やさいのいぶき〜有機農園 けのひの日常〜

脱サラ夫婦が神奈川県愛川町で新しく農業をはじめた日常を綴る。畑と食卓、畑と街、畑と社会を繋いでいきます。

2010年05月

出産をチャンスと捉え、普段なかなか行くことのない、ふるさとの愛川町に立ち寄って農業委員会を訪ねました。使ってない農地はありませんか、という具合に。

今まで栃木や三浦で農地探しをしたことがあるのですが、そのときの経験からだいたいどんな反応を示されるかわかっていたのですが、やはり今回も同じようなものでした。

「どこの馬の骨かもわからない人に土地は貸せない」

もう、本当にごもっともな話ですね。十分納得しています。ですが今回は自分の地元だということ、両親が健在で今もこの町に住んでいることを伝えると、ほんの少しは信用してくれたのか、色々と説明をしてくださった上、農地の案内までしてくれました。そして4月から移住してきた若手の新規就農者さんも紹介してくださり、有意義な時間を過ごすことができました。

本気でここで農業をやりたいならば、あなたの履歴・職歴、自己PR、農業の展望・想いなどの資料を送ってプレゼンをしてくれということになり、ひとまず辞したわけなのですが、住居について、物置についてなどなど、立ちはだかるハードルはいくつもあります。中でも一番の問題は妻が都心の会社まで通えるかどうかということ。愛川町は陸の孤島と揶揄されるくらい交通の便が悪く、朝の混む時間帯は駅までバスで1時間弱もかかります。そこから1時間半から2時間の電車通勤。とても通える距離ではありません。

ふるさとに帰って農業というと結構いい響きなのですが、現実問題、かなり難しいような気もしています。ただ、農業だけでなく、町興しというもう一つの野望を考えるなら、やっぱりふるさとなんでしょうね。世間から見ると、いわゆるUターンとなるのか、デモドリとなるのか。窮屈な想像も少しはしてしまいます。

先日、娘が生まれました。夜中になって産気づいたとの連絡が入り、飛び起きて高速をぶっとばすこと2時間。何とか出産に立ち会うことができました。頑張ってる妻を励まして、元気な産声を聞いて、とてもいい出産だったと思います。これで宝物2つ。幸せモンです。

出産を終え、独りで再び成田に。出産直後の子育ての大変さや赤ん坊のかわいさを知っているだけに、この時期に何にもできないもどかしさ、悔しさを感じています。また、連休に入った息子をどこに連れて行ってやるでもなく、元気に遊んでるかなぁと想像するだけというのもなかなか残念なものです。親が好き勝手やってるわけなので、子どもに一方的にかわいそうな思いをさせてしまっている現状を、出来る限り改善してやらなければなりませんね。

夢、というとあまりにも漠然としている上、甘美な響きがありますが、ぼくの場合はやるべきこと、となるでしょうか。やるべきことをやろうとするとやはりいくらかの犠牲を必要とするのでしょう。犠牲というと大げさかもしれませんが、やっぱりある程度失っているものもあるんだなということも実感しています。まずは、家族揃って暮らす日がとても楽しみです。

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