市況研究社のメモ帳

市況研究社および「市況研究社日報」から一部を公開します。

米農務省は9月末に発表する「全米在庫」(Grain Stocks)で、
(ⅰ)四半期ごと在庫データを公表するだけでなく、
(ⅱ)1年前の生産高について、「期末在庫」と合致するように調整をおこなう。

つまり、9月「全米在庫」では、1年前の「作付面積」「収穫面積」「反収」「実収高」について全面的に改定する。これまでの相場で、すでに「確定したもの」として前提にしてきたものをここで弄(いじ)るので、市場人気を落ち着かない気分にさせます。

929日(金)、シカゴ(CBOT)トウモロコシ先物は「全米在庫」の発表後に下落した。しかし、「全米在庫」が「弱気要因」になったわけではない。本日の「日報」(穀物)は、まずこの点から説明します。

【1】昨年(2022930日発表の全米在庫
米農務省が昨年(2022年)930日に発表した「全米在庫」でも、1年前の2021年の「作付面積」「収穫面積」「反収」「実収高」を大幅改定した。

2021    それまでの数字     2022930日発表の全米在庫
作付面積  93357千エーカー →  93252千エーカー    105千減
収穫面積  85388千エーカー →  85318千エーカー     70千減
反収        177.0 bu. →     176.7 bu.     0.3 bu.
生産高   15115170bu. → 15073820bu.    4135bu.

期末在庫   152500bu.   → 1376921bu.  ▲148079bu.減

【2】本年(2023929日(金)発表の全米在庫
週末929日発表の「全米在庫」でも、1年前の2022年の「作付面積」「収穫面積」「反収」「実収高」を改定した。

2022   米農務省912日発表   929日発表の全米在庫
作付面積  88579千エーカー →  88589千エーカー   +10千増
収穫面積  79207千エーカー →  79115千エーカー   92千減
反収        173.3 bu. →     173.4 bu.    +0.1 bu.
生産高   13729719bu. → 13714676bu. 15043bu.減

期末在庫   145200bu.   → 1361303bu. 90697bu.減

(ⅰ)全米在庫と期間の消費量
四半期ごとの「全米在庫」によって、その期間の米国トウモロコシの消費量を知ることができます。

米国トウモロコシ
         農場在庫  非農場在庫    全米在庫   期間の消費量
単位ブッシェル
09/01
2023)  60540万  755903千  1361303千  2746006
06/01
2023) 222080万 1886509千  4107309千  3293369
03/01
2023) 410600万 3294678千  7400678千  3420529
12/01
2022) 674800万 4073207千 10821207千  4270359
2022
年生産高 13714676千ブッシェル

09/012022)  50950万  867390千  1376890千  2972078
06/01
2022) 212070万 2228268千  4348968千  3409068
03/01
2022) 408000万 3678036千  7758036千  3883145
12/01
2021) 723400万 4407181千 11641181千  4667151
2021
年生産高 15073820千ブッシェル

09/012021)  39490万  839612千  1234512千  2876669
06/01
2021) 174360万 2367581千  4111181千  3586967
03/01
2021) 403650万 3659648千  7696148千  3597602
12/01
2020) 704600万 4277750千 11293750千  4744161
2020
年生産高 14111449千ブッシェル

(ⅱ)米国トウモロコシの総需要
米国トウモロコシの市場年度は「91日~翌年831日」、2022/2023市場年度の「米国トウモロコシの需要」(米国内消費と輸出)はその期間の消費量を合計したものです。計算すると13730262千ブッシェル。

それに加えて米国のトウモロコシ輸入。米国南東部の養鶏業者などがブラジル産トウモロコシを「約4000万ブッシェル」輸入している。それを合わせると、米国の2022/2023市場年度のトウモロコシ総需要は「13770262千ブッシェル」と推定できます。

米農務省が912日に発表した「月次需給見通し」で、米国の2022/2023市場年度のトウモロコシ総需要は「1369500万ブッシェル」だったので、実際の需要はそれより「+75262千ブッシェル」多い「13770262千ブッシェル」になった。

米農務省の9月予想よりも、米国トウモロコシの総需要が多かったので、202391日時点の全米トウモロコシ在庫は「1361303千ブッシェル」に減少した。

91日時点の米国トウモロコシ在庫「1361303千ブッシェル」は、今年度 2023/2024市場年度の期初在庫であり、前年度 2022/2023市場年度の期末在庫です。週末929日(金)に発表された「全米在庫」に基づき、2022/2023市場年度の需給概要を表にすると下記の通りです。

2022/2023市場年度、米国のトウモロコシ需給概要
.      米農務省912発表   929日発表の全米在庫
作付面積   88579千エーカー →  88589千エーカー   +10
収穫面積   79207千エーカー →  79115千エーカー   ▲92
反収        173.3 bu.  →     173.4 bu.    +0.1 bu.

期初在庫   1376890bu.  → 1376890bu.     unch
生産高   13729719bu.  → 13714676bu. 15043bu.
輸入        4000bu.  →     4000bu.     unch

米国内需要   1203000bu.  → 12105262bu. 75262bu.
輸出需要    166500bu.  →   166500bu.     unch
総需要     1369500bu.  → 13770262bu. 75262bu.
期末在庫    145200bu.  → 1361303bu. 90697bu.

【3】929日発表の全米在庫は「トウモロコシ売り」要因ではない
シカゴ(CBOT)トウモロコシ先物は全米在庫の発表後に下落した。しかし、説明してきたように全米在庫は「弱気要因」ではない。

推測するなら、とくに小麦下げ(各限月の一代安値)が波及した可能性が高い。
あれがアノ値段なら、これはコノあたりという、社会通念上の比較感がある。
各限月の新安値に下げた小麦との比較感。
大豆下げとの比較感。
そうした社会通念上の比較感がトウモロコシに影響した可能性が高い。
そして、9
29日(金)のトウモロコシ下げを実際に売ったのはファンドだろう。

このあと10月相場で、シカゴ(CBOT)トウモロコシ先物は新しいバランスに回復すると思います。

9月査定価格とサウジ原油の輸出価格が確定した。

【1】20239月査定価格とサウジ原油アジア向け輸出価格

20239月査定価格                        前月比
20239月のプラッツ・ドバイ原油の平均値       93.310ドル +6.845
20239月のDMEオマーン原油マーカープライス平均値   92.767ドル +6.199
20239月のドバイおよびオマーン原油の平均値     93.039ドル +6.523

サウジ原油 20239月積み アジア向け輸出価格(FOB
油種            平均値    調整項   輸出価格   前月比
アラブ・スーパーライト   93.039ドル 4.95 97.989ドル +7.123ドル高
アラブ・エキストラライト  93.039ドル2.55 95.589ドル +6.523ドル高
アラブ・ライト       93.039ドル 3.50 96.539ドル +6.823ドル高
アラブ・ミディアム     93.039ドル 3.35 96.389ドル +7.223ドル高
アラブ・ヘビー       93.039ドル 1.60 94.639ドル +7.123ドル高

【2】10月相場、月初は中国と韓国が大型連休

先週の「日報」で「石油会社は今週から来週、スポット取引を控える」と記しました。
10
2日(月)から10月相場ですが、中国や韓国が連休中です。

(ⅰ)中国は8連休
9
29日(金)~106日(金) 中秋節・国慶節で8連休

(ⅱ)韓国は6連休
9
28日(木)-29日(金) 秋夕(お盆)
10
2日(月) 臨時休日
10
3日(火) 建国記念日(開天節)
10
2日(月)が臨時休日となり、928日(木)~103日(火)まで6連休。

(ⅲ)台湾の休日
9
29日(金) 中秋節

(ⅳ)シンガポールは通常取引
プラッツ社のドバイ原油査定、ドバイ・マーカンタイル取引所(DME)のオマーン原油査定に10月の休みはない。

【3】102日(月)の東京為替
1ドル=150.10149.60149.10円」を想定。

9FOMCからの特徴は、米2年債と10年債の利回り格差縮小です。
10年債利回り上昇による「米2年債と10年債の利回り格差縮小」(逆イールド縮小)は、米利上げサイクルの最終局面と考えています。逆イールドの縮小は、将来の金利安定化、金利正常化のプロセスと考えているので、いずれ一方向の米ドル高(円安)に歯止めをかけると思います。
但し、今は米ドル高の方向で試算します。

(ⅰ)米2年債と10年債の利回り格差縮小(逆イールド縮小)
10年債利回り上昇による「米2年債と10年債の利回り格差縮小」(逆イールド縮小)は、米利上げサイクルの最終局面と考えています。

日付      米2年債利回り  米10年債利回り   利回り格差

09/2923)    5.03%      4.59%      -0.44
09/28
23)    5.04%      4.59%      -0.45
09/27
23)    5.10%      4.61%      -0.49
09/26
23)    5.04%      4.56%      -0.48
09/25
23)    5.09%      4.55%      -0.54

09/2223)    5.10%      4.44%      -0.66
09/21
23)    5.12%      4.49%      -0.63
09/20
23)    5.12%      4.35%      -0.77
09/19
23)    5.08%      4.37%      -0.71
09/18
23)    5.05%      4.32%      -0.73

09/1523)    5.02%      4.33%      -0.69
09/14
23)    5.00%      4.29%      -0.71
09/13
23)    4.96%      4.25%      -0.71
09/12
23)    4.98%      4.27%      -0.71
09/11
23)    4.97%      4.29      -0.68

(ⅱ)米国債利回りと東京為替
いずれ、このあと逆イールドの縮小=金利安定化、金利正常化は、一方向の米ドル高(円安)に歯止めをかけると考えています。
但し、今は米ドル高の方向で試算します。

米国     米30年債  10年債 2年債   日本
日付     利回り  利回り  利回り    日付  東京中心値  東京仲値

09/2923)  4.73   4.59   5.03   10/02  150.10149.60149.10

09/2823)  4.71   4.59   5.04   09/29   149.44   149.58
09/27
23)  4.73   4.61   5.10   09/28   149.49   149.65
09/26
23)  4.70   4.56   5.04   09/27   149.03   149.08
09/25
23)  4.67   4.55   5.09   09/26   148.88   148.95
09/22
23)  4.53   4.44   5.10   09/25   148.40   148.50

09/2123)  4.56   4.49   5.12   09/22   147.64   147.67
09/20
23)  4.40   4.35   5.12   09/21   148.34   148.43
09/19
23)  4.43   4.37   5.08   09/20   147.80   147.84
09/18
23)  4.40   4.32   5.05   09/19   147.67   147.73
09/15
23)  4.42   4.33   5.02   09/18   敬老の日

09/1423)  4.39   4.29   5.00   09/15   147.50   147.62
09/13
23)  4.34   4.25   4.96   09/14   147.12   147.17
09/12
23)  4.35   4.27   4.98   09/13   147.24   147.32
09/11
23)  4.37   4.29   4.97   09/12   146.63   146.72
09/08
23)  4.33   4.26   4.98   09/11   146.92   146.97

当社は、ブレント原油期近「96ドル」を目標にしてきた。
915日(金)の「日報」で、ブレント原油期近11月限が「94.40ドル」に伸びて来た時点で「佳境に入った」とお伝えし、94.40ドルから上はこれまでの「延長」ではすまなくなる可能性を指摘しました。

そして、今週は月末最終週。
明日929日(金)は原油期近の最終取引日(納会)です。
ブレント原油期近11月限は明日929日(金)が最終取引日(納会)。
ドバイ・マーカンタイル取引所のオマーン原油期近11月限も29日(金)が納会。
ドバイ原油1番限も明日29日(金)に1カ月間の平均値が確定します。
915日以降のこのかんの揉み合いを売った向きが、最終取引日前に踏み上げている。

当社の立場と意見

1.ブレント原油期近「96ドル」を目標にしてきたので、915日(金)で原油の買いは止める。

2.その一方で、原油の大逆ザヤを売ることも奨められない。

3.915日(金)以降は「価格形成の構造とパターン」の変化を分析しています。

(ⅰ)ブレント原油期近11月限のプレミアムが買い直され、
(ⅱ)限月間の価格差が拡大し、
(ⅲ)逆ザヤが急勾配に傾斜した。
(ⅳ)アジアの石油ハブ、シンガポール石油製品はクラック・スプレッドが縮小した。原油高が「ナフサ/ガソリン」「ジェット燃料(ケロシン)/ガスオイル」の精製マージンを圧迫するようになった。

4.今週は月末最終週。明日29日(金)は期近1番限の納会です。

(ⅰ)明日929日(金)が、原油期近1番限の最終取引日(納会落ち)。
(ⅱ)このため、このかんの揉み合いを売った向きが踏み上げている。
(ⅲ)来週は2番限、3番限が期近に回る。
(ⅳ)逆ザヤ相場のサヤ出世が続くかどうか、10月相場に関しては不透明です。
(ⅴ)サウジアラビアは来週105日(木)に「11月調整項」を通知する予定。
(ⅵ)石油会社は今週から来週、スポット取引を控えると思います。

5.マクロ経済に偏重した議論の危険性

当社「日報」では、原油相場の分析をマクロ経済に直結させて理由づけする危険性を指摘しました。先入観に合致する情報だけを受け入れ、それに反するものは受け付けなくなります。「中国不動産市場の悪化」や「中国バブル崩壊」など「わかりやすい結論」に誘導されやすくなる。マクロ経済学的な分析は、具体的な変化を把握しようとする努力が伴なっていなければ、物の役に立ちません。

6.結論

月末最終取引日に向けて、期近の取組内部要因の整理が進んでいる。価格形成の構造とパターンが変化しているので、必要としない売買は止めておく方がよいと思います。一般的に言って「取れる」ところではないと思います。

【1】国際原油取引の指標=ブレント原油
月末最終週の最終取引日前は、内部要因主導。
ブレント原油期近11月限で売りの踏み上げ。期近と先限で、プライス・アクションが異なる。限月間の価格差が急拡大し、逆ザヤが急勾配に傾斜した。

ブレント原油先物(ICE) 2023927日(水)       東京1730
限月      始値   高値   安値  帳入値  前日比 アジア終値
11
月限 2023  94.12  97.06  94.10  96.55  +2.59   94.74
12
月限 2023  92.43  94.80  92.43  94.36  +1.93   93.15
01
月限 2024  91.00  92.84  90.99  92.41  +1.51   91.54
02
月限 2024  89.64  91.25  89.62  90.84  +1.28   90.12
03
月限 2024  88.47  89.97  88.46  89.59  +1.18   88.88
04
月限 2024  87.57  88.92  87.56  88.54  +1.05   87.91

【2】中東原油(中質サワー)のアジア向け指標
月末最終週の最終取引日前は、内部要因主導になる。ブレント原油とドバイ原油、オマーン原油は、必ずしも同じではない。

プラッツドバイ原油
シンガポール時間午後430分(東京時間午後530分)のプラッツ社査定価格

日付     ブレント原油11月限  ドバイ原油9月限   価格差
9
28日(木)
9
27日(水)   94.74ドル    95.45ドル    +0.71ドル
9
26日(火)   92.21ドル    92.84ドル    +0.63ドル
9
25日(月)   93.90ドル    94.10ドル    +0.20ドル
9
22日(金)   93.49ドル    94.30ドル    +0.81ドル
9
21日(木)   92.43ドル    93.24ドル    +0.81ドル
9
20日(水)   93.31ドル    93.86ドル    +0.55ドル
9
19日(火)   95.15ドル    95.20ドル    +0.05ドル
9
18日(月)   94.07ドル    95.21ドル    +1.14ドル
9
15日(金)   94.09ドル    95.55ドル    +1.46ドル
914日(木)   92.67ドル    93.85ドル    +1.18ドル
913日(水)   92.69ドル    93.90ドル    +1.21ドル
912日(火)   91.12ドル    92.35ドル    +1.23ドル
911日(月)   90.37ドル    91.60ドル    +1.23ドル

オマーン原油(DME
シンガポール時間午後430分(東京時間午後530分)のDMEマーカープライス
オマーン原油期近11月限は上昇していない。DMEのオマーン原油期近は、納会前のDME独自の内部要因が主導している。オマーン原油期近が月末納会前に、このような内部要因主導の動きになることは珍しいことではない。

日付     ブレント原油11月限 オマーン原油11月限  価格差
9
28日(木)
9
27日(水)   94.74ドル    94.31ドル    -0.43ドル
9
26日(火)   92.21ドル    92.57ドル    +0.36ドル
9
25日(月)   93.90ドル    94.19ドル    +0.29ドル
9
22日(金)   93.49ドル    94.28ドル    +0.79ドル
9
21日(木)   92.43ドル    93.11ドル    +0.68ドル
9
20日(水)   93.31ドル    93.79ドル    +0.48ドル
919日(火)   95.15ドル    95.09ドル    -0.06ドル
918日(月)   94.07ドル    95.20ドル    +1.13ドル
9
15日(金)   94.09ドル    95.51ドル    +1.42ドル
914日(木)   92.67ドル    93.86ドル    +1.19ドル
913日(水)   92.69ドル    93.82ドル    +1.13ドル
912日(火)   91.12ドル    92.31ドル    +1.19ドル
911日(月)   90.37ドル    91.58ドル    +1.21ドル

【3】本日928日(木)の東京為替
東京為替は「1ドル=149.75149.40149.05円」を想定します。

【4】本日928日(木)のプラッツドバイ原油
期近のプレミアムが急拡大し、かつてない大逆ザヤを形成している。ブレント原油期近11月限の売りが踏み上げているので、朝の試算価格は役に立たないかもしれません。

中東原油(中質サワー油種)の指標
9
28日(木)朝、プラッツ・ドバイ原油の試算
2
番限10月限を基準にすると 前日比 +2070円高 あたり。

現在は米国主産地において収穫が進展しており、季節的に供給が増加する時期にあたっている。収穫の進展はゆっくりとしているので、われわれも先を急ぐことなく、ゆっくり臨む必要があります。

そして、明日929日(金)は「全米在庫」の発表です。
91日時点の全米穀物在庫」によって、米国トウモロコシの「2022/2023市場年度の期末在庫」(=2023/2024市場年度の期初在庫)が確定します。すでにおおよその数字は想定されていますが、場合によっては予想と異なることがあるので、先回りして思惑することはない。

米国主産地における収穫の進展と供給の増加、そして全米在庫の発表。
それを確認して対応していくので良いと思います。

※当社「日報」は814日(月)から、シカゴ(CBOT)先物の目安を「12月限 4ドル80セント → 4ドル90セント」に引き上げています。

※わが国のような穀物輸入国にとってトウモロコシ相場とは、(ⅰ)ブラジルや米国の天候相場だけでなく、(ⅱ)フレート(海上運賃)、(ⅲ)積み地のベーシス水準、(ⅳ)シカゴ(CBOT)トウモロコシ先物、(ⅴ)為替レートなど、それらの合成を意味します。

※東アジアの飼料用トウモロコシ購入価格はウェブページに掲載しています。
9月26日(火) 韓国飼料協会
9月22日(金) 韓国飼料協会(釜山)
9月19日(火) 韓国農協、韓国MFG、台湾飼料公会(MFIG)

【1】米国農産物先物(全体図)
米国現地2023927日(水)
限月     KCBT硬質冬小麦  CBOT軟質冬小麦 CBOTトウモロコシ      CBOT大豆
12月限 2022 694'50 -16'00  579'50 -9'50  483'25 +3'50  11月限 1303'25 +0'50
03月限 2023 702'00 -15'75  607'25 -9.00  498'25 +3'75  01月限 1323'00 +2'00
05月限 2022 707'50 -15'25  626'00 -7'75  506'75 +4'00  03月限 1335'75 +3'00
07月限 2022 701'50 -11'75  637'75 -6'50  511'50 +4'25  05月限 1344'75 +4'00

米国現地2023926日(火)
限月     KCBT硬質冬小麦  CBOT軟質冬小麦 CBOTトウモロコシ      CBOT大豆
12月限 2022 710'50 -3'00  589'00  unch  479'75 -1'50  11月限 1302'75 +5'00
03月限 2023 717'75 -3'50  616'25 +0.75  494'50 -1'25  01月限 1321'00 +5'50
05月限 2022 722'75 -3'00  633'75 +1'00  502'75 -1'50  03月限 1332'75 +5'75
07月限 2022 713'25 -1'25  644'25 +1'50  507'25 -1'25  05月限 1340'75 +5'75

米国現地2023925日(月)
限月     KCBT硬質冬小麦  CBOT軟質冬小麦 CBOTトウモロコシ      CBOT大豆
12月限 2022 714'50 +3'25  589'00 +9'50  481'25 +4'00  11月限 1297'75 +1'50
03月限 2023 721'25 +2'75  615'50 +9.00  495'75 +3'50  01月限 1315'50 +2'00
05月限 2022 725'75 +2'75  632'75 +9'00  504'25 +3'25  03月限 1327'00 +2'25
07月限 2022 714'50 +3'25  642'75 +9'25  508'50 +3'00  05月限 1335'00 +3'00

【2】シカゴ(CBOT)トウモロコシ先物の値段と建玉
レイバーデイ連休明けから、CBOTトウモロコシ先物の総取組高が増加している。

日付 12月限値段 出来高  12限建玉 3限建玉 5限建玉7限建玉 総取組高

09/27  4.8325 190,223
09/26
  4.7975 164,050  736,270 250,316 115,887 104,552 1339,607(枚)
09/25
  4.8125 148,072  735,512 250,168 115,547 104,335 1338,026

09/22  4.7725 135,626  732,497 247,291 113,757 104,747 1329,412
09/21
  4.7525 181,097  730,978 244,141 112,009 103,416 1321,308
09/20
  4.8225 274,404  726,529 242,233 110,833 100,838 1311,309
09/19
  4.7625 223,592  718,227 237,016 108,262  99,841 1292,194
09/18
  4.7150 217,843  712,080 234,466 106,190  98,858 1278,165

09/15  4.7625 182,342  702,175 234,248 102,961  96,837 1260,772
09/14
  4.8050 172,265  704,469 233,550 102,136  94,452 1256,554
09/13
  4.8225 228,486  710,648 233,339 103,640  96,132 1264,913
09/12
  4.7650 277,529  714,371 236,440 102,327  95,344 1268,176
09/11
  4.8575 204,755  709,805 237,716 101,727  93,306 1257,065

09/08  4.8375 168,956  709,844 236,038  99,542  93,211 1257,065
09/07
  4.8625 182,288  713,945 235,322  96,800  92,614 1256,937
09/06
  4.8575 174,295  714,070 231,505  93,106  91,829 1248,488
09/05
  4.8600 199,273  704,007 229,084  88,696  89,804 1229,700
09/04
  Labor Day

【1】価格形成の構造とパターン

当社は915日(金)の「日報」で、ブレント原油期近11月限が「94.40ドル」に伸びて来た時点で「佳境に入った」とお伝えしました。

ブレント原油期近「96ドル」を目標にしてきたので、94.40ドルから上はこれまでの「延長」ではすまなくなる可能性があり、具体的な変化の分析に注力する必要があることを指摘しました。

そして、その後、価格形成の構造とパターンが変化しています。

ブレント原油期近11月限のプレミアムが買い直され、限月間の価格差が拡大し、逆ザヤが急勾配に傾斜している。今週929日(金)には、期近1番限の最終取引日を迎える。

当社では、915日(金)から、原油の買いはお奨めしていません。原油の大逆ザヤを売ることもお奨めできない。現在は月末最終週にある。必要としない売買は止めておく方がよいと思います。

【2】マクロ経済に偏重した議論の危険性について

価格形成の構造とパターンをマクロ経済に直結させて理由づけするのは危険です。

大手メディアは7月、「中国経済の回復力の鈍さ」を伝え、それを「原油の高値警戒感」の理由づけにしていた。
(ⅰ)習近平の中国の特色ある社会主義思想(中国共産党の一元的指導)
(ⅱ)中国の不動産市場の低迷
(ⅲ)地方政府の債務と財政難
(ⅳ)若年層の失業
(ⅴ)人口減少と少子高齢化

「中国不動産市場の下落、中国バブルの崩壊、世界経済の停滞」というストーリを描いてしまうと、それに合致する情報だけを受け入れ、それに反するものは受け付けなくなります。「中国バブル崩壊」のような「わかりやすい結論」に誘導されやすくなる。「わかったふうな議論」に安住し、それによって「原油の売り」に固執し、「売り」の堂々巡りから抜け出せなくなります。

重要なことは、マクロ経済学的な分析は、具体的な変化を把握しようとする努力が伴なっていなければ、物の役に立たないということです。

それは原油だけでなく、外為市場でも同じです。

米国の政策金利は昨年(2022)初めの「ゼロ金利」から、本年(2023)は5.50%に上昇した。マクロ経済の見地から言えば、このような大幅な金融引き締めは、このあと失業率の上昇と景気後退に陥る可能性が高い。20222023年の金融引き締めは、ここから持続的な景気回復が始まるのではなく、このあと失業率の上昇と景気後退に陥る可能性が高い。

歴史は常に繰り返されるわけではないが、それでも歴史的な経験的観点から言えば、米FRBの利上げサイクルが最終到達点(ターミナルレート)を経過するとき、米国の経済指標は下振れしてくるので、おそらく、FRBは来年2024年、予想よりも早く利下げを実施する可能性があると考えています。

こうした見通しは、マクロ経済に重きを置いた見通しです。これを足元の外為市場に直結させると、融通のきかない議論になる。足元の米ドル高が見えなくなります。

足元のドル円の分析では、具体的な変化を把握しなければならない。マクロ経済的な分析は、具体的な変化を把握しようとする努力が伴なっていなければ、物の役に立たない。

月末の最終取引日に向けて、価格形成の構造とパターンが変化しているとき、相場としてむずかしいところなので、必要としない売買は止めておく方がよいと思います。

【3】国際原油取引の指標=ブレント原油
期近と先限で、プライス・アクションが異なる。
限月間の価格差が拡大し、逆ザヤが急勾配に傾斜した。

ブレント原油先物(ICE) 2023925日(月)       東京1730
限月      始値   高値   安値  帳入値  前日比 アジア終値
11
月限 2023  93.75  94.25  92.54  93.29  +0.02   93.90
12
月限 2023  92.39  92.73  91.20  91.88  -0.08   92.40
01
月限 2024  91.03  91.25  89.82  90.47  -0.11   90.89
02
月限 2024  89.77  89.92  88.58  89.20  -0.14   89.55
03
月限 2024  88.68  88.78  87.50  88.10  -0.16   88.41
04
月限 2024  87.83  87.85  86.64  87.20  -0.16   87.45

ブレント原油先物(ICE) 2023922日(金)
限月      始値   高値   安値  帳入値  前日比 アジア終値
11
月限 2023  93.37  94.64  92.80  93.27  -0.03   93.49
12
月限 2023  92.29  93.37  91.59  91.96  -0.30   92.44
01
月限 2024  91.10  92.01  90.31  90.58  -0.51   91.23
02
月限 2024  89.98  90.79  89.15  89.34  -0.66   90.11
03
月限 2024  89.01  89.71  88.14  88.26  -0.76   89.16
04
月限 2024  88.16  88.82  87.30  87.36  -0.84   88.28

【4】中東原油(中質サワー)のアジア向け指標
現在は、変化の真っ只中にある。
月末最終週の不規則な変化もある。
ブレント原油期近とドバイ原油期近の動きは、必ずしも同じではない。

プラッツドバイ原油
シンガポール時間午後430分(東京時間午後530分)のプラッツ社査定価格

日付     ブレント原油11月限  ドバイ原油9月限   価格差

926日(火)
9
25日(月)   93.90ドル    94.10ドル    +0.20ドル

922日(金)   93.49ドル    94.30ドル    +0.81ドル
9
21日(木)   92.43ドル    93.24ドル    +0.81ドル
9
20日(水)   93.31ドル    93.86ドル    +0.55ドル
9
19日(火)   95.15ドル    95.20ドル    +0.05ドル
9
18日(月)   94.07ドル    95.21ドル    +1.14ドル

915日(金)   94.09ドル    95.55ドル    +1.46ドル
914日(木)   92.67ドル    93.85ドル    +1.18ドル
913日(水)   92.69ドル    93.90ドル    +1.21ドル
912日(火)   91.12ドル    92.35ドル    +1.23ドル
911日(月)   90.37ドル    91.60ドル    +1.23ドル

オマーン原油(DME
シンガポール時間午後430分(東京時間午後530分)のDMEマーカープライス

日付     ブレント原油11月限 オマーン原油11月限  価格差

926日(火)
9
25日(月)   93.90ドル    94.19ドル    +0.29ドル

922日(金)   93.49ドル    94.28ドル    +0.79ドル
9
21日(木)   92.43ドル    93.11ドル    +0.68ドル
9
20日(水)   93.31ドル    93.79ドル    +0.48ドル
919日(火)   95.15ドル    95.09ドル    -0.06ドル
918日(月)   94.07ドル    95.20ドル    +1.13ドル

915日(金)   94.09ドル    95.51ドル    +1.42ドル
914日(木)   92.67ドル    93.86ドル    +1.19ドル
913日(水)   92.69ドル    93.82ドル    +1.13ドル
912日(火)   91.12ドル    92.31ドル    +1.19ドル
911日(月)   90.37ドル    91.58ドル    +1.21ドル

【5】本日926日(火)の東京為替
1ドル=149.05148.80148.55円」を想定します。

【6】本日926日(火)のプラッツドバイ原油
アジアの中東原油市場は実質的に東京時間午後230分~530分。
わが国石油会社の購入原油価格の基準は東京時間午後530分の査定価格です。

アジア向け中東原油(中質サワー油種)の指標
9
26日(火)朝のプラッツ・ドバイ原油試算

限月              148.90円で換算   前日比

ドバイ原油09月限  93.30ドル  87,370/KL  月間の平均値
ドバイ原油10月限  92.00ドル  86,160/KL   -210円安●
ドバイ原油11月限  90.50ドル  84,750/KL   +130円高
ドバイ原油12月限  89.00ドル  83,350/KL   +490円高
ドバイ原油01月限  87.60ドル  82,040/KL   +790円高
ドバイ原油02月限  86.30ドル  80,820/KL   +940円高

2番限10月限を基準にすると 前日比 -210円安 あたり。

期近のプレミアム。かつてない逆ザヤを形成しています。
今週は月末の最終週。
来週10月には、ドバイ原油10月限、11月限が期近に回ってきます。

(1)当社「日報」は814日(月)から、シカゴ(CBOT)先物の目安を「12月限 4ドル80セント → 4ドル90セント」に引き上げています。

(2)わが国のような穀物輸入国にとってトウモロコシ相場とは、(ⅰ)ブラジルや米国の天候相場だけでなく、(ⅱ)フレート(海上運賃)、(ⅲ)積み地のベーシス水準、(ⅳ)シカゴ(CBOT)トウモロコシ先物、(ⅴ)為替レートなど、それらの合成を意味します。8月から9月は、積み地のFOBプレミアム、フレート(海上運賃)が上昇しています。

(3)米国主産地では先週、雨で子実の水分低下や収穫が妨げられた地域がある。

週末の922日(金)は、韓国飼料協会が飼料用トウモロコシの購入に動いた。これまでの購入価格と比較してお伝えします。

【1】韓国飼料協会の購入価格
2023922日(金)
Buyer    韓国飼料協会 釜山
Seller
    Cargill
Origin
    南米産ないし南ア産 飼料用黄トウモロコシ
Tonnage
   65,000トン
Arrival
   202415
C&F basis
  $263.75/mt CFR
plus $1.25/mt surcharge for additional port unloading

前回の購入価格と比較
前回、202391日(金)の購入価格
Buyer
    韓国飼料協会 仁川
Seller
    Ameropa
Origin
    南米産ないし南ア産 飼料用黄トウモロコシ
Tonnage
   68,000トン
Arrival
   20231210
C&F basis
  $262.00/mt CFR
plus $1.75/mt surcharge for additional port unloading

前回と今回、シカゴ(CBOT)トウモロコシ先物は下落
シカゴ(CBOT)先物   831日(木)  921日(木)
2023
12月限      4.7825   →  4.7525
2024
03月限      4.9400   →  4.9000

韓国農協の購入価格(2023919日)
2023919日(火)
Buyer    韓国農協(農協飼料)
Seller
    Olam
Origin
    南米産ないし南ア産 飼料用黄トウモロコシ
Tonnage
   68,000トン
Arrival
    2024115
C&F basis
  $1.8500/bu.+シカゴ(CBOT20243月限
plus $1.50/mt surcharge for additional port unloading

Buyer    韓国農協(農協飼料)
Seller
    Cofco
Origin
    南米産ないし南ア産 飼料用黄トウモロコシ
Tonnage
   68,000トン
Arrival
    2024121
C&F basis
  $1.8300/bu.+シカゴ(CBOT20243月限
plus $1.50/mt surcharge for additional port unloading

Buyer    韓国 Major Feedmill GroupMFG
Seller
    Cargill
Origin
    南米産ないし南ア産 飼料用黄トウモロコシ
Tonnage
   68,000トン
Arrival
    2024120
C&F basis
  $1.8500/bu.+シカゴ(CBOT20243月限

【2】米国農産物先物(全体図)
米国現地2023922日(金)
限月     KCBT硬質冬小麦  CBOT軟質冬小麦 CBOTトウモロコシ      CBOT大豆
12月限 2022 711'25 +0'75  579'50 +3'75  477'25 +2'00  11月限 1296'25 +2'50
03月限 2023 718'50 +1'50  606'50 +4.25  492'25 +2'25  01月限 1313'50 +2'75
05月限 2022 723'00 +1'50  623'75 +4'75  501'00 +2'50  03月限 1324'75 +2'50
07月限 2022 711'25 +2'00  633'50 +4'75  505'50 +2'75  05月限 1332'00 +2'00

米国現地2023921日(木)
限月     KCBT硬質冬小麦  CBOT軟質冬小麦 CBOTトウモロコシ      CBOT大豆
12月限 2022 710'50 -18'50  575'75 -13'00  475'25 -7'00  11月限 1293'75 -26'25
03
月限 2023 717'00 -17'50  602'25 -12.50  490'00 -6'75  01月限 1310'75 -25'50
05
月限 2022 721'50 -16'50  619'00 -11'75  498'50 -7'00  03月限 1322'25 -24'50
07
月限 2022 709'25 -15'00  628'75 -10'75  502'75 -7'25  05月限 1330'00 -23'50

米国現地2023920日(水)
限月     KCBT硬質冬小麦  CBOT軟質冬小麦 CBOTトウモロコシ      CBOT大豆
12月限 2022 729'00 -2'00  588'75 +4'75  482'25 +6'00  11月限 1320'00 +4'50
03月限 2023 734'50 -1'75  614'75 +4.50  496'75 +6'25  01月限 1336'25 +4'50
05月限 2022 738'00 -0'75  630'75 +3'50  505'50 +6'50  03月限 1346'75 +4'50
07月限 2022 724'25 +1'75  639'50 +3'50  510'00 +6'25  05月限 1353'50 +4'50

米国現地2023919日(火)
限月     KCBT硬質冬小麦  CBOT軟質冬小麦 CBOTトウモロコシ      CBOT大豆
12月限 2022 731'00 -4'00  584'00 -7'25  476'25 +4'75  11月限 1315'50 -1'25
03月限 2023 736'25 -3'50  610'25 -6.50  490'50 +4'75  01月限 1331'75 -1'00
05月限 2022 738'75 -2'75  627'25 -6'00  499'00 +4'50  03月限 1342'25 -1'25
07月限 2022 722'50 -1'25  636'00 -4'50  503'75 +4'75  05月限 1349'00 -1'25

米国現地2023918日(月)
限月     KCBT硬質冬小麦  CBOT軟質冬小麦 CBOTトウモロコシ      CBOT大豆
12月限 2022 735'00 -11'50  591'25 -13'00  471'50 -4'75  11月限 1316'75 -23'50
03
月限 2023 739'75 -11'75  616'75 -12.75  485'75 -4'75  01月限 1332'75 -23'00
05
月限 2022 741'50 -11'75  633'25 -12'00  494'50 -4'50  03月限 1343'50 -22'00
07
月限 2022 723'75 -12'50  640'50 -11'50  499'00 -4'75  05月限 1350'25 -20'75

【3】シカゴ(CBOT)トウモロコシ先物の値段と建玉
9月レイバーデイ連休明けから、CBOTトウモロコシ先物の総取組高が増加している。
ファンドは8月末から、売り建玉を増加させている。

日付 12月限値段 出来高  12限建玉 3限建玉 5限建玉7限建玉 総取組高

09/22  4.7725 135,626
09/21
  4.7525 181,097  730,978 244,141 112,009 103,416 1321,308(枚)
09/20
  4.8225 274,404  726,529 242,233 110,833 100,838 1311,309
09/19
  4.7625 223,592  718,227 237,016 108,262  99,841 1292,194
09/18
  4.7150 217,843  712,080 234,466 106,190  98,858 1278,165

09/15  4.7625 182,342  702,175 234,248 102,961  96,837 1260,772
09/14
  4.8050 172,265  704,469 233,550 102,136  94,452 1256,554
09/13
  4.8225 228,486  710,648 233,339 103,640  96,132 1264,913
09/12
  4.7650 277,529  714,371 236,440 102,327  95,344 1268,176
09/11
  4.8575 204,755  709,805 237,716 101,727  93,306 1257,065

09/08  4.8375 168,956  709,844 236,038  99,542  93,211 1257,065
09/07
  4.8625 182,288  713,945 235,322  96,800  92,614 1256,937
09/06
  4.8575 174,295  714,070 231,505  93,106  91,829 1248,488
09/05
  4.8600 199,273  704,007 229,084  88,696  89,804 1229,700
09/04
  Labor Day

09/01  4.8150 175,630  705,679 226,785  82,650  88,511 1221,832
08/31
  4.7825 222,619  699,873 224,329  78,519  88,129 1209,635
08/30
  4.8075 335,208  691,876 219,513  77,670  87,540 1199,704
08/29
  4.8675 324,159  682,661 211,386  76,092  86,463 1214,917
08/28
  4.9625 242,269  686,177 206,432  74,260  87,054 1245,794

当社は915日(金)の「日報」で、ブレント原油期近11月限が「94.40ドル」に伸びて来た時点で「佳境に入った」とお伝えしました。

ブレント原油期近「96ドル」を目標にしてきたので、94.40ドルから上はこれまでの「延長」ではすまなくなる可能性があり、具体的な変化の分析に注力する必要があることを指摘しました。

そして、915日(金)、18日(月)、19日(火)の相場で、価格形成の構造とパターンに変化が表れています。

【1】構造とパターンの変化

(ⅰ)国際原油取引の指標であるブレント原油先物(ICE)において、期近11月限、12月限と、20241月限以降の限月との間では、プライス・アクションが異なります。

(ⅱ)ブレント原油期近11月限は「ブレント原油期近のプレミアムを買う」動き。

(ⅲ)ブレント原油期近の逆ザヤが急勾配になり、限月間価格差が拡大した。

(ⅳ)ブレント原油と中東原油のアジア向け指標であるドバイ原油との関係も変化した。これまで7月、8月、9月と、プラッツドバイ原油期近1番限は、ブレント原油先物(ICE)期近より「+1ドル」の上ザヤを形成してきたが、今週はブレント原油期近のプレミアムが買われ、プラッツドバイ原油が下ザヤになる動きになった。

(ⅴ)シンガポール石油製品はジェット燃料(ケロシン)のクラックが縮小した。

(ⅵ)構造とパターンはこのあとも変化するので、その分析に注力します。

【2】必要としない売買は勧めません

当社では、915日(金)から、原油の買いはお奨めしていません。

しかし、原油の大逆ザヤを売ることもお奨めできません。

現在は価格形成の構造とパターンが変化しているときです。変化の真っ只中は、さらに変化する可能性があるので、手を出さない方がよいと思います。

【3】国際原油取引の指標=ブレント原油(ICE

ブレント原油期近「96ドル」の目標を指呼の間にしてから、価格形成の構造とパターンが変化した。(ⅰ)ブレント原油期近11月限、12月限と、20241月限以降の限月との間でプライス・アクションが異なり、(ⅱ)ブレント原油期近11月限では「期近のプレミアムを買う」動きになった。(ⅲ)それによって、ブレント原油期近の逆ザヤが急勾配となり、限月間価格差が拡大した。

ブレント原油先物(ICE) 2023919日(火)        東京1730
限月      始値   高値   安値  帳入値  前日比 アジア終値
11
月限 2023  94.66  95.96  94.16  94.34  -0.09   95.15
12
月限 2023  93.44  94.57  92.97  93.14  -0.15   93.78
01
月限 2024  92.25  93.15  91.74  91.88  -0.22   92.39
02
月限 2024  91.09  91.89  90.61  90.73  -0.27   91.13
03
月限 2024  90.05  90.79  89.62  89.72  -0.25   90.01
04
月限 2024  89.11  89.85  88.77  88.86  -0.21   89.05

ブレント原油先物(ICE) 2023918日(月)       東京1730
限月      始値   高値   安値  帳入値  前日比 アジア終値
11
月限 2023  94.28  94.95  93.79  94.43  +0.50   94.07
12
月限 2023  93.39  93.91  92.69  93.29  +0.25   93.17
01
月限 2024  92.37  92.78  91.56  92.10  +0.05   92.13
02
月限 2024  91.23  91.70  90.49  91.00  -0.06   91.08
03
月限 2024  90.31  90.68  89.49  89.97  -0.12   90.08
04
月限 2024  89.35  89.78  88.62  89.07  -0.14   89.19

ブレント原油先物(ICE) 2023915日(金)
限月      始値   高値   安値  帳入値  前日比 アジア終値
11
月限 2023  94.02  94.63  92.67  93.93  +0.23   94.09
12
月限 2023  93.16  93.83  91.92  93.04  +0.10   93.32
01
月限 2024  92.26  92.89  91.06  92.05  -0.02   92.39
02
月限 2024  91.33  91.92  90.17  91.06  -0.11   91.45
03
月限 2024  90.43  90.95  89.29  90.09  -0.19   90.49
04
月限 2024  89.57  90.07  88.49  89.21  -0.23   89.63

【2】中東原油(中質サワー)のアジア向け指標

ブレント原油との価格差が919日(火)大きく変化した。

プラッツドバイ原油
シンガポール時間午後430分(東京時間午後530分)のプラッツ社査定価格

日付     ブレント原油11月限  ドバイ原油9月限   価格差

920日(水)
9
19日(火)   95.15ドル    95.20ドル    +0.05ドル
9
18日(月)   94.07ドル    95.21ドル    +1.14ドル
9
15日(金)   94.09ドル    95.55ドル    +1.46ドル
914日(木)   92.67ドル    93.85ドル    +1.18ドル
913日(水)   92.69ドル    93.90ドル    +1.21ドル
912日(火)   91.12ドル    92.35ドル    +1.23ドル
911日(月)   90.37ドル    91.60ドル    +1.23ドル
9
08日(金)   90.02ドル    91.09ドル    +1.07ドル
907日(木)   90.37ドル    91.48ドル    +1.11ドル
9
06日(水)   89.36ドル    90.60ドル    +1.24ドル
9
05日(火)   88.21ドル    89.20ドル    +0.99ドル
9
04日(月)   88.36ドル    89.58ドル    +1.22ドル
9
01日(金)   87.00ドル    Polling Day

オマーン原油(DME
シンガポール時間午後430分(東京時間午後530分)のDMEマーカープライス

日付     ブレント原油11月限 オマーン原油11月限  価格差

920日(水)
9
19日(火)   95.15ドル    95.09ドル    -0.06ドル●
9
18日(月)   94.07ドル    95.20ドル    +1.13ドル
9
15日(金)   94.09ドル    95.51ドル    +1.42ドル
914日(木)   92.67ドル    93.86ドル    +1.19ドル
913日(水)   92.69ドル    93.82ドル    +1.13ドル
912日(火)   91.12ドル    92.31ドル    +1.19ドル
911日(月)   90.37ドル    91.58ドル    +1.21ドル
9
08日(金)   90.02ドル    91.04ドル    +1.02ドル
907日(木)   90.37ドル    91.39ドル    +1.02ドル
906日(水)   89.36ドル    90.41ドル    +1.05ドル
9
05日(火)   88.21ドル    89.21ドル    +1.00ドル
9
04日(月)   88.36ドル    89.41ドル    +1.05ドル
901日(金)   87.00ドル    88.23ドル    +1.23ドル

【3】本日920日(水)の東京為替
1ドル=147.95147.65147.35円」

【4】本日920日(水)のプラッツドバイ原油
アジアの中東原油市場は実質的に東京時間午後230分~530分。
わが国石油会社の購入原油価格の基準は東京時間午後530分の査定価格です。

中東原油(中質サワー油種)の指標
9
20日(水)朝、プラッツ・ドバイ原油の試算

限月              147.80円で換算   前日比

ドバイ原油09月限  94.10ドル  87,470/KL  月間の平均値
ドバイ原油10月限  92.90ドル  86,360/KL   -690円安●
ドバイ原油11月限  91.60ドル  85,150/KL   -240円安
ドバイ原油12月限  90.30ドル  83,940/KL    -20円安
ドバイ原油01月限  89.10ドル  82,820/KL    +470円高
ドバイ原油02月限  88.00ドル  81,800/KL    +730円高

2番限10月限を基準にすると 前日比 -690円安あたり。
当社では、915日(金)から、原油の買いはお奨めしていません。しかし、原油の大逆ザヤを売ることもお奨めできません。現在は価格形成の構造とパターンが変化しているときです。変化の真っ只中は、さらに変化する可能性があります。手を出さない方がよいと思います。

【1】8月から9月、C&Fプレミアムの上昇

8月から9月相場では、穀物船の海上運賃上昇に目を向ける必要がある。わが国のような穀物輸入国にとってトウモロコシ相場とは、(ⅰ)ブラジルや米国の天候相場だけでなく、(ⅱ)フレート(海上運賃)、(ⅲ)積み地のベーシス水準、(ⅳ)シカゴ(CBOT)トウモロコシ先物、(ⅴ)為替レートなど、それらの合成要素で構成されています。

端的に言うと、シカゴ(CBOT)先物の「ブッシェルあたり10セント」の値動きよりも、現物数量確保のベーシスやフレートの上昇幅が大きいときがある。穀物船の海上運賃が続騰すると、トウモロコシの購入価格(C&Fプレミアム)を押し上げる。

【2】昨日919日(火)の飼料用トウモロコシの購入価格

トウモロコシ購入価格のC&Fプレミアムが上昇をたどっているなかで、シカゴ(CBOT)先物ではファンドが売りによって20243月限が4ドル80セント台に下げてきたので、台湾や韓国の飼料会社は9月19日(火)、まとまって必要とする数量の買い付けに動いた。昨日19日(火)の購入価格を下に記します。

Buyer    台湾飼料公会 MFIG
Seller
    ADMArcher Daniels Midland
Origin
    ブラジル産 飼料用黄トウモロコシ
Tonnage
   65,000トン
Shipment
   20231114日-123
C&F basis
  $1.8444/bu.+シカゴ(CBOT20243月限

Buyer    韓国農協(農協飼料)
Seller
    Olam
Origin
    南米産ないし南ア産 飼料用黄トウモロコシ
Tonnage
   68,000トン
Arrival
    2024115
C&F basis
  $1.8500/bu.+シカゴ(CBOT20243月限
plus $1.50/mt surcharge for additional port unloading

Buyer    韓国農協(農協飼料)
Seller
    Cofco
Origin
    南米産ないし南ア産 飼料用黄トウモロコシ
Tonnage
   68,000トン
Arrival
    2024121
C&F basis
  $1.8300/bu.+シカゴ(CBOT20243月限
plus $1.50/mt surcharge for additional port unloading

Buyer    韓国 Major Feedmill GroupMFG
Seller
    Cargill
Origin
    南米産ないし南ア産 飼料用黄トウモロコシ
Tonnage
   68,000トン
Arrival
    2024120
C&F basis
  $1.8500/bu.+シカゴ(CBOT20243月限

【3】「$1.85CBOT 3月限」の便宜的な試算

今回919日(火)の台湾飼料公会(MFIG)の国際入札で、ブラジル産飼料用トウモロコシの購入価格は$1.8444/bu.+シカゴ(CBOT20243月限」に上昇した。台湾の前回823日の入札でブラジル産は「$1.5897/bu.+シカゴ(CBOT20243月限」であった。今回、米国産の提示価格に関しては「$2.20/bu.+シカゴ(CBOT20243月限」であった。

昨日919日(火)の台湾、韓国の国際入札を通して、今週の東アジアの飼料用トウモロコシ調達価格の指標が$1.85/bu.+シカゴ(CBOT20243月限」に上昇していることがわかった。20241月、2月入着玉のほとんどがブラジル産になると思います。

ブラジル産飼料用トウモロコシのCFRを便宜的に試算すると・・・
$1.85/bu.+シカゴ(CBOT20243月限」
CBOT 2024
3月限の加重平均値「$4.9050/bu.」と仮定したとき
ブッシェルあたりの調達価格「1.854.90506.7550ドル」。
トンあたりに換算して$265.93/mt CFR

※当社ウェブ・ページでは、大豆カスを含めて記載しています。
https://www.shikyo.biz/market_perspectives/procurement_prices/2023.htm

原油相場は佳境に入ってきたので、要点を整理します。
当社は、心づもりとして、ブレント原油期近「96ドル」を目標にしたので、本日915日(金)の「日報」は「佳境に入ってきた」という認識でお伝えします。

当社「日報」は7月、8月、9月、以下のことを記してきました。

(1)中東産「中質サワー原油」のアジア向け指標の高さ
中質サワー原油のアジア需要が強い。

(2)シンガポール石油製品のクラック・スプレッドが拡大
とくにケロシン、ガスオイルの中間留分の精製マージンが好調

(3)マクロ経済に経済に偏重した議論の危険性
具体的な変化を把握しようとする努力が伴なっていなければ思考停止

今週の原油相場でも、これまでの価格形成の構造とパターンが継続しています。
まず、アジアのオイル・ハブ、シンガポールの石油製品を見れば、中間留分のクラック・スプレッドは今週も本年1月以来の「1バレルあたり30ドル水準」で推移している。

【1】シンガポールの石油製品クラック
アジア市況の中間留分のクラック・スプレッドは1バレルあたり30ドル水準です。
単位:1バレルあたり 米ドル

.      ブレント  ガソリン     ジェット燃料/   ガスオイル
日付    原油期近 GL92-SIN クラック ケロシン クラック 0.5 S クラック
9/1523
9/14
23) 92.67 X   108.05 +15.38  126.38 +33.71  120.19 +27.52
9/13
23) 92.69 X   106.95 +14.26  125.10 +32.41  118.47 +25.78
9/12
23) 91.12 X   105.45 +14.33  124.37 +33.25  117.93 +26.81
9/11
23) 90.37 X   104.50 +14.13  123.71 +33.34  116.59 +26.22
9/08
23) 90.02 X   103.90 +13.88  122.24 +32.22  115.43 +25.41
9/07
23) 90.37 X   103.30 +12.93  120.48 +30.11  113.42 +23.05

9/0623) 89.36 X   102.10 +12.74  121.00 +31.64  114.03 +24.67
9/05
23) 88.21 X   102.50 +14.29  118.78 +30.57  111.46 +23.25
9/04
23) 88.36 X   102.35 +13.99  118.10 +29.74  110.77 +22.41
9/01
23) 87.00 X   Polling Day(大統領選挙 )
8/31
23) 86.08 V   102.10 +16.02  116.57 +30.49  109.22 +23.14

8/3023) 85.70 V   102.00 +16.30  118.02 +32.32  110.92 +25.22
8/29
23) 84.64 V   104.00 +19.36  120.02 +35.38  112.20 +27.56
8/28
23) 84.89 V   104.20 +19.31  122.62 +37.73  114.88 +29.99

【2】中東原油(中質サワー)のアジア向け指標の高さ
当社は7月から「中東原油の中質サワーのアジア需要が強い」と記してきました。
中東原油(中質サワー)のアジア向け指標は高い。
中国の原油需要は旺盛で、イラン原油に対する購入意欲も強い。
本年6月下旬以降、7月、8月、9月と、原油価格形成の構造とパターンが継続している。

本日915日(金)ブレント原油期近は94.40ドル」、
中東原油のアジア向け指標、プラッツ・ドバイ原油は95.60ドル」です。

当社は、ブレント原油期近「96ドル」を目標にしてきたので、本日915日(金)のブレント原油期近11月限「94.40ドル」は「96ドル」を指呼の間にしている。本日の「日報」(石油)は「佳境に入ってきた」という認識でお伝えしています。

本日915日(金)の原油相場で、国際原油取引の指標であるブレント原油期近11月限が「94.40ドル」に伸びて「96ドル」を指呼の間にすると、これまでの価格形成の構造とパターンの「延長」ではすまなくなる可能性があります。

プラッツドバイ原油
シンガポール時間午後430分(東京時間午後530分)のプラッツ社査定価格

日付     ブレント原油11月限  ドバイ原油9月限   価格差

915日(金)  94.40ドル)  (95.60ドル)   カッコは予想
9
14日(木)   92.67ドル    93.85ドル    +1.18ドル
913日(水)   92.69ドル    93.90ドル    +1.21ドル
9
12日(火)   91.12ドル    92.35ドル    +1.23ドル
911日(月)   90.37ドル    91.60ドル    +1.23ドル

908日(金)   90.02ドル    91.09ドル    +1.07ドル
9
07日(木)   90.37ドル    91.48ドル    +1.11ドル
9
06日(水)   89.36ドル    90.60ドル    +1.24ドル
9
05日(火)   88.21ドル    89.20ドル    +0.99ドル
9
04日(月)   88.36ドル    89.58ドル    +1.22ドル

901日(金)   87.00ドル    Polling Day

オマーン原油(DME
シンガポール時間午後430分(東京時間午後530分)のDMEマーカープライス

日付     ブレント原油11月限 オマーン原油11月限  価格差

915日(金)
9
14日(木)   92.67ドル    93.86ドル    +1.19ドル
913日(水)   92.69ドル    93.82ドル    +1.13ドル
912日(火)   91.12ドル    92.31ドル    +1.19ドル
911日(月)   90.37ドル    91.58ドル    +1.21ドル

908日(金)   90.02ドル    91.04ドル    +1.02ドル
9
07日(木)   90.37ドル    91.39ドル    +1.02ドル
9
06日(水)   89.36ドル    90.41ドル    +1.05ドル
9
05日(火)   88.21ドル    89.21ドル    +1.00ドル
9
04日(月)   88.36ドル    89.41ドル    +1.05ドル

901日(金)   87.00ドル    88.23ドル    +1.23ドル

【3】マクロ経済に偏重した議論の危険性について
ブレント原油期近11月限「94.50ドル」近傍は、「96ドル」を指呼の間にする近さにあるため、佳境に入ってきた可能性があり、考えるところに来ています。当社「日報」では、物事を考える際、マクロ経済に偏重した議論の危険性に注意してきました。

マクロ経済に偏重した議論の危険性
日本経済新聞など大手メディアは7月、「中国経済の回復力の鈍さ」を伝え、それを原油相場に直結させて「高値警戒感」の理由付けにしていた。

(ⅰ)習近平の中国の特色ある社会主義思想(中国共産党の一元的指導)
(ⅱ)中国の不動産市場の低迷
(ⅲ)中国地方政府の債務と財政難
(ⅳ)中国の若年層の失業
(ⅴ)中国の人口減少と少子高齢化

原油相場をマクロ経済に直結させると、原油相場を見ずに、先入観で勝手気儘な議論ができるようになる。「中国不動産市場の下落、中国バブル崩壊、世界経済の停滞」という「グローバル・マクロ」風のストーリを描いてしまうと、それに合致する情報だけを受け入れ、それに反するものは受け付けなくなる。「わかったふうな議論」に安住し、「中国バブル崩壊」のような「わかりやすい結論」に誘導されやすくなる。
「売り」に固執し、「売りの堂々巡り」から抜け出せなくなる。

重要なことは、マクロ経済学的な分析は、具体的な変化を把握しようとする努力が伴なっていなければ、物の役に立たないということです。
中国の原油輸入量は鈍化しているのか?
中国石油企業の原油購入意欲は後退しているのか?
中国における原油処理量は減少しているのか?

ブレント原油期近11月限「94.50ドル」近傍は、「96ドル」を指呼の間にする近さにあり、佳境に入ってきた可能性があり、考えるところに来ていますが、分析は具体的に考える必要があります。マクロ経済に偏重した議論は、おおざっぱな思惑だけで結果を得ようとする「なまけ者の議論」です。

「日本経済新聞」について
日本経済新聞などは7月相場から「中国不動産市況の悪化」「中国経済の回復力の鈍さ」を伝えた。それを原油相場に直結させた。

それが通用しなくなると、「日本経済新聞」97日(水)朝刊3面に、信じられない記事が並んだ。97日(木)の日本経済新聞は「サウジアラビアが悪い」と言い出した。

202397日(木)「日本経済新聞」朝刊3
「サウジ、世界経済揺さぶる/原油減産継続、10ヵ月ぶり高値」
「米インフレ再燃なら『景気軟着陸』危うく」

資源高が世界経済のリスクを高めている。・・・もっとも資源高が続くとも言い切れない。不動産の過剰債務問題が深刻な中国の景気減速もあり、エネルギーは実需面で弱さが残る。世界経済の見通しは不透明感が強い。

202397日(木)「日本経済新聞」朝刊3面 岐部秀光
「ロシアと足並み、米を挑発」
サウジアラビアは95日、ロシアの輸出制限とともに自主減産の延長を表明し、市場の価格に大きな影響をあたえる自国の力を誇示した。長期的な関係修復をのぞみながらも、足元ではインフレ克服に苦しむ米国を露骨に挑発している。政治的な影響力を狙って主張を強めるサウジの動きは、世界経済の波乱要因になっている。

「日本経済新聞」97日(水)朝刊3面は、あまりに酷かった。
このため1週間後の913日(水)11面に、商品市況欄を担当する古賀雄大が事実上の「訂正記事」を書いた。

2023913日(水)「日本経済新聞」朝刊11
NY原油急伸 迫る90ドル」
「今年の世界需要、最大へ」
「中国の消費拡大続く/サウジ・ロシア減産も影響」
中国では不動産業界の苦境などで景気懸念が強いが、世界需要の伸びの大半を中国がけん引する見通し。

それでも、日本経済新聞は、中東原油の中質サワーの強さに目を向けておらず、ニューヨークWTIに偏重した感想文にとどまっている。「中国不動産市場の低迷」「中国経済の回復力の鈍さ」「中国バブル崩壊」というマクロ経済に偏重した議論は、その具体的な変化の分析に欠いていると、壊れたレコード盤のように「原油の売り」に固執するだろうと思います。あるいは、具体的な変化の分析を欠いたまま、手のひら返しの宗旨替えに移行する。

我々が注意すること
市場に「中国不動産市場の低迷」「中国経済の回復力の鈍さ」「中国バブル崩壊」というマクロ経済に偏重した議論が底流しているので、相場に過熱感がない。相場は「押しながら上げていく」ことができる。

原油価格形成の構造とパターンはこのあとも継続する可能性が高い。

ただ、そうは言っても、ブレント原油期近「96ドル」は当面の目標です。
それを指呼の間にするところに来れば、これまでの構造とパターンの「延長」ではすまなくなる可能性があります。

本日915日(金)、国際原油取引の指標であるブレント原油期近94.40ドル」
中東原油のアジア向け指標であるプラッツ・ドバイ原油は95.60ドル」です。
原油価格形成の構造とパターンはこのあとも継続する可能性が高いものの、ブレント原油期近11月限「94.40ドル」は、「96ドル」を指呼の間する近さです。具体的な変化の分析に注力する必要があります。

現在の9月相場では、穀物船の海上運賃高騰に目を向ける必要がある。

わが国のような穀物輸入国にとってトウモロコシ相場とは、(ⅰ)各国天候相場の見通しだけでなく、(ⅱ)フレート(海上運賃)、(ⅲ)積み地のベーシス水準、(ⅳ)シカゴ(CBOT)トウモロコシ先物、()為替レートなど、それら諸要素を意味する。シカゴ(CBOT)先物における「ブッシェルあたり10セント」の値動きよりも、現物数量確保のベーシスやフレート(海上運賃)の上昇幅が大きいときがある。

現在の9月相場では穀物船の海上運賃が高騰しており、トウモロコシの調達価格(C&Fプレミアム)が高い。

【1】韓国農協の国際入札、その提示価格の高さ
912日(火)、米農務省が米国トウモロコシの「生産高予想」と「需給見通し」発表したあと、シカゴ(CBOT)トウモロコシ先物は202312月限が「4.7650ドル」、20243月限は「4.9100ドル」に下げた。

韓国農協は913日(水)、急遽2024111日入着玉の国際入札をおこなった。

未確認情報ながら、913日(水)の国際入札の最低提示価格はCHS$267.11/mt CFRLDCCargillの提示価格は$267.64/mt CFRと伝えられた。CFR水準の下落を期待していた韓国農協の想定とは大きく異なるものとなった。韓国農協は購入を見送った。東アジアの飼料用トウモロコシのCFR8月から上昇している。

【2】穀物船の海上運賃上昇
その最も大きな要因は、穀物船の海上運賃上昇ではないかと思います。
フレート(海上運賃)の上昇がC&Fプレミアムを押し上げている可能性が高い。
※アメリカ穀物協会のOcean Freight Markets9月更新が中断。

.         山水インデックス  アメリカ穀物協会
日付       米ガルフ-日本   ブラジル(サントス)-中国

9/142023)     57.50         ※
9/07
2023)     54.50         ※
8/31
2023)     51.50         43.00
8/24
2023)     
51.00         41.00
8/17
2023)     
50.00         41.00
8/10
2023)     
48.00         38.00
8/03
2023)     
42.50         37.00
7/27
2023)     42.00         35.00
7/20
2023)     42.00         36.00
7/13
2023)     41.00         36.75
7/06
2023)     40.00         36.00
6/29
2023)     40.00         37.50
6/22
2023)     41.00         38.00

【3】米国農産物先物(全体図)
米国現地2023914日(木)
限月     KCBT硬質冬小麦  CBOT軟質冬小麦 CBOTトウモロコシ      CBOT大豆
12月限 2022 736'50 -8'25  593'75 -3'50  480'50 -1'75  11月限 1360'50 +10'75
03
月限 2023 741'25 -6'75  620'25 -3.25  494'50 -1'75  01月限 1375'75 +9'50
05月限 2022 743'00 -6'50  636'75 -3'25  502'75 -1'75  03月限 1385'00 +9'25
07月限 2022 728'25 -5'40  644'25 -3'25  507'50 -1'00  05月限 1390'75 +9'00

米国現地2023913日(水)
限月     KCBT硬質冬小麦  CBOT軟質冬小麦 CBOTトウモロコシ      CBOT大豆
12月限 2022 744'75 +14'00  597'25 +9'75  482'25 +5'75  11月限 1349'75 +3'25
03月限 2023 748'00 +13'50  623'50 +9.50  496'25 +5'25  01月限 1366'25 +4'00
05月限 2022 749'50 +14'50  640'00 +9'50  504'50 +5'25  03月限 1375'75 +5'00
07月限 2022 733'75 +13'00  647'50 +7'50  508'50 +5'00  05月限 1381'75 +5'00

米国現地2023912日(火) 米農務省発表
限月     KCBT硬質冬小麦  CBOT軟質冬小麦 CBOTトウモロコシ      CBOT大豆
12月限 2022 730'75 +7'00  587'50 +3'00  476'50 -9'25  11月限 1346'50 -22'50
03
月限 2023 734'50 +7'75  614'00 +3.25  491'00 -9'25  01月限 1362'25 -21'75
05
月限 2022 735'00 +6'75  630'50 +3'00  499'25 -9'50  03月限 1370'75 -20'50
07
月限 2022 720'75 +7'00  640'00 +2'50  503'50 -9'25  05月限 1376'75 -18'50

米国現地2023911日(月)
限月     KCBT硬質冬小麦  CBOT軟質冬小麦 CBOTトウモロコシ      CBOT大豆
12月限 2022 723'75 -8'25  584'50 -11'25  485'75 +2'00  11月限 1369'00 +6'00
03月限 2023 726'75 -8'75  610'75 -11.00  500'25 +2'25  01月限 1384'00 +6'00
05月限 2022 728'25 -9'50  627'50 -11'25  508'75 +2'25  03月限 1391'25 +7'00
07月限 2022 713'75 -9'00  637'50 -10'25  512'75 +3'00  05月限 1395'25 +7'75

【4】シカゴ(CBOT)トウモロコシ先物の値段と建玉
レイバーデイ連休明けから、総取組高が増加している。

日付 12月限値段 出来高  12限建玉 3限建玉 5限建玉7限建玉 総取組高

09/14  4.8050 172,265
09/13
  4.8225 228,486  710,648 233,339 103,640 96,132 1264,913(枚)
09/12
  4.7650 277,529  714,371 236,440 102,327 95,344 1268,176
09/11
  4.8575 204,755  709,805 237,716 101,727 93,306 1257,065

09/08  4.8375 168,956  709,844 236,038  99,542 93,211 1257,065
09/07
  4.8625 182,288  713,945 235,322  96,800 92,614 1256,937
09/06
  4.8575 174,295  714,070 231,505  93,106 91,829 1248,488
09/05
  4.8600 199,273  704,007 229,084  88,696 89,804 1229,700
09/04
  Labor Day

09/01  4.8150 175,630  705,679 226,785  82,650 88,511 1221,832
08/31
  4.7825 222,619  699,873 224,329  78,519 88,129 1209,635
08/30
  4.8075 335,208  691,876 219,513  77,670 87,540 1199,704
08/29
  4.8675 324,159  682,661 211,386  76,092 86,463 1214,917
08/28
  4.9625 242,269  686,177 206,432  74,260 87,054 1245,794

08/25  4.8800 259,175  679,533 202,439  72,938 87,132 1260,527
08/24
  4.8825 303,726  673,960 197,110  70,755 85,867 1295,668
08/23  4.9050 267,381  665,541 188,945  69,134 84,654 1294,794
08/22  4.7950 239,845  660,982 187,817  67,711 83,225 1301,339
08/21
  4.8250 257,021  660,695 185,558  65,596 81,833 1301,432

当社「日報」は814日(月)から、シカゴ(CBOT)トウモロコシ先物の目安を「12月限 4ドル80セント → 4ドル90セント」に引き上げています。このあと、シカゴ(CBOT)トウモロコシ12月限が「4.76ドル以上」で推移し、「4.7850ドル」を上回ってくるかどうかに注目します。

【1】米農務省発表の「生産高予想」と「需給見通し」について
米農務省は912日発表の「生産高予想」と「需給見通し」で、米国トウモロコシの2023年作付面積および収穫面積を改定した。

今朝のシカゴ(CBOT)トウモロコシ先物が反落は、米国トウモロコシの作付面積、収穫面積の改定が「弱材料」として影響したのかと思いましたが、当社の分析では、ここで作付面積、収穫面積が重要な要素になるとは思えない。

今回の米農務省発表で注目すべきは、作付面積、収穫面積の改定よりも、米農務省担当者の楽観的トーンが市場人気に波及した経路です。米国トウモロコシのエーカーあたり反収は低下したが、作付面積、収穫面積の増加によって151億ブッシェルの豊作は間違いないという楽観的なトーンが市場人気の売りを誘った可能性が高い。

当社では、このあとシカゴ(CBOT)トウモロコシ12月限が4.76ドル以上」で推移し、4.7850ドル」を上回ってくるかどうかに注目します。

【2】東アジアの飼料小麦調達価格
韓国農協は昨日912日(火)、飼料小麦を購入した。

2023912日(火)
Buyer
    韓国農協(農協飼料)
Seller
    Pan Ocean
Origin
    optional-origin 飼料小麦
Tonnage
   55,000トン
Arrival
   20242月入着玉
C&F basis
  $269.48/mt CFR
plus $1.50/mt surcharge for additional port unloading

比較
202361日(木)
Buyer
    韓国農協(農協飼料)
Seller
    Pan Ocean
Origin
    optional-origin 飼料小麦
Tonnage
   64,000トン
Arrival
   2023115日入着玉
C&F basis
  $258.70/mt CFR
plus $1.50/mt surcharge for additional port unloading

【3】ミシシッピ水系のバージ輸送コストの上昇
米国における穀物の物流経路
(ⅰ)ミシシッピ川から米ガルフに至る水路物流経路
(ⅱ)太平洋北西岸に向けた鉄道による陸路物流経路

日本向けの米国トウモロコシの多くは「中西部主産地 → ミシシッピ川とその支流のイリノイ、オハイオ川 → ガルフ → パナマ運河 → 日本」というルートで運ばれる。生産者はトウモロコシを近在のリバーエレベーター(ミシシッピ水系に沿って作られたバージ積込用のエレベーター) に持ち込む。リバーエレベーターはこれを調整保管し、バージ船に積み込む。バージ船は5日 (メンフィス) から20日 (ミネソタ) をかけてミシシッピ川を下ってガルフに到着、輸出エレベーターの近くに係留され、順次荷揚げされる。その後、サイロに短期間(通常は数日間以内)保管され、米国農務省連邦穀物検査局による輸出検査を経て本船に積み込まれ、ガルフ出航後パナマ運河を通過、約35日間で日本に着く。

バージ輸送コストの上昇
9
月に入って話題になっているのが、米中西部の供給地からトウモロコシを積んで米ガルフに向かうバージ輸送のコスト上昇です。ミシシッピ川の水位低下で、これからの収穫期に水路で輸送できる貨物の量が制限されるのではないかとの懸念がある。

米ガルフのFOBプレミアムの上昇
米ガルフで外航船に積み込むFPBプレミアムも、ミシシッピ水系の輸送能力の逼迫を反映して強含んでいる。今朝のロイターによれば、米ガルフ11月積みのFOBプレミアムは「115セント+シカゴ(CBOT12月限」であった。

【4】外航船の海上運賃上昇
穀物船の運賃もこのところ上昇している。

山水インデックス  アメリカ穀物協会
日付        米ガルフ-日本   ブラジル(サントス)-中国
09/07
2023)     54.50
08/31
2023)     51.50         43.00
08/24
2023)     51.00         41.00
08/17
2023)     50.00         41.00
08/10
2023)     48.00         38.00
08/03
2023)     42.50         37.00
07/27
2023)     42.00         35.00
07/20
2023)     42.00         36.00
07/13
2023)     41.00         36.75
07/06
2023)     40.00         36.00
06/29
2023)     40.00         37.50
06/22
2023)     41.00         38.00

東アジアのトウモロコシ調達価格(C&Fプレミアム)は上昇している。
(ⅰ)ミシシッピ水系から米ガルフへのバージ輸送コストが高い。
(ⅱ)直近の米ガルフの現物数量確保が高い。
(ⅲ)穀物船の海上運賃も8月から9月に上昇している。

【5】米国農産物先物(全体図)
米国現地2023912日(火)
限月     KCBT硬質冬小麦  CBOT軟質冬小麦 CBOTトウモロコシ      CBOT大豆
12月限 2022 730'75 +7'00  587'50 +3'00  476'50 -9'25  11月限 1346'50 -22'50
03
月限 2023 734'50 +7'75  614'00 +3.25  491'00 -9'25  01月限 1362'25 -21'75
05
月限 2022 735'00 +6'75  630'50 +3'00  499'25 -9'50  03月限 1370'75 -20'50
07
月限 2022 720'75 +7'00  640'00 +2'50  503'50 -9'25  05月限 1376'75 -18'50

米国現地2023911日(月)
限月     KCBT硬質冬小麦  CBOT軟質冬小麦 CBOTトウモロコシ      CBOT大豆
12月限 2022 723'75 -8'25  584'50 -11'25  485'75 +2'00  11月限 1369'00 +6'00
03月限 2023 726'75 -8'75  610'75 -11.00  500'25 +2'25  01月限 1384'00 +6'00
05月限 2022 728'25 -9'50  627'50 -11'25  508'75 +2'25  03月限 1391'25 +7'00
07月限 2022 713'75 -9'00  637'50 -10'25  512'75 +3'00  05月限 1395'25 +7'75

米国現地202398日(金)
限月     KCBT硬質冬小麦  CBOT軟質冬小麦 CBOTトウモロコシ      CBOT大豆
12月限 2022 732'00 -5'00  595'75 -4'00  483'75 -2'50  11月限 1363'00 +3'50
03月限 2023 735'50 -5'50  621'75 -4.00  498'00 -2'00  01月限 1378'00 +4'25
05月限 2022 737'75 -6'00  638'75 -4'25  506'50 -1'75  03月限 1384'25 +4'75
07月限 2022 722'75 -5'00  647'75 -4'25  509'75 -2'00  05月限 1387'50 +5'25

米国現地202397日(木)
限月     KCBT硬質冬小麦  CBOT軟質冬小麦 CBOTトウモロコシ      CBOT大豆
12月限 2022 737'00 -12'50  599'75 -9'25  486'25 +0'50  11月限 1359'50 -16'75
03
月限 2023 741'00 -11'00  625'75 -8.75  500'00  unch  01月限 1373'75 -15'50
05
月限 2022 743'75 -9'25  643'00 -8'00  508'25  unch  03月限 1379'50 -14'50
07
月限 2022 727'75 -9'25  652'00 -7'00  511'75 -0'25  05月限 1382'25 -13'50

米国現地202396日(水)
限月     KCBT硬質冬小麦  CBOT軟質冬小麦 CBOTトウモロコシ      CBOT大豆
12月限 2022 749'50 +25'00  609'00 +9'75  485'75 -0'25  11月限 1376'25 +11'25
03
月限 2023 752'00 +23'25  634'50 +9.50  500'00 -1'00  01月限 1389'25 +10'25
05
月限 2022 753'00 +21'50  651'00 +10'75  508'25 -1'00  03月限 1394'00 +9'00
07月限 2022 737'00 +19'25  659'00 +11'25  512'00 -0'75  05月限 1395'75 +7'50

【6】シカゴ(CBOT)トウモロコシ先物の値段と建玉
シカゴ(CBOT)トウモロコシ先物の総取組高は増加している。
シカゴ(CBOT)トウモロコシ12月限が4.76ドル以上」で推移し、4.7850ドル」を上回ってくるかどうかに注目します。

日付 12月限値段 出来高  12限建玉 3限建玉 5限建玉7限建玉 総取組高

09/12  4.7650 277,529
09/11
  4.8575 204,755  709,805 237,716 101,727 93,306 1257,065(枚)

09/08  4.8375 168,956  709,844 236,038  99,542 93,211 1257,065(枚)
09/07
  4.8625 182,288  713,945 235,322  96,800 92,614 1256,937
09/06
  4.8575 174,295  714,070 231,505  93,106 91,829 1248,488
09/05
  4.8600 199,273  704,007 229,084  88,696 89,804 1229,700
09/04
  Labor Day

09/01  4.8150 175,630  705,679 226,785  82,650 88,511 1221,832
08/31
  4.7825 222,619  699,873 224,329  78,519 88,129 1209,635
08/30
  4.8075 335,208  691,876 219,513  77,670 87,540 1199,704
08/29
  4.8675 324,159  682,661 211,386  76,092 86,463 1214,917
08/28
  4.9625 242,269  686,177 206,432  74,260 87,054 1245,794

08/25  4.8800 259,175  679,533 202,439  72,938 87,132 1260,527
08/24
  4.8825 303,726  673,960 197,110  70,755 85,867 1295,668
08/23  4.9050 267,381  665,541 188,945  69,134 84,654 1294,794
08/22  4.7950 239,845  660,982 187,817  67,711 83,225 1301,339
08/21
  4.8250 257,021  660,695 185,558  65,596 81,833 1301,432

08/18  4.9300 211,141  661,511 183,133  64,989 82,320 1308,994
08/17  4.8575 203,063  657,573 183,492  63,707 81,386 1309,779
08/16  4.8150 228,005  650,755 182,182  63,072 79,663 1308,138
08/15
  4.7550 267,222  636,717 179,093  62,270 79,349 1287,019
08/14
  4.8775 217,324  621,677 173,381  60,685 77,893 1272,305

中東原油(中質サワー)のアジア向け指標が高い。
原油価格形成の構造とパターンは継続している。
国際原油取引の指標であるブレント原油期近が92.00ドル」のとき
中東原油のアジア向け指標であるプラッツ・ドバイ原油は93.25ドル」です。

本日913日(水)プラッツ・ドバイ原油 朝の試算
限月             147.10円で換算   前日比
ドバイ原油09月限  93.25ドル  86,270/KL   +1870円高
ドバイ原油10月限  92.05ドル  85,160/KL   +1420円高
ドバイ原油11月限  90.85ドル  84,050/KL   +1640円高
ドバイ原油12月限  89.65ドル  82,940/KL   +1830円高
ドバイ原油01月限  88.60ドル  81,970/KL   +2100円高
ドバイ原油02月限  87.60ドル  81,040/KL   +2190円高

【1】国際原油取引の指標=ブレント原油(ICE
ブレント原油先物(ICE) 2023912日(火)        東京1730
限月      始値   高値   安値  帳入値  前日比 アジア終値
11
月限 2023  90.62  92.40  90.52  92.06  +1.42   91.12
12
月限 2023  90.03  91.66  89.93  91.33  +1.29   90.49
01
月限 2024  89.31  90.82  89.25  90.51  +1.19   89.76
02
月限 2024  88.58  89.98  88.50  89.68  +1.10   89.00
03
月限 2024  87.86  89.16  87.86  88.88  +1.03   88.24
04
月限 2024  87.22  88.40  87.16  88.12  +0.95   87.54

ブレント原油先物(ICE) 2023911日(月)
限月      始値   高値   安値  帳入値  前日比 アジア終値
11
月限 2023  90.83  91.45  90.11  90.64  -0.01   90.37
12
月限 2023  90.03  90.84  89.52  90.04  +0.01   89.82
01
月限 2024  89.18  90.08  88.80  89.32  +0.03   89.12
02
月限 2024  88.30  89.31  88.06  88.58  +0.05   88.39
03
月限 2024  87.57  88.55  87.35  87.85  +0.05   87.67
04
月限 2024  86.89  87.83  86.72  87.17  +0.06   87.00

ブレント原油先物(ICE) 202398日(金) 
限月      始値   高値   安値  帳入値  前日比 アジア終値
11
月限 2023  89.79  91.02  89.30  90.65  +0.73   90.02
12
月限 2023  89.10  90.34  88.63  90.03  +0.78   89.32
01
月限 2024  88.33  89.54  87.92  89.29  +0.80   88.56
02
月限 2024  87.61  88.74  87.19  88.53  +0.79   87.80
03
月限 2024  86.91  87.98  86.52  87.80  +0.76   87.10
04
月限 2024  86.20  87.29  85.90  87.11  +0.71   86.45

【2】中東原油(中質サワー)のアジア向け指標
中東原油(中質サワー)のアジア向け指標が高い。
原油価格形成の構造とパターンは継続している。

プラッツドバイ原油
シンガポール時間午後430分(東京時間午後530分)のプラッツ社査定価格

日付    ブレント原油11月限  ドバイ原油9月限    価格差

913日(水)  (92.00ドル   (93.25ドル)
9
12日(火)   91.12ドル    92.35ドル    +1.23ドル
911日(月)   90.37ドル    91.60ドル    +1.23ドル

908日(金)   90.02ドル    91.09ドル    +1.07ドル
9
07日(木)   90.37ドル    91.48ドル    +1.11ドル
9
06日(水)   89.36ドル    90.60ドル    +1.24ドル
9
05日(火)   88.21ドル    89.20ドル    +0.99ドル
9
04日(月)   88.36ドル    89.58ドル    +1.22ドル

901日(金)   87.00ドル    Polling Day

オマーン原油(DME
シンガポール時間午後430分(東京時間午後530分)のDMEマーカープライス

日付    ブレント原油11月限 オマーン原油11月限  価格差

913日(水)
9
12日(火)   91.12ドル    92.31ドル    +1.19ドル
911日(月)   90.37ドル    91.58ドル    +1.21ドル

908日(金)   90.02ドル    91.04ドル    +1.02ドル
9
07日(木)   90.37ドル    91.39ドル    +1.02ドル
9
06日(水)   89.36ドル    90.41ドル    +1.05ドル
9
05日(火)   88.21ドル    89.21ドル    +1.00ドル
9
04日(月)   88.36ドル    89.41ドル    +1.05ドル

901日(金)   87.00ドル    88.23ドル    +1.23ドル

【3】本日913日(水)の東京為替
1ドル=147.35147.00146.65円」
本日913日(水)午後930分、米消費者物価指数(CPI)発表です。

【4】本日913日(水)のプラッツドバイ原油
アジアの中東原油市場は実質的に東京時間午後230分~530分。
わが国石油会社の購入原油価格の基準は東京時間午後530分の査定価格です。

中東原油(中質サワー油種)のアジア向け指標
9
13日(水)朝の試算、プラッツ・ドバイ原油

限月             147.10円で換算   前日比

ドバイ原油09月限  93.25ドル  86,270/KL   +1870円高
ドバイ原油10月限  92.05ドル  85,160/KL   +1420円高
ドバイ原油11月限  90.85ドル  84,050/KL   +1640円高
ドバイ原油12月限  89.65ドル  82,940/KL   +1830円高
ドバイ原油01月限  88.60ドル  81,970/KL   +2100円高
ドバイ原油02月限  87.60ドル  81,040/KL   +2190円高

2番限10月限を基準にすると 前日比 +1420円高あたり。

【1】米国債の利回りと為替(ドル円)
本日97日(木)の東京為替
1ドル=147.95147.65147.35円」を想定します。

米国     米30年債  10年債 2年債   日本
日付     利回り  利回り  利回り    日付  東京中心値  東京仲値

09/0623)  4.37   4.30   5.01   09/07  147.95147.65147.35
09/05
23)  4.38   4.27   4.94   09/06   147.80   147.86
09/04
22)  Labor Day           09/05   147.00   146.56
09/01
23)  4.29   4.18   4.87   09/04   146.21   146.27

08/3123)  4.20   4.09   4.85   09/01   145.64   145.73
08/30
23)  4.23   4.12   4.90   08/31   146.07   146.20
08/29
23)  4.23   4.12   4.87   08/30   146.01   146.05

08/2823)  4.29   4.20   4.98   08/29   146.48   146.53
08/25
23)  4.30   4.25   5.03   08/28   146.49   146.55

【2】サウジアラムコ アジア向け調整項引き上げ
サウジアラビアは95日(火)、日量100万バレルの自主減産を12月まで延長すると発表した。自主減産継続によって、サウジアラビアの原油生産量は712月、日量900万バレルで推移する。ロシアも日量30万バレルの削減を12月まで続ける。そして。サウジアラムコは96日(水)、10月アジア向け調整項を引き上げた。

)事前予想と比較して「アラブ・ライト」の引き上げ幅は+10セントと小幅。
)「アラブ・エキストラライト」(AXL)の引き上げ幅は+30セント。
)それでも、サウジ原油各油種のアジア向け調整項は「アラブ・ライト」「アラブ・ミディアム」の中質サワーが高い。
)中東産中質サワーのアジア向け指標の高さは、サウジ原油にリンクしているイラン、クウェート、イラク原油にも波及する。

サウジ原油のアジア向け本船渡し価格(FOB)は「ドバイ原油およびオマーン原油の1カ月間の平均値」に対する「各油種の調整項」で表示される。
油種        8月積み   9月積み  10月積み   前月比
スーパーライト  +4.35ドル +4.95ドル 5.45ドル +0.50ドル高
エキストラライト +2.55ドル +2.55ドル 2.85ドル +0.30ドル高
ライト      +3.20ドル +3.50ドル 3.60ドル +0.10ドル高
ミディアム    +2.65ドル +3.35ドル 3.45ドル +0.10ドル高
ヘビー      +1.00ドル +1.60ドル 1.70ドル +0.10ドル高

【3】国際原油取引の指標=ブレント原油
国際原油取引の指標であるブレント原油期近が90.50ドル」のとき
中東原油のアジア向け指標であるプラッツ・ドバイ原油は91.70ドル」です。

中東原油のアジア向け指標はすでに90ドル台、さらに91ドル、92ドルに上昇している。しかし、とても不思議なことに、わが国の新聞やテレビはアジア市場のマーカー原油の高さを伝えない。東京原油(TOCOM)についても、プラッツドバイ原油期近9月限の「85,000円」を伝えずに、20241月限の「78,170円」をまるで「指標」のように言及している。

「サウジアラビアが悪い」「ロシアが悪い」
「中国は地方政府や不動産の過剰債務で景気回復力が弱い」
「中国需要が弱い」「原油相場は高値警戒感」 - そういう話を毎日伝える。

しかし、わが国の「円貨/キロリットル」建て価格を押し上げいるのは、原油相場そのものよりも、円安と言わなければならない。「1ドル=147円台」の円安が、輸入貨物の国内物価への波及を耐え難いものにしている。「サウジアラビアが悪い」「ロシアが悪い」と言ってすませられる問題ではない。原油相場は、8月に「86ドル手前の揉み合い」「86ドルの揉み合い」を経てきており、86ドルの要衝を上に抜いたあと「90ドル」に乗せるのは当たり前だと思います。

ブレント原油先物(ICE) 202396日(水)        東京1730
限月      始値   高値   安値  帳入値  前日比 アジア終値
11
月限 2023  90.12  91.10  89.25  90.60  +0.56   89.36
12月限 2023  89.44  90.35  88.63  89.86  +0.51   88.73
01
月限 2024  88.66  89.52  87.89  89.05  +0.46   87.27
02
月限 2024  87.88  88.70  87.17  88.25  +0.41   86.59
03
月限 2024  87.20  87.95  86.51  87.51  +0.37   85.99
04
月限 2024  86.56  87.26  85.90  86.83  +0.32   85.43

ブレント原油先物(ICE) 202395日(火)
限月      始値   高値   安値  帳入値  前日比 アジア終値
11
月限 2023  88.91  91.15  88.06  90.04  +1.04   88.21
12
月限 2023  88.15  90.37  87.39  89.35  +1.10   87.54
01
月限 2024  87.46  89.54  86.75  88.59  +1.04   86.88
02
月限 2024  86.78  88.74  86.13  87.84  +0.95   86.24
03
月限 2024  86.17  88.03  85.58  87.14  +0.84   85.68
04
月限 2024  85.64  87.39  85.08  86.51  +0.75   85.17

ブレント原油先物(ICE) 202394日(月)
限月      始値   高値   安値  帳入値  前日比 アジア終値
11
月限 2023  88.95  89.22  88.26  89.00  +0.45   88.36
12
月限 2023  88.09  88.44  87.55  88.25  +0.45   87.62
01
月限 2024  87.39  87.74  86.87  87.55  +0.45   86.91
02
月限 2024  86.71  87.07  86.22  86.89  +0.46   86.28
03
月限 2024  85.94  86.46  85.64  86.30  +0.48