市況研究社のメモ帳

「市況研究社」および「市況研究社日報」から一部を公開します。

カテゴリ: 原油相場

●財務省貿易統計 原油CIF
1カ月先のCIF予想と、実際の通関時の換算レートには「ひらき」がある。
現在のように為替が動いているときは、1カ月先の換算レートの予想はむずかしい。

期間   数量  金額    原油CIF   USD/bbl 換算レート
     1000KL 100万円   円貨/KL

2/01-2/10 3,317  260,754  78,621  $80.16  155.92

1/21-1/31 5,433  412,815  75,987  $76.75  157.39
1/11-1/20
 3,555  269,146  75,716  $76.26  157.84
1/01-1/10
 3,965  298,826  75,369  $76.63  156.36

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●本日228日(金)のプラッツドバイ原油の試算
アジア向け中東原油の需要の強さと、価格の高さは3月も続く公算が大きい。

プラッツドバイ原油20252月限=ブレント原油4月限+3ドル
プラッツドバイ原油20253月限=ブレント原油5月限+94セント
プラッツドバイ原油20254月限=ブレント原油6月限+65セント
プラッツドバイ原油20255月限=ブレント原油7月限+30セント

228日(金)の為替「1ドル=150.05149.55149.05円」
為替「1ドル=149.55円」で換算すると
プラッツドバイ原油20252月限76.68ドル 72,120
プラッツドバイ原油20253月限74.18ドル 69,770  +990
プラッツドバイ原油20254月限73.37ドル 69,010 +1,070
プラッツドバイ原油20255月限72.54ドル 68,230 +1,220

【1】国際原油取引の指標
ICEブレント原油期近が「74ドル」を下回っているが、月末「納会」前の「高い」「安い」は「理由づけ」しない。原油相場の基調に変化がないのでOKです。

ブレント原油先物(ICE) 2025227日(木)     東京1730
限月      始値   高値   安値  帳入値  前日比 アジア終値
04月限 2025  72.70  74.26  72.49  74.04   +1.51   72.88
05月限 2025  72.26  73.75  72.10  73.57  +1.50   72.47
06月限 2025  71.77  73.23  71.64  73.06  +1.45   71.98
07月限 2025  71.36  72.75  71.22  72.57  +1.38   71.54
08月限 2025  70.93  72.28  70.82  72.09  +1.31   71.10
09月限 2025  70.52  71.80  70.42  71.62  +1.25   70.71
10月限 2025  70.15  71.39  70.06  71.19  +1.20   70.32
11月限 2025  69.81  71.01  69.74  70.80  +1.15   69.98
12月限 2025  69.51  70.67  69.43  70.46  +1.12   69.70

【2】アジア向け中東原油の指標
プラッツ社のドバイ原油査定価格は2月平均値77ドル86セント」あたり。

21カ月間のドバイ原油スポット価格の平均値は、本日28日(金)に確定します。
仮に、2月のオマーン原油とドバイ原油の平均値が「77ドル86セント」であれば、

サウジアラビア「20252月積みアジア向け輸出価格」(FOB)予想
アラブ・スーパーライト   77.862.2580.11ドル
アラブ・エキストラライト  77.861.5079.36ドル
アラブ・ライト       77.861.5079.36ドル
アラブ・ミディアム     77.860.7578.61ドル
アラブ・ヘビー       77.860.5077.36ドル

【3】ブレント原油とアジア向け中東原油の価格差
価格形成の構造とパターンは継続しています。
来月3月も、中東原油の需要の強さと価格の高さが続く可能性が高い。

本日228日(金)も、プレミアムを維持します。
プラッツドバイ原油20252月限=ブレント原油4月限+3ドル
プラッツドバイ原油20253月限=ブレント原油5月限+94セント
プラッツドバイ原油20254月限=ブレント原油6月限+65セント
プラッツドバイ原油20255月限=ブレント原油7月限+30セント

【4】本日28日(金)のプラッツドバイ原油の試算
アジア向け中東原油の「価格形成の構造とパターン」は強い。

28日(金)の為替「1ドル=150.05149.55149.05円」
本日28日(金)東京為替は「1ドル=149.55円」を中心相場に考えます。

28日(金)1228の試算
ICEブレント原油4月限 73.68ドル
ICE
ブレント原油5月限 73.24ドル
ICE
ブレント原油6月限 72.72ドル
ICE
ブレント原油7月限 72.24ドル で計算すると

ドバイ原油の試算
プラッツドバイ原油20252月限=73.683.0076.68ドル
プラッツドバイ原油20253月限=73.240.9474.18ドル
プラッツドバイ原油20254月限=72.720.6573.37ドル
プラッツドバイ原油20255月限=72.240.3072.54ドル

為替「1ドル=149.55円」で換算
プラッツドバイ原油20252月限76.68ドル 72,120
プラッツドバイ原油20253月限74.18ドル 69,770  +990
プラッツドバイ原油20254月限73.37ドル 69,010 +1,070
プラッツドバイ原油20255月限72.54ドル 68,230 +1,220

●為替(ドル円)
今朝の「日報」(為替)で記したこと。
本日221日(金)は「1ドル=150.15149.70149.25円」を想定します。

目安は、150.95150.60150.15149.70149.25
150.15149.70149.25」は、金利指標から見て下振れした水準です。

ドル円がなぜ、219日(水)から下振れしたのか?
日本銀行政策委員会審議委員の高田創が、宮城県金融経済懇談会でおこなった講演と記者会見が、ファンドの思惑を助長し、その策動を後押しした可能性が高い。

●アジア向け中東原油
221日(金)昼、1215分「1ドル=150.25円」で換算
ドバイ原油2月限79.21ドル74,850
ドバイ原油3月限76.78ドル72,550円 (+500円高)
ドバイ原油4月限75.79ドル71,620円 (+480円高)

【1】国際原油取引の指標=ICEブレント原油先物
ICEブレント原油期近「74ドル」サポートの基準。
すでにICEブレント原油先物の中心限月は2番限5月限に移行しています。

ブレント原油先物(ICE) 2025220日(木)      東京1730
限月      始値   高値   安値  帳入値  前日比 アジア終値
04月限 2025  76.04  77.15  75.72  76.48   +0.44   76.07
05月限 2025  75.68  76.71  75.36  76.05  +0.38   75.74
06月限 2025  75.26  76.26  74.96  75.61  +0.37   75.33
07月限 2025  74.82  75.81  74.53  75.19  +0.39   74.89
08月限 2025  74.39  75.33  74.09  74.75  +0.40   74.45
09月限 2025  73.95  74.85  73.66  74.30  +0.40   74.01
10月限 2025  73.54  74.39  73.24  73.87  +0.39   73.58
11月限 2025  73.11  73.95  72.85  73.47  +0.38   73.20
12月限 2025  72.82  73.63  72.51  73.11  +0.38   72.86

【2】アジア向け中東原油の指標=GMEオマーン原油先物
中東原油の需要が旺盛、その輸出価格が高い。
今週は再び、ブレント原油より上ザヤを拡大しています。
アジア向け中東原油の価格形成の構造とパターンが継続している。

アジア向け中東原油の価格指標
ガルフ・マーカンタイル取引所(GME)のオマーン原油先物の「マーカー・プライス」と プラッツ社によるドバイ原油のスポット価格の査定価格は、ほぼ同じ値段です。

国際原油取引の指標=ICEブレント原油との価格差
国際原油取引の指標=ICEブレント原油先物 期近20254月限
アジア向け中東原油のマーカー=GMEオマーン原油先物 期近20254月限

アジア査定時間=東京時間午後530分の「価格差」
日付    ブレント原油4月限  オマーン原油4月限   価格差
221日(金)    76.41      79.21      +2.80ドル
220日(木)    76.07      78.87      +2.80ドル
219日(水)    76.36      79.27      +2.91ドル
218日(火)    75.43      77.90      +2.47ドル
217日(月)    75.08      77.56      +2.48ドル

214日(金)    75.52      77.70      +2.18ドル
213日(木)    74.63      76.95      +2.32ドル
212日(水)    76.43      78.93      +2.50ドル
211日(火)    76.62      79.18      +2.56ドル
210日(月)    75.25      78.01      +2.76ドル

207日(金)    75.07      77.92      +2.85ドル
2
06日(木)    74.85      77.37      +2.52ドル
205日(水)    75.92      78.37      +2.45ドル
204日(火)    75.21      77.41      +2.20ドル
203日(月)    76.83      78.85      +2.02ドル

【3】本日221日(金)のプラッツドバイ原油
今週は再び、ブレント原油より上ザヤを拡大しているので、さらに上乗せします。
12:15の試算
ブレント原油4月限=76.41ドル
ブレント原油5月限=75.98ドル
ブレント原油6月限=75.54ドル

プラッツドバイ原油2月限=ICEブレント4月限+2ドル80セント」
プラッツドバイ原油3月限=ICEブレント5月限+80セント」
プラッツドバイ原油4月限=ICEブレント6月限+25セント」

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●ドバイ原油20252月限=「ブレント4月限+2ドル80セント」
ブレント原油4月限「76.41ドル+2.80ドル=ドバイ原油2月限79.21ドル

●ドバイ原油20253月限=「ブレント5月限+80セント」
ブレント原油4月限「75.98ドル0.80ドル=ドバイ原油2月限76.78ドル

●ドバイ原油20254月限=「ブレント6月限+25セント」
ブレント原油4月限75.54ドル」+0.25ドル=ドバイ原油2月限75.79ドル

--------------------------------------------------------------
221日(金)1215 「1ドル=150.25円」で換算
目安 150.95150.60150.15149.70149.25

ドバイ原油2月限79.21ドル74,850
ドバイ原油3月限76.78ドル72,550円 (+500円高)
ドバイ原油4月限75.79ドル71,620円 (+480円高)

アジア市況の査定時間は、東京時間午後5時~530分です。

「日本経済新聞」は28日(土)朝刊で次のように記した。
「米中の貿易戦争が景気減速につながるとの懸念から、足元の原油価格は202412月下旬以来の安値圏で推移している。」(25 商品)

本当だろうか?
当社の考えは、「日本経済新聞」とは逆です。
当社は、高いと考えています。

中東サワー原油の需要は旺盛。
アジア向け中東原油のマーカー原油、オマーン原油やドバイ原油が高い。
2025
年はトランプ大統領の拡張的な財政政策、関税引き上げを軸とした貿易政策が予期されているが、そういう中でも、ブレント原油(ICE)期近は「74ドル」以上で持続可能と考えています。

【1】中東原油、需要が旺盛で価格が高騰
中東原油の需要が旺盛で、価格も高いので、国際原油取引の指標であるブレント原油期近においても「74ドル」以上をささえることができると思います。

ガルフ・マーカンタイル取引所(GME)のオマーン原油で説明します。

国際原油取引の指標=ICEブレント原油先物 期近20254月限
アジア向け中東原油のマーカー=GMEオマーン原油先物 期近20254月限

アジア査定時間=東京時間午後530分の「価格差」
日付    ブレント原油4月限  オマーン原油4月限   価格差
210日(月)    74.78      77.63      +2.85ドル

207日(金)    75.07      77.92      +2.85ドル
2
06日(木)    74.85      77.37      +2.52ドル
205日(水)    75.92      78.37      +2.45ドル
204日(火)    75.21      77.41      +2.20ドル
203日(月)    76.83      78.85      +2.02ドル

アジア向け中東原油のマーカー原油(オマーン原油やドバイ原油のスポット価格)は、ブレント原油に対して上ザヤを拡大している。本日2月10日(月)も、オマーン原油、そしてドバイ原油当限は「ブレント原油4月限+2.85ドル」で推移すると思います。

本日10日(月)午前900の試算、1ドル=151.79円で換算
ドバイ原油2月限77.63ドル74,110
ドバイ原油3月限75.03ドル71,630+390円高)
ドバイ原油4月限73.94ドル70,590+460円高)

【2】国際原油取引の指標=ICEブレント原油先物
ブレント原油先物(ICE) 202527日(金)       東京1730
限月      始値   高値   安値  帳入値  前日比 アジア終値
04月限 2025  74.31  75.12  74.26  74.66   +0.37   75.07
05月限 2025  73.84  74.61  73.81  74.26  +0.42   74.58
06月限 2025  73.42  74.12  73.37  73.83  +0.44   74.09
07月限 2025  72.98  73.64  72.93  73.41  +0.46   73.62
08月限 2025  72.54  73.17  72.54  72.99  +0.47   73.13
09月限 2025  72.13  72.73  72.12  72.57  +0.46   72.69
10月限 2025  71.74  72.34  71.74  72.19  +0.45   72.31
11月限 2025  71.40  71.98  71.40  71.84  +0.45   71.93
12月限 2025  71.10  71.65  71.06  71.51  +0.43   71.60

ブレント原油先物(ICE) 202526日(木)       東京1730
限月      始値   高値   安値  帳入値  前日比 アジア終値
04
月限 2025  74.71  75.40  74.10  74.29   -0.32   74.85
05
月限 2025  74.17  74.84  73.67  73.84  -0.25   74.35
06
月限 2025  73.61  74.30  73.22  73.39  -0.15   73.81
07
月限 2025  73.12  73.77  72.75  72.95  -0.07   73.27
08
月限 2025  72.64  73.27  72.28  72.52  -0.02   72.80
09
月限 2025  72.16  72.81  71.85  72.11  +0.01   72.36
10
月限 2025  71.76  72.36  71.47  71.74  +0.05   71.97
11
月限 2025  71.39  71.99  71.13  71.39  +0.07   71.62
12
月限 2025  71.05  71.66  70.79  71.08  +0.10   71.26

【3】本日210日(月)のプラッツドバイ原油
・アジア原油市場の実質的な商いは午後3時以降です。
・アジア市況の査定時間は午後5時~530分。
・アジア向け中東サワー原油の需要は旺盛。価格も高い。
・サウジアラムコは3月調整項(OSP)を一段高に引き上げた。

●ドバイ原油20252月限=「ブレント4月限+2ドル85セント」
ブレント原油4月限「74.78ドル+2.85ドル=ドバイ原油2月限77.63ドル

●ドバイ原油20253月限=「ブレント5月限+66セント」
ブレント原油4月限「74.37ドル0.66ドル=ドバイ原油2月限75.03ドル

●ドバイ原油20254月限=「ブレント6月限」
ブレント原油4月限「73.94ドル」=ドバイ原油2月限73.94ドル

※本日10日(月)朝9時、「1ドル=151.79円」で換算
ドバイ原油2月限77.63ドル74,110
ドバイ原油3月限75.03ドル71,630円 (+390円高)
ドバイ原油4月限73.94ドル70,590円 (+460円高)
900の目安は+400円高あたり。

●本日27日(金)の為替(ドル円)
2
7日(金)「1ドル=152.50151.65150.80円」
今週の外為市場は、ドル円について、短期的思惑から建玉調整が急進展している。
そして、今夜22:30は「米雇用統計」発表です。
本日27日(金)に関して、レンジを「広く」想定します。
本日27日(金)の中心相場「151.65円」と予想して計算します。

米ドルの金利の相対的高さ、日本円の金利の低さは、2025年も構造的に続く。
しかし、市場の関心は、短期的な見通しや市況変動に集中する。
局面的に、市場人気が短期バイアスで一方向に織り込みすぎることがあります。
そういうときは、そのあとに調整があります。
われわれは包括的に、持続可能性という観点から検討して臨む必要がある。

2月原油相場
(ⅰ)アジア原油市場の実質的な商いは午後3時以降です。
(ⅱ)アジア原油市場の査定時間は午後5時~530分です。
(ⅲ)TOCOM(東京)は購入原油価格の基準ではない。
(ⅳ)アジア向け中東サワー原油が高い。
(ⅴ)サウジアラムコは3月調整を一段高に引き上げ
(ⅵ)プラッツドバイ原油当限2月限=「ブレント4月限+2ドル45セント」
(ⅶ)プラッツドバイ原油3月限=「ブレント原油5月限+41セント」

ブレント原油「74ドル以上」について、昨年9-12月相場で次のように説明してきた。
ブレント原油期近「7476」「7678ドル」のトレンドを前もって描くことはむずかしい。とても、やっかいな状況です。
2025年はトランプの拡張的な財政政策、関税引き上げを軸とした貿易政策が予期されている。ブレント原油期近「74ドル」以上は、2025年の不確実性と向き合って臨んでいかなければならない。
74ドル」以上は、不確実さや不透明さに耐えて、追求していくつもりです。

27日(金)の目安
午前11時の換算「1ドル=151.65円」
ドバイ原油20252月限77.05ドル」=73,490
ドバイ原油20253月限74.56ドル」=71,110-300円安)
ドバイ原油20254月限73.60ドル」=70,200-300円安)

【1】国際原油取引の指標=ICEブレント原油先物
ブレント原油先物(ICE) 202526日(木)      東京1730
限月      始値   高値   安値  帳入値  前日比 アジア終値
04
月限 2025  74.71  75.40  74.10  74.29   -0.32   74.85
05
月限 2025  74.17  74.84  73.67  73.84  -0.25   74.35
06
月限 2025  73.61  74.30  73.22  73.39  -0.15   73.81
07
月限 2025  73.12  73.77  72.75  72.95  -0.07   73.27
08
月限 2025  72.64  73.27  72.28  72.52  -0.02   72.80
09
月限 2025  72.16  72.81  71.85  72.11  +0.01   72.36
10
月限 2025  71.76  72.36  71.47  71.74  +0.05   71.97
11
月限 2025  71.39  71.99  71.13  71.39  +0.07   71.62
12
月限 2025  71.05  71.66  70.79  71.08  +0.10   71.26

【2】本日27日(金)のプラッツドバイ原油
・アジア原油市場の査定時間は午後5時~530分です。
・アジア向け中東サワー原油の需要は旺盛です。
・サウジアラムコは3月タームの調整項を一段高に引き上げた。

●ドバイ原油20252月限=「ブレント4月限+2ドル45セント」
ブレント原油4月限「74.60ドル+2.45ドル=ドバイ原油2月限77.05ドル

●ドバイ原油20253月限=「ブレント5月限+41セント」
ブレント原油4月限「74.15ドル0.41ドル=ドバイ原油2月限74.56ドル

●ドバイ原油20254月限=「ブレント6月限-10セント」
ブレント原油4月限「73.70ドル0.10ドル=ドバイ原油2月限73.60ドル

※午前11時の換算「1ドル=151.65円」
ドバイ原油20252月限77.05ドル73,490
ドバイ原油20253月限74.56ドル71,110-300円安)
ドバイ原油20254月限73.60ドル70,200-300円安)

朝の目安は-300円安あたりです。

20241217日以降、アジア・マーカー原油のスポット価格が上昇し、さらに本年(2025110日以降は中東サワー原油の需要増加によって一段高に高騰している。

サウジアラムコは2月6日(木)、アジア向け中東原油の高騰をふまえて、各国顧客に3月調整項の引き上げを通知した。

サウジ原油 アジア向け調整項
サウジ原油のアジア向け本船渡し価格(FOB)は「ドバイ原油およびオマーン原油の1カ月間の平均値」に対する「各油種の調整項」で表示される。
油種       12月積み   1月積み   2月積み   3月積み   前月比
スーパーライト  +2.45ドル 1.75ドル +2.25ドル 4.35ドル2.10ドル高
エキストラライト +1.50ドル +0.90ドル +1.50ドル 3.90ドル2.40ドル高
ライト      +1.70ドル +0.90ドル +1.50ドル 3.90ドル2.40ドル高
ミディアム    +0.95ドル +0.25ドル +0.75ドル 3.25ドル2.50ドル高
ヘビー      -0.20ドル -0.90ドル -0.50ドル 2.10ドル2.60ドル高

サウジ原油 西ヨーロッパ向け調整項
サウジ原油の北西ヨーロッパ向けは「ブレント原油(ICE)」に対する調整項で表示。
油種        12月積み   1月積み   2月積み   3月積み   前月比
エキストラライト +1.45ドル +0.35ドル +1.65ドル 4.85ドル3.20ドル高
ライト      -0.15ドル -1.25ドル 0.05ドル 3.25ドル3.20ドル高
ミディアム    -0.95ドル -2.05ドル -0.75ドル 2.45ドル3.20ドル高
ヘビー      -3.35ドル -4.45ドル -3.15ドル 0.05ドル3.20ドル高

サウジ原油 米国向け調整項
米国向けは「ASCI」(米メキシコ湾岸地域で取引されるマーズ、ポセイドンおよびサザン・グリーンキャニオン原油の平均値)に対する調整項で表示される。
油種        12月積み   1月積み   2月積み   3月積み   前月比
エキストラライト +6.05ドル +6.05ドル +5.75ドル 6.05ドル +0.30ドル高
ライト      +3.80ドル +3.80ドル +3.50ドル 3.80ドル +0.30ドル高
ミディアム    +4.10ドル +4.10ドル +3.70ドル 3.90ドル +0.20ドル高
ヘビー      +3.75ドル +3.75ドル +3.35ドル 3.45ドル +0.10ドル高

2月、月初の目安
(ⅰ)本年(20251月原油相場の特徴は、アジア向け中東原油の高騰。
(ⅱ)これは2月も継続する可能性が高い。
(ⅲ)プラッツドバイ原油期近2月限=「ブレント4月限+2ドル18セント」
(ⅳ)23日(月)の東京為替「1ドル=155.75155.25154.75円」

当社「日報」は、ブレント原油「74ドル以上」について、9-12月相場で次のように説明してきた。

ブレント原油期近「7476」「7678ドル」のトレンドを前もって描くことはむずかしい。とても、やっかいな状況です。
2025年はトランプの拡張的な財政政策、関税引き上げを軸とした貿易政策が予期されている。ブレント原油期近「74ドル」以上は、2025年の不確実性と向き合って臨んでいかなければならない。74ドル」以上は、不確実さや不透明さに耐えて、追求していくつもりです。

相場とか博打(ばくち)は「後から考え直した方が正しい」という保証はない。
最初に考えたことを追求します。

本日23日(月)の為替1ドル=155.75155.25154.75円」
1ドル=155.75円」で換算します。
ドバイ原油20252月限「78.28ドル」=76,680+440円高)
ドバイ原油20253月限「75.64ドル」=74,090+500円高)

【1】国際原油取引の指標=ICEブレント原油先物
ブレント原油先物(ICE) 202523日(月)
限月       始値   高値   安値  帳入値
04
月限 2025  76.12
05
月限 2025  75.35
06
月限 2025  74.64
07
月限 2025  74.11
08
月限 2025  73.62
09
月限 2025  73.13

ブレント原油先物(ICE) 2025131日(金)        東京1730
限月      始値   高値   安値  帳入値  前日比 アジア終値
04
月限 2025  76.12  76.50  75.16  75.67   -0.22   75.36
05
月限 2025  75.35  75.69  74.43  74.92  -0.20   74.59
06
月限 2025  74.64  74.96  73.78  74.24  -0.20   73.92
07
月限 2025  74.11  74.35  73.25  73.67  -0.20   73.37
08
月限 2025  73.62  73.84  72.81  73.17  -0.20   72.90
09
月限 2025  73.13  73.38  72.34  72.71  -0.20   72.47

【3】本日23日(月)のプラッツドバイ原油
アジア向け中東原油の査定時間は、東京時間午後530分です。
アジア向け中東サワー原油は高い。
プラッツドバイ原油期近2月限=「ブレント4月限+2ドル18セント」を目安にします。

●ドバイ原油20252月限=「ブレント4月限+2ドル18セント」
ICE
ブレント原油4月限と「プラッツドバイ原油」2月限の価格差は+2ドル18セント」で計算します。
ブレント原油4月限「76.10ドル+2.18ドル=ドバイ原油2月限78.28ドル

●ドバイ原油20253月限=「ブレント5月限+40セント」
ブレント原油4月限「75.24ドル0.40ドル=ドバイ原油2月限75.64ドル

本日23日(月)の為替「1ドル=155.75155.25154.75円」

1ドル=155.75円」で換算します。
朝の目安はこのあたりだろうと思います。
ドバイ原油20252月限78.28ドル76,680円 (+440円高)
ドバイ原油20253月限75.64ドル74,090円 (+500円高)

「日本経済新聞」など大手メディアは、アジア向け中東原油の高騰を報道しない。
「千年一日」の如く、「ニューヨーク原油(WTI)が・・・」と繰り返している。
しかし、
本年1月相場で最も重要なことはアジア向け中東原油の高騰です。

ドバイ原油1月限の1カ月間の平均値は80.41ドル」
12
月の月間平均値「73.234ドル」から +7.176ドル上昇した。

20251月査定価格とサウジ原油アジア向け輸出価格

20251月査定価格
20251月のプラッツ・ドバイ原油の平均値        80.410ドル +7.176
20251月のGMEオマーン原油マーカープライス平均値  80.255ドル +7.095
20251月のドバイおよびオマーン原油の平均値      80.332ドル +7.135

サウジ原油 20251月積み アジア向け輸出価格(FOB
油種            平均値    調整項   輸出価格(本船渡し)
アラブ・スーパーライト   80.332ドル + 1.75 82.082ドル  +6.435
アラブ・エキストラライト  80.332ドル + 0.90 81.232ドル  +6.535
アラブ・ライト       80.332ドル + 0.90 81.232ドル  +6.335
アラブ・ミディアム     80.332ドル + 0.25 80.582ドル  +6.435
アラブ・ヘビー       80.332ドル - 0.90 79.432ドル  +6.435

【比較】12月と対比
2024年12月から2025年1月は、アジア向け中東原油が高騰した。

202412月査定価格とサウジ原油アジア向け輸出価格
202412月査定価格
202412月のプラッツ・ドバイ原油の平均値        73.234ドル
202412月のGMEオマーン原油マーカープライス平均値  73.160ドル
202412月のドバイおよびオマーン原油の平均値      73.197ドル

サウジ原油 202412月積み アジア向け輸出価格(FOB
油種            平均値    調整項   輸出価格(本船渡し)
アラブ・スーパーライト   73.197ドル + 2.45 75.647ドル
アラブ・エキストラライト  73.197ドル + 1.50 74.697ドル
アラブ・ライト       73.197ドル + 1.70 74.897ドル
アラブ・ミディアム     73.197ドル + 0.95 74.147ドル
アラブ・ヘビー       73.197ドル - 0.20 72.997ドル

(ⅰ)原油CIF
財務省貿易統計 原油CIFは当社ウェブサイトで更新しました。

(ⅱ)ドバイ原油
本年1月相場の特徴は、アジア向け中東原油の高騰です。
プラッツドバイ原油当限1月限は本日131日(金)が最終取引日です。
ドバイ原油スポット価格(プラッツ社査定)の1カ月間の平均値は202412月=73.234ドル」から20251月=80.540ドル」に上昇する見込み。

それにもかかわらず、大手メディアは中東原油の高騰を伝えようとしない。
メディアはニューヨークWTIに執着し、アジア向け中東原油の高騰を無視する。

プラッツドバイ原油当限1月限は、ブレント原油期近3月限より「+4ドル」高い。
プラッツドバイ原油2月限は、ブレント4月限より「+2ドル18セント」高い。
1
29-30日が旧正月連休だったシンガポール市場は今日31日(金)から再開です。

(ⅲ)為替
本日131日(金)の東京為替1ドル=154.95154.45153.95円」見当。
米ドルの金利の相対的高さ、日本円の金利の低さは、2025年も構造的に続く。
市場が短期バイアスで一方向に織り込みすぎると、そのあと調整があると思います。

【1】国際原油取引の指標=ICEブレント原油先物
ICEブレント原油20253月限も、本日131日(金)が最終日(納会)です。

ブレント原油先物(ICE) 2025130日(木)      東京1730
限月      始値   高値   安値  帳入値  前日比 アジア終値
03月限 2025  76.77  77.63  76.00  76.87  +0.29   76.39
04月限 2025  75.76  76.60  74.98  75.89   +0.28   75.36
05月限 2025  74.96  75.76  74.21  75.12  +0.32   74.59
06月限 2025  74.32  75.04  73.55  74.44  +0.34   73.92
07月限 2025  73.60  74.43  73.02  73.87  +0.33   73.37
08月限 2025  73.11  73.89  72.57  73.37  +0.32   72.90
09月限 2025  72.67  73.40  72.13  72.91  +0.30   72.47

【2】アジア向け中東原油の高騰、GMEオマーン原油を記す
20251月の原油市場で、アジア向け中東原油が高騰。
但し、GMEオマーン原油期近は納会前に「内部要因主導」になることが多い。
GMEオマーン原油期近3月限は現在、月末納会を控えてブレント原油期近3月限より「+2.5ドル」高い。

ブレント原油とGMEオマーン原油の価格差
東京時間午後530旬のアジア査定価格
国際原油取引の指標=ICEブレント原油期近3月限
中東原油のアジア向け価格マーカー=GMEオマーン原油期近3月限マーカープライス
その動きと価格差を下に記します。

日付    ブレント原油3月限 オマーン原油3月限Marker Price 価格差
131日(金)    77.15       79.65
130日(木)    76.39        78.89       +2.50ドル
1
29日(水)    77.58        79.88       +2.30ドル
128日(火)    77.51        80.42       +2.91ドル
1
27日(月)    78.45        81.36       +2.91ドル

124日(金)    78.34        81.76       +3.42ドル
1
23日(木)    79.15        82.13       +2.98ドル
1
22日(水)    79.17        82.22       +3.05ドル
121日(火)    79.84        83.11       +3.27ドル
1
20日(月)    80.56        83.60       +3.04ドル

117日(金)    81.65       84.60       +2.95ドル
1
16日(木)    82.02       84.54       +2.52ドル
115日(水)    80.30       82.24       +1.94ドル
114日(火)    80.61       82.25       +1.64ドル
113日(月)    81.20       82.22       +1.02ドル

110日(金)    77.73       77.95       +0.22ドル
109日(木)    76.31       76.44       +0.13ドル
108日(水)    77.62       77.69       +0.07ドル
107日(火)    76.09       76.33       +0.24ドル
106日(月)    76.20       76.60       +0.40ドル

103日(金)    76.00       76.53       +0.53ドル
102日(木)    74.78       75.17       +0.39ドル

【3】本日31日(金)のプラッツドバイ原油
アジア向け中東サワー原油が高騰しており、プラッツドバイ原油当限1月限はブレント原油期近3月限より「+4ドル」高い。本日131日(金)のドバイ原油は下記価格を目安にします。

●ドバイ原油20251月限=「ブレント3月限+4ドル」
ICEブレント原油期近3月限と「プラッツドバイ原油」1月限の価格差について、本日31日(金)「+4ドル」を目安にします。
ブレント原油3月限「77.14ドル4ドル=ドバイ原油1月限81.14ドル

●ドバイ原油20252月限=「ブレント4月限+2ドル18セント」
ICE
ブレント原油4月限と「プラッツドバイ原油」2月限の価格差は+2ドル18セント」で計算します。
ブレント原油4月限「76.13ドル+2.18ドル=ドバイ原油2月限78.31ドル

●ドバイ原油20253月限=「ブレント5月限+20セント」
ブレント原油4月限「75.33ドル0.20ドル=ドバイ原油2月限75.53ドル

本日31日(金)の東京為替「1ドル=154.95154.45153.95円」
1ドル=154.10円」で換算します。
ドバイ原油20251月限81.14ドル= 78,640
ドバイ原油20252月限78.31ドル75,900円 (+220円高)
ドバイ原油20253月限75.53ドル73,200円 (+350円高)

朝の目安はこの程度だろうと思います。

【1】トランプ、OPECに 原油価格引き下げを要請
123日(木)の欧米原油先物は、トランプ大統領の発言に攪乱(かくらん)させられた。大手メディアの報道を抜粋します。
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2025123日(木)ブルームバーグ
トランプ米大統領がサウジアラビアと石油輸出国機構(OPEC)に原油価格引き下げを働き掛けると発言し、原油価格が下げに転じた。トランプは世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議)でオンライン演説し、「サウジとOPECに石油価格の引き下げを要請するつもりだ」と述べ、「引き下げないと駄目だ」と続けた。

2025123日(木)ロイター
トランプ米大統領は123日、スイス・ダボスで開催中の世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)にオンラインで参加し、サウジアラビアと石油輸出国機構(OPEC)に原油価格の引き下げを求める考えを示した。トランプは「原油価格が低下すれば、ロシア・ウクライナ戦争は直ちに終結する。現在の価格は戦争継続を可能にするほど高い水準にある。原油価格を引き下げる必要がある」とし、「とっくの昔にそうすべきだった。(原油価格の水準は)現在の事態にある程度の責任がある」と述べた。また、サウジに対し対米投資計画を当初の6000億ドルから1兆ドルに拡大するよう求める意向を示した。

NHKニュース
アメリカのトランプ大統領は123日、「原油価格が下がれば、ただちに金利の引き下げを要求する」と述べ、FRB=連邦準備制度理事会に対して、原油価格が下がった場合は利下げを要求する考えを示しました。金融政策を決めるFRBは独立性が重んじられる組織で、政治介入と受け取られる大統領の発言に波紋が広がりそうです。これは、アメリカのトランプ大統領が、123日、世界の政財界のトップが集まる「ダボス会議」にオンラインで参加し、みずからの考えを示したものです。

その後、トランプ大統領はホワイトハウスで記者団に対して「原油価格が下がればあらゆるものが安くなりインフレを抑えこむことができる。そうすれば自動的に金利も下がることになる」と述べ、公約に掲げてきたエネルギー価格の引き下げを実現すれば、結果として金利も引き下げられるという見方を示しました。そのうえで、トランプ大統領はFRBも耳を傾けるだろうという考えを示し、この件について「パウエル議長と適切なタイミングで話をする」と述べました。さらに「わたしは金融政策を決定する人々よりも金利についてはるかに理解している。わたしがFRBの政策に同意できない場合は、それを伝えるつもりだ」と述べました。
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当社は、無視します。
本年1月原油相場の特徴は、アジア向け中東サワー原油の高騰です。

【2】GMEオマーン原油を記します
シンガポール午後430分(東京時間午後530旬)のアジア査定価格
国際原油取引の指標=ICEブレント原油期近3月限
中東原油のアジア向け価格マーカー=GMEオマーン原油期近3月限マーカープライス
その価格差を記します。

GMEオマーン原油期近は、ブレント原油期近より+3ドル高い。

日付    ブレント原油3月限 オマーン原油3月限Marker Price 価格差
124日(金)    78.30       81.30
123日(木)    79.15        82.13       +2.98ドル
122日(水)    79.17        82.22       +3.05ドル
121日(火)    79.84        83.11       +3.27ドル
1
20日(月)    80.56        83.60       +3.04ドル

117日(金)    81.65       84.60       +2.95ドル
1
16日(木)    82.02       84.54       +2.52ドル
115日(水)    80.30       82.24       +1.94ドル
114日(火)    80.61       82.25       +1.64ドル
113日(月)    81.20       82.22       +1.02ドル

110日(金)    77.73       77.95       +0.22ドル
109日(木)    76.31       76.44       +0.13ドル
108日(水)    77.62       77.69       +0.07ドル
107日(火)    76.09       76.33       +0.24ドル
106日(月)    76.20       76.60       +0.40ドル

103日(金)    76.00       76.53       +0.53ドル
102日(木)    74.78       75.17       +0.39ドル

本日122日(水)の「日報」(石油)では、アジア向け中東原油の高騰について幾つかの要素があると思いますが、そのなかでロシア制裁からみのニュースを紹介します。

【1】アジア向け中東原油が高い
本日122日(水)のドバイ原油は下記価格を目安にします。

ドバイ原油20251月限=「ブレント3月限+3.40ドル」
ICEブレント原油期近3月限と「プラッツドバイ原油」当限1月限の価格差について、本日22日(水)は「+3ドル40セント」を目安にします。
ブレント原油3月限「79.30ドル3.40ドル=ドバイ原油1月限82.70ドル

ドバイ原油20252月限=「ブレント4月限+1ドル65セント」
ICE
ブレント原油4月限と「プラッツドバイ原油」2月限の価格差は+1ドル65セント」で計算します。
ブレント原油4月限「78.37ドル+1.65ドル=ドバイ原油2月限80.02ドル

ドバイ原油20253月限=「ブレント5月限+20セント」
ブレント原油4月限「77.60ドル0.20ドル=ドバイ原油2月限77.80ドル

122日(水)の為替1ドル=156.05155.65155.25円」
1ドル=155.90円」で換算します。
ドバイ原油20251月限82.70ドル81,090
ドバイ原油20252月限80.02ドル78,460+70円高)
ドバイ原油20253月限77.80ドル76,280+130円高)

【2】わかりやすくするため、GMEオマーン原油を記します
シンガポール午後430分(東京時間午後530旬)のアジア査定価格
国際原油取引の指標=ICEブレント原油期近3月限
中東原油のアジア向け価格マーカー=GMEオマーン原油期近3月限マーカープライス
その価格差を記します。

GMEオマーン原油期近は、ブレント原油期近より+3ドル以上高い。
● アジア向け中東原油の価格形成のパターンは 1月第4週も継続しています。

日付    ブレント原油3月限 オマーン原油3月限Marker Price 価格差
122日(水)    79.30       82.70
121日(火)    79.84        83.11       +3.27ドル
1
20日(月)    80.56        83.60       +3.04ドル

117日(金)    81.65       84.60       +2.95ドル
1
16日(木)    82.02       84.54       +2.52ドル
115日(水)    80.30       82.24       +1.94ドル
114日(火)    80.61       82.25       +1.64ドル
113日(月)    81.20       82.22       +1.02ドル

110日(金)    77.73       77.95       +0.22ドル
109日(木)    76.31       76.44       +0.13ドル
108日(水)    77.62       77.69       +0.07ドル
107日(火)    76.09       76.33       +0.24ドル
106日(月)    76.20       76.60       +0.40ドル

103日(金)    76.00       76.53       +0.53ドル
102日(木)    74.78       75.17       +0.39ドル

【3】米国による対ロシア制裁の要素について
20251月相場で、中東原油の高さが際立っている。
その要因のひとつに対ロシア制裁の強化がある。

当社でもそれをまとめてお伝えしようと考えたのですが、定量的な分析に必要なデータを持ち合わせていないので、ブルームバーグやロイターの報道をそのまま列挙して紹介することにします。

2025110日 ブルームバーグ
バイデン政権、ロシア石油業界に包括的な新制裁-取引の締め付け強化
米国はロシアの石油業界に対し、新たな包括的制裁を導入した。トランプ政権に交代した後に起こりえる和平交渉でウクライナが利用できる材料を増やそうと、退任間際のバイデン政権が土壇場で方法を模索している。

110日発表された新たな制裁は、ロシアの海上石油輸出の約3割を担う2社や、貨物輸送に関連する重要な保険会社や商社などが対象。さらに、これまでに成果を上げているタンカーに対する制裁を拡大した。制裁の主な標的である2社はガスプロム・ネフチとスルグトネフテガスで、英国も米国と歩調を合わせる。ブルームバーグがまとめたデータによると、2社は昨年1-10月に日量約97万バレルの石油を海上輸送で輸出し、同国全体の海上石油輸出の約30%を占めた。

米国はまた、20数社に及ぶ2社の子会社や180隻余りのタンカーについても制裁を科す。このタンカーの多くはロシアが制裁回避目的で編成した「シャドーフリート(影の船団)」に関連している。今回の措置により、欧州連合(EU)、英国、米国のいずれかの制裁対象となっている石油タンカーの数はほぼ倍に増える。これまでの制裁対象は135隻で、複数の地域でブラックリストの指定を受けているタンカーも多い。

主要な石油商社や油田サービス会社、保険会社、エネルギー当局者も制裁対象に含まれる。モスクワを拠点とする保険会社インゴスストラフへの制裁はとりわけ問題となりそうだ。同社は石油流出や衝突、海底ケーブル損傷など石油輸送に伴うリスクへの補償を提供しており、ウクライナ侵攻開始後に急増したロシア産石油のインド向け輸送でも大きな役割を果たしている。ブルームバーグおよびデンマークの非営利団体ダンウォッチが昨年10月に発表した調査は明らかにした。さらに、ロシア国営石油大手ロスネフチの海運部門ロスネフテフロートにも制裁が科せられる。ロスネフチ自身はこれまでに一定の制限の対象となっているものの、新たな制裁措置で特に名指しはされていない。

2025113日 ロイター
船舶追跡データによれば、新たな制裁以降、少なくとも65隻の石油タンカーが中国とロシアの沖合を含む複数の場所に停泊した。そのうち5隻は中国の港湾沖に停泊し、さらに7隻はシンガポール沖に停泊し、他の船はバルト海と極東のロシア近海に停泊した。

市場関係者によると、中国の石油精製大手ユーロン石油化学はこれまでロシア産原油を購入していたが、週末にはフランスのエネルギー大手トタルのトレーディング部門からアブダビ産原油400万バレルを購入した。トレーダーらによると、同社はここ数週間、アンゴラとブラジルの原油も購入しており、西アフリカとカナダからさらに原油を購入する協議を行っている。

現在、ロシアの海上石油輸出の60%以上は、世界第3位の石油輸入国および消費国であるインドに輸出されている。

インドも制裁対象のタンカーや企業との取引を停止しているが、2カ月の移行期間を設けており、当面のロシア産原油供給への影響は限定的とみられる。主要7カ国(G7)の価格上限を満たすためにロシアはインドにさらなる値引きを提供する可能性もあるという。

2025121日 ブルームバーグ
ロシアの海上原油輸出が大幅減少、バイデン政権の包括的制裁が効果
ロシアの先週の海上原油輸出は、約2カ月ぶりの大幅な減少となった。バイデン前米政権がロシアの石油業界に対して導入した包括的な制裁が、早くも効果を発揮しつつある。

ブルームバーグがまとめた船舶追跡データと港湾サービス関連業者の報告によると、119日までの1週間に輸出されたロシア産原油はタンカー26隻で合計1926万バレル。その前の週は27隻で合計2106万バレルだった。週ごとの変動をならした4週平均でも、1日当たりの輸出量は300万バレルを下回り、直近の1年4カ月ぶり低水準に近い値となった。

バイデン政権の制裁が発表されて以降、タンカーは進路を変更し、買い手はロシア以外に目を向け、ロシア極東のコズミノ港では制裁対象となっていない船舶が不足するなど、混乱の兆しが幾つか見られている。

制裁の影響は、ロシア極東でとりわけ強く表れそうだ。昨年10月初め以降に輸出された東シベリア・太平洋(ESPO)原油のおよそ75%は、今や制裁対象に指定された船舶で輸送されていた。サハリン沖の石油・天然ガス開発プロジェクト「サハリン1」、「サハリン2」で利用されていたシャトルタンカーも全て制裁対象となった。究極的には、トランプ新政権が制裁をどれほど厳格に執行するかに、ロシアの石油業界が被る影響は左右される。

インドは、バイデン政権が制裁を発表した110日以前に予約されたタンカーについては、制裁対象であっても米国が設定した猶予期間が終了する3月12日まで荷揚げを認めると発表。ただ、インドの製油会社はロシアが迂回(うかい)策を見つけるため、影響は一時的であるかもしれないとの認識を示している。トランプ政権が対ロシアで柔軟な姿勢をとるとの期待もある。

中国では110日以降にロシア産原油を積んだタンカーが、初めて荷揚げした。このタンカー「ザリフ・バイカル」は制裁発表の1日後に荷積みし、約70万トンのサハリンブレンド原油を江蘇省連雲港に輸送した。

米国による対ロシア制裁の強化によって、
中国やインドの代替原油需要=アジア向け中東原油の需要が拡大している。
アジア向け中東原油の高騰は、ロシア制裁がひとつの要因になっている可能性が高い。

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