革新的国家公務員OBが語りたいこと・伝えたいことー自由と民主主義を信じ国益を考えるーAiming at an innovative official of the national government

36年の公務員生活で培った「防災・復興法制」「都市計画法制」の知識を広く共有するため、書評を通じて、関係する新しい論点を示します。なお、意見にわたるものは個人的なものであり所属する(した)組織の意見や立場ではありません。

2011年02月

富田和暁ほか編『新版 図説大都市圏』を読みました。

図説 大都市圏図説 大都市圏
(2010/06)
不明

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   これもかばちゃんの推薦。  個人的には、岐阜と兵庫県の都市計画関係の勤務の経験から、都道府県の枠を越えた大都市圏行政は現時点でも非常に大事だと思っている。  例えば、大規模店舗の立地誘導は、兵庫県だけではできず、大阪府、大阪市と共同してやらなければいけないが、利害が対立して、うまく調整ができなかった。  この本は、最新の大都市圏の情報を提供している。 ①人口研の推計では、東京圏は都心部は、2035年でも人口増加、大阪、名古屋圏は、ほぼ横ばいと、人口動態が変化してくる。ただし、郊外が人口減になるのは同じ。(p25) ②福岡大都市圏は、商業、人口などとも成長しており、九州の中で一人勝ち。(p86) ③北京は、スプロールの結果、南部にスラム、北部に高級住宅が立地している。(p107)  この本は、海外の大都市圏の事例もコンパクトに紹介されており、便利。

川口マーン惠美『サービスできないドイツ人、主張できない日本人』を読みました。

サービスできないドイツ人、主張できない日本人サービスできないドイツ人、主張できない日本人
(2011/02/01)
川口マーン恵美

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  日曜日は、軽いエッセイを読みました。  購入の契機は不明。どこかの新聞の書評にのっていたかも。  ドイツ人と結婚した日本人が、地場の感覚から、日本とドイツを比較。 ①ドイツでは、メーデーに、全国各地で暴動が起きている。(p87)  ドイツでも警察が警備にがんばりすぎると批判されるらしい。でも、日本は、全共闘時代から後は、暴動はないな。 ②南京事件について、ドイツでは、30万人殺害という事実が広く伝わっている。(p98)  著者は、日本人はもっと日本の主張を指摘すべきという。そのとおりだと思うが、南京事件についての公平でちゃんとした分析を自分は知らない。  これも勉強のテーマだな。 ③ドイツでは、10歳のときの国語と算数の成績で将来の学校が決まってしまうが、おちこぼれの学校の混乱がでているなど、問題が発生している。(p187)  日本の大学全入時代など、本当にめぐまれている。  ただ、ヨーロッパで一番、経済、政治で元気なドイツは、ウォッチをし続けていきたい。

神谷美恵子『生きがいについて』を読みました。

生きがいについて (神谷美恵子コレクション)生きがいについて (神谷美恵子コレクション)
(2004/10/06)
神谷 美恵子

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大学生時代に読んだ記憶があるが、あまり感動した記憶がない。  神谷さんは、精神科医であるとともに、ハンセン病の愛生園にかよっている。  ハンセン病の患者は、当時は生きて島からでることのできなかった。その患者が、何にいきがいをみつけて、生きているかを一つの題材に、神谷さんはこの本を書かれている。  自分もあと定年まで8年という時期にさしかかった。  若いころに、お国のお役に立ちたいという目標で役人になり、補佐時代、企画官時代と全力で仕事をしてきて、今、一番、力がでる課長になったのに、政治情勢が不安定で、長期的な思い切った政策が打てないことに、自分は、いらだちを感じていた。  そういう自分に、神谷さんの言葉は、なぐさめとはげましをくれる。 ①生きがい感には、自尊心の昂揚からくる思い上がりがしのびこみやすいのであった。(p47) ②多くの人は、子孫とか民族国家、文化社会、人類の進歩や発展に夢を託し、その大きな流れの中に、その一部としての自己の未来性を感じ、それを支えに生きていく。(p63)  確かに、こうやって日本をよくしていくというメッセージが今一番求められていると思う。 ③一個の人間として、生きとしいきるもにこころをかよわせる喜び、ものの本質をさぐり、考え、理解する喜び。(p267)  この本は、落ち着いて人が寝静まった時に、もう一度よんでみたい本です。落ち着いて努力する希望を与えてくれます。

『学校では教えてくれない本当のアメリカの歴史 上下』を読みました。

学校では教えてくれない本当のアメリカの歴史〈上〉1492~1901年学校では教えてくれない本当のアメリカの歴史〈上〉1492~1901年
(2009/08)
ハワード ジン、レベッカ ステフォフ 他

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アメリカの歴史を、アメリカに厳しい観点から、自虐的に分析した本。  コロンブスのアメリカ発見から、湾岸戦争、テロの戦いまでを、アメリカの裏側から分析。特に、学生用に優しく書いた本を日本訳したもの。  日本人の自分からみると、そうだよなと思う点が多い。なんで、そんなにアメリカが対外強攻策をとるかがわかる。 ①アメリカ独立戦争時には、アメリカ市民が団結していたのではなく、白人と黒人、インディアン、主人と奉公人など様々な対立があった。(p91) ②アメリカは挑発行為をして相手方に攻撃させてから、議会の了解をえて戦争を仕掛けるのが常習。ルイジアナをメキシコから奪った戦争、キューバを奪った米西戦争、ベトナム北爆を始めたトンキン湾の攻撃など、みんなそう。  思わず、日本の真珠湾攻撃も常習戦略にはめられたのではないかと想像してしまう。 ③イスラムの米国への批判は、ア サウジアジアというイスラムの聖地に異教徒であるアメリカ軍がいること、イ イラクの経済制裁が医療品などによって被害がでていること ウ イスラエルを支援していること。(p170)  イスラムの思想はもっと勉強しないといけないが、イスラム側からみた視点というのが重要だと思う。

石田頼房編『未完の東京計画』を読みました。

未完の東京計画―実現しなかった計画の計画史 (ちくまライブラリー)未完の東京計画―実現しなかった計画の計画史 (ちくまライブラリー)
(1992/02)
石田 頼房

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 これもかばちゃんの推薦。  残念ながら絶版。しかし、自分の知らなかったいろいろな東京での計画案が紹介されている。 ①東京湾の築港計画は、横浜の外国人生糸商人の反対で挫折した。(p49)  伊丹と関空の一体管理よりも、東京港と横浜港、大阪港と神戸港の一体管理の方が必要だと思う。バックヤードも含めて、無駄、重複的な整備になっていると思う。 ②今の木賃ベルト地帯には、1900年頃、近郊町村区画整理計画があった。(p91)  実際には、無秩序なスプロールが進んでいて、その負の遺産が今の続いている。 ③イギリスやドイツが、戦災復興の過程で、新しいプランだけでなく、新しい制度をつくって対応した。(p167)  この言葉にひっかかった。確かに、日本の戦災復興は、東京では、新宿、渋谷など限られた地域の土地区画整理事業に限定されたが、イギリス、ドイツはどんな制度を考えたのか。  より、深く勉強してみたい。
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