2009年02月

ものぐさ将棋観戦日記 2/27(金) −王将戦、女流名人戦、LPSA1day、週刊将棋

毎日jp−将棋

王将戦、思い切って先手中飛車を採用した深浦王位が王将奪取に王手。何度もいうが、深浦は本当にやることなすこと思い切りがよい。好きなように指しているという感じである。羽生ファンとしてはちょっぴり悔しい。竜王のブログテクニックを真似してみました。
途中、先手が5筋を破ることが確定したあたりでは、全然後手がダメなのかと思いきや、羽生王将が△1五歩と端に手をつけるタイミングが絶妙だったそうである。プロの将棋を見ているとよく、ここで端に手がつくのは急所ですね、とか言うが、弱い素人にはものすごく感覚的に分かりにくいところなのだ。玉側の端を攻められるのは常に嫌味なことは理解できるのだが、果たしてそれがどの程度の重要度で影響があるのかが分かりにくい。しかし、プロにはそういうことは一目瞭然らしく、渡辺竜王も1筋をどちらが制するかがポイントだというコメントをしていた。
実際、感想戦によると、△3六歩のところで△2五銀と端を制圧しようとする手ならば、後手がよかったそうである。いやはや、端は恐ろしい。
それにしても、羽生の終盤のアッサリした負け方はちょっと意外だった。一時期鬼神のような強さで勝ち続けていた頃と比べると、今シリーズを通じて全体的に万全の調子という感じには見えない。ああいう名人達人でも、その時その時の調子の波を完全にはコントロールするのが難しいのだろうか。やはり、人間のすることですからね。

スポーツ報知―将棋・女流名人戦

こちらは本当に両者の実力が拮抗している感じで、二対二のタイに。第四局は、矢内さんが快勝、やっと短手数のすっきりした将棋が始めてあらわれた。お二人とも本当に粘り強いですからねえ。
ところで、第三局の清水さんの指し方は本当に面白かった。ああいうイメージはないのだけれど、力があるのでちゃんと指しこなしてしまうのですね。

LPSA1dayカップ中継サイト

”きさらぎカップ”は蛸島先生が1day初優勝。同期の山下、さらに実力者の船戸、北尾を連破しての優勝である。一日三局を、ごく当たり前のように指されている。素晴らしいとしか言いようがないです。おめでとうございます。

週刊将棋ではマイナビの観戦記を遠山四段が書いている。ブログとはまた違うスタイルで立派な観戦記である。以前、ブログより喋り向きかもなどという失礼なことを書いたが、前言撤回しないといけない。しかし、プロ棋士の皆さんは文章もきちんとこなしますね。やはりブログをしている大平五段も、ブログではかなり軽い書き方なのだが、将棋世界の観戦記では、実に堂々とした立派な書きっぷりでちょっと驚いたことがある。
プロ棋士になるというのは、本当に狭き門中の狭き門であって、それを通過できるのは本当の天才たちだけなので、やはり他の面でもポテンシャルの高い人達なのかもしれない。
なんだか、上から目線の物言いになってしまった、無論私にそんなことをえらそうに言う資格もないのだが、常々プロ棋士の方々は皆さん器用に文章書くなあと思っているもので。

名人戦棋譜速報

今日は、順位戦B級2組で、朝日杯とのスケジュールの都合で、優勝した阿久津さんと加藤一二三先生の対局のみ一局行われています。
加藤先生は最近色々食事を変えられているのですが、本日はうな重という正攻法の切り札のようです。朝から、二人ともネクタイを直しあったりしている様子を、写真つきで烏記者が入魂の実況をしてくれています。
この有料中継について、私は一般ファンなので宣伝するのにはものすごく抵抗があるのですが、「一日会員」というのもあるので、興味のある方はどうぞ(笑)。

ものぐさ将棋観戦日記 2/24(火) 王将戦、順位戦B級2組、NHK杯、女流ネット最強戦

将棋ー毎日jp.

王将戦は、今回は間隔が短い。もう第五局ですか。
前局は、一手損角換わりの将棋から、後手の深浦が△3五歩と思い切った位取りに出て序盤で主張したが、羽生が真っ向から咎めに行って、そのまま粉砕したという将棋だった。最後は羽生の寄せ方教室になっていた。相変わらずきれいな勝ち方をみせてくれます。
それにしてもこの二人の将棋は、序盤からお互いに強い主張があって、いきなり均衡が破れることが多い。厳しい油断のならない現代将棋の典型ともいえるのだろうか。特に深浦の指し方が、やたら踏みこみ、思い切りがよいので、こういうことになっている。
第五局は、深浦が先手中飛車という意外な戦法を選択。羽生の△3五歩が突っ張った感じの手で(前局に続いて△3五歩が波紋を呼んだ)、下で支える銀や金がまだ出てきていないままなので、3四に空間が開いて怖いところだが、やはり深浦は銀をぶつけて動いてきた。当然の対応なのかもしれないが、相変わらず積極的だ。
解説によるとまだ互角ということだそうだが、3四の傷と6一金が立ち遅れていることもあって、個人的には中飛車を持ちたいです。振り飛車党なら、こういう感じなら十分あるいはなんとか振り飛車を持って戦えそうという感想を持つ人が多いのではないだろうか。
とはいえ、私は羽生ファンなので、何とかうまく陣形をまとめて指していただきたいです(笑)。
ところで、スポニチさんは相変わらず面白写真で楽しませてくれている。

元気ハツラツな羽生王将の図
パンダたちに囲まれ祝福されている深浦王位の図
ウーミンにも祝福されてばっちりポーズを決める深浦王位の図
なぜか那須与一にちなまされている深浦王位の図
地元名物カレイの宣伝に快く協力している羽生王将の図

明日もどんな写真が飛び出すか、いや、どんなに素晴らしい将棋になるか楽しみである。


順位戦棋譜速報(有料)

すこし前の話題だが、順位戦B級2組ラス前。昇級に絡んでいるのは以下のメンバー。カッコ内は順位。

8勝1敗 豊川(20)
7勝2敗 松尾(4)、先崎(6)、田中寅(23)
6勝3敗 島(1)

豊川が単独トップ。ただし最終局の相手が朝日杯で優勝した阿久津である。松尾も自力。あとは順番にキャンセル待ち。直接対決はない。
ラス前では、松尾vs先崎が、すごい将棋だった。解説を読んでもよく分からないくらい難解な終盤を松尾が制した。先崎にとっては痛すぎる敗戦である。しかし、将棋世界の連載をやめてきちんと結果を残しているのはさすがだ。事前の阿久津・橋本の威勢のよい予想が話題になったが、中堅、ベテランが底力を示している。そう簡単にはいかないぞ、ということなのでしょう。
豊川の快進撃も第注目。楽しい「オヤジギャグ解説」でファンに親しまれているが、とても力強い将棋で二期連続昇級に王手。四十代に入ってのこの活躍は「アラフォー棋士の反逆」とか何かコピーをつけてあげたいですね。ご覧の通り、私にはいいコピーをつける才能ゼロですが。


NHK杯、森内が思い切り突っ張った攻めで圧勝。受けの鉄板流だけでなく、攻めも剛直である。ところで 、渡辺竜王は、最近先手でも後手でも色々な将棋を指そうとしているようである。どのように将棋が変化していくのか楽しみだ。


大和證券ネット将棋公式ホームページ

女流ネット最強戦。上田さんが、石橋戦に続いて、またしても面白い将棋を見せてくれた。終盤、勝ちになったところを、斎田さんも見事な粘りを見せて、寄せをぐずってもつれたが、斎田さんにも香車の打ち場所を一マス間違える痛恨のミスが出て、ハラハラドキドキの終盤を制した。ここのところ、上田さんは名局メーカーになっている。
ブログによると、決勝の大盤解が羽生さんで、「羽生先生に『あっ、これは良い手ですね』と一回でも言われる事を目標に( ^ー^)頑張りたいと思います」とのことだそうです。「あっ」というところがいいですね(笑)。

プラスアルファブロガー

昨日、アルファブロガーアワードに落選したことを書いたら、早速twitterである方にこんなことを言われた。

――まずはプラスアルファブロガーの仲間入り,おめでとうございます.

なんですか、「プラスアルファブロガー」って。
何かの付け足しですか、お余りですか、かろうじてプラスですかと。
瞬間接着剤ですかと。
それは「アロンアルファー」。



以上、本日は「妻の小言」風?に簡潔にまとめてみました。

アルファブロガーアワードに落選いたしました(笑)ー追記あり

ある日のこと、このブログのアクセス解析をつらつら見ておりましたら、リンク元で見慣れぬサイトからかなり多数のアクセスが・・。なっ、何かやらかしたかと思い、急いでそのページに飛んでみると、いやはや驚きました。こんなものが・・。

アルファブロガー・アワード2008ブログ記事大賞中間発表 ものぐさ将棋観戦ブログ 羽生と渡辺の物語が長い中断を経て今再び始まる
アルファーブロガーかぁ・・。なんて素敵な響きだろうか。勿論私などには縁もゆかりもない言葉なのですが、その候補に上がっていたのです。なんでも今年は趣向を変えて、ブログに対してでなく個別記事に対しての投票を行うそうで、そのなかに私の記事も紛れ込んだらしい。
喜び勇んだ私は、早速自分のブログで宣伝しようかとも思ったのですが、なんだか選挙活動のようだし、だいたいまぁなんですわ、もしもですよ大賞でも取ったらえらいこったわな(爆笑、本当に爆笑)と思って、静観することに致しました。
それにしても、私の記事を推薦してくださったのは、一体どこのどなたなのかと思っていたのですが、しばらくしての記事で判明しました。

アルファブロガーが推薦する「2008年はこの記事!」(1)

の中で、アルファーブロガーの大杉 謙一さんが推薦してくださっていました。大杉さんのブログはこちら。

おおすぎBlog 会社法・金融商品取引法等の研究から派生したアイデア・思い付きの備忘録です。

少し恥ずかしいのですが、推薦の言葉を引用させていただきます。
推薦者コメント:"「感動した!」
将棋に関するブログというと、渡辺明竜王が有名ですし、将棋ファンとしてウェブでの情報・意見の発信といえば梅田望夫さんが有名ですが、ここでは将棋ファンによる(やや)無名なブログをご紹介します。渡辺竜王と羽生名人(挑戦者)の間の竜王戦での死闘の結果は、将棋ファンならばみな知っているわけですが、今回選んだ記事はこの竜王戦が始まる前に書かれたもの。この顔合わせが奇跡的だったことが一ファンの視点から熱く(厚く)語られていて、タイトル戦が終わった今読み返すと、激闘の感動がよみがえってきます。この「ものぐさ」ブログは、コメント欄の書き込みも充実していて、将棋好きならば深く深く頷いてしまう意見の宝庫です。"
「(やや)無名なブログ」と精一杯気を遣ってくださっているところが泣かすではありませんか(笑)。だって実際には「思いっきり無名」なのですから。

(追記)笑いを取ろうとすることに夢中になり、一番大切なことを書き忘れました。大杉さんに紹介していただいたおかげで、恐らく将棋ファンではない多くの方に読んでいただけたのではないかと思います。それが、恐らく今回の一番の成果で、将棋ブロガーとしては最もありがたいことでした。

大杉さん、本当にありがとうございました。

とは言うものの、さすがに将棋一本の記事なので、受賞が難しいのは自分でよく分かっていたので、あまり気にとめないでいました。そして、昨日最終結果の発表があったのですが・・。
人間って欲が深いものなのですね。絶対ありえないと分かっていても、ページを見る時に私はちょっとドキドキしてしまいました。マウスを持つ手は震え、というのはウソですが。じゃあ、ドキドキしたのは本当なのかというツッコミはやめてください。
・ ・・結果は勿論、落選。やれやれ。

実は、他の将棋ブロガーの方々にもこの話題は取り上げていただいたので、ご存知の方は多いのかもしれません。

将棋の神様〜0と1の世界〜「アルファブロガーアワード」に「ものぐさ将棋観戦ブログ」様のエントリー
Party in Preparation 将棋のアルファブロガー

お二方にも、本当に感謝いたします。Twitterの方では自己宣伝をしてしまったもので、やはり将棋ブロガー仲間のきよきよさん志士さんが投票してくださったそうです。ありがとうございます。そういう皆様の協力もむなしくやはり駄目でした。なんだか、落選候補の支援者へのお詫びの様相を呈してまいりました。うぅ。

いい夢を見させていただきました。

ものぐさ将棋観戦日記 2/17(火) 朝日杯、NHK杯、ネット女流最強戦、銀河戦(追記あり)

私は少しばかり憤慨しているのである。最近こうして将棋日記のようなものを書いているわけですが、普段は大したアクセス数もないのに、昨日ちょっと別のことを書いたら、たちまちアクセス倍増。そうですか、そうでもしないと私はアクセス取れませんか。そうですか、私が将棋自体のことを語ったところで用無しですか、皆さん。興味なしですか、と。
いやいや、そんなことを言ったらバチが当たる。別に強くもないアマチュアが観戦したプロ将棋について、見たそのまんま東(あっ、豊川先生だ)をただ日記に書いているだけなのだった。見てくださる方がいらっしゃるだけでもありがたいと思わないと。本来、こんなものはお見せするべきではないと、ブログにアップするのを自粛すべきところを、そのまま図々しくも衆目に晒してしまっているのでした。
と、笑いを取ることだけを目的でしているこの将棋日記ですが、いきなりその唯一の目的もうまくいかなかったような気もしないでもないので、早速いつも通り始めさせていただきます・・。

朝日杯。阿久津さんが優勝。久保さんの△6五飛というかっこよすぎる一着で決まったと思いきや、▲6八銀という粘り強い受けで逆転勝利。ご本人も、本当に嬉しそうに素直に喜びを表現していて、周りもそれにつられてか有楽町でみんなで万歳三唱したそうである。随分早い時間帯から出来上がった奴らだと思われたことだろう。優等生タイプの多い現代棋士には、ちょっと珍しいタイプで、今後の活躍も楽しみである。
ちなみに、朝日新聞の「ひと」によると、「端正なルックスはギリシャ彫刻のよう。女性ファンを呼び込める素質も十分で、」という事だそうである。

NHK杯。本当に相穴熊の将棋というのは、全く別感覚の世界なのですね。広瀬ワールドに佐藤さんも完全にはまりかかっていた。居飛車穴熊を金銀四枚でガチガチに固め、右桂を攻撃に参加させて、銀との交換に成功。普通なら、居飛車が寝ていても勝てる展開になりそうなものなのに、実は振り飛車の方が指せているという不可思議な世界。龍を自陣にひきつけてみると、振り飛車の玉が全然寄る気配がない。解説の藤井さんも指摘していたが、その龍を5五に飛び出したのがどうだったか。あそこでゆっくり▲6四歩と取り込んでと金攻めを目指していたら、どうなっていたのだろう。もしそれで広瀬勝ちだったら、棋理の追求にシビアな佐藤はなぜ負けたのか、悩んで夜も眠れなかっただろう。
お互いに穴熊に囲うだけで、全く異次元ワールドになってしまうというのが、たった81マスの将棋の無限性を象徴しているともいえようか。

大和証券ネット女流最強戦。これも相穴熊だったのだが、大変な名局だとブロガー棋士たちが口を揃えて言っていた。確かに、中盤以降延々と続いた力のこもったねじりあいは迫力十分。石橋さんの腕力にはもともと定評のあるところだが、それに一歩も引けをとらないで伍して戦っていた上田さんは見事だった。女流名山戦A級最終局の千葉さんとの将棋も見たことがあるが、それも大変スリリングな終盤だった。なんと言うか、とても根性のある将棋を指す棋士だと感じる。ブログもしていて、この将棋について、「それでも最後負けになってから踏ん張れたのは、日頃色んな方々に殴られ続けている成果だと思います笑」だそうです。「ま、いろいろあるよね」ということで、なにか面白そうな人である。

銀河戦。西尾vs横山。居飛車の西尾がうまく押さえ込んだように見えたが、横山が左辺を軽く受け流し右辺から相手玉を攻める態勢をうまく築いたのが、振り飛車党としては勉強になった。但し、終盤再逆転されてしまったが。
中座vs金井。本家中座の△8五飛に対して、金井が激しい決戦策を選んだが、中座が切れ味のある寄せをみせて鮮やかに決めた。本家の貫禄を示した格好。
両対局の解説は、若手の上野と飯島だったが、二人ともなんとも人柄が良いなあ。上野は聞き手の藤田綾さんを、それはたててたてて話していたし、飯島は指摘もされないのに自分の読みぬけを勝手に告白しだしたりして。
プロ棋士というのは、やはり一種独特な人達である。島明の「純粋なるもの」という名言が滅びることは多分永遠にないだろう。


(追記)当初この記事をアップした際に、ある棋士の方の既婚について書いたことは間違いでした。既に該当箇所は削除済みです。もし当初ご覧になった方は、そういうことですのでご了承いただきますようお願いいたします。その棋士の方にはご迷惑をおかけして大変申し訳ありませんでした。

将棋界の話題について

現在、ネット上では日本将棋連盟会長の米長邦雄氏とLPSA所属でネット中継記者の松本博文氏が激しいやり取りをかわしていて、話題になっています。
お互いに主張点がそれぞれ存在します。具体的内容については、もはや一ファンがとやかく言えるような範囲をはるかに逸脱してしまっており、何も言うことも出来ませんし、ただ静かに見守るしかありません。
具体的論点についてではなく、ファンとして一般的に感じていることを率直に書いておこうと思います。
現在指されている将棋の世界というのは、まさしく黄金期にあって、羽生さんをはじめとして、素晴らしい棋士たちがきわめて高度で芸術的な将棋をファンにみせてくれていて、我々は彼らの戦いに酔いしれています。また、どの棋士も皆、人間的にも大変魅力があります。そういう素晴らしい人たちだから、素直に将棋を楽しめるのです。
それに対して、一度将棋界の方に目をやると一体どうでしょうか。ファンが気持ちよく応援しようとすることが出来るような明るい話題が果たして少しでもあるでしょうか。それどころか、ファンの神経を逆なでするような発言や出来事を次々に目にして、気持ちがさめてしまうことばかりです。
私自身、囲碁将棋チャンネル、将棋世界、週刊将棋、名人戦棋譜速報、将棋書籍等で、ささやかながら将棋界に対してお金を使っています。しかし、正直に申し上げて、個人的にはそれは将棋連盟という組織に対してでは決してなく、良い将棋を見せてくれている現役棋士たちのためだけにそうしています。気持ちとしてはそういうことです。
我々ファンは、将棋界のことに多少興味を持ってはいても、いちいちどうこう言ったりはしません。また、そんな資格もないでしょう。しかし、何も言わなくても、将棋界で起こっていることに、何も感じないで唯々諾々と従っているということでは決してないのです。不愉快だとしても、言っても仕方ないことなので黙って我慢しているのです。
一ファンとしては、ただ、プロ棋士たちの将棋を楽しむことができるのと同じように、気持ちよく見ていることが出来る将棋界になって欲しいと願うばかりです。
一点だけ、二人の論争について具体的に言及することをお許しください。先程述べた通り、二人にはそれぞれ主張点があり、どちらが正しいのかは、私のような外部の人間には勝手に判断できません。ただ、米長氏が、信頼の置けないネット中継者を使ってよいのか各新聞社に打診すると言っているのは、どんなものなのでしょうか。仮に(あくまで仮に)米長氏の主張していることが全て正しいとしても、絶大な権力を握っている人間が、圧倒的に弱い立場の一ネット中継記者に対して、公の文章でそのようなことを言うのは、果たして人として正しい行為なのでしょうか。とてもではありませんが、私には好感がもてません。率直に言って、少なくとも私には単なる弱いものいじめにしか思えません。
松本博文氏は、現在のネット将棋中継を創成期から支えてきた貢献者であり、現在も素晴らしい中継でファンを楽しませてくれています。間違っても、彼の居場所がなくなるような事態にならないよう、一ファンとしては願わずにはいられません。

ものぐさ将棋観戦日記 2/12(木)―王将戦、順位戦C級1組、天河戦、将棋世界

王将戦は、深浦挑戦者が勝利。見ていてどこで形勢が傾いたのかよく分からなかったのだが、王将戦サイトの棋譜に対局者の感想がのっている。やはり途中まではどちらもはっきり自信があるという感じではなかったようだが、控え室でも指摘されていた△2二銀とする手(タイミングは二度あった)が良かったそうである。本譜では羽生側の,2、3筋に駒が密集する形になってしまい、後は深浦がはっきり良くなって押しきったということのようだ。
結果的に考えると、玉から遠いところにああいう凝り形をつくったのは、羽生らしくないと感じる。どうもやはり深浦との相性ということを言いたくなってしまう。一方、良くなってからの深浦の指し回しは全くゆるむところがなく完璧で、羽生につけ込む余地を与えなかった。
本局を見ると「深浦さん、つえ―なー、おい」と素直に思う。しかし、羽生さん相手だと冴えに冴えている印象を与えるが、順位戦など他では結構苦しんでいる。将棋世界の企画でも糸谷五段に平手で敗れていた。そういうところが、私のような羽生ファンにとっては、ちょっとばかりフラストレーションのたまるところなのだ。なぜ、羽生さんばかりにそうも強いのですか、何か恨みでもあるのですかと(笑)。
とはいえ、実は深浦はあの佐藤康光相手にも、現在連勝を続けている。タイトル挑戦が増えてきたのも、常に立ちはだかって来た佐藤という高い壁を越えたのが大きい。要するに本来強いということなのである。
何となく、また第七局までもつれそうな気がしてきた。

順位戦C級1組ラス前の結果、昇級争いは次の通りに。(カッコ内は順位)

8勝1敗 安用寺(1)、広瀬(6)
7勝2敗 窪田(3)

安用寺が昇級を決めた。前回が次点、今回も現時点でトップと堂々たる成績である。二期連続でこれだけの成績をあげれば、文句のつけようがないだろう。
一方、二枠目は、広瀬が自力で勝てば昇級。窪田勝ち、広瀬負けの場合は、窪田昇級、両者負けなら広瀬昇級である。但し、広瀬の最終戦の相手が宮田敦と難敵である。しかし、広瀬は恐らくもっともっと上を目指す棋士だと思うので、こういう強い相手を打ち負かしてきっちりあがっておきたいところだろう。

安用寺と塚田の昇級を争う直接対決はドラマティックだった。塚田が形勢を良くして駒得を重ね、安用寺は辛抱が続いたか、慎重になりすぎたのか、いつの間にか逆転。しかし、終盤に一瞬安用寺玉に詰みかあったのを塚田が逃してしまい九死に一生を得た。本当に、どちらに振れるか分からない運命の針がたまたま安用寺に傾いたという感じである。残酷な世界だけれども、その代わり見ている者にとっては受け取る感動も大きい。
一方、降級点を二回とってC級2組に陥落が決定した棋士も何人かいる。ベテランではなく、若手中堅なのが、厳しい現状を物語っている。
その中で、長手数のゴチャゴチャした将棋を見事勝ちきった田中魁、勝って降級点を消した小林健二など、ベテランが元気なところを見せている。順位戦で、ベテランが踏ん張っているところを見るのも、うれしいものである。将棋世界のプレイバック2008でも、有吉先生か佐藤天相手に0時過ぎまで戦って勝った将棋があがっていた。

LPSAの天河戦では、中井さんも決勝進出を決めた。これで成田女子アマ王位との決勝三番勝負となる。将棋の場合は、かなり実力差があっても一発勝負なら弱い方がパンチを入れて勝つこともあるので、一発勝負だったらかなりスリリングだったと思う。さすがに三番勝負なので、中井さんも落ち着いて戦えると思うが、成田さんがどういう内容の将棋を見せてくれるか楽しみである。大盤解説会も実施するそうである。

将棋世界3月号は渡辺永世竜王特集。相変わらず、渡辺竜王が率直に感想を語っている。羽生のことを、まだまだ高い壁とも率直に認めている。しかし、「一番になるための」壁とも言っており、自己を客観視して現状を認めたうえで、さらに上を貪欲に目指すという姿勢である。羽生と渡辺の物語は、これから始まるのだ。ただ、二人にとって厳しいのは、現在は他にもほぼ遜色のないレベルの棋士が多数いることだ。それでも、個人的にはこの二人の対決が中心になっていって欲しいと思う。
梅田望夫氏も寄稿している。その中で、渡辺竜王のことを、アメリカの一流大学に留学してくる、主に科学分野の俊才たちと雰囲気が良く似ていると言っている。
彼らは、自信にあふれ、合理的なものの考え方をし、鼻っ柱が強くて、頭の回転が速く、早口でよくしゃべり、開放的で、思ったことをどんどんオープンにしていく。
まるで、渡辺竜王個人について語っているようではないか。
恒例のプレイバック特集では、年間ベスト対局第一位に竜王戦第七局があげられている。誰しも異論がないだろう。まさしく、かかっているものと内容の両面において歴史に残る一局になった。個人的には第5位に入っている棋王戦第一局が忘れられない。特にあの終盤戦。派手な手の応酬を、公開対局で一分将棋の中でやってのけた羽生と佐藤は、二人ともスーパーマンとしか思えなかった。



鈴木大介「鈴木大介の将棋 中飛車編」(マイコミ)



鈴木大介八段が得意にしている中飛車戦法について、先手番後手番ともに、一冊にあらゆる戦形をコンパクトにまとめている。章立ては次の通り。

第一章 先手中飛車
先手中飛車対二手目△8四歩
先手中飛車対2手目△3四歩
相振り飛車の戦い
第二章 後手中飛車
後手中飛車対▲2四歩型
後手中飛車対▲4八銀型
後手中飛車対▲4七銀型
後手中飛車対▲7八金型
後手中飛車対▲5八金右型
後手中飛車対丸山ワクチン

中飛車の定跡で特に面白いのは、先手中飛車で角交換をした形である。居飛車が飛車先を伸ばしてきても、極力普通には受けずに反撃する手段を求める。うまく反撃がきまると、本当に気持ちがい良い。また、例えば藤井システムのように細かい手順が大切な定跡と違って、狙いが分かりやすく、いろいろな場面で攻め筋の応用がききやすい。かつての振り飛車よりも、大らかなところもあるのだ。鈴木八段自身も本書でもこのように述べている。
自分の理想をパターン化して覚えていただき、相手がどう来ようとも、その組み合わせで攻略していくのである。
これならば、膨大な量の手順を丸暗記する必要がなく、本筋だけ覚えればよいのである。実際に私自身もこのパターンの組み合わせだけで中飛車を指しているのだ。
里見さんが倉敷藤花のタイトルを奪取した時にも、本書の手順が出てきた。敢えて飛車を成らせるという力戦中飛車らしい順である。里見さんはこの本を読んでいたそうで、タイトル奪取の助けにもなった。具体的には、私の書いたこの記事を参照ください。
ちなみに、先手中飛車の場合は、相手が相振り飛車にしてきた場合が大きい課題である。(私もボナンザの相振り飛車にいつも苦しめられている。)この本で鈴木八段が紹介している、5筋の位を生かし7筋も位をはって、銀をズンズンで出て行く作戦はとても面白い。
後手の中飛車、いわゆるゴキゲンについては、目次の通り居飛車側の全ての主要戦法に対して対策を示している。こちらも、細々とした変化を解説するというより、本筋の分かりやすい狙いを解説している。なおかつ、鈴木八段の最新の研究、個人的な考えも明かされている。例えば、▲5金右型の超急戦についても、早めに△9四歩と打診して、受けてくれれば超急戦の時に振り飛車に有利になり、受けなければ端の位を取る方法など、独自の工夫が解説されている。
また、丸山ワクチンについても、よく解説されるようにすぐに向かい飛車に振り直すのでなく、早めに銀冠に組んでしまう順を推奨するなど工夫の手順を解説している。勿論、普通の定跡手順もコンパクトに同時に収録されている。
全体として、中飛車将棋の定跡の総覧を分かりやすい狙いに絞って解説している定跡書である。鈴木八段の棋風―や人柄も反映しているといえるだろう。
中飛車党は勿論、中飛車に興味を持っている方の入門書としてもお薦めできる。
ちなみに、鈴木氏八段は現在、将棋世界でも、より詳しい中飛車講座を連載中である。


積読になっている将棋本がたくさんあるのだが、こうしてブログを書くという動機づけのもとに少しずつ消化していこうかと思っています。それにしても、私の場合は、なぜかやたらと定跡書を買いたがるところがあるなあ。記憶力がめっぽう悪いもので、全然血肉にならないのだけど、でも結構読んでいるだけで楽しいですよね。定跡書って。だって、プロが研究の成果を惜しげなく発表していて、それを読めるのだもの。なんて思う私は、既にすこし将棋変態気味なのかしら。また、私は指すよりもプロ将棋を鑑賞するのが好きなので、覚えてなくてもプロ将棋を見ながら辞書的に参照するという方法もあるし。

なお、鈴木八段シリーズ「鈴木大介の将棋 四間飛車編」も発売中です。


ものぐさ将棋観戦日記 2/9(月)―棋王戦、NHK杯、マイナビ、天河戦、銀河戦

棋王戦。考えてみれば(考えて見なくても)、羽生名人がタイトル戦に登場しないのは一年ぶりなので、この組み合わせがとても新鮮に感じる。
それにしても久保さんが指すと、どんな将棋もうまく捌けて駒がよく働く。本局でも△6五歩と取れる歩を取らないで、飛車角が働くような手が巧みで、ああいう手の積み重ねでうまく捌けるのかなあ。
佐藤さんも、序盤の構想といい、▲5六歩の力強い開戦といい、▲5四歩とこわいところ、攻めを引っ張り込むところなど、随所にらしさが出ていた。終盤は意外と難しいという声が上がっていたし、実際感想戦では佐藤良しの変化も見つかっていたようだ。
久保の華麗な捌きに佐藤が剛直な力技で対抗するという通りの将棋になったし、そういう期待通りの面白いシリーズになりそうである。

NHK杯、羽生名人がまたしても有望な若手軽くふっとばしていしまった。佐々木五段も、評判が高いし前局ではA級の藤井を破って勢いに乗っているところなのに、手もなくひねられてしまう。
木村八段が解説で指摘していたが、▲6五桂のような直截手でなく、▲5五歩と筋でついていったのが印象的。その後大きく形勢が傾いた。(実際は、後手が△同歩と素直に応じておけば難しかったらしいが。)羽生の将棋は、マジックとも言われる意外な手もあるが、基本的には筋の良い手の地道な積み重ねでポイントを稼いでいく。やはり王道の将棋だし、美しいし、観ていて勉強にもなる。とは言っても、あのように普通に美しく指すのが弱い素人には一番難しいことなのだけれども。
これも解説の木村が言っていたのだが、羽生は対局前に駒を並べる際に、すこし笑っているように見えた。木村も羽生相手にそういう体験があるそうで、何を笑っているのか不気味だと。将棋を指せると思うと、うれしいのでしょうかね?(違うと思う.

マイナビは、岩根女流初段が挑戦者決定戦に進出を決めた。清水女流王将には、今まで一度も勝ったことがなかったが、ようやく壁をやぶった。実力には定評のある岩根さんだが、最近強い相手を次々に負かしていて、そろそろタイトル戦にも出で来るのだろうか。
ちなみに、昨晩の大和証券ネット最強戦の大切な将棋も戦っていて、大変なハードスケジュールである。男性棋士で言えば、竜王戦決勝トーナメント準決勝の前の晩にネット将棋を指すようなものだから。昨日は斎田さんに負けていたので、これで連敗していたらきつかっただろう。

LPSAの天河戦。アマチュアで現役中学二年生の成田弥穂さんが、見事に決勝進出を決めた。序盤にプロ側に誤算があったのか、飛車を捕獲してはっきり優勢に。しかし、将棋というのはそのあと勝ちきるのが大変なものなのに、全くあわてることなく差を広げて、どんどん相手を追い詰めていき、最後はきっちり即詰みに討ち取った。ビックリするくらいの完勝である。
あの年頃は、一晩ただ寝るだけで強くなっていく感じなのだろう。ということは、決勝の日には、もっと強くなっているかも。と、ちょっと対戦相手にプレッシャーをかけてみた。相手は、中井さんか松尾さん。どちらが出てくるか分からないが、仮に中井さんだとして、さすがに大丈夫だと思うのでこういう軽口も叩けるのである。

銀河戦。佐藤天vs阪口。佐藤がうまく立ち回ったが、阪口も破られた左辺を軽く受け流して粘り強く指し、むしろ振り飛車もちというところまでこぎつけた。アマ振り飛車等としては。ああいうるしぶとい指し方は勉強になる。現在は力戦振り飛車が全盛で、普通の振り飛車が絶滅しつつあるが、それでも振り飛車の極意は変わらない。「人間、辛抱だ」。終盤では佐藤天が力のあるところを見せて、両者の持ち味がでた好局だった。
解説の佐藤紳哉六段と鈴木環那女流初段の掛け合いも面白かった。
環那「棋士の先生方というのは、お話もなかなかしないというか。」
佐藤「そうですかね。」
環那「佐藤六段は別として。お仕事一緒でも、実はわたくしあまりお話しないんですが。」
佐藤「かんなちゃんのテンションが怖いんじゃないですか。」
環那「あっ、そうかもしれませんね。エヘヘヘヘ・・」
女流棋士としてだけでなく、名聞き手としてもこのまま着実に成長していっていただきたいものである。

ものぐさ将棋観戦日記 2/7(土)―順位戦B級1組、将棋まるごと90分、銀河戦

B1ラス前の結果は、以下の通りになった。(カッコ内は順位。)

8勝4敗 井上(9)
7勝4敗 高橋(3)、杉本(11)
6勝5敗 久保(1)、行方(2)

井上八段が見事に昇級を決めた。B1は抜け番があり、井上八段が全局終了。同じ4敗の杉本七段より順位が上なので、二位以内を確定させての昇級である。
もう一人の昇級枠は、高橋九段が自力。あとの三人は結果次第で昇級の可能性が残っている。ただし、最終局では、高橋vs行方の直接対決が組まれており、注目される。暇なので昇級確率を計算してみた。
高橋1/2 杉本1/4 久保1/8 行方1/8

5勝6敗 山崎(12)、屋敷(13)
4勝7敗 堀口一(7)、森下(10)
3勝8敗 北浜(8)

北浜七段は、残念ながら陥落が確定。
あともう一枠については、森下九段は自分が勝っても他力の状態。但し勝った場合は、他の三人のうち一人でも負ければ助かる。他の三人は、とにかく勝てば自力残留である。しかし、順位の関係でまだ全員に降級の可能性がある。こちらも降級確率を:計算してみた。(各棋士のファンの方お許しください。)
山崎1/16 屋敷2/16 堀口4/16 森下9/16

井上八段は十年ぶりのÅ級カムバックということだそうである。久保八段との将棋は勝てば昇級、負けた時点で昇級なしという過酷な状態になっていた。将棋は井上が勝ちそうな将棋だったが、終盤もつれて泥沼状態に。最後は死力を尽くして勝ちをもぎ取った。控え室には井上八段のお弟子さんの稲葉四段など三人がかけつけて、大応援モードだったようだ。関西の控え室というのは、いつもなんだか楽しそうである。とにかく、井上八段はいかにも人柄がよくて、素直に昇級を祝っているプロや関係者も多いことだろう。一ファンの私もそうである。本当におめでとうございます。
降級争いは、5勝もして負け越し一つでもまだ助かっていないという大混戦である。降級に関わっているメンバーを見ても、本当に厳しいクラスだと思う。最終局は、一局を除くと全てが昇級か降級に絡んでいる。A級同様、見逃せないだろう。

将棋まるごと90分のゲストは、中田功七段。コーヤンの人柄で親しまれている通り、楽しいトークだった。とにかく自分の好きな将棋を好きなように指すという職人肌の先生のようである。
弟子に佐藤天彦四段がいるが、9歳の時に正式に弟子にとることになり、平手で教えることにして、ちゃんと棋譜をつけておきなさいと師匠の貫禄で言ったのはよいが、最後に詰まし損ねて大逆転負け。ちょっと棋譜をつけるのはやめなさい、と前言撤回し、その後何度も平手で指して9歳の弟子を負かしたそうである。どうも、昔タイプの師弟ではなく、友達の延長の師匠のような感じである。そういう師弟関係もありだし、よいなあと思った。
解説では、順位戦の対勝又戦を自戦解説していた。まさに、コーヤン流に捌いて攻めて勝った将棋である。ああいう将棋が指せたら、そりゃあプロでも気持ちいいでしょう。

銀河戦では、豊島vs戸辺の注目の若手同士の対決があった。双方の持ち味が出て大熱戦となったが、最後は豊島が寄せきって勝ち。一時期、アマの早咲さんに負けてから。すっかり調子を崩していた感があるが、また巻き返してもらいたいものである。
解説は遠山四段が、銀河戦解説デビュー。「まるごと」に出た時もそうだったが、とにかく立て板に水の喋りである。ブログの十倍おしゃべりな感じを想像していただければよいというところだろうか(笑)。手の細かい解説から、棋士エピソードまで、幅広く話していた。豊島四段は、大学進学を考えているそうで、それを聞いて大学経験先輩の遠山先生も、「いいのではないか」と貫禄の答えをしたそうである(笑)。遠山四段も言われていたが、将来を嘱望される若くして棋士になった人間としては昔では考えられないことだが、それが新しさなのかもしれない。
遠山四段は、ブログ以上に?喋りの適性があることは間違いないので、これからも色々なところで活躍して欲しいと思う。

ものぐさ将棋観戦日記 2/5(木) 順位戦A級ラス前一斉対局、C級2組、など

考えてみれば「ラス前」ってよく言われるけど、麻雀じゃあるまいし。
さて、挑戦者も陥落者も決まらず。皆さん、もう何度もご覧になったかもしれないが、関係する人間の一覧表をあげておこう。こういうのを見て、意味もなくニヤニヤするのは、将棋ファンの特権である。

6勝2敗 郷田
5勝3敗 木村、佐藤康

挑戦争いはこの三人に絞られた。郷田が最終局に勝てば、すんなり挑戦。負けるとプレーオフの可能性。特に、郷田vs木村の直接対決は要注目。

3勝5敗 三浦、谷川、鈴木、深浦

陥落に関してはこの四人に可能性がある。最終局の谷川vs鈴木の直接対決は、勝てば残留、負ければ陥落の大一番。三浦は勝てば自力残留。深浦は、自分が勝った上で、三浦が負けた場合のみ残留という他力の厳しい立場。ただし、最終局も、三浦の相手は森内、深浦の相手は丸山と、ともに厳しい相手で(まあA級なので当然だ)、どうなるのか全く予断は許されない。
棋界を代表する棋士の谷川、現タイトルホルダーの深浦が、厳しい状況に置かれているのも、A級の過酷さを物語っている。

昨日は、夜に入っても、ほとんどの対局もまだまだ分からない感じで、さすがA級とも思えたが、私が見届けた十二時前には、難しそうな佐藤vs森内以外は、どれも素人が見てもどちらかに形勢が傾いていると、なんとなく分かる状態になっていた。
しかし、三浦vs郷田だけは、評判に反して郷田が逆転勝ち。郷田が終盤に見せた、ふんわりと相手玉を縛る手が絶妙で、三浦が勝ちきれなかったようである。三浦がよさそうに言われていたが、実際ははっきり勝ちにする順はなかなか見つからなかったらしい。本局でもそうだが、郷田の将棋は懐が深くてスケールが大きく、容易に崩れない。ここ数年は、順位戦では常に好成績を挙げており、やはり本来の地力に並々ならぬものがあるのだろう。
佐藤vs森内は、佐藤の強烈な攻めに、森内の頑強な受けという「らしい」展開になったが、最後は佐藤が押し切った。森内のリベンジ挑戦はならず。
木村VS深浦は、矢倉の最新研究テーマ図から前例のある順をかなりたどったが、勝負を決めたのは、木村の相手を引っ張り込む力強い受けの指し回しだった。定跡形にいくら進んでも、最後は各個人の個性や力が決めるということなのだろうか。
丸山vs谷川は、谷川が不出来で、一直線に負けにする順を選んでしまった。最終局は、谷川のいままで培ってきた経験の全てが問われる将棋になった。
藤井vs鈴木は、相振り飛車に。藤井の、自由な構想力と序盤を良くする感覚の鋭敏さが際立った将棋だった。積読になっている藤井先生の、相振り飛車シリーズ、頑張って読みますっ。(口だけ)鈴木も、相当苦しそうな将棋を、得意のノータイム指しで怪しげにした勝負術はさすがだったが、やはりもとの差が大きすぎたようである。

C級2組

こちらの昇級争いは、次のようになっている。

8勝1敗 大平、
7勝2敗 田村、高崎、中村太、戸辺、佐藤天、金井、村中、村田顕

大平、田村、高崎の三人が自力昇級。あとの二敗組は、キャンセル待ちである。
大平は、最終局勝てば勿論昇級。仮に負けても、順位の関係で、田村、高崎、中村大のうちの一人でも負ければ昇級である。

それにしても、C2は対局数が多い。自動再生でも全部並べるとあっという間に一時間くらいたってしまう。力戦振り飛車の若手の最先端の将棋もあり、ベテランの個性的な将棋もあり、並べていてなかなか楽しい。
個人的に中飛車の将棋に興味があるのだが、村中vs坂口での、坂口四段の後手ゴキゲンは見事だった。ジリジリした序盤を、張り強くまとめて行き、ここというところでうまく食いつき、少し苦しめとも言われていた態勢を入れ替えた。ゴキゲンも、あのように指せれば本当にゴキゲンなのだけれども。
高崎vs増田では、相三間飛車で途中まで、後手が先手と全く同じ手を指し続けるという「真似将棋」のような展開に。まあ、相振りだとやろうと思えば、かなり真似し続けることは出来るだが、大切な順位戦で出るのも面白い。
児玉七段が、後手で普通の矢倉かと思いきや、急に金が5三から4四へとグリグリと(カニカニと)出ていったのも個性的。やはり自由な発想な将棋は見ていて楽しいです。

今週の週刊将棋で、田丸八段「と金人脈」が、竜王になって一年の羽生さんが(とうじ二十歳ごろ)が、菊地桃子さん対談した時の様子を紹介している。対局室を羽生と菊地が二人で見学している写真つきだ。羽生さん、若い。
羽生「菊地さんがデビューされたのは僕が中学生のころ。テレビで初めて見た時の清楚な印象がとても強烈でしたね。高校受験のときには菊地さんの「青春のいじわる」「卒業」などの歌をラジオでよく聞きました。それで、いいなぁって・・・(笑)」
羽生さんにもこんな時代があったのだなあという感慨をもよおさずにいられません。なんだか芸能人の「過去の恥ずかし映像」みたいなもののような気もしないでもありませんが、いや、あの頃の菊地桃子ときたら、そりゃあ当時の若い男どもはみな夢中だったさ。羽生さんだけじゃないさ。(フォローになってない。)

ものぐさ将棋観戦日記2/2(月)―NHK杯、ネット女流最強戦他

NHK杯、佐藤康光vs金井、佐藤先手で急戦矢倉に。佐藤が▲7五歩と位を取る新構想を採用。8一の桂を使わせないということなのだろうか。相手が急戦気味に動こうとしているところに、堂々と位をはるというのが佐藤流?/当然、後手の金井も反発し、不安定な玉形の佐藤陣に激しく襲い掛かった。ところが、佐藤も危なそうな形をうまく受けて。むしろ金井の攻めが細くて、つながるかどうかという展開に。それでも、なんだかんだと手段を尽くして、金井が攻めをつなげていき、さすがプロだと勉強になるところも多々あった。しかし、結局佐藤が完全に受けきり態勢に入り、最後は反撃を決めて快勝。見ごたえのある攻防だったが、結局は佐藤の力、トップ棋士の壁というものを感じさせずにはいられない将棋だった。金井も見ていて相当強いと思うのだが、それでもトップ棋士たちとは、実際に戦ってみなければ分からない力の差というものがあるのだろうか。

大和証券の女流ネット最強戦。中井vs千葉も、急戦矢倉になった。千葉さんは、後手番で得意にしているそうである。竜王戦第六局と第七局と似ていて異なる形に。第七局で飛車先の歩を2五に伸ばす前に、▲7九角とひいておくという順。これが途中図。第七局では、▲7九角△7三角を入れない形で、△3三銀と受けたのが渡辺新手だった。
竜王戦第七曲aaaaaちちちち081217-h27手

しかし、この場合に△3三銀と受けると、▲7五歩△同歩▲7四歩△5一角▲4六角△9二飛▲6五歩と盛り上がられてしまう、と将棋世界2007/12の付録の「阿久津流後手矢倉△5五歩戦法」にある。(あの竜王戦で気になったので、引っ張り出して類似変化を調べたことがある。)
そそそそそ竜王戦第七曲081217-h35手

但し、一年前の付録なので、現在はもう違っているかもしれない。とにかく、竜王戦では微妙に現れなかった順なので、もしこうなっていたらどうなったかというのもちょっと気になるところである。
両者研究済みなのか、猛烈に指し手が速かった。千葉さんも、本譜では△3三銀ではなく△5四銀だった。結果は、中井さんが曲折ありながらもうまく指して勝ち。当たり前だが、やはり強い。一時期不調が続いていたが、最近本格的に復調の兆しが見えてきたようである。

女流名人戦は、第一局に続いて長手数になった将棋を清水さんが制して一勝一敗に。がっぷり四つの戦いが続いている。

LPSAの天河戦では、アマチュアの成田女子アマ王位が、準決勝まで進んでいる。ここまで、予選を含めてプロ三人を連破して負け知らず。今流行の中飛車を使いこなしている。まだ中学生だそうだが、棋譜を見ると、とてもそうは思えないくらい落ち着いた指し回しだ。将来が楽しみである。里見さんもうかうかしていられない?

女流棋士育成会では、渡辺弥生さんが女流棋士に。東大出身の才媛との事。渡辺明ブログ大矢順正の記者ニュース松本博文ブログでも、取り上げられていた。おめでとうございます。

一方で、女流棋士育成会今期で廃止され、研修会に合併されるとのこと。女流王将戦の休止、公益法人問題と関連して女流棋士会が独立して社団法人の資格取得を目指す動き、相変わらず事態が改善する気配の見られない女流両団体の分裂状態と、女流棋界は先行き不透明である。

いまや将棋のネット中継が大変活発だが、ついに専門家の手による中継マニュアルまで出た。
松本博文ブログ ネット中継マニュアル【Kifu for Windows設定編】
松本博文ブログ ネット中継マニュアル【実戦編】
今後は、プロだけでなく、アマ、それもトップアマだけではなく、仲間内の大会でも中継して楽しむ時代がくる、かもね。

コメントを承認制にさせていただいています。反映まで時間がかかりますが、お気軽にどうぞ。
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