Be Silent-

プレイバック 制作ディレクター回想記 音楽「山口百恵」全軌跡
川瀬 泰雄  (著)

 ~プレイバックPart2の攻防~

やはりスリリングだった、プレイバックPart2の章が興味深かった。

当ブログによくコメントをしてくださる2人にもそういう指摘があった。

*一番気になるのは、いったい何時百恵ちゃんは曲を覚えたんでしょうか?特にプレイバックの時はレコードのプレスを止めて曲待ちみたいに書かれていますが、音入れもあれば、百恵ちゃんの歌いこみもないと、一発であのレベルだとは信じられません。
KIDさんより KIDさん百恵ブログhttp://ameblo.jp/fkearth/

* 川瀬氏の回想によると、山口百恵には曲が決定するまでデモテープは渡さなかったそうですから、プレイバックパートⅡはレコーディングの当日の朝まで百恵は曲を聞いたことがなかったということになりますね。さらにデモテープと一緒に川瀬さんが楽譜に忠実に歌い直したものも渡していたようです。
この時期は映画「ふりむけば愛」の撮影の真っ最中でかなり忙しかったはずですから、練習時間などなかったのでは。つまりスタジオでの2時間であのレベルの歌を(ましてプレイバックのような難曲を)歌えるのだから、まさに天才としか言い様がない。
美空ひばりもスタジオで一発取りだと言いますが、レコーディングの2週間前にデモテープの提出が必須だったそうです。その2週間でひばりは練習してスタジオでは一発取り。百恵は当日渡されて練習もせずスタジオのみで仕上げる。百恵の方がすごいような気がする。
タカさん より


「プレイバックPart 2」が出来上がるまでの流れ

川瀬と酒井、ロビーで打ち合わせ。横のTVから「プレイバック」の文字。
             ↓ 
川瀬は酒井にプレイバックというタイトルの曲を作ろうと提案。
酒井は「いいですね」の一言。
             ↓
半年後、酒井からケロケロとテープが戻るようなプレイバックという曲を作れと指令。
             ↓
阿木 燿子に「主人公が以前聞いた言葉がフィード・バックしてくる」ような詞を依頼。
             ↓
宇崎竜童と馬飼野康二に作曲を依頼。
             ↓
宇崎に決定するも、何度か修正を依頼。
             ↓
録音日の前日に宇崎に手直しを依頼。
             ↓
録音日の当日アレンジャーの萩田にアレンジを依頼。
             ↓
         山口百恵、歌入れ。

確かに百恵はいつ曲を覚えたのか、謎である。レコーディング当日のわずかな時間しかないではないか。

 ※この歌には二カ所、科白めいた箇所があるのだけど、最初を十八歳で、次を三十歳で歌い分けて、と注文するより前に、モニター用のスピーカーから流れてくる声は、まさしくそうなっていた。
「バカにしないでよ」
「馬鹿にしないでよ」
二度目のフレーズには、恋をしている女性の切なさと苛立ちが、見事に表現されていた。十八歳(当時山口百恵は十九歳なので阿木耀子の勘違い?)の百恵さんの中に、したたかな大人の女が透けて見えた時、本当に凄いなと思った。
《プレイバックPART3》
阿木燿子より。

短い時間で歌詞の意味を理解し、メロディーを覚え、難曲中の難曲といわれる「プレイバックPart2」を完璧に表現する天晴れさ。
本当に、あなたは何者なんですか?感嘆しかない。





 

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