山崎真司『ダイエットの心理学』

 今日は14:30分から15:30分まで「さいころセミナー」という心理学のセミナーでした。僕の働くカフェでやったんですけど!
 このセミナーのコンセプトとして「フロイト、ユング、パウムテストには興味がありません! コフカ、実験心理学などに興味がある人は私のところまで来なさい!」というような、いかがわしい心理学*1を追放すること。
 世にはびこっている心理学の俗説*2について正しい知識を与えることでした。

1.そもそもダイエットする必要はあるの?
 こういう問いを立てられては元も子もないわけですが、カロリー摂取のピークは50代で、20代は意外と少ないんです。
 これには朝食を抜く習慣やダイエット志向が流行ってるのではないかとのことでした。
 でもこれじゃあセミナーの意味がないので、いかに多く食べたかと脳に錯覚させるかが大事とのことでした。

実験1:骨付きチキンがあります。骨を片付けるのと、骨を片付けないのとどっちが多く食べたでしょう。
 という研究とか。これは食べたものを可視化することで食欲が抑えられるという研究結果が出ています。
 これは、恐らく、食べたものを常に見せつけられることで、いろいろなこと*3を思いうかべるのではないかと僕は考えています。これ以上、食べたら太るとか、そういえば健康診断で、とか云々関係。
 徳川家康は自分が負けて逃げ出すところを絵に描かせたと言われていますが、それによって自分を戒める働きがあったのではないかと思います。

実験2:ゼッタイ食べちゃダメ、好きなだけ食べてもいいよ、今はダメだけど後でなら食べてもいいよ、という3グループにそれぞれポテトチップスの袋を渡します。そして監督がその場からいなくなります。さて、一番食べた量が少なかったグループは?(参考リンク
 という研究とかは、バタイユのエロティシズムを思い出しました。ゼッタイ食べちゃいけないと言われると余計に食べたくなる。そしてなし崩し的に食べてしまうそうです。ちなみに「ゼッタイ食べちゃダメ」は4.2袋、好きなだけ食べてもいいよ」というのは4袋だったので、統計誤差の範囲だと僕は思っています。
 ただ「あとで食べていいよ」グループの2.4袋は明らかに効果があったことを物語っています。
 ちなみに「あとで食べていいよ」というのでもただ漠然と「あとで」と言った方がいいらしいです。

実験3:錯視を利用して……
 錯視、というのは例えば左の絵でどちらが大きいでしょうということ。Ebbinghausarealillusion実は同じ大きさなんですがこれは大きく見えますよね*4。この錯視を利用しているのが、取り皿を小さくするということです。周りが小さいとなんだか同じ分量でも取り過ぎてる気がしたり、逆に皿が大きいと何だかついついたくさん取り過ぎてしまう、という経験は誰にでもあるはず。
 これを利用して野菜は大きめの取り皿に、肉類は小さめの取皿に取るほうがいいのではという意見も出されました。
 色の錯視なんかも効果的だそうです。例えば赤いソースに赤いパスタだと何ともないですが、白いソースに赤いパスタだと多めに見えるらしいです。

続ける心理学
 3週間で身につく、の信憑性は文献を辿っていくと怪しいことが解ります。というのも手足を失った人は3週間でそれを意識しなくなるという経験論に基づくものだそうです。このことから3週間で習慣化するということが指摘されるようになりました。
 しかし、これは人によっても差がありますし、何より激しい運動を三週間連続でしても四週目からは……? ということです。

 さらにはポイントカードをつけると良いそうです。例えば、運動したら1ポイントとか、間食をしなかったら2ポイントとかつけます。それでポイントが溜まったら服を買うなど、自分にご褒美を上げるわけです。
 講師の山崎さんはダイエットじゃなくて学習塾のブログとかに使っていました。これで2日に1回は更新するようになったとのことです。

*1 もちろん精神分析も文学の方法論としては認めている。
*2 ウソをつくと目を右上にやる、とか。ボディタッチすると説得力が上がる、とかは程度問題で、何%かも含めて言いましょう、とのことでした。
*3 哲学用語でいう「地平」である。
*4 メルロ=ポンティなんかがコフカの影響を受けて論じている。

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