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前回の質問の答えがわかった人はここからの話が
本当の無駄になりますので読まないでくださいね


炭酸

空気中の二酸化炭素は一部が水に溶けます
この溶ける量は空気中のCO2の分圧に比例します(ヘンリーの法則
わかりやすく言えば、CO2の割合が多いほど、圧力が高いほど
それに比例して溶けるCO2は増えるのです

(余談です
「水質4 海水のpHを変えるもの」でも書いたように
水槽のpHが低いときは空気中のCO2濃度が高いのが原因である場合がほとんどです
室内のCO2濃度が上がればCO2の分圧も上がり比例して水に溶ける量も増えるからです
もしCO2以外で何かH+イオンが増える要因があったとしても
それは海水の強い緩衝作用によりほとんどが打ち消されてしまいます
ですからアルカリ度(KH)が正常であれば他にpHが下がる理由は考えにくいです
もし他に理由があるとするならば
生体の量が多すぎて呼吸のためCO2を大量に発生させている
Caリアクターの調整が悪い
ぐらいでしょう)

Caリアクターの場合はリアクター内の気体はほぼCO2ですから
溶ける量は圧力に依存します

さて
水に溶けたCO2の一部は水中で遊離二酸化炭素としてCO2のまま残りますが
一部は水分子と結合して炭酸になります

CO2+H2O←→H2CO3

この炭酸は海水中では多くが解離してH+とHCO3-のイオンとして存在します

H2CO3←→H++HCO3-

ここでH+イオンが生じるので水素イオン濃度が上昇
つまりpHが下がるのです

pHが下がりH+イオンが増えたとき、下の反応が起こります

CO3--+H+→HCO3-

CO3--イオンが減ってしまうんです
ですからそこに炭酸カルシウムがある場合これが解離してCO3--を補います

CaCO3→Ca+++CO3--

炭酸カルシウムが溶けてCaイオンを増やすのです

(余談です
あれっ?それはおかしいだろ?そんな単純にはいかないだろ?
って疑問に思った方
あなたはよく理解されてます!
そうなんです!
そんな単純な話ではないんです
なぜならば炭酸が増えたことによりH+以外にもHCO3-イオンが増え以下の反応が起こるからです
HCO3-→H++CO3--
つまりCO3--が増えるんです
これだとCO3--イオンが減ってCaCO3が解離して補う説明が成り立たなくなってしまいます
ここで考えてほしいのが平衡です
HCO3-←→H++CO3--
この反応は可逆反応でどちらの反応も同時に起こっています
確かにHCO3-→H++CO3--の反応は増えるのですが
H+が増えたことによりそれ以上にH++CO3--→HCO3-の反応が増えるんです
ですからどちらの反応も増えるのですが相殺しあって結局は
H++CO3--→HCO3-の反応が勝りCO3--が減ってしまうんです)

もう説明の必要もないと思いますが炭酸以外の酸でCaCO3を解離させた場合を考えてみましょう
確かにpH低下(H+イオンが増える)ことによりCaCO3は解離します
しかしここで増えた多くのH+イオンは海水の緩衝作用により消費されます
H++HCO3-→H2O+CO2
ですからCa濃度は上がるもののHCO3-イオンは減り
アルカリ度(KH)は下がってしまうんです

炭酸でpHを下げた場合も同様に増えたH+に緩衝作用が働き
H++HCO3-→H2O+CO2の反応が増えます
しかしそれ以上にCO2増加により
逆のCO2+H2O→H++HCO3-の反応が起こっているので
トータルとして見ればHCO3-イオン濃度は増え
アルカリ度(KH)は上がります

CaCO3を解離させCaイオンを増やし、なおかつアルカリ度(KH)も上げるには
炭酸を使う以外の方法はありません

リアクタ内でpH低下した水はその多くのCO2が遊離二酸化炭素として存在します
それが水槽内に出て圧力が下がるとと空気中のCO2濃度は低いですから
すぐに水から空気中に出ていきます
炭酸水が泡立つ状態を想像してください
そしてCa、HCO3-イオンは増えたままなので水槽のKHとpHは上がります

(排水の遊離二酸化炭素が減るとCO2+H2O→H++HCO3-は減り
H++HCO3-→H2O+CO2の緩衝作用が働きH+が減りpHは上昇します
しかしHCO3-も減るのでアルカリ度も下がってしまします
もしCaCO3が溶けていないなら時間はかかりますがH+,HCO3-濃度ともに
元通りになってしまします
しかしCaCO3の解離によりCO3--イオンが増えこれも緩衝作用があり
CO3--+H+→HCO3-の反応も起こります
ですからCaCO3が解離した分だけHCO3-濃度は上がります
これによりCa濃度とアルカリ度はバランス良く上昇します
Caリアクタを使っていればアルカリ度(KH)を測るだけでCaは測定しなくてもいい
と言われるのはこれが理由です)


狩人式ドライリアクター

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これ何だかわかりますか?
見てのとおりの・・・
パスタケースです(笑)

このパスタケースが家のCaリアクタなんです!
こんな物でちゃんと機能するのかよ?
って疑問に思う人もいると思いますが
家の総水量700Lのタンクはもう5年以上このリアクタで維持しています

原理は狩人さんが考えた物です
http://masax.blog.eonet.jp/default/2007/10/post-bdb5.html
詳しい原理、性能、作り方は狩人さんのブログに書かれてますので
興味のある人は是非そちらを読んでください

簡単に説明するとケースの中の半分以上がCO2で満たされています
そこにポタポタと海水を落とすと一気にCO2によりpHが下がり
その水滴がCaメディアを伝わるようにゆっくり流れていくので
とても効率的にメディアを溶かしてくれます

これだと効率的に溶かすためにコンパクトになりますし
中は気体が多いのでとても軽いです
メインポンプからの分岐で海水を入れればポンプも必要ありません
(私は給餌の時とかにしょっちゅうメインポンプを止めますので
パワーヘッド(エーハイムコンパクト600)を使って注水しています)

できるだけメディアを溶かしたいと思いセカンドステージ(同じパスタケース)を付けていますが
メディアが減るのは1stステージばかりで2ndの方は全く減りません
ですから2ndは必要ないと思います

作り方
パスタケースの蓋の部分の穴を2つ開けそこにエアチューブジョイントを差し込み
接着剤で固定します
1つは海水を入れるため、もう1つはCO2を入れるためです
それからパスタケースの下部にも穴を開けここにもエアチューブジョイントを固定
これは排水用です
排水チューブに園芸用のニミコックを流量調整のために付けます
コック
これで出来上がり

製作時間は10分ほど
前に淡水水草水槽の使っていたCO2ミニレギュレイタを持っていたので
費用は2000円ぐらいだったと思います

ちなみにうこんさんが作ったのがこれ
http://ukonsea.blog3.fc2.com/blog-entry-81.html

工作技術、こだわりが私とは全く違う

とにかく安いし高性能だし調整もとても簡単です
だまされたと思って作ってみてください!

一度使えば市販品のリアクターを使うのが馬鹿らしく思えますから(笑)

さて次回はCaリアクターの調整について独り言したいと思います
皆さんが大好きな難しい話になりようです(^^;