『鏡に映った自己』
自我には3つの要素が必要となる。『他人に自分がどう写るのかという想像』『他人に自分の行動がどう写るのかという想像』『それに対する自分の矜持や屈辱感などの意識』である
アメリカの社会学者C,H,クーリー (1864-1929)
また人生の転機が来た。だが、時は規則正しく過ぎて行く。漠然とした毎日が、長い鎖のように続く。しかし、突然、それが変わった
「悪の巣窟」を一掃するというトラヴィスの心理はベッツィーとアイリスを発火点としてついに現実に動き出したのである。
マグナム、38口径、コルト25、ワルサーの4丁の拳銃、加えて、メキシコ製ホルスターを手に入れ、
なまった体を鍛え直すため、きつい訓練を開始する。毎朝、腕立て伏せを50回、懸垂も50回。薬の乱用や粗食は止め、健康の回復に努めて、全身の筋肉を強化する
自己改造に努め、銃の早撃ち訓練に励む。そう、鏡に向かって。
You Talking To Me? 俺に用か?
You Talking To Me? 映画史上に残る台詞である。
俺はここだ、やってみろ。やれって言うんだ、やれよ。止めとけ、バカ。俺に用か?どうなんだ?誰に言ってるんだ、俺か?俺しかおらん。一体、誰と話してるんだ?
これは左で銃を撃つ練習ではなく、鏡に映ったトラヴィスである(トラヴィスは右でしか銃を発射していない)。
トラヴィスは鏡に向かって、話す、銃を構える、ポージングを繰り返す。
ポージングを繰り返す・・・全ての男がこのシーンに痺れたはずである。
俺に用か?→銃を向ける、このシーンこそこの映画の全てである。このシーンにトラヴィスという男の何たるかが、全て詰まっている。
ポージングを繰り返す・・・ポージングによってイメージを喚起させるトレーニングが必要な人種はファッション・モデル、ミュージシャン、アクター、プロレスラー、などの表現者である。
それ以外は『鏡に映った自己』をメタファーではなく実際にやる者は自己顕示欲の激しいナルシストである(逆説的だがナルシストでなければ芸能人として生きられない)。
トラヴィスは自己陶酔型の妄想戦士である。そして自己に厳しく鍛錬し、実行に移すという口だけの男ではない。そこに世の中の男達はトラヴィスに対して憧れを抱くのである。
この映画は決して女からは話題にならない。男の映画である。
続く
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