3人のメンバーで始動しはじめたけれど、集まって練習しているくらいで、一向にイベントの依頼は来ませんでした。

それもそのはず、素人同然の僕らにクラブ側からお声がかかる訳でもなく、先輩や友人も、もう少し
実力をつけないと…という感じで自分達が出演しているイベントにはまだ出せないような空気を出されていました。

となれば、クラブで武者修行しかないなと…。

当時はクラブに行けば必ずDJタイムにサークルが出来て、フリーな技で競い合う、
「バトル」がありました。

いつもサークルの一部として傍観している僕らは、下手でもいいから人前で踊り、
曲に体を慣らしていく事で、少しでもスキルアップを図ろうとしました。

踊ると意気込んで行ったものの、いざとなるとサークルの中心に行く足が全く出ず、
結局傍観しているだけ。

というかなりカッコ悪い自分に愕然としました。

傷をなめ合い角の方で3人で踊っていると…

トントン、


と肩を叩かれ振り向くと、長身の男が笑顔で手をクイクイさせたあと、
僕の目の前で踊り始めました。


そう、僕はバトルをしかけられたのです!!

頭の中で、ストリートファイター2の対戦を申し込まれた時の音が鳴りました。




頭が真っ白になりましたが、とりあえず僕の人生で初めてのダンスバトルがはじまりました。 

次第にまた僕らを中心にサークルができ、ブレイクダンサーや、さっきまでバトルをしていた人も

巻き込んで、フロアの熱が上がり、あれよあれよと僕はそのクラブの中心で踊っていました。




どれくらいの時間だったのか、音に合っているのかも、自分が何エイト踊っているのかも、全くわからず、とにかく、アドレナリンが出て、いつもやった事のない動きをしていたと思います。
お気に入りのニューバランスもソールが真っ黒になっていました。

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バトル後チームの二人から、「スゴかったよ!!」と言ってもらったのですが、
胸のドキドキがおさまらず、放心状態だったのを覚えています。


しばらくして、僕を挑発してきた長身の男が話しかけて来ました。

「楽しかったね!」って。

その人は都内のクラブによく一人でバトルをしにいくらしく、ダンスは初めて3年くらい
との事で、年齢は同い年でした。




僕ら3人が最近ダンスを始めた事、チームを結成した事、イベントを探している事、
色々話しました。

すると彼から驚くべき言葉が…


「ダンスイベント紹介するからさ、俺もチームに入れてよ!」


!!!!!!!








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