愛と誠 第5巻 (1)


~愛と誠~の着地点を考える

最終す巻で愛と誠は抱き合い、大団円を迎えた。
が、ここまでの無理やり、無理くり、ごり押し、のパワー・プレイのストーリー展開とラストの誠の死(ただ私は奇跡の生還を信じているが)に私は納得がいかないのである。


この漫画の展開を大雑把に紹介すると、

①名門・青葉台学園でのラグビー部主将城山&ボクシング部主将火野との学園内抗争+隣町の不良高校生集団と乱闘事件

②悪の花園実業高校での影の大番長高原由紀&影の校長座生権太との抗争

③悪の花園実業高校を舞台に緋桜団団長・砂土谷峻との抗争

④日本の闇との抗争

⑤大団円

この抗争好きな太賀誠の勝手気ままな行動に早乙女愛は振り回されるも、誠のいるとこいるとこ追いかけ回し、岩清水弘は愛のいるとこいるとこ追いかけ回すという・・・・。

まぁ、とにかく②以降は殺伐とし、絵も暗い(砂土谷峻には笑わせてもらったが)。暴力団も巻き込んだ荒唐無稽にも程がある展開である。
④になると暴力団はおろか政治家まで巻き込み、ロッキード事件を彷彿させる汚職行為が早乙女家を襲い、誠が真相を暴きに一人で乗り込むという、もう、どんだけ~とやす子ママのように、もしくはチョコレートプラネット松尾のように声を張るしかないのである。

となると、どの時点で愛と誠というドラマを終わらせるのがベストなのか。
私はそれだけを何十年と悩み、考えた。この長い年月を英会話スクールにでも充ててれば、唐突に外人から道を聞かれても、I can’t speak Englishで逃げなくても済んだかも知れないのである。
日本なんだから、日本語でしゃべれよ、と心の中で毒ずくこともなかったのである。
I beg your pardon?くらいは言って、正々堂々と、I don't Knowとぶちかましてやれたのである。
もしくはアロマ・テラピー2級の資格でも取って部屋内を芳香させ、患者に「ストレスですよ、結局」と何でもストレスで片付けるテラピストになれたかも知れないのである。もしくは、ってもういいよ、しつこいな。


まぁ、とにかく勝手に物語を創作してみよう。
①の隣町の不良高校生集団と乱闘事件で石攻撃を浴びて傷ついた愛を、誠がお姫様だっこして、目が覚めた愛とキスして、THE END。学園暴力漫画の終わり方として一番牧歌的で能天気でいい方法なのだが、この展開ではとんでもない弱点が潜んでいるのである。
とんでもない弱点とは、高原由紀が登場しないのである。あの魅惑の高原由紀がいない愛と誠など、
クリープを入れないコーヒー、
いやサモラーノがいないチリ代表、
いやプロスト不在の1992年F1、
いや、牛丼がない吉野屋、
嗚呼いい例えが浮かばないほど、高原由紀の存在は重要なのである。
となると③まで持ち越し、高原由紀を精神的に倒した誠と愛を狙う座生権太との金網デス・マッチ、死闘を制した誠は愛を抱きしめキスして、THE END。これでいいんじゃねえの。
だが、一人忘れてはいませんか、お客さん。
ある意味この漫画の裏主人公のことを!!
そう、無法の上の大無法、暴力の上をいく仁義無用の大暴力軍団、緋桜団団長・砂土谷峻の出る幕がないのである。砂土谷がいなければ岩清水の消火器攻撃がお蔵入りだ。ホセ・メンドーサのいない「あしたのジョー」があり得ないように、砂土谷峻のいない「愛と誠」などあり得ないのである(そうでもないか。ホセと砂土谷は比べる対象ではなかったな)。

ということは、誠vs砂土谷の一騎打ちで、砂土谷は親指をもぎ取られ、とばっちりのアリスはやけっぱちのアリスになって「私の負けね」とつぶやき去って行き、誠と愛はキスをして、THE END。
これでいいんじゃね?

いや、私は悪の花園実業高校シリーズに今ひとつ乗れないのである。
では、隣町の不良高校生集団と乱闘事件を制し、ラスボスの花園実業高校と抗争を繰り広げるというのはどうか。もちろんじらしてじらして大番長の高原由紀が登場し、由紀のバックには砂土谷峻が控えるという。権太はこの際隣町の不良高校生集団の白痴ボスということで。

何だよ、何十年と悩んで考えてこの程度かよ、と自分を激しく責めたい感じである。

また機会があったら「愛と誠」の記事をUPしたいと思うのである。

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