕力や底力やを感じずにはいられない、すごい将棋でした。

さてさて、本日のハイライトのNHK杯。
私はこうして知ったかぶりして将棋ブログなど書いているわけですが、実はあまりに色々なことを知らなすぎます。長沼七段のNHK杯の対松尾戦の記事を書いた際、「駒G」という方から、指し手についてのコメントをいただきました。私は、てっきりどこかの強い方が教えてくださっただけだと思ったのですが、なんと長沼七段御本人らしいと後になって知りました。
長沼先生関連のKomatsuboというページを、その後知ったのです。御本人の駒取り日誌や、駒G応援掲示板があるのですが、その中でも面白いと思ったのは、駒取りチェック!というページ。長沼先生には、駒取りナントカというニックネームがあって、面白いことは面白いのですが、多分ご本人にとってはイヤなんじゃないだろうかと思っていました。しかし、こんなページを作って、シャレにして楽しんでしまっているのが、いかにも関西流でいいじゃないですか。ちなみに、実際私もやってみましたが、結果は「銀」でした。って言っても、どういう意味があるのか良く分かりませんが(笑)。
とにかく、プロ棋士の方が、わざわざこんなレベルの低いブログにおりてきて教えてくださっているというのに、いくら知らなかったとはいえ、タメ口で答えてしまっていた私は、相当恥ずかしいです。
ということで、私は羽生ファンなのですが、今回ばかりは長沼応援モードで観戦。いやーー、すごい将棋でした。
後手の長沼さんかせゴキゲン中飛車、先手の羽生さんは、丸山ワクチン佐藤流端歩突きの流行の対策でした。▲5八金右をやるのは、久保さんのようにほぼ超急戦をしてくる相手に限るなど、対策も使い分けているのでしょう。長沼さんが、向い飛車に振りなおして、機を見て△2五桂と歩をかすめ取るという、よく見る将棋に。そこで、羽生さんが打った▲6六角が、味わい深い一手でした。
a

右辺はさらりと受け流して、玉頭から襲いかかろうということのようで、やはりこういうところの構想力はさすがです。
一方、長沼さんは、桂捨てで先に駒損しながら(笑)、馬を作って、しっかり桂損を回収。その後、いよいよ羽生さんが玉頭から襲いかかる展開に。解説の阿部さんの口調から見て、どうも羽生さんがそのまま押し切りそうな雰囲気でしたが、ここからの長沼さんの決め手を与えない粘り強い指し回しが圧巻でした。前回の松尾戦の再現のようでした。
羽生さんも、阿部さん絶賛の、▲4八銀をじっくり攻めに参加させるブロ的な全ての駒を働かせる攻め方をしていました。しかし、長沼さんも、狭いながらも△9三玉となった形が、結構抵抗力があったようです。
b

さらに、羽生さんが必死に迫るのですが、△5八角以下の手順でプレッシャーを与えておいて、△7一馬とはずしたのが絶妙のタイミングで、ほぼ瀕死状態のように見えたのが、受かってしまいました。
c

しかし、羽生さんも、あの手この手で迫り続けるのですが、長沼さんの△8一飛が、受けにも攻めにも効いている、素晴らしい一手だったようです。阿部さんも「しぶといですねー」と、感心しきりでした。攻めても攻めてもしっかり受けとめられるという感じだったのではないでしようか。
d

その後、さすがに羽生さんもついに攻めきれなくなって、最後は完全に体を入れかえての勝ち。実に力のこもった名攻防でした。感想戦で△8一飛の場面をやっていて、羽生さんにも他の攻め方があったようではあります。しかし、とにかく長沼さんの受けが強靭無比だったということでしょう。
対局前、駒を並べるところでは、羽生さんと長沼さんが、一つ一つ交互に丁寧に並べていたのも、ちょっと印象的でした。長沼さんは、落ち着きはらっていて、全然相手に飲まれていない感じで。
最後に、羽生さんが投了した際の、長沼さんのお辞儀の角度がすごかったこと(笑)。ほとんど、畳に頭がついてしまうのではないかと思いました。やはり、プロでも羽生さんに勝つというのは、特別にうれしいことなのでしょうね。
これで、来期のシード権も獲得。次も楽しみです。

さてと、女流最強ネット戦で、遠山先生が解説するのでも見に行くとしますか。ブロガー棋士遠山先生だと、解説への期待も高くて大変なのでしょうが(笑)。
コメントを承認制にさせていただいています。反映まで時間がかかりますが、お気軽にどうぞ。
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