まず、子ども向けの本として読む必要あり。
 
 その上で、生物の絶滅理由について、地球環境の大規模な変化とライバルの出現で説明している点。

 第一の地球環境の大規模な変化の解説については、6000万年前の隕石の衝突によるティラノサウルスなどの恐竜の絶滅(118頁-200頁)、ヨウスコウカワイルカの揚子江の環境破壊によるぜつめつ(122頁-123頁)など、一定の仮説ではあるものの、素人が読んでも説得力のるものが多い。
 
 後者のライバルの出現によって説明している部分(第一章 油断して絶滅、第二章 やりすぎて絶滅、第三章 不器用で絶滅)の部分については、いわゆる自然淘汰の理論が背景にあり、仮説は話としては面白いと思う。

 ただし、最近読んだ、『遺伝人類学入門』http://blog.livedoor.jp/shoji1217/archives/1071856975.htmlで指摘されていた、突然変異のほとんどは進化に対して中立的であり、近年は通説化して「中立理論」と呼ばれている、という指摘を踏まえると、どの程度、ライバルがでて、生存競争に負けたという仮説が説得的なのかよくわからない。

 少なくとも、まず、絶滅の要因が環境面、他の生物など多様かつ複雑ではないかという点、また、一定の規模の大小の違いが少ないグループを絶滅させるといった数学的な説明も可能ではないかという点など、いろんな指摘ができそうに思う。

 その意味では、絶滅理由にはいろんな説もあるけど、ダーウィンのいった自然淘汰説に近い考え方だと、こんな説明もできるね、ぐらいで理解したらいいと思う。

 でも、眺めているととても楽しいし、長い時間の経過と今後の人類の行く末を考えるうえでは、貴重な夏休み向けの読書本。