【1】パナマ運河の通航制限と規制
パナマ運河の干ばつの影響が続いている。パナマ運河庁は船舶の通航量を削減している。運河庁は7月30日から、1日の通航を通常の38~40隻から32隻に削減していたが、11月3日から6日まで25隻に、11月の残りは24隻、12月は22隻と段階的に減らし、来年(2024)2月1日からは18隻にすると伝えられた。
太平洋と大西洋を結ぶ交通の要衝だが、パナマ運河の水源は運河中央部にある人造湖のガトゥン湖、パナマ運河は淡水で運営されている。ガトゥン湖から太平洋、大西洋へと続く水門(ロック)と水門で区切ったスペースの閘室(こうしつ)の中に水を閉じ込める。そのスペース内の水量を増減することで水位を上下させ船舶を通航させる。
パナマ運河は淡水で運営されており、そのガトゥン湖の水位が低下した。それは世界の主要な水路と異なっている。「パナマ運河のエレベーターと呼ばれる通航段階用の水として海水を利用することは、設備の不具合を起こす可能性もあり使用できない。」
パナマ運河は既に毎日の通航隻数を減少させているほか、喫水制限も実施。パナマ運河の通航料も値上げされており、早期通航のためにドライバルク船が通常支払う料金に比べ、オークションの実施などで値上げされているケースもあるとみられる。今週もオークションが伝えられていた。The Panama Canal, one of the world's main maritime trade routes, announced on Friday it is launching a special auction slot on Saturday, as it battles a severe drought that has forced it to reduce daily ship crossings.
【2】ブラジルの船混み、滞船
【3】穀物船の海上運賃上昇
11月相場で顕著のはバラ積み不定期船の海上運賃高騰。
鉄鉱石などを運搬する大型船のケープサイズだけでなく、パナマ運河の通航制限とブラジルの滞船でパナマックス、スプラマックスなども高い。とくに山水インデックス(米ガルフ-鹿島/志布志の穀物船指標)が高い。
Ocean
Freight Rate Estimates
山水インデックス
アメリカ穀物協会
スプラマックス パナマックス
日付 U.S.ガルフ-日本 U.S.ガルフ-日本 PNW-日本
11/30(2023) 77.00
11/22(2023) 73.00 Thanksgiving Day
11/16(2023) 61.00 57.00 29.50
11/09(2023) 57.00 56.00 29.00
11/02(2023) 55.00 56.00 28.75
10/26(2023) 56.00 57.00 29.50
10/19(2023) 57.00 57.00 29.75
10/12(2023) 53.50 57.00 30.00
10/05(2023) 55.00 57.50 30.50
09/28(2023) 57.50 57.50 30.50
09/21(2023) 59.00 57.50 30.50
09/14(2023) 57.50 56.00 30.00
09/07(2023) 54.50
08/31(2023) 51.50 53.50 28.50
08/24(2023) 51.00 52.00 27.50
08/17(2023) 50.00 51.25 27.50
08/10(2023) 48.00 48.00 26.00
08/03(2023) 42.50 46.50 26.00