革新的国家公務員OBが語りたいこと・伝えたいことー自由と民主主義を信じ国益を考えるーAiming at an innovative official of the national government

36年の公務員生活で培った「防災・復興法制」「都市計画法制」の知識を広く共有するため、書評を通じて、関係する新しい論点を示します。なお、意見にわたるものは個人的なものであり所属する(した)組織の意見や立場ではありません。

2013年07月

「人と国土21,2013.7」を読んで、集落地域の小さな拠点というのはよい発想かも。

 旧国土庁系の雑誌「人の国土」  あんまり注目していなかったが、机の上にくべられてきて、ぺらぺらみたけど、集落地域の小さな拠点というのは、いい発想かもしれない。  従来のはこもの行政ではなく、建物はいっぱいあいているので、その中で中心的な集落の空き家をうまく活用して、住民サービスの拠点をつくる。  これに林直樹さんが提唱している、奥の集落を中心的な集落に移転させて、奥の集落から撤退してくるという発想がうまくマッチしたら、結構おもしろそう。  ただし、役所の施設をもってくるとか、何か、箱物をつくるというのは絶対だめ。今、集落に必要なのは機能であって、施設そのものではないので、そこを間違えると、施設はあっても中身がからっぽになる。  そこまでの発想なり、注意深さまでは感じられないが、「小さな」拠点というフレーズにちょっと関心を持った。

内田樹ほか『脱グローバル論』を読んで、地域社会の様々な観点からの共同体って大事だと思う。

脱グローバル論 日本の未来のつくりかた脱グローバル論 日本の未来のつくりかた
(2013/06/11)
内田 樹、中島 岳志 他

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 内田樹さんとか平川克美さんとかいつものメンバーに若手のイケダハヤト、高木新平さんなどが加わった講演録。  一つ、ピントこないのが、グローバリズム自体が国民国家を溶かして行ってしまうという話。  結局、Googleだって、アイルランドの税金納めているわけで、国民国家から逃げることはできない。  ただし、労働力の安い国へどんどん製造工場を移していくことによって、日本の地域社会が崩壊することはありえる。  その時に、無理に、日本にトヨタの工場を作るといっても無理なので、少ない所得でも豊かに暮らせる地域社会、自治会とかしばりがきついものではなくて、なんとなく、集まるようなゆるい共同体の必要性については理解できる。  そういう、競争社会からちょっとぬけた、ゆるい人間関係、社会構造と、グローバリズムのような厳しい競争社会が両立するような形が一番いいんだと思う。  後者ばかりだと、脱落者だかけになってしまうので。

山田雅夫『スケッチは3分』を読んで、こんなにすらっとスケッチできたらいいな。

スケッチは3分 (光文社新書)スケッチは3分 (光文社新書)
(2006/11/16)
山田 雅夫

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 仕事を始める月曜日。軽い本がいいなと思って未読の山から新書を掘り出した。  著者は都市計画のプランナー。都市計画のプランナーの方にはスケッチの上手な方が多い。  こんな風にスケッチ書きたいな。  万年筆と黒のボールペンと黒の鉛筆だけ。  原則は、陰影はかかない、定規はつかわない、右上にむかって書く、風景では書くラインの焦点を合わせるといった話。  これでうまくかければいいんだけどな。  ちなみに、小生、授業中、先生の似顔絵をいつも描いていたので、似顔絵をちょこっと描くのにはちょっと自信あり。  あんまり関係ないか。

辻村みよ子『比較憲法』を読んで、日本の憲法って、各国憲法のいいとこどりだなと思う。

比較憲法 新版 (岩波テキストブックス)比較憲法 新版 (岩波テキストブックス)
(2011/03/17)
辻村 みよ子

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 積ん読のやま、眺めていたら法律学のテキストがあった。  比較憲法というと、自分の学生時代は樋口洋一先生のものが有名だったが、最近はこれからと思って昔購入したような気がする。  自主的に四連休にしたので、最後の日に一気に読んでみた。  日本の憲法は、司法権のスタイルはアメリカ方式、議会と内閣の関係、内閣と君主の関係はイギリス、基本的人権のところは、フランスを参考につくっているから、まあ、いいとここどり。  マッカーサーノートから無理矢理日本の役人たちが修正した部分、ささいなところが多いが、一つは二院制。丁寧な審議をするためとかいっているが、ねじれがなくなるというのは参議院の必要性がなくなるということ。  衆議院多数の与党がねじれを亡くすると言っても主張としてはありえるが、それなら、なんで参議院っているのかと反論してもよかったね。(p173)  日本の議会と内閣の制度も微妙だが、まったく独立しているアメリカ、大統領制を中途半端にいれて大統領と首相がねじれるフランスなど、奇妙な制度も多い。これっていう決めてがないんだな。  ちなみに、日本は先に書いたとおり、英国型だが、いまの政権は5年間解散権を封じているので、これもちょっと特殊。  国民投票については、国政に関しては日本はちょっと規定があるがほとんど機能していない。なんとなくひけめに感じていたが、ドイツはヒットラーが国民投票を多様して権限をとったことからドイツ憲法は国民投票の規定はないとのこと。(p229)  国民投票も、いいことばっかりではないと世界の歴史が教えている。  一応法学部をでたので、おかげさまで法律の本をよむのは得意なので、いくつか新しい論点をご紹介でした。

澤地久枝ほか『日本海軍はなぜ誤ったか』を読んで、組織から突出した能力の人ははじかれたことを知る。

日本海軍はなぜ過ったか――海軍反省会四〇〇時間の証言より日本海軍はなぜ過ったか――海軍反省会四〇〇時間の証言より
(2011/12/07)
澤地 久枝、半藤 一利 他

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 憲法改正とか議論になるので、やっぱり戦争の歴史を勉強しなおす必要があるな、となんなく思っていたら、いつ買ったのかわすれたが、海軍反省会のまとめの3人の鼎談の本がでてきた。  海軍善玉論という議論があるが、どっちもどっちで、国の途を過ったことには違いはないと思う。 (1)半藤:組織というのは、不思議なくらいに少し飛び抜けて一歩進んだ人はいらないんです。(p68)  組織人としてわかるけど、その邪魔だけで優れた人を活用していかないと、途を誤るということだな。 (2)半藤:軍隊というのは抑止力として戦争をしないための力として存在であるのに、それを軍隊の方が率先して自らの判断で戦争だというのは、そのときに負けたんです。(p103)  半藤さんも澤地さんも自分の親世代で、自分の親たちと同じく、空襲の経験や外地からの引き上げの経験を持っている。そういう戦争の経験のある人の言葉を大事にしたい。空理空論に陥らないためにも。
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