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『パン屋再襲撃』(パンやさいしゅうげき)は、村上春樹の短編小説。

その頃「僕」は法律事務所に勤めており、妻はデザイン・スクールで事務の仕事をしていた。2週間ほど前に結婚したばかりだった。
二人は深夜に突然、耐え難い空腹を覚える。それは昔「僕」が親友と行ったパン屋襲撃(共産党員のパン屋主人を襲う)の失敗が、夫婦に呪いとして降りかかっているせいだと妻は説明した。「僕」たちはかけられた呪いを解くために散弾銃で武装し、再び襲撃を目論むが、夜更けの東京に開店しているパン屋はなかった。そこで妻はマクドナルドを襲うことを提案し、「僕」は促されるまま実行に移す。

 最初に襲った共産党員の個人商店のパン屋主人、次に襲うマニュアル対応の巨大企業マクドナルド。マルクス主義と資本主義の対比のようにも受け取れるが・・・。

「それはどう考えても犯罪と呼べる代物じゃなかった。それはいわば交換だったんだ。我々はワグナーを聴き、そのかわりにパンを手にいれたわけだからね。法律的に見れば商取引のようなものさ」
「でもワグナーを聴くことは労働ではない」と妻は言った。
「そのとおり」と僕は言った。

耐え難い空腹を満たすために、パン屋を襲撃するなど当然、犯罪である。
空腹から暴動に発展するのだ。
くだらない動機(動機すらない場合もある)で、人や国家は犯罪行為を平気で実行するということを表現しているのだろうか。
犯罪行為で満ち溢れている社会を国は救うことはできない(国も犯罪行為に手を染めまくっているから)。

共産主義の弱点を補おうとすれば、資本主義に近づいていく。
資本主義の弱点を補おうとすれば、共産主義に近づいていく。
つまり共産主義と資本主義は表裏一体、あるいは360度の位置である。
要するに、どっちも一緒である。
主人公の飢餓と空腹感は永遠に埋まりそうにない。

村上春樹の小説も、ワーグナーの音楽も巨大資本のおかげで、本やレコード(CD)を大量生産でき、世界中の人々が触れることができる。ある意味、マクドナルドのハンバーガーと一緒である。しかし村上春樹の小説やワーグナーの音楽は唯一無二である。
個人として生きていくには、どうしても資本とコミットメント(村上春樹のいうコミットメントとはやや意味が違うかも知れないが)する必要があるという矛盾。


ということを村上春樹は言いたかったのだろうか。

「どうしてこんな変な話を思いついたのか、今となっては記憶が辿れない」
村上春樹

新装版 パン屋再襲撃 (文春文庫)
村上 春樹
文藝春秋
2011-03-10




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