日本を代表するチェスプレイヤーで全日本チャンピオンの小島慎也さんが主催したイベントCheck Mate Loungeで、羽生が世界的チェスプレイヤーのナイジェル・ショート氏と二面指しながら引き分ける快挙を成し遂げた。

NHKニュース 羽生2冠 チェス名人と引き分け

対局はショートと羽生・小島が二面指しで戦う二面指しで行われ、手番は羽生、小島ともに後手の黒番。(囲碁と違って白が先手で黒が後手。)
英国人のナイジェル・ショートは世界のトッププレイヤーで、チェスの世界ランキングでは51位。一方、羽生さんは日本では1位だが世界的では2828位と大差。
チェスでは将棋と比べると、はるかに引分けが多いがこのランキング差を考えると、やはり大変なことである。
この対局の模様はニコニコ生放送でも伝えられ。当日私も見ていた。私はチェスが全く分からないのだが、当日は初心者向けに分かりやすく解説されており、その私なりの要約は以下のような感じ。
ショートは普通使われない定跡を用いて何をしてくるか分からないが、羽生相手にはわりとオーソドックスな作戦を採用してきた。
左辺で激しい駒の取り合いになり駒数が減ってお互い駒数が8個ずつになった。将棋で考えると大変な少なさで引分けになりやすい展開になったとも言える。
但し、羽生が感想戦で述べたいたが、チェスの経験値がいきる展開にしてしまったようである。またショートの左下のポーンだけが残り、チェスではポーンが敵陣に到達すると将棋以上に強力な成駒になるので、それが課題として残り、ショートの方には勝ちの可能性があり羽生は引分けがベストという展開になったと解説者の方はいわれていた。
その後、問題のポーンをわりとアッサリとショートが取られる展開になり、さらにお互いの駒数が減り、ほぼ引分けが確定。羽生が一度、引分けを提案したがショートは最後まで指すことを選んで結局引き分けた。
最後、ショートが手を差し出すと羽生が会心の(いつもの)笑顔で応えて終局した。
以上は、将棋ファンが将棋ファンのために解説した当日のニコ生の要約に過ぎない。
残念ながら、小島さんは敗れてしまったが、当然ながら二面指しのプレッシャーを小島さんがショートにかけて引分けに貢献したことも忘れては成らないだろう。また、将棋ファンとしては、こういう素晴らしいイベントを見る機会を与えてくれた小島さんに感謝したいところである。
ありがたいことに、小島さんがブログで二局とも解説されているので、チェスに詳しい方はこちらを参照されたい。

Shinya Kojima BLOG

CHECK Mate Lounge Game Review Vol.1
(小島vsショートの解説)

記事より。
私もd4 が落ちた際はまずいと思いましたが、本当にそうなのか、簡単に結論を出さずに疑ってかかるべきではないのか、という思考は、実は羽生さんとのこれまでの対局や、対話の中で学んできたことです。

Check Mate Lounge Game Review Vol.2
(羽生vsショートの解説)

記事より。
羽生さんも彼らしい独創的な手で応戦します。一手渡して白の出方を伺う、といったところでしょうか。

チェスでも羽生得意の手待ちを使っているらしいのが興味深かった。

また、羽生と小島がチェスについて語ったラジオがYoutubeにあがっていて大変面白い。将棋では考えられないくらい楽しそうな羽生の肉声が聞けるので、是非お聞きください。

Youtube Check Mate Lounge Radio#1

以下、簡単に内容のさわりをご紹介。

羽生はチェスをやっていて、チェスの場合、将棋と違って相手の王様(キング)を詰まそうという考えがないことを知って驚いたそうである。チェスを始めてかなり年数が経ってから、やっとそれに気づいた。

羽生と小島が初めてチェスを指したのは、小島の所属する慶応大学でだったが、チェスの部室がなく、学食の片隅で指していた。中には羽生に気づいて、「ちょっと、あの人羽生さんじゃない?」と思った学生もいるかもしれない。
さらに、食堂のおばちゃんがやってきて、「もう時間だから。もう食堂を閉めるから、片付けてくれる?」と言われてしまったそうである。
チェスで、羽生vs小島と言えば、将棋ではの名人戦の森内vs羽生のようものである。それが、学食の片隅で遂行され、しかも食堂のおばちゃんには勝てなかったというお話。

今日は、チェスについて書いてから名人戦第二局も書くつもりだったのですが、長くなったのでもまた明日改めてにさせていただきます。