お金にまつわる、市場の歪みや隠された負担者の話を赤裸々に分析。
  
 自分の仕事の世界では常識だが、2003年時点で、リゾートマンションや管理不全の投資用マンションで、区分所有者が年間6万以上の管理費負担を求められ、だれかにこのババをわたそうと、極めて低価格で売りにだしている実態を赤裸々に描写している。
  
 また、この時点でのマンションに価格がついているのは仲介手数料のためで、実際は0円又はマイナスの価値しかない物件が宣伝されている。

 さらに、著者が指摘しているとおり、建物の一部が崩壊した場合には、所有者が責任を負う。将来的には危険な建築物として条例や法律で撤去を求められるかもしれない。その場合の負担も当然所有者が追うしかない(p234)。

 これはまさにババ抜き状態。

 また、不動産にはプライバシーがないという指摘も重要。

 不動産登記簿は誰でも見られるし、債務などが第三者に閲覧できる状態になっている。また、固定資産税評価額も2003年に制度改正がされ、自宅周辺の評価額や賃貸人が大家の土地建物の評価額を縦覧できるようになった。(p240)

 その他のお金のまつわる情報も有益。

 クレジットカードが一部は無料で発行され、購入者に追加負担なしに使用できるのは、商店に手数料をかけ、そして商店に支払いこむ時期を遅らすことでカード会社が収益を得ているから。しかし、商店も利益をあげなければいけないので全体としてそれらの負担を現金支払いの消費者に薄く転嫁していることになる。(第1章2)

 歯医者の友人がクレジット決済を嫌悪していた。これは医療保険で価格が決まっていて、医療保険で治療している限り、クレジット決済に伴うコストを現金支払いの患者に転嫁できないので、そのコストを歯医者が全額負担することになるため。
 そうすると、真面目に医療保険内で治療をする歯医者が馬鹿を見るので、保険外診療を進めたくなるインセンティブがでてくる。

 このようにお金や決裁システムでの無料や低価格には一定の隠れた負担者がいるので要注意。

 この本は、少なくともリゾートマンションの情報などは、業界では周知のものをわかりやすく素人に伝えるもの。

 お金にだまされないために、その他の分野も貴重な情報だと思う。