竜王戦は、第二局第三局と渡辺竜王が連勝しました。
第二局は、またしても早い時間帯での終局。丸山さんが△1四歩とじっと端をついて、竜王に▲5四歩を突かせなかった研究は凄みがありました。
しかし、竜王は即座に攻める方針を転換して▲1六歩から、次に9筋の端を伸ばして逆に丸山さんに攻めさせました。この辺りの発想の転換に竜王の頭の柔らかさを感じました。しかも、一度大長考しましたが方針を決めたら
時間をかけずに指し進めていました。
丸山さんが持ち時間の差が開くのを気にしたのか、初日から攻めかかりましたが、その攻め方に問題があって初日から形勢が大きく開いて二日目はもうどうしようもありませんでした。第一局と全く同じ展開。
第三局は丸山さんの角換わりの深い研究がいきて、やっと将棋の形になりました。しかし、竜王の受けが強靭で最後は入玉して勝ち。竜王がずっと受け続けて勝った将棋ですが、竜王の受けはただ受けているのではなく、「責める受け」です。相手が少しでも攻め方を間違えたら許しませんよという迫力があります。この「渡辺の責める受け」には羽生さんも、かなり手を焼いていました。第二局も丸山さんが攻めさせられて間違えてしまいました。
最後、丸山さんに▲4七角という勝負手があったそうですが、局後の研究によると△3七玉以下△3四角という手があって後手玉が寄らないようです。感想戦では、竜王はこわいので下にさがっていく順を選んでいたかもしれないと述べていましたが、竜王のことだからいざ指されたら△3七玉を深く読んでこわい変化に勇気をもって踏み込んでいたような気もします。
渡辺竜王は、最近特に定跡手順の部分はとばして指す方法を貫いていて、それが竜王戦では奏功しているわけですが、順位戦では屋敷さん相手に研究に盲点があって時間をたくさん残して完敗していました。あくまで合理的な渡辺さんらしい指し方ですが、当然こういうリスクもあります。また、竜王戦の第一局と第二局のように見ていてつまらない将棋になることもあります。それは渡辺さんには何の責任もなくて、対応できなかった相手のせいなのですが、古いファンとしては最近の将棋があまりに合理的すぎ、ドライすぎと感じる事もあるのは事実です。
一方の丸山さんは、順位戦も調子が悪くて本調子とは程遠いようです。ただ、それ以上に渡辺竜王との相性の悪さを見ていて感じずにはいられません。
丸山さんの指し方というのはプロでも難解でよく分からないという曲線的で複雑で不思議で神秘的?なもので、それに一流プロでも手を焼くことが多い。ところが、渡辺さんの場合は、そういう丸山さんの曖昧なところを一切許さずに、合理的な根拠を問いただしてくるようなところがあります。渡辺さんの手にかかると全てが白日のもとにさらされてしまうのです。
丸山さんは一手損角換わりを用いているわけですが、あれも本来合理的ではない作戦です。渡辺さんは、自分では一手損を指しません。合理的な渡辺さんには恐らく一手損の発想が許せないのでしょう。そして、対一手損では常にそれをストレートに打破しようとする対策を取ってきます。そしてそれが的確で丸山さんは後手では常に苦しい展開になっているのです。
丸山さんの複雑で分かりにくい将棋の組み立てに対して、渡辺さんが合理的にその不備を指摘して全く許していないという印象です。蛇に睨まれた蛙のような状態になってしまっているような気がします。

さて、今までこのブログはタイトル戦の対局があるごとに何か書くというやり方で続けてきました。これからは、もう少しゆるい感じで何か書きたくなった時だけに更新するやり方にさせていただこうと思っています。
元々、ブログ本を出したらそうするつもりだったのですが、なんとなく惰性で続けていました。これからは楽隠居の身分になって、気儘に不定期更新で続けていくつもりです。これまで通りおつきあいいただければ幸いです。
なお、私の言いたいことは以下のブログ本にほとんど書いてしまっているので、更新が少なくて物足りないと言う方は、こちらにおつきあいいただければと思います。
ハイ、宣伝です。でも、我ながらジャパネット浦野さんと比べると宣伝が下手ですね・・。

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