週刊将棋

遠山雄亮マイナビ観戦記のヒッチコック的手法

今週の週刊将棋で、遠山雄亮がマイナビ女子オープン第三局の観戦記を書いている。遠山は、一年半前にもこの矢内甲斐戦の観戦記も担当したことがあるそうだ。プロ棋士らしく深く正確に将棋の内容を追うことで、それが同時に、その後の二人の成長ぶりや関係性、矢内のおおらかさ・大物ぶりといった側面が自然に浮かび上がるように、うまくまとめ上げている。また、敗者に対する、優しい細やかな心遣いも感じられ、いかにも好漢遠山らしい。
(ハイっ、いつもより余計にほめております、といってももう若い人は染ノ助染太郎も知らないかもしれませんが。)
今日私が取り上げるのは、そういう記事の中心部分ではなく、あくまで個人的に気に入ったごくごくディテールの部分を拡大解釈する試みである。興味のある方は、是非記事本文に当たっていただきたい。矢内の人間分析など、とても見事なものだから。

トリュフォーがヒッチコックに徹底的にインタビューした「映画術」は、今更語るのが恥ずかしいくらい、映画本の金字塔、名作中の名作である。私はこれを読んで、ヒッチコックの映画を片っ端から借りて観る羽目になるという、きわめて幸福な、そして同じことをした人間が多数いるであろう愚行をした一人である。
「サボタージュ」という、ヒッチコックでは有名でもないし出来も必ずしも良くない作品がある。今の言葉で言うと市民生活を装う「テロリスト」が、劇場を爆弾で破壊し、自分の妻の弟の少年も巻き込んで死なせてしまう。その結果、妻が思いあまって夫を殺すのだが、その部分の撮り方が実にヒッチコック的なのだ。この映画の唯一の美点といってもよい。少し長めになるが引用する。
シルヴィア・シドニー(妻役)が食卓に野菜料理を運んでくる。そのとき、ナイフが彼女の眼を引く。彼女の手が彼女の意に反してナイフに近づき、ナイフをつかもうとする。キャメラは彼女の手の動きをとらえ、ついで彼女の目をとらえる。そしてまた手の動きをとらえ、さらに眼をとらえる。手の動きと眼の動きをこうして交互にとらえていき、やがて、突如、はっとしたような彼女のまなざしから、ナイフが何を意味しているかということ、ナイフが凶器になりうるのだということに彼女自身が気づいたことが分かる。(中略)
こんな場合、ヒロインが目と表情で巧みに演じて彼女の内面の全てー彼女の殺意までもー観客に説明してしまうというのは、いちばんまずいやり方だ。現実の生活でも、ひとが感情をすべて顔にだすようなことはないしね。映画監督としては、当然ながら、純粋に映画的な手法だけでこのヒロインの気持ちを観客に伝えたいと思うわけだ。
要するに、オーバーな表情、動作の表現など一切使わず、純粋なカメラワークだけで、彼女の心の動きのドラマがありありと観客に伝わるというテクニックである。ヒッチコックの映画の真髄は、その内容よりも、こうした徹底的に洗練された映画的文法表現にあり、トリュフォーが、それを余すところなくヒッチコックから引き出しているのだ。そこでは、大げさな動作や表情よりも、さやかなものや人の動きが、とんでもない効果を生む。
さて、前置きが長くなったが、遠山観戦記からの引用を。
開始5分前、矢内が目を開き、すぐに駒箱を開けた。
ここで小さな異変が起きた。双方大橋流で並べていたが、甲斐が途中から先行して並べている。普通は上位者に下位者が合わせていくものだ。
その様子が、私の目にはほんの僅かだが甲斐がストレスを感じているように映った。矢内の悠然とした所作にか、もしくは未だ慣れぬ大舞台にか。
対局が開始され、関係者が退出した後、甲斐は一口水を含んだ。その時彼女を覆っていた霧が晴れた気がした。目は戦う女の目になっていた。
事実として確認できるのは、甲斐の駒の並べ方が先行したということ、水を口に含んだということだけだ。二人の表情の動きがあったり、言葉がかわされているわけではない。恐らく静謐な部屋で、黙々と駒が並べられていただけなのだろう。しかし、そういう些細な動きから、遠山はみごとな心理分析を引き出してみせてくれている。
というわけで、私はこの記述に感心するとともに、ヒッチコックの本のことを思い出してしまったというのが、書きたかった全てである。強引過ぎる?
見ようによっては、これは遠山の主観解釈に過ぎないといえるかもしれない。しかし、私は、駒を早く並べる、水を口に含むという行為から、敏感にそういう心情の機微を読み取ろうとした遠山流が、単純に好きなのだ。一応断っておくが、私は必ずしも強引な心理解釈は好きではない。しかし、この遠山の書き方には読む者の心にスッと入ってくる自然さがあるように感じた。
将棋において、動き自体はきわめて少ない。盤をはさんで、大の男(女)が向き合って、黙々と手を進めていく。だからこそ。例外的な加藤一二三のパフォーマンスが目立ちすぎるわけだ。例えば、プロレス的な外に向けた表現とは対極にあるといえるだろう。
しかし、だからこそ、ヒッチコックが映画で行おうとした、抑制された行為の中に万感の意味を込めたり感じ取ったりすることが、将棋には可能なのではないだろうか。例えば、能のように、きわめて抑制された動きの中に、ささやかな動作で激しい動きを暗示するような表現。
A級順位戦最終局で、佐藤が鬼気迫る表情を見せていた際にも、そういう普段の静の中から動が突如として突出したことによる異様な感動が大きかったと思う。また、対戦相手の木村も、静の表情だったが、その微妙な変化が、見るものの限りない想像力を掻き立てていたのだ。
そういう将棋の風景の微細な動きを見逃さない理想的かつ実現不能な観戦記を、私は夢想してやまない。

仮に本文に遠山雄亮氏が目を通したら、「これって、俺はほめられているのだろうか」と悩んでしまうような、わけの分からない文章になってしまったことを心よりお詫びします。

週刊将棋の森内名人インタビューより

「森内さんに聞こう」という企画で、読者の色々な質問に答えている。羽生さんなどでもやっていたやつである。「鉄板流でなく自分でネーミングするとしたら?」という質問に対して「気まぐれ流」と答えている。どう考えても一番似合わない名前である。とにかく神経細やかでいい加減な手は一切指さない森内さんだが、自分に求める指し手の正確性のレベルが高すぎて、自分の手に満足できないために「気まぐれ」と自身では思うのではないだろうか。人はえてして、自分にないものにあこがれるものである。
さて、「定跡の覚え方のこつを教えてください」という質問に対する答えを、引用させていただく。
普通は本を見て勉強されると思うのですが、単に手を覚えるだけでは深い理解につながりませんし、記憶もあいまいになってくると思います。そこで、一手一手、手の意味を考えながら取り組まれると忘れにくいはずです。最初のうちは、この手は次にどういう意味があるのかを考えながら進めていくといいんじゃないでしょうか。また、実際に盤駒に並べてみるのも記憶の助けになると思います。私も、パソコン用の画面で対局の振興を目で追っただけでは、手を動かして並べた場合と比べて、棋譜が頭に残りにくいですよ。

とても、勉強する上で参考になるので紹介しようと思った次第である。私は、本当に定跡が覚えられない男である。もともと記憶力が悪くて、学生時代から暗記科目が極端に苦手だった。しかし、純粋な記憶力以外に、もともとちゃんと覚えようという意志が欠けていたり、覚え方にすごく問題があることに最近やっと気づいた。もう遅すぎる。とにかく、定跡書もあまり考えないで、どんどん読み飛ばしてしまうのだ。それでは、頭にちゃんと入るはずがない。丸暗記しようとするのでなく、意味をきちんと理解しようとするのが何より大切なのだと思う。実際、こうしてブログを書いていると、自分が書いたプロの将棋は、かなり前のものでも結構覚えていたりするが、ただ漠然とネットで見ていたものは、たちまち忘却の海に沈んでいってしまう。
例えば、人の車に同乗して何も考えないでいると百篇同じ道を通っても覚えられないが、自分で運転していくと一発で覚えるのとも似ているかもしれない。記憶力に個人差があるのは事実だが、記憶する姿勢がそれより大切なのではないかと思うのだ。
以前、小林秀雄の「感想」から、チェスプレイヤーがどう棋譜を覚えたり脳内チェスを指せるのかについての文章を紹介した。やはり、ブロもただ丸暗記しているのでなく、記憶に工夫があるのだ。プロ棋士といえども、脳内に超高性能の写真機があって、一度見た棋譜がそのまま焼きつくというわけではない。棋譜の流れの意味を動的に理解して、その意味関連で完璧に覚えきるのである。記憶力よりも、チェス(将棋)の指し手の意味関連についての把握力が抜群なのだろう。
実際、プロ棋士といえども、純粋な記憶力は、それほど人から抜きんでているわけではないようである。佐藤康光さんの「情熱大陸」でも、何か記憶ゲームをやらしたら、本当に並みのおじさんと変わらない結果が出ていた。また、渡辺明さんについても、「妻の小言」で、確かその種のゲームをやらしたら、意外なほど凡庸な結果しか出なかったというのがあった。(私は、そういうどうでもいいことについての記憶力だけはさえているのだ。どうにも困ったものだ。)
さらに、カスパロフの「決定力を鍛える」でも、プロは実際の実戦場面の記憶力は抜群でも、ランダムに配置した局面では、一般人と大差ないという結果が紹介されていた。
そもそも、「記憶」というものの本質的な意味を考える上でも、プロ棋士が将棋に関して示すあの抜群の能力と、それ以外では人並みな記憶力の落差というのは、重要な手がかりになるのかもしれない。

棋王戦第三局 佐藤棋王vs羽生挑戦者

第33期棋王戦第三局 新潟日報

羽生さんが最後ははっきり勝ちになっていたみたいですが、その前のポイントがよく分かりません。ということで、せめて序盤の話を書いてお茶を濁そうとしたら、竜王が午前の時点で迅速に序盤の戦形解説を済まされていたようです。まったく、ドシロウトの身としちゃあ、やりにくいったらありゃしない(笑)。もっとも、プロ棋士の方々がこういうことをしてくださるのは、勿論大歓迎なので、皆様どんどん解説していただきたいものです。
えー、竜王ブログを読んだ皆様はご存知の通り(笑)、羽生さんの▲9六角が、王将戦第二局でえらく評判が良かった手。△5四歩が、もともと佐藤新手だったのですが、「『偉大なる悪手』に真の悪手の烙印を押した」とか言われていましたっけ。
a

この後は、全く推測になるのですが、多分佐藤さんというのは、そういう言われ方をされると、メラメラと熱い血潮が燃えたぎってしまうタイプなのではないでしょうか(笑)。羽生さん相手に△5四歩で勝ってやろうじゃないか、と思われたとしてもなんら不思議ではありません。
佐藤さんが後手番でゴキゲンを採用し、羽生さんが先手▲5八金右の超急戦を誘う手で応え、佐藤さんが頑固に△5四歩を指し、羽生さんも堂々と▲9六角を打ち放つ、というのは、相当二人とも強情な感じがするのですけれども。
でも、もしその辺の事を聞かれても、お二人とも、研究テーマ局面ですから、程度のことしか言わないに違いありませんが(笑)。まあ、ファンとしては、色々妄想を逞しくして考えてしまいましょう。そういうのはファンの特権なので。
実際、王将戦の後も、△5三玉だと、それなりにムツカシイといわれていた(記憶がある)ので、佐藤さんもきちんと緻密に研究して暖めていたのでしょう。ただ、それにしても佐藤さんの受け方というのが壮絶でした。△6二玉から、▲6四歩の垂れ歩を許すなんて、弱いものがやったら絶対怒られるに違いありません。「自分で自分の王様をあぶなくしてはいけませんよ」、とか。
b

大内先生が言われていた、「肉を斬らせて骨をたつ」というのは、こういう時以外にどんな時に使うのでしょうというくらいピッタリな表現でした。青野先生の解説によると、実際後手が受けきる筋もあったらしいとのこと。また、△6七香がどうか、△6八歩とすべきではないかとも言われていました。確かに、その後の手順は、佐藤さんが形つくりのような王手ラッシュを続けるような感じで、あっけなく終わってしまいました。あのあたりが、多分ポイントだったのでしょう。
c

きっと、また良く調べれば、難解でよく分からない順というのがあるのに違いありません。トッププロがよってたかって調べても、解明できないこのゴキゲンの戦形は面白すぎます。
将棋というゲームにおける手の広さを感じずにはいられないところです。ちょっと思ったのですが、コンピューターソフトというのは、こういう乱戦形の将棋で、どの程度の精度で正解手を指せるものなのでしょう。苦手なのか、あるいは人間と違って、どんな局面でも同じに冷静に考えられるので、得意なのか。

今週の週刊将棋は、なかなか内容が充実していました。
棋王戦第二局、羽生さんの最後のミス以外に、見ていて佐藤さんの方も、▲2六角と打った後、角をたたききって▲5三金とガジガジやればよかったんじゃないかと思っていました。しかし、それにはその後進んで△5二銀の絶妙の受けがあって、佐藤側がダメだとのこと。つまり、二人ともそれが分かっていたので、その順にならなかったということです。トッププロの将棋だと、こうすればいいのではないかと思っていても、後から調べると、深く読んでいて回避していた手順というのが実に多いと思います。本当に棋譜だけ見ただけじゃよく分かりません。
それ以上に、王将戦第五局の記事が面白かったです。
単純な大ポカのように言われた久保さんの▲7五玉ですが、正着の▲7六玉のほうも、実は桂馬を三枚駆使した王手ラッシュが続く上に、同時に羽生玉の詰み筋を防止する複雑な変化が秘められていたようです。受ける側からするといかにもこわすぎる変化なので、久保さんが7六に逃げるのをやめたのも、よく納得できます。正確に指せば久保勝ちなのですが、秒読みの実戦ならちゃんと勝ちきれたかどうかというくらい難解な変化です。
王座戦第三局の最終盤にも「幻の名手順」がありましたが、こちらもそれに勝るとも劣らないすごい変化だと思いました。羽生さんと久保さんの将棋には、なぜかこういうすごい手順が現れます。

竜王戦第六局第一日 渡辺竜王vs佐藤二冠

竜王戦中継サイト
BS解説の久保さんが、王将戦の挑戦者に。深浦さん相手に勝って挑戦を決めた将棋は、プロでも形勢判断が難しかったようです。(王将戦中継サイト参照)ゴチャゴチャした戦いを、ああいう将棋ではめっぽう正確で強いという印象のある深浦さん相手に勝ちきりました。王位戦では羽生さん相手に競り合いを制した深浦さん。その深浦さんを接戦で破った久保さん。その久保さんを王座戦で痛い目に合わせた羽生さん。一応三すくみの構図が出来ましたが、要はトップの実力は本当に僅差ということなのでしょう。王座戦も、羽生さんのとてつもない終盤力だけが印象に残りましたが、冷静に考えると久保三連勝の内容だったわけで、王将戦も大変なシリーズになりそうです。しかし、なんとなく羽生さんは同じ相手とタイトル戦が続くことが多いですね。
さて、竜王戦。佐藤さんの△3二金で幕開け。
△3二金まで
a

将棋世界1月号で、この局面が取り上げられていて、渡辺竜王は次のように言っています。
本当は2手目△3二金には△5六歩から中飛車にして、ちゃんとやれば先手がよくなると思う。去年の竜王戦のときはちゃんとやれなかったけれど、もう一回やったら何とかしてみせます。

こういうことを言い切る竜王もすごい。しかし佐藤さんも当然将棋世界を読んだ上で、本局に臨んでいるはずです。その上でこの手を敢えて?選択。佐藤さんによれば、この手は決して「挑発」などではなく、きちんとした理論的根拠あってのことだそうです。でも、この辺の経緯を考えると、どう考えても香ばしい匂い?がします(笑)。間違いなく心理戦の側面もあるのでしょう。また、そういうのがあったほうが断然面白いと、無責任な外野としては煽っておきます(笑)。
竜王は穴熊に組みそうなものですが、棋譜解説によると後手が飛車を7筋に振りなおして反発してくる筋があるそうです。その結果、封じ手図では竜王らしくなく居玉のまま。成り行き上そうなったのでしょうが、普通に考えると竜王好みとはいえなさそうです。このあたりで、振り返って竜王がどう局面を考えていたかが興味があるところです。
封じ手図まで
b

ただ、久保、鈴木の解説を聞いていると、局面自体は、まだまだ難しそうです。すぐに、佐藤さんからドンパチ出来るわけではなく、竜王も玉を2八まではなんとか囲えそうな感じの話でした。明日は、本当に両者の構想力や地力が問われる展開になりそうで楽しみです。
ちなみに相中飛車は、ワタクシが24で深夜に酔っ払ってフリーで指す時に愛用しがちな戦法です。プロ最高峰の竜王戦で見られるとは思いませんでした・・・。もっとも最近全く24で指してないなあ。

今週の週刊将棋では、小林宏六段による師匠の真部さんについての感動的な記事があるかと思えば、バトルロイヤル風間さんのとんでもない四コマが載っていました。私は読んで思わず、ニヤリとしてしまったのですが、本当に笑っていいのだろうかと反省してしまうような壮絶な(笑)内容でした。多分、森内さんも、風間さんだから仕方ない、と諦めるのでしょう(笑)。

週刊将棋を読んで 再度王座戦第三局▲4七銀をめぐって

最近こんな記事を書いたんですが、プロ将棋について勝手読みで書いてしまって、イヤーな感じが残っていました。週刊将棋を読んでみて、ああ、やっぱり。自分の読みとは違うことが書かれていました。ところが、まだ疑問が解決していないのです。
まず、復習すると▲7四角とうって、守りにもきかすわけですが、相手に金の持駒が残っていると▲3八銀と手を戻しても、
△同と▲同角△同飛成▲同玉△4九銀▲2八玉△3八金▲1八玉△2九角 までの詰みです。
従って、さらに王手を続けて、なんとか金合いさせる必要があります。私が考えたのは▲6一飛でしたが、正解は▲7一飛(A図)だそうです。
A図 ▲7一飛まで
a

6一にうたないと到底詰みそうにないと思ったのですが、目的は詰ますことでなく金合いさせることなので、7一でよければそれにこしたことはないわけです。以下週刊将棋の説明手順は
▲7一飛△5一桂▲2三角△4二玉▲3二角成△5三玉▲7三飛成△6三歩▲3一馬 から後手の持ち駒を使わせて、手を戻せば先手勝ちというものでした。
確かに、▲3一馬に対して▲4二金と合駒してくれれば、以下
▲3八銀△同と▲同角
となって、先手玉は詰まないどころか、銀一枚の持ち駒では、詰めろをかけ続けるのすら大変そうで、先手勝ちのように思えます。
ただ、△4二金のところで、△4四玉(B図)と逃げてしまうとどうなるのかが分かりません。
B図 △4四玉まで
b

いろんな手順があって、ややっこしいのですが、一例をあげると
△4四玉▲2二馬△3三桂▲4五歩△同玉▲4六銀右△5四玉▲6六桂△5三玉▲3一馬△4四玉▲4五歩△同桂▲2二馬△5三玉▲3一馬△4四玉▲2二馬(C図)・・・以下繰り返しの連続王手の千日手になって、どうしても後手に金を使わせることが出来ないような気がするのですが。但し、この辺の手順は、全く自信ありません。
C図 ▲2二馬まで
c

さらに、▲7一飛は、私も最初すこし調べたのですが、△4二玉と逃げられた場合も実はよく分かりません。少なくとも、ソフトによると詰みはないようなので、金をなんとか合い駒させるしかないのですが、一例としては
▲ 7一飛△4二玉▲5一角△5三玉▲7三飛成△6三歩▲6二角成△4二玉▲5二馬△3三玉(D図)
と右辺に逃げ込まれると、詰まないし、金など全く使わすことが出来そうにないのです。また、△4二玉に▲5二角成△同玉▲7四角(▲4一角)も△6二玉とかわされて続かないようです。
D図 △3三玉まで
d

(10/11追記)
この形で、実は詰みがあることが分かりましたので、こちらに書いておきました。


ということで、さらに疑問が深まりましたが、まあ月刊誌でも気長に待ってみようかと思います。
今回私が書いたことにも、間違いがいっぱいありそうなので、決して信用しないでください。ただ、プロの将棋の終盤を、あれこれ調べているだけでも、結構楽しかったです。もう、懲りて二度とやらないと思いますが(笑)。

銀河戦 渡辺竜王vs丸山九段、週刊将棋 9/19号

後手の丸山さんの戦法は、渡辺明ブログの自戦解説によると「端突き越しダイレクト向飛車」と呼ばれているそうです。もっと正確に言うと「端突き越し後手一手損角換わりダイレクト向飛車、場合によっては馬を一時作らせて一歩損甘受しても全然OK」戦法とでも言うべきでしょうか。昔なら、必ず破門されていたに違いない作戦です。佐藤康光さんが開発し、本人のたまうに「あまり真似してくれる人がいない」佐藤作戦の中では、渡辺明ブログによると「ひそかにブーム」だそうです。何より、あの丸山さんが採用したというのがすごい。あの合理的でシビアな見方をする丸山さんが、勝つためにちゃんと使えると判断したのでしょうから。
実際、丸山さんがうまくやっていたようです。丸山さんの△5一金は、実にセンスのある力強い、いい手ですよねえ。ああいうのを見ると、プロの将棋を見ていて良かったと思います。でも実際の勝負は、最後に渡辺竜王の、▲8二成香、△同銀、▲8’四飛の荒業が炸裂して、丸山さんが即投了しました。ただ、これには後日談があって、ここを見られるような方は、渡辺明ブログを既に読まれてご存知のことかと思います。
渡辺竜王ご本人いわれるところの「自信満々な態度」(笑)で、一勝をもぎ取った?将棋でした。準決勝では飯島戦ですが、二回戦では羽生さんを角換わり腰掛銀同型の渡辺新手で破っているので、その戦形になると面白いと思うんですけどね。どうなるんでしょう。

週刊将棋、最近ネットで将棋を見ていて色々よく分からなかったことが、分かったりそうでなかったり。
王位戦第五局、飛車交換後の深浦さんの指し方が良く理解できなかったが、狙いは分かった。自陣の金取りを受けずに、飛車、角を打ちすえ、守り一方のような辛そうな桂打ちをしたのも、カウンターの反撃を狙う構想だったとのこと。ただ読みぬけがあって、ああいう受け一方の展開に成ってしまったのだと。この将棋のブログ記事を書いたとき、あまりに素朴な疑問すぎて言えなかったのだが、素直に▲5六金と逃げておくと、実はうまい受けがあって先手有望だったらしい。
王座戦第一局についての補足説明もあった。ネット解説でも、先に▲5五桂を入れていれば久保勝ちとあった。しかし、詰みがあるとされていた局面の不詰めが判明したらしい。それでも、厳密には久保勝ちらしいが、超難解とのこと。羽生さんもビックリ。
逆に王将戦予選の、谷川vs渡辺戦では、渡辺に勝ち手順があったと書かれていますが、渡辺明ブログによると、△7七歩が実は詰めろではないとコメントで片上五段が指摘していました。週刊将棋も大変です(笑)。
「片上大輔五段の今週の!」では、角換わり腰掛銀同型の渡辺新手△3七歩成について解説。振り飛車党同士の対戦で、先手勝ちが発見されたとのこと。(渡辺明ブログにも書かれていました。)片上さんも、オリジナルの先手の対策をあたためていたそうだが、残念ながらもう無駄になったらしい(笑)。しかし、この同じ週刊将棋では、さらに新たな渡辺式後手番対策が谷川戦で出たことが載っているわけです。週刊将棋も片上さんも大変です(笑)。
週刊将棋というのは「時間」的に難しい立場にある。ネットと比べれば「おそい」一方、専門誌と比べれば「はやい」代わりに締め切りの関係で深く調べた上で記事がかけない。週刊将棋自体が、うまく,ネットを活用するうまい方法とかないんですかね?
コメントを承認制にさせていただいています。反映まで時間がかかりますが、お気軽にどうぞ。
Recent Comments
  • ライブドアブログ