2006年12月09日

続・家の断熱性能と冷暖房について

★ 家の断熱性能と冷暖房について(追補版)★

H.H.さんからお礼とともに追加の質問がメールできました。
そのメールの内容(青緑色)にボクが回答(黒色)を書き込む
かたちでお答えしたいと思います。

 ◆ ◆ ◆ ◆
 
   ナベさん

本当に丁寧なお返事をいただき、ありがとうございました! 
大変勉強になりました。今後いろいろ検討したいと思います。

お答えいただいた内容について、またまた質問があるのですが、
この場でさせていただいてよいのでしょうか。
それともブログの方に書き込んだ方がよいのか・・・・よくわかりま
せんでしたので取りあえずメールで書かせていただきます。

1.日射遮蔽への配慮という点について
具体的には庇やカーテンといったような事でしょうか?
他にどのような物がありますか?
ガラスをLow-Eにするという事も一つの対策と思われますので、
LDKの西面・南面にはLow-Eガラスを入れる予定ですが、家全体
の事を考えると2階の西面・南面(主寝室と子供部屋)にもLow-E
を入れた方が効果が高いでしょうか?


まず、Low−Eガラスには遮熱性能に優れているものと、そうで
ないものがあるので注意して下さい。
例えば日本板硝子では…
ペアマルチスーパーが断熱性。
ペアマルチレイボーグが断熱性+遮熱性+UVカット。
…というようにです。
どちらも一言で表現すればLow−Eガラスですが、日射遮蔽に
優れているのはもちろん後者なので確認してみて下さい。
(前者でも普通複層ガラスよりは遮熱効果があります。)
また、ガラスを変えるという意味では「ブラインド内蔵複層ガラス」
が最も効果が高いので予算が潤沢にあるなら、どうぞ。

さて日射遮蔽の具体的な手法ですが、以下のようになります。
1.窓などの開口部への外付けタイプ
  すだれ(日本古来の手法)
  ブラインドシャッターや雨戸(通風できる高機能なタイプ)
  オーニング(デッキなどによく使われるテントみたいな物)
2.窓など開口部への内付けタイプ
  レースやカーテン
  ロールスクリーン
  ブラインド
  障子
3.設計に係る手法
  屋根の軒の出や庇による計画的な日射遮蔽
  通気に配慮した屋根構造
  屋根材や外壁材の、日射反射率の高い材質や色の選択
4.その他の手法
  広葉樹による夏季限定の日射遮蔽
  芝生などによる窓前の照り返し防止
  よしず
  緑のカーテンと呼ばれる緑化による遮熱

…高機能ガラスにすることは日射遮蔽の一手段に過ぎません。
面倒が無くてよいし、効果も半永久的でしょうから高額なのも
当然かもしれませんが、対費用効果の点から他の選択肢も
あるのでよく検討なさって下さい。
また、2階の南西の窓に採用したほうが良いかどうかは軒の出
などの設計にも関係していますので単純にはお答えできません。


2.計画換気について
一応、24時間計画換気を入れることにはなっていますが、熱交換
式にまでする必要があるかどうか。あと建材選びについてですが、
これは業者任せになっていますが、木材の種類をリクエストしたり
するということでしょうか。


熱交換タイプの換気システムは、とても効率が良いように一般に
思われていますが、それなりに電気も消費しますし、カートリッジ
も高額だったりで、トータルのコストは必ずしも優れているとは
言い切れません。
兵庫という地域を考えるとシンプルな第3種換気でよいでしょう。

気密性を高めた家で、計画換気が正常に機能していない場合、
室内の空気が汚れやすく健康障害につながりやすいと言えます。
このことは換気を機械に頼りたくないということにも関係しますが
有害な化学物質が放散しにくい建材を選んでください。
ご自分でも色々な建材や木材に接してみて、業者さんとも相談の
うえで決めていけばよいと思います。


3.逆転結露対策
次世代にする場合の具体的な断熱材の種類などについては現在
照会中ですが、逆転結露対策というのは具体的には壁外通気と
防湿シートのようなものと考えて良いでしょうか。


断熱材がグラスウールやロックウールなどの調湿性の低いもの
を高温多湿の季節がある地域で採用する場合に必要で、発泡
プラスチック系などの場合は不要です。
外側の透湿防水紙と併せて、室内側に張ります。
単なるポリエチレンシートや一般的な透湿防水紙とは異なります
ので注意して下さい。


4.気密検査について
これは業者にリクエストするものでしょうか。それとも次世代省エネ
仕様で建てる場合は必ず行われるものでしょうか。


気密検査は建築基準法上の義務にはなっていないので、検査を
しなくてもかませんが、次世代省エネ基準にするぐらいなら、検査
するのは業界では一般常識になっている…ハズなのですが。


5.床暖房について
ナベさんの回答を見て床暖房の導入について再考しております。
まず床暖房の設置の仕方ですが、業者から提示されたのは
リビング13.4帖の中央6帖分ぐらいと、ダイニイングキッチン
16帖(リビングと つながっています)のダイニング部分(8帖ぐら
い?)の中央4帖分ぐらいです。キッチンには入っていません。
導入の仕方としてこれでよいのでしょうか。


めいっぱい敷設する必要はありませんが、もう少し面積を増や
す必要があるように思います。
また、キッチンは奥様の城ですからね(笑)ボクは必ず入れる
ようにお薦めしています。


最近では床面積のかなりの部分にまで床暖房を入れることが
できるとも聞いたことがあるので、この点はどうなのでしょうか。
また、暖房効果という意味でもこの程度で充分なものでしょうか。
それと床下断熱では・・・・という話がありましたが、床暖房にする
場合は基礎断熱にしないとコストがかかってしまうということでしょ
うか。


入れようと思えば入れられますが、その部分に家具などを置く
と、無駄になりますし、その部分が高温になってしまいます。
家具や熱に弱い電化製品の設置を考慮して壁から60センチ
程度話して敷設するケースが多いですね。
暖房効果は敷設面積が広いほど効率が良くなりますが、この
点と予算とのバランスを考えて決定するとよいでしょう。

基礎断熱に関しては、床下断熱はダメということではなく、しっ
かりとした断熱しないと効果が高まらないという意味です。
基礎断熱にしたところでいい加減な計画ではエネルギーの
損失につながるのは言うまでもないことです。


あと、冬場に床暖房をあまり使わないでいると流れている水が
凍ってしまって使えないことがあるとか聞いたことがありますが、
最近のものでもそんなことがあるのでしょうか。


申しわけありませんが、ボクはそのような話しは聞いたことが
ありません。躯体内の温度が0度以下になるというのは、よほど
の寒冷地だと思いますが…。
少なくとも熱源機には凍結防止のヒーターが付いていますので
留守中、家のブレーカーを落とすなどしなければ凍結することは
考えられません。


と、あつかましく追加で質問させていただきました。
本当に断熱関係の問題はいろんな人がいろんな事を言うので
混乱しているところがあります。中途半端になって効果が全く出
ないという事だけは避けたいですね。お金のかけ方を間違わない
ようにしたいというところです。

長々と失礼いたしました。
急ぎませんのでご返答いただけると幸いです。

H.H.


◆  ◆ ◆ ◆

項目ごとでは簡単な回答になってしまいましたが…
これ以上はまた次回にお願いします(…^^;)

それではH邸が快適な温熱環境の家になることをお祈りして!

ナベ


Posted by showroom_chousatai at 20:03│Comments(0)TrackBack(1)

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ヤフーで上位表示する事がインターネットビジネスで勝つ【アクセスアップ】at 2006年12月12日 08:18