ぼくらの育てた野菜は基本的には首都圏のCOOPやごひいきにしてくださっている方々への直接宅配などで出荷しているのですが、1軒だけカフェにも出荷させていただいています。成田山新勝寺の参道にあるEASY LIFE CAFEというお店がそれなのですが、このカフェはオーストラリア帰りの若いご夫婦(日本人)で経営されていて、地元成田の無農薬・減農薬野菜やお米を使用した料理とこだわりのコーヒーがいただけます。料理に使用されているだけでなく、野菜の販売もしているので近くに立ち寄った際はのぞいていただけるとうれしいです!
ところでそのEASY LIFE CAFEさんとのご縁もあって、千葉県北総地域の情報誌『ロコル』から取材を受けることになりました。大学時代はガイドブック製作などに携わっていたこともあり、色々な人に取材したりしていたのですが、逆にこうやってインタビューされるというのはなかなかワクワクします。ところがインタビューの前に、先行してもらったいくつかの質問を聞いて、少したじろいでしまいました。それは、
「どんな思いを持って野菜をつくっていますか」
という質問でした。
「安心・安全で消費者の方に喜ばれたいと思って、」
「旬のおいしい野菜を、」
「安くてお求め安い価格でたくさん野菜を食べてもらいたい、」
少しも考えずに単純にぱっと浮かんでくるこれらの紋切り型のセリフは、今の自分にはどれもしっくりとこないことに気が付き、心がざわつきます。安全な野菜を安心して食べてもらいたい、そういう思いはなくはありません。だけど…。きれいごとを並べるのはすごく簡単で、もしかするとインタビュアーの方もそういう言葉を期待しているのではないかと思えてなりません。だけど正直言って、今の自分の気持ちの真ん中はそこに落ち着いてはいないのです。
なんのための農業なのか、
誰のための野菜なのか、
どこに向かっているのか、
そういう自分にとっての筋がいまだしっかり通っているとはいえず、絶えずグラグラ、ザワザワしているのが本音です。これは農業を始めてから12ヶ月経ってみて、余計にまとまりません。これまでにたまたま取材を受けたことが何度かありましたが、そのときはペラペラと何の疑問もなく希望を語っていたような気がします。
今になってみて、改めて上記の問いの前に立ち止まっています。
2010年03月
諸説ありすぎて
3月に入ったというのに雨ばかり。オリンピックも終わってしまい、早く帰れるときは割り切って映画なんぞを見ています。昨年は年間で6本しか見れなかったのに今年は2月から3月にかけて4本も見てしまいました。勤め人からみると相当に怠惰な感じですが、晴耕雨読の百姓(見習い)ということで許してください…。
さてさて、春目前のこの時期は、先月撒いておいた葉物(サラダ菜、レタス、サニーレタス、キャベツ)の定植や播種などが盛りだくさんで少ない晴れ間をみつけては猛烈に作業をしています。外に直接撒く大根、カブ、ちんげん菜、ほうれん草、小松菜はそれこそ2日間くらい晴れて畑が乾いた頃に行い、育苗ハウスの中で撒くナス、ピーマン、伏見甘長、トマト、セロリ、スイカなどは雨や畑が乾いていないときなどに行います。
この種まき、単純に種をまくという行為に変わりはないのですが、失敗すると、もうそこで一年が終了してしまうというほど重要な仕事のため、まずは芽を確実にださせ、丈夫な苗を作るということを念頭において作業します。
この一見単純な種まきですが、農家さんの数だけ方法論があるというくらい様々で、誰かに聞くたびに違う答えが返ってきます。例えば、トレーに撒くまではいいのですが、その後に乾燥防止用に濡れた新聞紙をベタがけし、芽が動いてきたらすぐにはずすという農家さんと、断熱シートを芽が1〜2?動くまでかぶせ続けろという農家さんがいたりします。また、温度調節の方法としてハウスを開ける、ハウス内のビニールトンネルを開ける、断熱シートをトンネルの上からかぶせる、かぶせない、トンネルのすそはぴったり塞ぐ、塞がない、などなど要は温度、光、水分の管理を作物が喜ぶようにするということだけなのですが、数十年来の経験者の話を聞くと逆によくわからなくなったりします。「普通、そうはやらねえなぁ」なんて見せるたびに言われてる感じです。
どれも間違いではない、だけど全部ミックスすると確実に失敗する。そんな危険性を感じながら情報の取捨選択をしているのですが、いまだイマイチ本質をつかみ切れておらず、どういうわけか苗が死んでしまったり、ヒョロヒョロの軟弱な苗になってしまったりと失敗を重ねています。
今夜は冷えるようなので断熱シートをかぶせましたが明日の朝どうなっているのやら…。毎日そんな風に、正しい行いを求めて試行錯誤しています。
さてさて、春目前のこの時期は、先月撒いておいた葉物(サラダ菜、レタス、サニーレタス、キャベツ)の定植や播種などが盛りだくさんで少ない晴れ間をみつけては猛烈に作業をしています。外に直接撒く大根、カブ、ちんげん菜、ほうれん草、小松菜はそれこそ2日間くらい晴れて畑が乾いた頃に行い、育苗ハウスの中で撒くナス、ピーマン、伏見甘長、トマト、セロリ、スイカなどは雨や畑が乾いていないときなどに行います。
この種まき、単純に種をまくという行為に変わりはないのですが、失敗すると、もうそこで一年が終了してしまうというほど重要な仕事のため、まずは芽を確実にださせ、丈夫な苗を作るということを念頭において作業します。
この一見単純な種まきですが、農家さんの数だけ方法論があるというくらい様々で、誰かに聞くたびに違う答えが返ってきます。例えば、トレーに撒くまではいいのですが、その後に乾燥防止用に濡れた新聞紙をベタがけし、芽が動いてきたらすぐにはずすという農家さんと、断熱シートを芽が1〜2?動くまでかぶせ続けろという農家さんがいたりします。また、温度調節の方法としてハウスを開ける、ハウス内のビニールトンネルを開ける、断熱シートをトンネルの上からかぶせる、かぶせない、トンネルのすそはぴったり塞ぐ、塞がない、などなど要は温度、光、水分の管理を作物が喜ぶようにするということだけなのですが、数十年来の経験者の話を聞くと逆によくわからなくなったりします。「普通、そうはやらねえなぁ」なんて見せるたびに言われてる感じです。
どれも間違いではない、だけど全部ミックスすると確実に失敗する。そんな危険性を感じながら情報の取捨選択をしているのですが、いまだイマイチ本質をつかみ切れておらず、どういうわけか苗が死んでしまったり、ヒョロヒョロの軟弱な苗になってしまったりと失敗を重ねています。
今夜は冷えるようなので断熱シートをかぶせましたが明日の朝どうなっているのやら…。毎日そんな風に、正しい行いを求めて試行錯誤しています。