マイナビ女子オープン

マイナビ女子オープン第二局 甲斐女王vs上田挑戦者、伊藤果@週刊将棋ステーション

マイナビ女子オープン中継サイト

第一局の最後のところでの甲斐頓死による上田の大逆転勝ちを受けての第二局。
先手甲斐の中飛車に、後手上田の居飛車穴熊。甲斐がうまくやっているという評判だったが、慎重にいきすぎて上田にチャンスが回り、居飛車穴熊の遠さをいかしてうまく食いついて勝ち。これで連勝。
中継サイトをみても、甲斐はじっくりためて指す棋風のせいか、激しく斬りこむチャンスを逃してしまったようである。上田の方も最後は鋭く決めたが、本来ならもっと激しく攻めこむところで慎重にっなているようにも見えた。やはりタイトル戦の重圧なのだろうか。これで、上田は女王に王手。
現在、里見の奨励会挑戦が話題になっているが、これを機会に女流棋士と奨励会の両立を全面的に認めるように制度変更してもらいたいものである。上田などは、若くて将来性もあるし、奨励会でも男性に負けずに指せそうだし、どれだけやれるのかを見てみたいような気もする。

囲碁将棋チャンネル

ゲストは伊藤果七段。関西の福崎文吾先生の面白トークなどは、かなり有名になったような気がするが、伊藤果先生も、独特なテンション高い巧みな語り口で相当面白い。
大山先生とテレビ東京の早指し棋戦で戦った際の思い出。当時は別格で神様のような大山との対局のために、初めて着物をつくり、しっかり着用してテレビ局に向かった。しかし、大山がいつまでたっても来ない。そこで、まだ若くて血気盛んだったので、周りの人に「もし、大山先生が洋服姿で来たら、ボクが絶対に勝ちます」と強気に宣言した。
そして、ものすごく遅れて大山が到着し、その姿をパッと見ると洋服姿。それで、伊藤はすっかり勝ったような気分に。すると、大山が、スタッフに「ゴザをちょうだい」といって、その場にパァーっとひろげるとスタジオでいきなり裸になり、風呂敷から着物を取りだし、1分間もかからないうちにサササッと着てしまった。
そして、一言「あぁ、お待ちどうさま」。その瞬間に、伊藤はもう勝てないと観念した。最初の勢いとは逆に、すっかり勝負の前から大山に圧倒されてしまったのだ。そして勝負でも粉々に負かされてしまった。
というキレイなオチつき。
他にも、高柳門下の若き日の弟子時代の話、風車戦法、夢の中でつくった詰将棋の話など、どれも話巧みで飽きさせなかった。

将棋日記 マイナビ女子オープン挑決 上田vs石橋

マイナビ女子オープン中継サイト

上田の先手で振り飛車模様に対して、後手の石橋が飯島流引き角を採用して、上田は向かい飛車にして▲8六歩を突く形に。今週の週刊将棋によると、石橋は里見戦でも引き角を採用していたとのこと。上田がうまく捌いて振り飛車ペースに。さらに、桂馬まで龍銀両取りをかけさせたかわりにと金をつくり、石橋の馬を詰ましてしまった。さすがにその時点でジ・エンド。後は指しただけになってしまった。
二人ともパワフルな終盤に定評があり、ねじりあいがみたかったところだが、一方的な将棋になってしまった。
上田は、日曜のネット最強戦で里見にひどい目にあわされたが、その悔しさをぶつけるかのような将棋で完勝。これで、マイナビは甲斐女王に上田が挑戦することになった。甲斐の振り飛車に対して、上田が居飛車にして穴熊を目指す感じになるのだろうか。里見も清水もいないタイトル戦になった。
石橋は序盤の仕掛けのあたりがよくなく形勢を損ねて全く力を出せずに終わった。やはり、序盤作戦がうまくいくかいかないかがハッキリしすぎているのが、石橋の弱点だという気がする。

矢内理絵子、女王になる、片上五段銀河戦決勝へ

すみませんね、なんかいきなりスポーツ新聞の見出しみたいで。でも、これを称号に選んだってことは、やれって言われてるも同然だし。素直に釣られてみただけだし。せめて「私を女王様とお呼び」っていうベタなのをやらなかっただけ、よしとしてもらわないと。
矢内ファンにひっぱたかれる前に、そそくさと将棋の話に戻そう。
戦前、甲斐さんの将棋をネットで立て続けに見て、これは矢内さんもちょっと危ないんじゃないか、と思っていた。実際、随所随所にはよい手もあったけれど、シリーズ全体としては、やはり矢内さんが圧倒していたという印象が強い。経験値の違い以外に、将棋一局を組み立てていく力で、甲斐散がどうこうというより、矢内さんが非凡なところを見せていたと思う。
本局でもそうだが、現代風の、よく言えばスピード感があって鋭い、悪く言えばこせこせした棋風とは正反対の行き方である。ものすごく、ふんわりとした感じのスケールの大きい将棋である。本局でも、▲6六銀が賞賛されていたようだが、盤面全体を大きく制圧するような手が目立つ。ここは攻めるだろう、というところでも、ひとつためたり、相手の攻めを事前に察知して受け止めてしまう二枚腰の指し方をしたりする。女流ということに関係なく、そういう個性がはっきりしているのが魅力的だ。
無論、詳しいファンはそういうことを以前から知っていたのだろうが、私自身を含めてそんなに熱心に見ていたわけではないファンにとって、このマイナビ女子オープンが、熱心なネット中継等でファンの関心を引いた功績も大きいと思う。「女王」の称号を、おちょくったりしたらバチが当たるだろう。
現代将棋においては、序盤作戦において、流行でダメとされている作戦は、ほとんどの棋士はすぐ回避する。しかし、矢内さんは、全く避けない。本局も、対後手ゴキゲンで、ほとんど惨敗の内容で連敗しているにもかかわらず、基本的には同じ作戦。相手の甲斐さんが先に手を変えていた。
第三局でも、定跡本には必ずのってはいても、いまやほとんどプロの実戦では見かけない△6五歩早仕掛けを決行。急戦に対しては、振り飛車の対策もかなり徹底して整備されているので、居飛車は持久戦がどうしても中心になる。しかし、本来この早仕掛けだって、はっきり振り飛車が良くなるというわけではなく、難しい互角の変化は結構あるはずなのだ。実際、甲斐さんの指し方に問題があったらしいにしても、矢内さんは控え室を上回る読みで快勝した。流行でない戦形のなかには、はっきり悪くなるというより、ただ何となく指されていない形がたくさんある筈だ。最新の流行形ばかり指すのでなく、そういうのをつつくブロがもっといてもいいのではないだろうか。そういう意味でも、矢内さんは、女流ということをこえて、貴重な存在といえそうである。
ところで一番女王の称号が似合いそうだと思うのは、個人的には山田久・・、もう、やめろっ。

銀河戦、片上五段が杉本七段に勝って、決勝トーナメント進出を決めた将棋を遅ればせながら見た。先手ゴキゲンの杉本さんがうまく立ち回って、後手片上陣はバラバラで、相当先手がよさそうに見えた。しかし、杉本さんが端から攻めて▲1三歩成と成ったタイミングに問題があったそうで、一気に片上ペースに。
解説は中田功さんで、こういう対抗形の端攻めの関係を知悉している人なので適任者だった。「こういう端の関係ひとつで、勝敗が決まってしまうことがある。」「居飛車に桂をも渡した時には常に注意が必要、その場合、居飛車が何枚歩を持っているのかがポイント」「振り飛車側から端攻めして端を破ると、相手玉を寄せるということ以上に、入玉がのぞめて自玉が寄らなくなるのが大きい。」等等、実に勉強になった。
まあ、基本的には美濃囲いの振り飛車側から端を攻めることはまずないのだが、本局のように逆に攻める展開になることだってある。ただ、本局も結局その端を逆用されて、一気に杉本さんは苦しくなってしまった。やはり、振り飛車側からいく場合は、相当成算がないとダメだということも学べた一局だった。
片上五段も、粘り強く指して、一瞬の間隙をついて体勢を入れかえ、最後は手堅くまとめたのが見事だった。これで二年連続決勝トーナメント進出。例年通り相変わらず勝ちまくっているようなので、今年こそは決勝でも勝ち進んで、さらに大きい飛躍をはたしたいところだろう。
コメントを承認制にさせていただいています。反映まで時間がかかりますが、お気軽にどうぞ。
Recent Comments
  • ライブドアブログ