革新的国家公務員OBが語りたいこと・伝えたいことー自由と民主主義を信じ国益を考えるーAiming at an innovative official of the national government

36年の公務員生活で培った「防災・復興法制」「都市計画法制」の知識を広く共有するため、書評を通じて、関係する新しい論点を示します。なお、意見にわたるものは個人的なものであり所属する(した)組織の意見や立場ではありません。

2013年01月

赤坂憲雄『東北学』を半分読んで、柳田民俗学への批判の書だなと知る。

東北学 忘れられた東北 (講談社学術文庫)東北学 忘れられた東北 (講談社学術文庫)
(2009/01/08)
赤坂 憲雄

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 赤坂さんは、国の復興推進委員会の委員にもなっていて、3.11に関しても論考を出している。  ここは、東日本大震災をきちんと理解するために、赤坂さんの3.11以前の本を読んでみようと思った。  この本は、赤坂さんの東北学の初期のもの。  一言で言うと、稲作文化を中心とした柳田民俗学への批判、稲作文化、ヤマト文化以前の東北独自の文化の尊重というのが一貫した視点。  静岡という温暖の地で育った自分には、稲穂のたれる田園風景はなじみのあるものだが、雪深い東北では、それが極めて最近のもの、そして、それが昭和の厳しい飢饉などの背景にあることを知る。  東北独自の視点の民俗学をさらに深めていきたい。東北への暖かいまなざしが今一番大切で、そのためには東北を理解することが前提と考えるから。

池上彰『学び続ける力』を読んで、随分、軽いタッチの本。

学び続ける力 (講談社現代新書)学び続ける力 (講談社現代新書)
(2013/01/18)
池上 彰

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 池上さんが、東工大の教養の先生になって、やさしく政治をかたったことをまとめた本。  本当にわかりやすいことしか書いてない。そもそも教養ってなんだ、なんて入り口論もしない。  教養を議論する本として、読書について、ショーペンハウエルの『読書について』、福沢諭吉の『学問のすすめ』もべたな感じだな。  でもこれすら読んでいない大学生はまずいから、その意味では大事なことだと思う。  これっと紹介するフレーズもないが、紹介されていた本で読んでみたいとおもった本。  『メソポタミア文明入門』(岩波ジュニア文庫)、『「Gゼロ」後の世界』(日本経済新聞社)

池谷裕二ほか『脳はこんなに悩ましい』の前半を読んで、健康に読書して少しずつ賢くなる喜びをかみしめる。

脳はこんなに悩ましい脳はこんなに悩ましい
(2012/12/21)
池谷 裕二、中村 うさぎ 他

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 池谷先生は、わがふるさと藤枝が生んだ天才脳学者。  風邪あけの今朝は、おもしろい本をよもうと思って買ってきた。完調にもどったら、都市計画とか東北の本をばりばりよみたい。  ちょっとならし運転中。今朝も全部は読めなかった。 (1)ひらめきをえるための4ステップ。まず、問題意識を持つこと、次にその問題について考えるのをやめようと思うこと、三つ目に実際に考えるのをやめること、すると実際に思いつく。(p41)  これ、冗談のようだけど本当だと思う。一晩ねると解決みたいなことって実際にもある。 (2)覚えるためには出力せよ。(p65)  話したりしているうちに自分の意見が整理されてくるのはよく感じること。だれかを相手にして意見を述べているうちに頭が整理されてくることがある。 (3)脳は都会に住むようにできていない。(p90)  これから、都市縮退の時代、脳に気持ちのよい自然を都市のなかにつくるのが大事だし、みんなが自然とおちつくてくるんじゃないかな。  あしたからも、ぼちぼち読書を始めます。

北岡伸一『国連の政治力学』を読んで、一流の学者が外交官をやってみて、外交努力の一面がよくわかる。

国連の政治力学―日本はどこにいるのか (中公新書)国連の政治力学―日本はどこにいるのか (中公新書)
(2007/05)
北岡 伸一

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 すこし前の本。風邪あけなので、よみかけてになっていた本を読んでみた。  北岡さんは東大の教授だが、一時的に日本の国連次席大使を行い、ちょうどその際にもえあがった日本の常任理事国入りの運動に参加された。  結果は失敗だったが、日本の外交活動の表裏がよくわかる。  役人同士でも、外務省は海外にでて、パーティとか講演会とかイベントばっかりやっているイベントやだなと思う節があるのだが、その面もないが、それが、日本の常任理事国入りという明確な戦略をもって、行われるのであれば、イベントでも、まあ、無駄ではないのだとわかる。  また、日本の省庁調整も理屈と人間関係による微妙な時間のかかる調整だが、外交も同じ。結局は平等な関係での合意形成に、これっという特別な解決策はないのだなとわかる。  政治学とか行政学の学徒は、一定期間、国の行政機関に所属して、実地を経験してから、学者生活に戻るといまのような現実ばあれした議論、なんの役にも立たない議論から逃れられるのではないか。

「季刊まちづくり37号」を読んで、いつも通り力作だが、石巻は再開発事業にこだわりすぎではないか。

季刊まちづくり37季刊まちづくり37
(2013/01/15)
(有)クッド研究所/(株)学芸出版社

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 いつもは何も季刊まちづくりに批判的な意見はもたないが、いくつか今回は気づきの点。 (1)西村先生のスカイツリー論。景観問題もあるが、そもそもこのBSの時代に、地域局を活かすための地上デジタル塔を新しくつくったという、反時代性をどう考えるのか。離島にはちゃんとBSで全局ながれていますよ。本土はスクランブルかけているけど。全局BSで流せるのは当然。 (2)石巻のまちなかの再生については、大地主さんが、災害公営をもってきてやるタイプの市街地再開発事業をまあ、なんとかなるとしても、通常の高松丸亀をまねたような、商業系の再開発が成り立つのか。高松丸亀の実態を知っているのか。そもそも、衰退している商店街に床を積みまして、そこで事業費を回収する手法が成り立つと思っているのか。  神戸の長田町の反省が活かされていない。再開発コンサルタントというグループが再開発をしたいと思っているとしか思えない。津波復興拠点で、土地を市有化して、土地代ゼロにして、仮設的な簡易な建築物で事業収支をあわせていくのが筋だと思うが、もう手遅れなのかな。  浪江の話は、建築学会の今月号の特集と一緒によむを理解が深まると思う。
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